【完結】旦那様、溺愛するのは程々にお願いします♥️仮面の令嬢が辺境伯に嫁いで、幸せになるまで

春野オカリナ

文字の大きさ
31 / 61

父と伯父と夫と

しおりを挟む
 父の告白を聞いた私は、父に泣きながらしがみついていた。

 (お父様、この人が私の本当の父なんだ)

 子供の頃から父のいる家族に憧れていた。「本当の父に会いたい」我慢していたつもりはなかったが、無意識にその思いを閉じ込めていた。

 「お父様、会いたかった」

 ひくひくと泣きじゃくっている子供の様な私を父は、優しく大きな手で撫でてくれた。


ーーーバターン

 扉を勢いよく開いた。

 感動の対面に水を差したのは、エルリックだった。

 「ジョゼフィーネは、俺のものです。くっ付けないで下さい」

 等と言って私の体を引き寄せ、ギュウギュウと抱き締めた。

 「エル様、私の父ですよ。どうしてダメなのですか。そんな事を言うエル様は嫌いです」

 「えっ、き…嫌い…」

 『嫌い』と言う言葉に反応したエル様は、悲しそうに俯いて

 「すまない、そんなつもりじゃないんだ」

 「では、謝って下さい。せっかく王都から来て頂いたのに」

 私に叱られたエル様は、渋々父に謝罪した。

 「すみません。でも、ジョーは俺の妻なんであまり抱きつかないで下さい」

 全く反省していないエル様を睨んでいると

 「まあ、新婚だし大目に見てやるよ」

 と寛大な父は、許してくれた。

 (本当に困った人だわ。時々、子供みたいな所があって困ってしまう)

 「でも、そんな調子だと子供が出来たらジョゼフィーネを取り合うんじゃないか」

 父の冷やかしに思わず、自分の子供を想像した私の顔は、熟れた果実の様に真っ赤になっていた。

 「か、可愛い」

 また、エル様にギュウギュウ抱き締められ、額に口付けられ、更に赤くなった。

 扉をノックする音が聞こえて、モーリスが昼食の用意が出来た事を告げた。

 私達は、食堂で昼食を取ると、父と伯父は、用意した客室へ向かった。

 エル様は、仕事があるのでモーリスと執務室へ向かった。

 私は半時後、父や伯父と一緒に庭を散策しながら夕飯迄、家族団欒の一時を楽しんだ。

 夕食が終わると、サロンで父と伯父、エル様が雑談を始めた。

 お酒のおつまみを取りに食堂のキッチンへ向かった。

 途中、シーラも加わり、キッチンでシェフとあれこれおつまみを用意してサロンに戻ると、途中護衛の一人が何やら手で合図を送って来た。

 (何かしら?腕をクロスさせたり、手を振ったりしているわ。どういう事かしら)

 意味がわからない私は、シーラと一緒にサロンの扉を開けた。

 目に飛び込んだ光景に私は、絶句した。

 私の横を高速で何かが走ったと思った瞬間、シーラの飛び蹴りがモーリスの頭にヒットした。

 扉寄りのソファーにかけているエル様を見て、私は、顔を真っ赤にして奇声を上げて自室に走り去った。

 (だって、エル様のズボンの中が丸見えなんですもの。あんな大きな物が私の中に…)

 明るい場所で、初めて見たエル様の下半身に私は、恥ずかしくて次の日、エル様を避けてしまった。

 (だって、恥ずかしいんです。エル様が近付くと思い出すんです)
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

女性執事は公爵に一夜の思い出を希う

石里 唯
恋愛
ある日の深夜、フォンド公爵家で女性でありながら執事を務めるアマリーは、涙を堪えながら10年以上暮らした屋敷から出ていこうとしていた。 けれども、たどり着いた出口には立ち塞がるように佇む人影があった。 それは、アマリーが逃げ出したかった相手、フォンド公爵リチャードその人だった。 本編4話、結婚式編10話です。

聖女でしたが国に使い捨てされたので、代わりに魔王にざまぁしてもらいました。

柿崎まつる
恋愛
癒しの聖女として国に仕えるエルヴィーラ。死ぬまで搾取された彼女が次に目を覚ましたのは敵であるはずの魔王の居城だった。ドアマット聖女が超絶美形の魔王に溺愛されて幸せになる話。気持ちちょろっとグロあります。苦手な方は閲覧にご注意ください。ムーンライトノベルズにも掲載しています。

燻らせた想いは口付けで蕩かして~睦言は蜜毒のように甘く~

二階堂まや♡電書「騎士団長との~」発売中
恋愛
北西の国オルデランタの王妃アリーズは、国王ローデンヴェイクに愛されたいがために、本心を隠して日々を過ごしていた。 しかしある晩、情事の最中「猫かぶりはいい加減にしろ」と彼に言われてしまう。 夫に嫌われたくないが、自分に自信が持てないため涙するアリーズ。だがローデンヴェイクもまた、言いたいことを上手く伝えられないもどかしさを密かに抱えていた。 気持ちを伝え合った二人は、本音しか口にしない、隠し立てをしないという約束を交わし、身体を重ねるが……? 「こんな本性どこに隠してたんだか」 「構って欲しい人だったなんて、思いませんでしたわ」 さてさて、互いの本性を知った夫婦の行く末やいかに。 +ムーンライトノベルズにも掲載しております。

束縛婚

水無瀬雨音
恋愛
幼なじみの優しい伯爵子息、ウィルフレッドと婚約している男爵令嬢ベルティーユは、結婚を控え幸せだった。ところが社交界デビューの日、ウィルフレッドをライバル視している辺境伯のオースティンに出会う。翌日ベルティーユの屋敷を訪れたオースティンは、彼女を手に入れようと画策し……。 清白妙様、砂月美乃様の「最愛アンソロ」に参加しています。

【完結】 表情筋が死んでるあなたが私を溺愛する

紬あおい
恋愛
第一印象は、無口で無表情な石像。 そんなあなたが私に見せる姿は溺愛。 孤独な辺境伯と、一見何不自由なく暮らしてきた令嬢。 そんな二人の破茶滅茶な婚約から幸せになるまでのお話。 そして、孤独な辺境伯にそっと寄り添ってきたのは、小さな妖精だった。

完結(R18 詰んだ。2番目の夫を迎えたら、資金0で放り出されました。

にじくす まさしよ
恋愛
R18。合わないと思われた方はバックお願いします  結婚して3年。「子供はまだいいよね」と、夫と仲睦まじく暮らしていた。  ふたり以上の夫を持つこの国で、「愛する夫だけがいい」と、ふたり目以降の夫を持たなかった主人公。そんなある日、夫から外聞が悪いから新たな夫を迎えるよう説得され、父たちの命もあり、渋々二度目の結婚をすることに。  その3ヶ月後、一番目の夫からいきなり離婚を突きつけられ、着の身着のまま家を出された。  これは、愛する夫から裏切られ、幾ばくかの慰謝料もなく持参金も返してもらえなかった無一文ポジティブ主人公の、自由で気ままな物語。 俯瞰視点あり。 仕返しあり。シリアスはありますがヒロインが切り替えが早く前向きなので、あまり落ち込まないかと。ハッピーエンド。

【完結】 初恋を終わらせたら、何故か攫われて溺愛されました

紬あおい
恋愛
姉の恋人に片思いをして10年目。 突然の婚約発表で、自分だけが知らなかった事実を突き付けられたサラーシュ。 悲しむ間もなく攫われて、溺愛されるお話。

【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる

奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。 両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。 それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。 夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。

処理中です...