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22.告白
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ジョンさんから、宿屋を出る前に小さなメモを渡された。
こそっと見ると〈ルカは連れて来ないでほしい〉と書いてあった。
ルカには聞かせたくない話なのだろうか?
ルカには、セラさんと大事な話があるから、と部屋に残ってもらった。『外食ずるい』と言われたが、なんとか納得してもらった。
待ち合わせのスズラン亭へ行くと、帰ったはずのアルとロイ、ジョンさん、セラさんが待っていた。
「ルーナ、お疲れ様。」
「お疲れ様です!ルーナさん。」
「思ったより早かったな。」
ロイが、いち早く声をかけ、他の皆んなも声をかけてくれた。
「皆さん一緒なんですね!……ルカを連れて来ないでほしいと書いてあったんですが……。アル、帰ったんじゃなかったの?」
そう言いながら、空いていた一番手前の席へ座った。
「ジョンさんから念話で、ルーナのことで話があるから、ここに来てほしいって連絡があって。」
「……。」
「ルーナちゃん、いらっしゃい!何にする?」
私の沈黙を破るように、レジーおじさんに声をかけられ、とりあえず注文をした。
ジョンさんが防音魔法をかけ、口を開いた。
「早速本題なんですが……実は、ルカとの〈契約解除〉の方法を見つけました。」
「会うたびに力が強くなっていると、この前言いましたよね?……一刻も早く契約を破棄して、離れた方がいいと思います。」
ロイが真剣な顔をして言った。
「私は まだ姿を見ていませんが、ルーナさんの肩に乗っていたのは、わかりました。話には聞いていましたが、一刻も早く対処すべきだと思います!ルーナさんの魔力を奪ってるなんて許せません!!」
ぐっと拳を握るセラさんは本当に心配してくれているようだ。
「えっと……みんな、心配してくれるのは嬉しいんですが……私はルカといるの、意外と好きで。力が戻ったら、悪さをしないようにお願いして、ルカの意思で解除してもらえたらと思ってます。」
「……もし、解除しないと言ったら?」
「そうですよ!伝説のドラゴンですよ!?絶対、悪さするに決まってます!!」
ロイとセラさんは、そう言うけれど……
「セラさんもルカに会ったら、悪いドラゴンじゃないって、わかると思います。」
「……。」
「とりあえず、解除方法だけでも聞いたら?」
アルも解除してほしいみたいだ。どうしよう……
「じゃぁ話だけでも……」
「まだ地図には記されていないけど、ダンジョンの五階層に『契約の間』と言う場所が新たに発見された。アイテム無しで契約が出来る魔法陣があるんだが、逆に解除も出来るらしい。」
「五階層……。」
私一人じゃ 一階層しか行けないのに、足でまといになるはずだ。それにルカを裏切るようで……。
「ごめんなさい。『ルカの力が戻る前に』というのも わかってはいるんですが……。もう少し考えさせてください。」
そう言って、一旦その話は終わった。その後はセラさんの話や、アルがS級冒険者へ昇級した話を聞き、遅くまで飲んでしまった。
◇◇◇◇
自分の部屋に戻ると、しんとして誰も居ないような静けさだった。
「ルカ?寝てるの……?」
見ると、ルカは先に布団へと入っていた。
ほっとしつつ、私もお風呂と寝る準備を済ませ、横になった。
目が覚めると、背中に温かい温もりを感じる。
体が痺れたように動かない……まだ夢を見ているのだろうか?昨日、飲み過ぎたせい?
「!?」
ビクッと体が強張る。
振り向くと、隣に知らない男が寝ていた……。褐色の肌、襟足の長い黒い髪、整った顔立ち、……極め付けは上半身 裸だ。がっしりとした筋肉をしている。自分がパジャマを着ていることが救いかもしれない。
……誰?!と動こうと思った瞬間、正面から優しく抱きしめられた。
「!!」
声をあげようとしたが、その男の左手によって塞がれた。
「ルーナ。俺だ。わかるだろ?」
……?じっと見つめられ、はっとした。隣で寝ていたのはルカだ。声も似ている。瞳の色も同じ黒色。でも、目の前にいるのはドラゴンではなく、『人』だ。しかし、いつも『我』と言っていたのに、『俺』と言ったのが少々引っ掛かりはしたものの、うんうん、と頷いてみせた。
「……ルカ?」
口元から手が離され、名前を呼んだ。
「思ったより早く、この姿になれた。
それより、帰りが遅かったな。……あいつらに何を言われた?」
「え……?」
人の姿になれるなんて、聞いてない!!!
そして昨日のことを思い出し、汗が滲む。
……契約を解除しようと提案されたことを言うべきだろうか?
「べ、別に。たまには友達と飲んだっていいでしょ?」
なんだろう……この彼氏に言い訳をする彼女的な会話は。
言った後で後悔した。起き上がろうとしたが、左手を引っ張られ、ベッドに押し倒された。
「よくない。人間相手に こんな気持ちになるなんて……。」
「?」
「俺は、お前が好きだ。」
こそっと見ると〈ルカは連れて来ないでほしい〉と書いてあった。
ルカには聞かせたくない話なのだろうか?
