15 / 129
大切な存在と幼馴染。
しおりを挟む
その日、僕のことを気にしながらも燈哉が僕のそばに来なかったのは政文から何か言われたからなのだろう。昼には政文と伊織に連れられて空き教室で過ごした。
「何でこんなとこ知ってるの?」
不思議そうな僕に「持つべきものは先輩だね」と政文が笑う。同級生とだって特定の友人としか交流のない僕と違い、政文も伊織も交友関係が広いせいで色々な繋がりがあるのだろう。
僕自身は他者との交流が少ないけれど、燈哉は新入生代表を務めるくらいだから当然だけど顔が広い。その燈哉と共に過ごしていた僕は交流がなくても知られた存在らしく、昨日の出来事のせいで何かしらの配慮が生まれたのかもしれない。
「ストレス溜めちゃダメなんでしょ?
だったらストレスの原因は排除するのが1番だしね。
羽琉だって気付いちゃったんでしょ?
燈哉来たら顔色悪くなってたし。
でもとりあえずお弁当食べちゃおうか」
僕としては早く話を聞きたいところだけど、食べてしまえば食欲を無くすような内容なのだろう。そう促され仕方なく先に食事を済ませる。
2人よりもかなり量が少ないのに食べ終わるのが同じなのは歩くのと同じで、食べるのも遅いから。
途中で箸を止めようとするとふたりして僕のことを叱るため仕方なく弁当を口に運ぶ。こんな時、燈哉なら無理しなくていいと言ってくれるのにと考えてしまい苦しくなる。
「それで、何があったのか教えてくれる?」
全て食べ終え、持参した水筒のお茶で口内を洗い流す。喉に引っかかった何かを無理やり押し込むようにしてから口を開いたのは込み上げてくる何かを押し戻したかったから。
知らないふりをすることはできなくてそう聞いてみたのはこの時間はそのために用意された時間だから。
僕の覚悟が伝わったのか、言いにくそうに伊織が口を開く。
「昨日、燈哉と一緒にいたのは今居 涼夏。
気付いたと思うけどΩだよ」
「うん、ネックガードしてた」
昨日気づいたことを素直に伝える。
ネックガードに気付かなくても燈哉のあの顔を見て仕舞えば理解するしか無かったとも思うけれど、僕が知りたいのはそこじゃない。
「俺も戻った時には式が始まってたけどなんか、雰囲気がね。
新入生挨拶で燈哉が壇上に立った時には冷やかしと蔑みと半々って感じだったかな?」
そう言って政文が溜め息を吐くと「そりゃあ、あんなこと言ったらね」と伊織まで溜め息を吐く。
2人の様子が僕にとって悪いことでしかないと伝えているけれど、それでも次の言葉を待つ。
聞いても聞かなくても同じなら聞かないけれど、聞かないままやり過ごすことはできないのだから仕方がない。何が起こったかを理解して、自分の立ち位置を確認する必要があるだろう。
「羽琉が保健室に向かった時に燈哉怒ったじゃない?
