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視察に来ています
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ということで、今私は大好きな夫、デイビット様と泊りがけで仕事に励んでいます。
話は変わるけど、デイビット様が男性を呼び出す頻度が週3~4回に増えた。
だから私はほとんど客間で寝ている。
執事さん情報によるとデイビット様のお相手がここ最近固定されたようで、同じ男性が屋敷に呼ばれているらしい。と、言うことはついに彼氏ができたのかな?
あれだけ素敵な方だからそうなるわな。
だってみんな大好きデイビット様だもん。
もちろん私も。まあ、これでデイビット様の身体も心も満たされたのなら妻冥利に尽きますよ。
ちょっと寂しいけどね…。
そんな訳で、ちょっぴり失恋モードな私は仕事に燃えた。
地区の中でピカピカの真っ白な服を着ているとおかしいし警戒されるので、私もデイビット様も視察用に使用感満載な軽装をまとった。
ああ、しわしわのシャツを着ていても様になるデイビット様…。
杖さえも萌えアイテムと化す最高の素材…。
私の夫であり誰かの彼氏…。
おっと、めそめそしている自分がうざいわ。
よし!切り替えるで!今日も遠慮なくそろばんをはじかせていただきます!
領地の北側を北上しながら視察を進める。
必要であれば予算を出してもらい、無駄なところを指摘して予算を有効活用出来るよう契約を結びなおす。
もちろん不正があるかどうか厳しくチェックさせてもらいまっせ。
屋敷を出てから5日が経った。
やっと予定していた最北端の地区にたどり着いた。この地区の名前はヴェリナ地区と言うらしい。
この最北端のヴェリナ地区は素朴な場所だった。
でも、交通ルートは王都からも隣国からも悪くないし気候も安定している。
地区の人たちもシャイだけど真面目な人が多かった。にしては収益が少ないなあ。
ああ、5年前に内戦があったって資料にあったな。
今立て直し中ってことか…。
「デイビット様この地区、あと少しで立派に栄える良い地区になりそうですね。内戦の傷跡はあるけどみんなデイビット様を慕ってるのが分かります。」
「やはりエレノアであれば気づくかと思った。
そうなんだ。この地区は内戦で火の海に巻き込まれてしまってね。当時、即刻非難指示を出したから地区人たちは無事だったんだが土地は無残にも荒れてしまったんだよ。この地を豊かにすることが僕の最後の仕事かな?」
「もう、デイビット様最後の仕事とか言わないでください。」
「ああ、辛気臭かったかな?すまないね。」デイビット様が笑ったけど、確かに疲れが溜まっているみたいだ。
歩く速さも以前より遅くなっているのはやっぱり間違いじゃない。
「デイビット様、顔色も悪いですし、今日の仕事はここまでにしましょう。明日は一日宿で休むのが一番です。」
「…。そうだな。そうさせてもらおうか。すまないねエレノア。早く視察を終えて帰りたいだろう?」
「いえいえ、私はデイビット様と一緒に居られるだけで幸せですから。」これは本心ですよ。
「はははは。ありがとう。こんな素晴らしいパートナーをいて僕こそ幸せだな。」
デイビット様からパートナーと言ってもらえてむずむずしながら心の中で無茶苦茶喜んだ。
そうだ、夜を共にしていないし私は恋愛対象外にされているけど、こうやってパートナーと言ってもらえてるんだからこれ以上デイビット様との関係を残念がるのはやめよう。
仕事を切り上げて宿に戻った時、デイビット様は更に辛そうな表情をしていた。
一緒に居た執事さんは食事の手配などで宿場のカウンターに行っている。
早くデイビット様をベッドに寝かせてあげたい。
よし!私が介助しよう。
階段しかない宿だったから私がデイビット様を片側から支えて階段を上った。
デイビット様はスラリとした体形だけど、思っていた以上に痩せていて何だか骨がごつごつしていた。
考えてみれば、私男の人にこんなに密着するの初めてだな。
キャバの時お客に不意打ちで抱き寄せられたことあるけど、すごく気持ち悪かった。
デイビット様は気持ち悪くない。しかも何だかいい匂いがするし…。
いかん、いかん。相手は病人で他人の彼氏なんだから変な事考えちゃダメじゃん。夫だけど…。
話は変わるけど、デイビット様が男性を呼び出す頻度が週3~4回に増えた。
だから私はほとんど客間で寝ている。
執事さん情報によるとデイビット様のお相手がここ最近固定されたようで、同じ男性が屋敷に呼ばれているらしい。と、言うことはついに彼氏ができたのかな?
