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アレクセイの気持ち
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アレクセイが突然言い出した事にギャロット公爵やオルフェ侯爵も驚いていた。そんな中、王太子ルイナードは面白そうに見ていた。
「実はあの事件の後よく考えたのですが、伯爵家の稼業に専念したいと思っています。その方がコー…いえ妻が喜ぶと思いますので」
その言葉に全員絶句した。言葉を言い換えても先ほど、愛妻の名前を王族の前で恥ずかしげもなく披露しようとしたのはアレクセイらしいが、最終的にはやはり思った通り『愛する妻の為』なのだ。
どこまで行ってもアレクセイの生活はコーネリアを中心に回っている。今度は仕事まで変わるというから困ったものだ。
しかし、ルイナードの口角は少し上がっているのをローランドは見逃さなかった。
ギャロット伯爵の稼業は外国との交易である。幼いころからアレクセイも外国語に慣れ親しんでいたので、外交官になれる要素もあったが、俄然、本人が全くやる気がなかった。仕方なく父親の公爵は騎士の道に進ませた。まさかここで父の敷いたレールに乗ろうとは思いもよらなかったはず。今、この場で一番驚いているのは、ギャロット公爵だろう。
「何故、コーネリアの為になるというのかね?」
口を挟んだのは他でもないオルフェ侯爵だった。
「はい、実は妻の手紙に異国の紹介本を書いているが、行ったことがないので一度行ってみたいと書かれていたので、伯爵家の仕事がてら妻と一緒に異国を旅すれば、彼女の本にも深みがでるかなと思いまして…」
照れながら頬を掻いているアレクセイをローランドは拙いと感じていた。
あのダ犬、よりにもよってこんな場で馬鹿正直に打ち明けるな。
心の中で盛大に、弟にダメ出しをしているローランドだが、既に時遅し、ルイナードは間髪入れずに次の一手を打ってきた。
「妻を大切に思う伯爵の気持ちはよく理解できる。ならどうだろう。結婚が無効になったのだから、王家が君達の虫除けとして仮結婚生活の安全を保障する。君の代わりが見つかるまでの間で構わないから、王子の護衛を引き受けて欲しい。実は王子は君に憧れているんだよ。この間の御前試合を見て目をキラキラさせていたよ。私も可愛いわが子のささやかな願いを叶えてやりたい親心なんだ。快く承諾してくれるといいのだが」
アレクセイはまじめに言葉通り受け取っているが、ローランドは知っていた。別に王子の親衛隊にアレクセイを本当に置きたいわけでないことを。
実はアレクセイは外国の要人から人気が高いのだ。
特に気難しい隣国、誇り高き砂漠のガバラ皇国は、来るたびにアレクセイを自国に連れ帰ろうと躍起になっていた。
アレクセイの剣の腕前もそうなのだが、何よりその人柄にほれ込む人が多い。
前々からマデリーナとルイナードはアレクセイを外交官にしたがっていた。
それを公爵が本人にその気がないのでと断り続けていたのだが、ここへきてアレクセイの気が変わってしまった。
「それまでの間なら、お引き受けします」
「無理を言ってすまない。王子も喜ぶだろう」
そう言ってにっこり微笑むルイナードの顔を見て、重臣達は引き攣った。この王太子が玉座に着けば今までのようにはいかないことをアレクセイとの会話で理解してしまった。
対してアレクセイは自分の要望が通った事に満面の笑顔で、ルイナードに答えている。
---自分の子どもをダシにしてでも、相手に条件を飲ます。しかもその先も有利になるように仕向けているーーー
何も知らないアレクセイは重臣から憐れむ目で見られている事を気付いていない。
これから無理難題を出されるのでは戦々恐々と暗い表情している重臣達とは、打って変わって、アレクセイだけがニコニコとこれからのコーネリアとの生活に心弾ませているのだった。
「実はあの事件の後よく考えたのですが、伯爵家の稼業に専念したいと思っています。その方がコー…いえ妻が喜ぶと思いますので」
その言葉に全員絶句した。言葉を言い換えても先ほど、愛妻の名前を王族の前で恥ずかしげもなく披露しようとしたのはアレクセイらしいが、最終的にはやはり思った通り『愛する妻の為』なのだ。
どこまで行ってもアレクセイの生活はコーネリアを中心に回っている。今度は仕事まで変わるというから困ったものだ。
しかし、ルイナードの口角は少し上がっているのをローランドは見逃さなかった。
ギャロット伯爵の稼業は外国との交易である。幼いころからアレクセイも外国語に慣れ親しんでいたので、外交官になれる要素もあったが、俄然、本人が全くやる気がなかった。仕方なく父親の公爵は騎士の道に進ませた。まさかここで父の敷いたレールに乗ろうとは思いもよらなかったはず。今、この場で一番驚いているのは、ギャロット公爵だろう。
「何故、コーネリアの為になるというのかね?」
口を挟んだのは他でもないオルフェ侯爵だった。
「はい、実は妻の手紙に異国の紹介本を書いているが、行ったことがないので一度行ってみたいと書かれていたので、伯爵家の仕事がてら妻と一緒に異国を旅すれば、彼女の本にも深みがでるかなと思いまして…」
照れながら頬を掻いているアレクセイをローランドは拙いと感じていた。
あのダ犬、よりにもよってこんな場で馬鹿正直に打ち明けるな。
心の中で盛大に、弟にダメ出しをしているローランドだが、既に時遅し、ルイナードは間髪入れずに次の一手を打ってきた。
「妻を大切に思う伯爵の気持ちはよく理解できる。ならどうだろう。結婚が無効になったのだから、王家が君達の虫除けとして仮結婚生活の安全を保障する。君の代わりが見つかるまでの間で構わないから、王子の護衛を引き受けて欲しい。実は王子は君に憧れているんだよ。この間の御前試合を見て目をキラキラさせていたよ。私も可愛いわが子のささやかな願いを叶えてやりたい親心なんだ。快く承諾してくれるといいのだが」
アレクセイはまじめに言葉通り受け取っているが、ローランドは知っていた。別に王子の親衛隊にアレクセイを本当に置きたいわけでないことを。
実はアレクセイは外国の要人から人気が高いのだ。
特に気難しい隣国、誇り高き砂漠のガバラ皇国は、来るたびにアレクセイを自国に連れ帰ろうと躍起になっていた。
アレクセイの剣の腕前もそうなのだが、何よりその人柄にほれ込む人が多い。
前々からマデリーナとルイナードはアレクセイを外交官にしたがっていた。
それを公爵が本人にその気がないのでと断り続けていたのだが、ここへきてアレクセイの気が変わってしまった。
「それまでの間なら、お引き受けします」
「無理を言ってすまない。王子も喜ぶだろう」
そう言ってにっこり微笑むルイナードの顔を見て、重臣達は引き攣った。この王太子が玉座に着けば今までのようにはいかないことをアレクセイとの会話で理解してしまった。
対してアレクセイは自分の要望が通った事に満面の笑顔で、ルイナードに答えている。
---自分の子どもをダシにしてでも、相手に条件を飲ます。しかもその先も有利になるように仕向けているーーー
何も知らないアレクセイは重臣から憐れむ目で見られている事を気付いていない。
これから無理難題を出されるのでは戦々恐々と暗い表情している重臣達とは、打って変わって、アレクセイだけがニコニコとこれからのコーネリアとの生活に心弾ませているのだった。
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