あの後、やっぱり茶化す奴がいたんだ。羽琉ちゃん政文に取られちゃうよ、とか」
「ごめん」
政文が僕を保健室に連れて行ってくれたせいで、伊織も聞きたくないことを聞いてしまったのだろう。
「羽琉は悪くないから謝らない。それに、政文にお願いしたのは僕だよ」
「そうそう、俺にしてみれば伊織にヤキモチ妬かせてくれてありがとうだし」
「やっぱりヤキモチ妬いた?」
「妬かないって言ったら嘘になるけどどっちかって言えば嫉妬ってより周りの反応にイラっとしただけかな。それに自分の大切な人が自分以外を大切そうに運んで嫉妬するのは普通でしょ?」
僕を安心させるようにそう言うと「それに今はそんな話じゃないよ」と話を続ける。〈大切な人が自分以外を〉という言葉に反応してしまいそうになるけれど、それを意図してスルーする。
「それで、今居君が『羽琉って誰?燈哉君の何?』って言い出して…。
それで、大切な【幼馴染】だからって」
「まあ、間違いじゃないけどな」
「まあね。
それで、今居君が面白くない顔を見せたら羽琉のことは身体が弱いせいで自分がずっと面倒を見てきたからとか言って。
自分以外には触らせたくないとか言ってたの、どの口だよって周りはドン引き。
聞いてるこっちにしてみれば何それって感じだよね」
昨日の朝までは、僕と番になるのは自分だと主張していたはずの燈哉がそんなことを言い出せば確かにそうだろう。だけど僕にとってはドン引きで済ませることのできない言葉。
今までは燈哉の庇護が当たり前だと思い、その時が来れば燈哉と番になるのだという認識の中で過ごして来たけれど、僕を番にする気はないと言われたのと同じなのだ。
「俺たちが一緒にいるから」
僕の不安を感じ取ったのだろう。
政文がそう言って伊織にも確認する。
「とりあえずクラス単位で動く時は伊織がいるし、登下校は隆臣さんがきてくれるだろ?」
「政文、やることないじゃん」
「え、弁当は一緒に」
「でも2人とも学食でしょ?」
「羽琉が弁当持って一緒に学食にくれば席取りお願いできるんじゃない?」
「え、羽琉に席取りさせるとか政文鬼畜。
あ、僕と羽琉は座ってるから政文が並んでくれるとか?」
深刻な話をしていたはずなのに、それなのに少しだけ気持ちが緩む。
今話した内容を考えれば伊織と政文の申し出に甘えるのが1番だろう。だけど燈哉のことを諦めきれない僕は即答することができなかった。
「燈哉に言っておいたんだ」
返事のできない僕に政文が重い口を開く。
「他のΩの匂いさせて羽琉に近付くなって」
その言葉の意味を考え、昨日の2人を思い浮かべる。彼のことをそっと抱きしめた燈哉は僕に見向きもせずに、ただただ彼のことを愛おしそうに見つめていた。
「燈哉は今居は羽琉みたいに守るべき存在ではないけれど、放っておけないって。
話にならないから今居の匂いが消えるまでは羽琉と話すことも許さないって言っておいた。
羽琉のことは俺と伊織が守るから」
「そんな、駄目だよ」
燈哉の主張にショックを受けたけれど、それ以上に2人に迷惑をかけてしまうことが申し訳なくて政文の言葉を受け入れることができない。
「でも、もう言っちゃったし。
羽琉がストレスで体調崩したのは燈哉の行動のせいだって言っておいたし」
「そこまで言ったんだ」
政文も伊織も面白そうにしているけれど、正直僕には笑えないことばかりだ。
燈哉が彼を守りたい存在だと認めたこと。
僕のことを【幼馴染】だと格下げしたこと。昨日の朝までは僕のことを【番】扱いしていたのに、あの短時間で僕はその地位を失ったのだろう。
そして、燈哉が彼の香りを纏っていたことも僕を落ち込ませる。
今までは僕を守るという大義名分で僕に触れ、自分の存在を周知していたけれど僕の香りを燈哉が纏うことはなかった。『羽琉、早く大きくなりな』そう言って僕の頸を香ることはあってもそれ以上僕に触れることはなかった。
αである燈哉がΩである僕の頸を香ることによって自分の庇護を主張していたけれど、それは一方通行の行為。
僕は受け取るだけで与えることは許されず、『羽琉にヒートが来たらその時にね』と言われていたんだ。
αはその性質上、自分のΩにマーキングして自分の存在を知らしめるけれど、Ωは通常αに対するマーキングをすることはない。
そして、残り香ではなくαがΩの香りを纏っているのは体液の交換が行われた時だと言われている。
番になっていない状態で体液の交換が行われればお互いの香りを纏い、番になってしまえばお互いにしかその香りは感じることができない。
稀に番がいても不特定のαに対してΩの香りを纏わせることのできる〈挑発フェロモン〉を持つ希少なΩもいるけれど、その〈はしたない〉行為を行うΩは稀なため都市伝説だとも思われている。
そう考えると燈哉と彼は番にはなっていないけれど、体液の交換をするような仲なのだと改めて認識させられる。
ヒートを共に過ごさなくても、身体を重ねなくても、唇を重ねれば体液の交換は可能だ。そして、僕にその行為はしてくれなかったのに、彼にはその行為をしたのだと思い知らされる。
「僕、どうしたらいいの?」
2人に頼ってはいけないと思いながらも不安に押しつぶされそうになり、正直な気持ちを吐露してしまう。
「燈哉は僕のこと、番にしてくれるんじゃなかったんだね。
あの子、今居君?
