15 / 31
守りたい
しおりを挟む
アレクセイとコーネリアは悶々とした一夜を明かした。朝食時も二人は別々の部屋に案内され、昨夜の余韻を楽しむ余裕もなかった。
二人とも表向きは納得するしかなかった。内心ではもっと一緒にいたいのだが、アレクセイの事情がそうできない。
物足りないもどかしさを感じながら、コーネリアは実家のオルフェ家に帰った。同じ馬車には乗れないアレクセイは、護衛の私兵らに混ざってコーネリアに付き添った。
馬車は、街道を抜け、オルフェ侯爵の屋敷前の林道を抜けようとした時、両脇から見慣れぬ風体の男達が現れて、馬車の進路を止めた。
「中にいる御嬢さんに用があるんだ。死にたくなかったら大人しくしろ」
アレクセイは人数を確認し、兵士達に指示を出した。彼らはオルフェ侯爵の私兵に混ざったアレクセイの先鋭兵士、元々騎士崩れの彼らを雇うきっかけは、騎士として有名になり始めた頃から、勝負を挑まれる事が多くなり、アレクセイは元来の性格で、いちいち彼らの身の上話を聞いては身の振り方に尽力するお人よし。
そんなアレクセイを慕って、アレクセイの護衛を願い出た結果、ほぼ私兵と言っての数になった。生活が安定してきても彼らはアレクセイから離れずこうして守って来たのだ。
アレクセイは、コーネリアを馬車から出し、自分の馬に乗せ、侯爵邸を目指した。侯爵邸はすぐ近く、馬で2~3㎞の所にある。できるだけ生け捕りにするように指示をだし、コーネリアを一刻も早く安全な場所に連れて行くことを優先しての判断だ。
彼らなら大丈夫。きっと無事に任務を果たしてくれる。
そう信じて、馬を走らせ侯爵邸に急いだ。
「アレクセイ様、お顔の色が…大丈夫ですか?」
心配そうにコーネリアが尋ねるが
「大丈夫だ!しっかりつかまっていろ。飛ばすぞ!!」
アレクセイは激痛に耐えながら、コーネリアを横抱きにして、無我夢中で馬を走らせた。
「お、お嬢様。一体どうなさたので?」
侯爵邸に付くと門番が何事かと聞いてくる。今にも意識が飛びそうなアレクセイを見て
「早く門を開けて、お父様達を呼びなさい!」
コーネリアは門番達に指示を促しながら、アレクセイの汗をハンカチで拭っていた。
そのまま、屋敷のエントランスホールにたどり着き、駆け付けた侯爵にコーネリアを託すとアレクセイは痛みでその場に崩れ落ちていった。
そのまま、客室に寝かされるアレクセイ。彼が気を失っている間に、襲撃犯を捕らえた兵士達が侯爵邸に帰ってきた。
その日、夕刻までアレクセイは意識を失ったままで、コーネリアは目覚めるまで傍に付いていた。どうやら意識がない時は呪いは発動しないようで、コーネリアはホッとしていた。
「良かった。眠っている間は呪いの痛みは感じないのね」
コーネリアも疲れていたのか、そのままアレクセイの寝台に突っ伏して眠ってしまったのだ。
この後、アレクセイの股間の災難が続く事になるとは知らずに、安堵の色を見せながら二人はお互いの手を握っていた。
----決して離さないという様に……
二人とも表向きは納得するしかなかった。内心ではもっと一緒にいたいのだが、アレクセイの事情がそうできない。
物足りないもどかしさを感じながら、コーネリアは実家のオルフェ家に帰った。同じ馬車には乗れないアレクセイは、護衛の私兵らに混ざってコーネリアに付き添った。
馬車は、街道を抜け、オルフェ侯爵の屋敷前の林道を抜けようとした時、両脇から見慣れぬ風体の男達が現れて、馬車の進路を止めた。
「中にいる御嬢さんに用があるんだ。死にたくなかったら大人しくしろ」
アレクセイは人数を確認し、兵士達に指示を出した。彼らはオルフェ侯爵の私兵に混ざったアレクセイの先鋭兵士、元々騎士崩れの彼らを雇うきっかけは、騎士として有名になり始めた頃から、勝負を挑まれる事が多くなり、アレクセイは元来の性格で、いちいち彼らの身の上話を聞いては身の振り方に尽力するお人よし。