あれだけ素敵な方だからそうなるわな。
だってみんな大好きデイビット様だもん。
もちろん私も。まあ、これでデイビット様の身体も心も満たされたのなら妻冥利に尽きますよ。
ちょっと寂しいけどね…。
そんな訳で、ちょっぴり失恋モードな私は仕事に燃えた。
地区の中でピカピカの真っ白な服を着ているとおかしいし警戒されるので、私もデイビット様も視察用に使用感満載な軽装をまとった。
ああ、しわしわのシャツを着ていても様になるデイビット様…。
杖さえも萌えアイテムと化す最高の素材…。
私の夫であり誰かの彼氏…。
おっと、めそめそしている自分がうざいわ。
よし!切り替えるで!今日も遠慮なくそろばんをはじかせていただきます!
領地の北側を北上しながら視察を進める。
必要であれば予算を出してもらい、無駄なところを指摘して予算を有効活用出来るよう契約を結びなおす。
もちろん不正があるかどうか厳しくチェックさせてもらいまっせ。
屋敷を出てから5日が経った。
やっと予定していた最北端の地区にたどり着いた。この地区の名前はヴェリナ地区と言うらしい。
この最北端のヴェリナ地区は素朴な場所だった。
でも、交通ルートは王都からも隣国からも悪くないし気候も安定している。
地区の人たちもシャイだけど真面目な人が多かった。にしては収益が少ないなあ。
ああ、5年前に内戦があったって資料にあったな。
今立て直し中ってことか…。
「デイビット様この地区、あと少しで立派に栄える良い地区になりそうですね。内戦の傷跡はあるけどみんなデイビット様を慕ってるのが分かります。」
「やはりエレノアであれば気づくかと思った。
そうなんだ。この地区は内戦で火の海に巻き込まれてしまってね。当時、即刻非難指示を出したから地区人たちは無事だったんだが土地は無残にも荒れてしまったんだよ。この地を豊かにすることが僕の最後の仕事かな?」
「もう、デイビット様最後の仕事とか言わないでください。」
「ああ、辛気臭かったかな?すまないね。」デイビット様が笑ったけど、確かに疲れが溜まっているみたいだ。
歩く速さも以前より遅くなっているのはやっぱり間違いじゃない。
「デイビット様、顔色も悪いですし、今日の仕事はここまでにしましょう。明日は一日宿で休むのが一番です。」
「…。そうだな。そうさせてもらおうか。すまないねエレノア。早く視察を終えて帰りたいだろう?」
「いえいえ、私はデイビット様と一緒に居られるだけで幸せですから。」これは本心ですよ。
「はははは。ありがとう。こんな素晴らしいパートナーをいて僕こそ幸せだな。」
デイビット様からパートナーと言ってもらえてむずむずしながら心の中で無茶苦茶喜んだ。
そうだ、夜を共にしていないし私は恋愛対象外にされているけど、こうやってパートナーと言ってもらえてるんだからこれ以上デイビット様との関係を残念がるのはやめよう。
仕事を切り上げて宿に戻った時、デイビット様は更に辛そうな表情をしていた。
一緒に居た執事さんは食事の手配などで宿場のカウンターに行っている。
早くデイビット様をベッドに寝かせてあげたい。
よし!私が介助しよう。
階段しかない宿だったから私がデイビット様を片側から支えて階段を上った。
デイビット様はスラリとした体形だけど、思っていた以上に痩せていて何だか骨がごつごつしていた。
考えてみれば、私男の人にこんなに密着するの初めてだな。
キャバの時お客に不意打ちで抱き寄せられたことあるけど、すごく気持ち悪かった。
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