ルカには、セラさんと大事な話があるから、と部屋に残ってもらった。『外食ずるい』と言われたが、なんとか納得してもらった。
待ち合わせのスズラン亭へ行くと、帰ったはずのアルとロイ、ジョンさん、セラさんが待っていた。
「ルーナ、お疲れ様。」
「お疲れ様です!ルーナさん。」
「思ったより早かったな。」
ロイが、いち早く声をかけ、他の皆んなも声をかけてくれた。
「皆さん一緒なんですね!……ルカを連れて来ないでほしいと書いてあったんですが……。アル、帰ったんじゃなかったの?」
そう言いながら、空いていた一番手前の席へ座った。
「ジョンさんから念話で、ルーナのことで話があるから、ここに来てほしいって連絡があって。」
「……。」
「ルーナちゃん、いらっしゃい!何にする?」
私の沈黙を破るように、レジーおじさんに声をかけられ、とりあえず注文をした。
ジョンさんが防音魔法をかけ、口を開いた。
「早速本題なんですが……実は、ルカとの〈契約解除〉の方法を見つけました。」
「会うたびに力が強くなっていると、この前言いましたよね?……一刻も早く契約を破棄して、離れた方がいいと思います。」
ロイが真剣な顔をして言った。
「私は まだ姿を見ていませんが、ルーナさんの肩に乗っていたのは、わかりました。話には聞いていましたが、一刻も早く対処すべきだと思います!ルーナさんの魔力を奪ってるなんて許せません!!」
ぐっと拳を握るセラさんは本当に心配してくれているようだ。
「えっと……みんな、心配してくれるのは嬉しいんですが……私はルカといるの、意外と好きで。力が戻ったら、悪さをしないようにお願いして、ルカの意思で解除してもらえたらと思ってます。」
「……もし、解除しないと言ったら?」
「そうですよ!伝説のドラゴンですよ!?絶対、悪さするに決まってます!!」
ロイとセラさんは、そう言うけれど……
「セラさんもルカに会ったら、悪いドラゴンじゃないって、わかると思います。」
「……。」
「とりあえず、解除方法だけでも聞いたら?」
アルも解除してほしいみたいだ。どうしよう……
「じゃぁ話だけでも……」
「まだ地図には記されていないけど、ダンジョンの五階層に『契約の間』と言う場所が新たに発見された。アイテム無しで契約が出来る魔法陣があるんだが、逆に解除も出来るらしい。」
「五階層……。」
私一人じゃ 一階層しか行けないのに、足でまといになるはずだ。それにルカを裏切るようで……。
「ごめんなさい。『ルカの力が戻る前に』というのも わかってはいるんですが……。もう少し考えさせてください。」
そう言って、一旦その話は終わった。その後はセラさんの話や、アルがS級冒険者へ昇級した話を聞き、遅くまで飲んでしまった。
◇◇◇◇
自分の部屋に戻ると、しんとして誰も居ないような静けさだった。
「ルカ?寝てるの……?」
見ると、ルカは先に布団へと入っていた。
ほっとしつつ、私もお風呂と寝る準備を済ませ、横になった。
目が覚めると、背中に温かい温もりを感じる。
体が痺れたように動かない……まだ夢を見ているのだろうか?昨日、飲み過ぎたせい?
「!?」
ビクッと体が強張る。
振り向くと、隣に知らない男が寝ていた……。褐色の肌、襟足の長い黒い髪、整った顔立ち、……極め付けは上半身 裸だ。がっしりとした筋肉をしている。自分がパジャマを着ていることが救いかもしれない。
……誰?!と動こうと思った瞬間、正面から優しく抱きしめられた。
「!!」
声をあげようとしたが、その男の左手によって塞がれた。
「ルーナ。俺だ。わかるだろ?」
……?じっと見つめられ、はっとした。隣で寝ていたのはルカだ。声も似ている。瞳の色も同じ黒色。でも、目の前にいるのはドラゴンではなく、『人』だ。しかし、いつも『我』と言っていたのに、『俺』と言ったのが少々引っ掛かりはしたものの、うんうん、と頷いてみせた。
「……ルカ?」
口元から手が離され、名前を呼んだ。
「思ったより早く、この姿になれた。
それより、帰りが遅かったな。……あいつらに何を言われた?」
「え……?」
人の姿になれるなんて、聞いてない!!!
そして昨日のことを思い出し、汗が滲む。
……契約を解除しようと提案されたことを言うべきだろうか?
「べ、別に。たまには友達と飲んだっていいでしょ?」
なんだろう……この彼氏に言い訳をする彼女的な会話は。
言った後で後悔した。起き上がろうとしたが、左手を引っ張られ、ベッドに押し倒された。
「よくない。人間相手に こんな気持ちになるなんて……。」
「?」
「俺は、お前が好きだ。」
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