そんなアレクセイを慕って、アレクセイの護衛を願い出た結果、ほぼ私兵と言っての数になった。生活が安定してきても彼らはアレクセイから離れずこうして守って来たのだ。
アレクセイは、コーネリアを馬車から出し、自分の馬に乗せ、侯爵邸を目指した。侯爵邸はすぐ近く、馬で2~3㎞の所にある。できるだけ生け捕りにするように指示をだし、コーネリアを一刻も早く安全な場所に連れて行くことを優先しての判断だ。
彼らなら大丈夫。きっと無事に任務を果たしてくれる。
そう信じて、馬を走らせ侯爵邸に急いだ。
「アレクセイ様、お顔の色が…大丈夫ですか?」
心配そうにコーネリアが尋ねるが
「大丈夫だ!しっかりつかまっていろ。飛ばすぞ!!」
アレクセイは激痛に耐えながら、コーネリアを横抱きにして、無我夢中で馬を走らせた。
「お、お嬢様。一体どうなさたので?」
侯爵邸に付くと門番が何事かと聞いてくる。今にも意識が飛びそうなアレクセイを見て
「早く門を開けて、お父様達を呼びなさい!」
コーネリアは門番達に指示を促しながら、アレクセイの汗をハンカチで拭っていた。
そのまま、屋敷のエントランスホールにたどり着き、駆け付けた侯爵にコーネリアを託すとアレクセイは痛みでその場に崩れ落ちていった。
そのまま、客室に寝かされるアレクセイ。彼が気を失っている間に、襲撃犯を捕らえた兵士達が侯爵邸に帰ってきた。
その日、夕刻までアレクセイは意識を失ったままで、コーネリアは目覚めるまで傍に付いていた。どうやら意識がない時は呪いは発動しないようで、コーネリアはホッとしていた。
「良かった。眠っている間は呪いの痛みは感じないのね」
コーネリアも疲れていたのか、そのままアレクセイの寝台に突っ伏して眠ってしまったのだ。
この後、アレクセイの股間の災難が続く事になるとは知らずに、安堵の色を見せながら二人はお互いの手を握っていた。
----決して離さないという様に……
15
あなたにおすすめの小説
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
お飾り妻は天井裏から覗いています。
七辻ゆゆ
恋愛
サヘルはお飾りの妻で、夫とは式で顔を合わせたきり。
何もさせてもらえず、退屈な彼女の趣味は、天井裏から夫と愛人の様子を覗くこと。そのうち、彼らの小説を書いてみようと思い立って……?
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇
☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
【完結】旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました
よどら文鳥
恋愛
ルーンブレイス国の国家予算に匹敵するほどの資産を持つハイマーネ家のソフィア令嬢は、サーヴィン=アウトロ男爵と恋愛結婚をした。
ソフィアは幸せな人生を送っていけると思っていたのだが、とある日サーヴィンの不倫行為が発覚した。それも一度や二度ではなかった。
ソフィアの気持ちは既に冷めていたため離婚を切り出すも、サーヴィンは立場を理由に認めようとしない。
更にサーヴィンは第二夫妻候補としてラランカという愛人を連れてくる。
再度離婚を申し立てようとするが、ソフィアの財閥と金だけを理由にして一向に離婚を認めようとしなかった。
ソフィアは家から飛び出しピンチになるが、救世主が現れる。
後に全ての成り行きを話し、ロミオ=ルーンブレイス第一王子を味方につけ、更にソフィアの父をも味方につけた。
ソフィアが想定していなかったほどの制裁が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる