前職キャバ嬢、異世界に来たら悪女になっていた。あんまり変わらないのかな?

ミミリン

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息子さん、いますよね

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デイビット様が夜のお相手を呼ぶ限り、悪女というネーミングは消えないけど、この領地界隈の有力者はデイビット様抜きでも私を認めてくれるようになっていった。


これで、いつかデイビット様に用なしで捨てられても、誰かが拾ってくれるだろうし顔はがっちり売れたんじゃない?

私って天才だ。


これでエレノアの現世は安泰だ~!いっちょ上がり~!

と余裕ぶっこいていたけど、何故かデイビット様は私を仕事場に連れて行くことになった。


しかもちょっと現場に挨拶程度ではなくがっつり仕事を仕込まれている。


書類作成も会議出席も。

ええ?これ私が知って大丈夫?って言う範囲があって困惑する。


今までファンを作ってきたから各責任者は顔見知りだし、私がデイビット様の仕事を代行しても特に反発されることはなかった。


時々、お互いの認識がずれていて、相手が私とデイビット様に怒鳴り散らすこともあったけどお酒の席で機嫌をとり誤解を解いて円満に解決してきた。

これは接待というものなのか?


気がついたら私が仕事の前線でそろばんをはじき、会議を仕切り、接待を盛り上げて、現場に指示を出すという、ほぼメインになっていて、デイビット様は後ろでのんびり静観していることが多くなっていた。


そりゃ、結婚する前に男関係協力してくれたら領地あげる的なこと言ってたけど、それは本気にしてないよ。

しかも、デイビット様って息子いるじゃん。

その人に譲るのが筋なんじゃない?

こんなスケールの大きい財産管理するの大変だし私はここまで望んでないよ。


デイビット様の息子とは一度も会ってないし興味もないけど、この状況曖昧にしてたら良くないよね~。


散々デイビット様の領地経営に携わってしまったけど、ここはしっかり後継者は息子だってことを明確にしておかないといけない。

できれば、領地経営の一部で働かせてもらえたら御の字だからデイビット様の息子には媚びを売っておこう。

そう決めてデイビット様に息子さんと会うことを打診してみた。



打診した一瞬、すごくめんどくさそうな顔をしたのを見逃さなかった。

あの大人の魅力たっぷりなデイビット様があんな顔するなんて…。

ギャップでまた惚れてしまうだろ。


ちがう、ちがう。そうじゃない。そうじゃない。


「デイビット様、いつかあなた様の息子さんにお世話になる時が来るかもしれません。今までご挨拶できなかったのも無礼ですがこの機会に一度会わせていただけないでしょうか?」

早めに媚びを売っておきたいのですよ。


「う~ん。そうだね。まあ、そうだね…。」

あらら、珍しく歯切れがわるいな。

息子さんはもともとデイビット様と前妻さん持っていた一部の領地を引き継いでるんだよね。

今デイビット様が治めているこの領地以外は全て息子に託してるけど結構いろいろ厳しいらしい。



あと、デイビット様は前妻さんと死別だけど亡くなる数年前に別居してそのタイミングで息子に家督を譲ったって私のファンのおじさんがこっそり教えてくれた。

デイビット様のあの殺風景な部屋と言い、色々複雑な事情もありそうだ…。



けど、その事情と私の今後の安泰な生活計画はうやむやにはできないのよ。

そう考えているとデイビット様が何かを思いついたようで軽く手を叩いた。


「そうだ、ではまだ行っていない領地に私とエレノアで行こう。それが済んだら息子との挨拶の場を設けよう。それが一番キリが良い。」


キリってなんだ?まあ、いいや。デイビット様紳士だけど結構頑固なところあるから、ここは私が受け入れた方が話が早いや。


「分かりました。デイビット様の領地でまだ見ていないところは…北側の領地全体と最北端の地区ですよね?」

「ああ、少し距離があるから泊りがけになるが、ぜひエレノアに知っていてもらいたい場所なんだ。」


「分かりました。そちらの視察が済んだら息子さんとの件よろしくお願いします。」


「ああ。すまないね。よろしく頼む。」


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