前職キャバ嬢、異世界に来たら悪女になっていた。あんまり変わらないのかな?

ミミリン

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明日が本番

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遂に明日がパートナーズビューとダンスを披露する日となった。



この日までダンスの練習に付き合ってくれたイリスに感謝を述べる。

大人だからね。
親しき中にも礼儀ありよ。



「イリス、とうとう明日がパーティーだね。
私はあまり出来の良い生徒じゃなかったと思うの、ここまで付き合わせてごめんね。
イリスはすごく厳しかったし、罵倒されることもあったよね。
イリスの睨みが私の夢に出てくるほどあなたは私を支配していたわ。
それだけ熱意があったって事よね。どうも今までありがとう。」



「全然感謝が伝わってこないんだが。」



「え?そうかな?」


「まあ、ルキアは確かによく頑張ったと思う。
本来正式なパーティーで披露するレベルは軽く超えていたからな。
我が王族直伝の王族に認められる優雅さを身に着けてもらった。
この短期間で習得したのはルキアのポテンシャルと努力の賜物だ。
自信を持って良いぞ。」




「ん?今しれっと私に必要以上の努力を課した感じのコメントが聞かれた気がするんだけど。」



「はははは。
いやあ、努力しながらひーひー言ってる若者を見るとどうしても一流に育てたくなるものなのだ。
ルキアの指導を通して、私が今まで受けてきた指導の意味を知ることが出来た。
うむ、私にとってもいい経験だったぞ。」



「ちょっと、強引に美談でまとめようとしてない?」



「そんなことはない。
ルキアはもともとダンスの素質はあったのだ。
きっと前世での指導者が良かったのだろう。
指導しながらそれはずっと思っていたぞ。
ここまで伸びたのは土台を作ってくれた指導者のおかげともいえる。」




「前世の指導者…おかーはんの事?」



「ああ、以前言っていた前世の育ての母の事か?
まあ、そうなのではないか?音の取り方、身のこなし、ぶれない身体。
最初は独特な癖があったが基礎がしっかり出来上がっていたぞ。」



「そっか…。おかーはんのおかげなんや。」

何だかおかーはんを褒められたようで嬉しい。



「と、言う事で、明日は本番だ。
実はな、エルヴィス殿は先に遠征先から帰って来ていてな、言づてを預かっている。
ルキアは明日マスターが予約している美容院に行くようにとのことだ。」



「え?そうなの?エルヴィスは早く帰って来てるんだ。」


「ああ、マスターは中隊長であろう?
エルヴィス殿は隊長職ではない故早く帰ってこられたらしい。」



「エルヴィスは出世したくないのかしら?」



「まあ、色々と面倒な立場だからな。
この位が丁度いいのではないか?
昨日も私の自宅に来てクロエに遠征先で手に入れた美しい生地を土産に渡しに来たぞ。」



「え?そうなの?めっちゃ通ってるじゃん。
やっぱりクロエ目当て?」



「どうだろうな。どちらも自分の気持ちをしっかり自覚してない感じだろう。
まだ見守っておいてやれ。」



「う、うん。そうだね。
で、明日は美容院に行ってからドレスを着て出発という事ね。
時間的にディランとは現地集合になるわね。」




「まあ、そうなるな。
馬車も予約しているそうだからそれに乗るようにとの事だ。」



「はあ、何だか至れり尽くせりね。」




「マスターは尽くす男という事だな。
さあ、明日のためにもう寝るぞ。」





「はあい、あ、私パックしてからにするね。」



「そうだな、明日はうんと着飾ってやれ。
私はクロエの部屋に戻る。
まだ課題に取り組んでいるだろうしな。」




「うん。じゃあおやすみなさい。」



「ああ、おやすみ。」

イリスは美しくもハンサムな笑顔で部屋を出て行った。



ダンスの練習で知ったことがある。
それはイリスはいつどんな手入れをしているのか謎なくらい艶めいた小麦色の肌をしているということだ。



髪もカッコいい黒髪で朝起きたてから完璧なウェーブヘアが決まってるんだよね。




これが真の美女なのか…。




私も美人と言ってもらえるけど、イリスと比べたら天然と養殖の差は歴然だ。




明日のメイクはプロがしてくれるみたいだけど、養殖の私に恥をかかせない化粧でお願いしたいなあ。


どんなドレスか完成品分かんないし。



パートナーズビューや、その後のダンス、ドレスにメイクと色々不安を持ちながら明日に備えた。

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