【完結】姉の婚約者を奪った私は悪女と呼ばれています

春野オカリナ

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 子供の頃から明るく人を魅了する母親似の美しい姉と、母方の祖母に似た平凡なエミリーは、よく比較された。

 エミリーの夫であるアルフレッドは、元々、エリザベスの婚約者だった。彼の両親が事故で急死した為、祖父であるスタンレー侯爵家に引き取られた。

 平民の父と伯爵令嬢だった母が駆け落ちして生まれたのが、エリザベスとエミリーだった。

 父が亡くなり、路頭に迷った。

 母は実家の伯爵家を勘当されていた。母方の伯母を頼り、数年後に亡くなった。

 大伯母は、伯爵夫人で、とても厳しい人だった。夫を早くに戦争で亡くし、子供も親類もいない中、一人で領地を治めていた。

 二人の内、どちらかが養女となり、伯爵家を継ぐ事になっていた。

 ある日、スタンレー侯爵が時節の挨拶に来られ、エリザベスとアルフレッドの婚約を申し込んだ。

 何でも母の実家である伯爵家の祖母は、昔、スタンレー侯爵と恋人同士だったのだが、家の事情で別れて、それぞれ政略結婚をした。

 お互いの子供達を結婚させたいと思っていたが、母は父と駆け落ちした。そこで孫同士という訳だ。

 初顔合わせは、スタンレー侯爵家で行われた。エミリーは、何れ義兄となるアルフレッドに挨拶するために一緒に訪問した。

 アルフレッドは、快活な黒髪の少年で容姿も整っていた。美しいエリザベスとはお似合いだった。

 二人は、直ぐに仲良くなった。エミリーは、逆にスタンレー侯爵と親しくなった。

 お互いの領地が隣同士なので、良く行き来していた。

 エミリーが10才の時、アルフレッドとエリザベスは、王都の学校へ入学した。

 二人は長期休暇にしか帰郷しなかった。

 エミリーは、時々スタンレー侯爵の領地遊びに行った。

 エミリーが13才の時、伯母が正式な養女の申請をした。

 その日から家庭教師を増やされ、領地経営も簡単な物から教えられた。

 段々窮屈な生活にはなっていたが、エミリーは嬉しかった。今まで、エリザベスの影で不出来な妹としか見られなかった自分が誰かに認めて貰えるという事に…

 それから2年後、大伯母は急に倒れた。
 
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