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私の今
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今日は仕事でかなり飲んだなあ。
まだ酔いが醒めない身体で何とか帰宅した。
「化粧はちゃんと落とさなくちゃ。」独り言をつぶやく。
セットしてる髪の毛は華やかになるよう何度も何度もスプレーで固められ、このまま寝るには居心地の悪い格好だ。
このまま寝てしまいたい葛藤を持ちつつ、何とか体を起こし冷蔵庫からミネラルウォーターを口にする。
アルコールではなく、純粋な水分が体に染みわたる。
体はきついけど、今月も目標達成はできそうだな…。
この期間はどうしてもお金に目がくらみそうになる。
売り上げが最重要事項なこの世界。
ある程度は仕方がないけど、どうも気持ちが乱がちだ。
「そういえば最近手紙、書いてなかったな。」
私は少し落ち着いた体で、気持ちを整えてから親友のせなちゃんに手紙を書いた。
『拝啓私の親友せなちゃん
お元気にしていますか?
私は、今東京で頑張って働いています。
あとちょっとで大学に通えるお金が溜まりそうです。
そうなったら次は受験です。
いろいろ慌ただしいけど、いつか立派な資格を取ってせなちゃんとおかーはんに胸張って会いに行きたいな。
せなちゃんも元気でね。
嫌なことあったら竹彦に言うんやで。おかーはんによろしくお伝えください。また手紙書きます。
ルキアより』
差出人の部分は絶対書かないようにしている。
自分が生きていることが分かればいい。
元気でいることだけ伝わればいい手紙だから。
大切な人に心配はかけさせたくない。自分の事は自分でできるようにならないといけないから。
私の名前は佐多ルキア。
ルキアってキラキラネームっていうのかな?
この名前は私を産み、そして捨てた母親が付けた名前だ。
名付けの由来は、当時貢いでいたホストの源氏名らしい。
とんでもない女から産まれてきてしまったこと嘆いても何も状況は変わらない。
私が今することは産まれた背景を恨む事よりも大切な人に会えるためにせっせと貯金することだ。
何とか高卒認定は取れたけど、ちゃんと学校を通えていない私が短期間で稼ぐには方法は一つしかない。
そう、私の職業はキャバクラで働くキャバ嬢だ。
そこまで整っていないが、産みの親のおかげでスタイルだけは良い。
薄暗い部屋で男の目をごまかすメイクを施せば世間で言う『美人』枠には入る自負はある。
この仕事は一見楽そうに見えるみたい。
実際客からも「女は良いよな。馬鹿でもキャバ嬢になれば楽して儲かるんだからな。」とよく言われる。
そんなときは笑って
「もう、馬鹿なのは自分で分かってるから言わないで。○○君に可愛いって言ってもらえるために毎日綺麗になるために努力してるんだよ。」
とか何とか言って男を良い気にさせる。
そう、ここで売れている子たちは馬鹿ではない。
時に馬鹿な振りして、時に高嶺の花になり、時にわがままなお姫様になる。
空気を読み、頭をフル回転させ言葉を選び、自分至上一番美しい姿をキープするストイックな生活を送っているんだから。
私もその中の一人。
はっきり言ってすごくしんどい時もあるけど、お金は裏切らない。
客は隙あらば体を狙ったり、お金を使わず私たちと接点を持とうとする面倒な人ばかりだけど、ものすごく稀に品があって配慮があって余裕のある男の人が来てくれる。
そんな人たちは大体みんなおじさん、いや、おじいさんと呼ばれるほどの年齢だ。
私の中でそんな上流のお客さんは神に一番近い存在だと思っている。
そしてありがたいことにそんな神客に気に入ってもらえることが多い。
そんな人たちに支えられて何とかこの仕事を続けることが出来た。
そして、そして…。ついに貯金が目標金額を達成できそうなのだ。
ああ…手紙を書き終えると、急速に瞼が重くなってきた…。
まだ酔いが醒めない身体で何とか帰宅した。
「化粧はちゃんと落とさなくちゃ。」独り言をつぶやく。
セットしてる髪の毛は華やかになるよう何度も何度もスプレーで固められ、このまま寝るには居心地の悪い格好だ。
このまま寝てしまいたい葛藤を持ちつつ、何とか体を起こし冷蔵庫からミネラルウォーターを口にする。
アルコールではなく、純粋な水分が体に染みわたる。
体はきついけど、今月も目標達成はできそうだな…。
この期間はどうしてもお金に目がくらみそうになる。
売り上げが最重要事項なこの世界。
ある程度は仕方がないけど、どうも気持ちが乱がちだ。
「そういえば最近手紙、書いてなかったな。」
私は少し落ち着いた体で、気持ちを整えてから親友のせなちゃんに手紙を書いた。
『拝啓私の親友せなちゃん
お元気にしていますか?
私は、今東京で頑張って働いています。
あとちょっとで大学に通えるお金が溜まりそうです。
そうなったら次は受験です。
いろいろ慌ただしいけど、いつか立派な資格を取ってせなちゃんとおかーはんに胸張って会いに行きたいな。
せなちゃんも元気でね。
嫌なことあったら竹彦に言うんやで。おかーはんによろしくお伝えください。また手紙書きます。
ルキアより』
差出人の部分は絶対書かないようにしている。
自分が生きていることが分かればいい。
元気でいることだけ伝わればいい手紙だから。
大切な人に心配はかけさせたくない。自分の事は自分でできるようにならないといけないから。
私の名前は佐多ルキア。
ルキアってキラキラネームっていうのかな?
この名前は私を産み、そして捨てた母親が付けた名前だ。
名付けの由来は、当時貢いでいたホストの源氏名らしい。
とんでもない女から産まれてきてしまったこと嘆いても何も状況は変わらない。
私が今することは産まれた背景を恨む事よりも大切な人に会えるためにせっせと貯金することだ。
何とか高卒認定は取れたけど、ちゃんと学校を通えていない私が短期間で稼ぐには方法は一つしかない。
そう、私の職業はキャバクラで働くキャバ嬢だ。
そこまで整っていないが、産みの親のおかげでスタイルだけは良い。
薄暗い部屋で男の目をごまかすメイクを施せば世間で言う『美人』枠には入る自負はある。
この仕事は一見楽そうに見えるみたい。
実際客からも「女は良いよな。馬鹿でもキャバ嬢になれば楽して儲かるんだからな。」とよく言われる。
そんなときは笑って
「もう、馬鹿なのは自分で分かってるから言わないで。○○君に可愛いって言ってもらえるために毎日綺麗になるために努力してるんだよ。」
とか何とか言って男を良い気にさせる。
そう、ここで売れている子たちは馬鹿ではない。
時に馬鹿な振りして、時に高嶺の花になり、時にわがままなお姫様になる。
空気を読み、頭をフル回転させ言葉を選び、自分至上一番美しい姿をキープするストイックな生活を送っているんだから。
私もその中の一人。
はっきり言ってすごくしんどい時もあるけど、お金は裏切らない。
客は隙あらば体を狙ったり、お金を使わず私たちと接点を持とうとする面倒な人ばかりだけど、ものすごく稀に品があって配慮があって余裕のある男の人が来てくれる。
そんな人たちは大体みんなおじさん、いや、おじいさんと呼ばれるほどの年齢だ。
私の中でそんな上流のお客さんは神に一番近い存在だと思っている。
そしてありがたいことにそんな神客に気に入ってもらえることが多い。
そんな人たちに支えられて何とかこの仕事を続けることが出来た。
そして、そして…。ついに貯金が目標金額を達成できそうなのだ。
ああ…手紙を書き終えると、急速に瞼が重くなってきた…。
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