今居君はきっと、もうヒートが来てるんだね。そうだよね、僕みたいに小さくないし、僕みたいに弱くなさそうだったし。
僕にヒートが来てたら燈哉は今居君に気付かなかったのかな?
僕と番になってたら今居君と番にならなかったのかな?」
「まだ番じゃないと思うけどね」
僕の言葉に返答に困ったのか、政文がそんなことを言って伊織に嗜められる。政文は政文なりに気を遣ってくれたのだろうけど、番になっていないのは大きな問題じゃない。
僕じゃなくて彼が【番】として選ばれた事実が僕を傷付けるのだ。
「とりあえず羽琉は僕と一緒にいれば大丈夫だから。僕だってαなんだし、僕だけじゃ無理な時はすぐに政文が来てくれるだろうし。
燈哉がそばに居なくても僕たちが一緒にいればαから守ってあげられるから」
そんな風に心配してくれる伊織にそれ以上何も言うことはできなかった。
「何でこんなとこ知ってるの?」
不思議そうな僕に「持つべきものは先輩だね」と政文が笑う。同級生とだって特定の友人としか交流のない僕と違い、政文も伊織も交友関係が広いせいで色々な繋がりがあるのだろう。
僕自身は他者との交流が少ないけれど、燈哉は新入生代表を務めるくらいだから当然だけど顔が広い。その燈哉と共に過ごしていた僕は交流がなくても知られた存在らしく、昨日の出来事のせいで何かしらの配慮が生まれたのかもしれない。
「ストレス溜めちゃダメなんでしょ?
だったらストレスの原因は排除するのが1番だしね。
羽琉だって気付いちゃったんでしょ?
燈哉来たら顔色悪くなってたし。
でもとりあえずお弁当食べちゃおうか」
僕としては早く話を聞きたいところだけど、食べてしまえば食欲を無くすような内容なのだろう。そう促され仕方なく先に食事を済ませる。
2人よりもかなり量が少ないのに食べ終わるのが同じなのは歩くのと同じで、食べるのも遅いから。
途中で箸を止めようとするとふたりして僕のことを叱るため仕方なく弁当を口に運ぶ。こんな時、燈哉なら無理しなくていいと言ってくれるのにと考えてしまい苦しくなる。
「それで、何があったのか教えてくれる?」
全て食べ終え、持参した水筒のお茶で口内を洗い流す。喉に引っかかった何かを無理やり押し込むようにしてから口を開いたのは込み上げてくる何かを押し戻したかったから。
知らないふりをすることはできなくてそう聞いてみたのはこの時間はそのために用意された時間だから。
僕の覚悟が伝わったのか、言いにくそうに伊織が口を開く。
「昨日、燈哉と一緒にいたのは今居 涼夏。
気付いたと思うけどΩだよ」
「うん、ネックガードしてた」
昨日気づいたことを素直に伝える。
ネックガードに気付かなくても燈哉のあの顔を見て仕舞えば理解するしか無かったとも思うけれど、僕が知りたいのはそこじゃない。
「俺も戻った時には式が始まってたけどなんか、雰囲気がね。
新入生挨拶で燈哉が壇上に立った時には冷やかしと蔑みと半々って感じだったかな?」
そう言って政文が溜め息を吐くと「そりゃあ、あんなこと言ったらね」と伊織まで溜め息を吐く。
2人の様子が僕にとって悪いことでしかないと伝えているけれど、それでも次の言葉を待つ。
聞いても聞かなくても同じなら聞かないけれど、聞かないままやり過ごすことはできないのだから仕方がない。何が起こったかを理解して、自分の立ち位置を確認する必要があるだろう。
「羽琉が保健室に向かった時に燈哉怒ったじゃない?
あの後、やっぱり茶化す奴がいたんだ。羽琉ちゃん政文に取られちゃうよ、とか」
「ごめん」
政文が僕を保健室に連れて行ってくれたせいで、伊織も聞きたくないことを聞いてしまったのだろう。
「羽琉は悪くないから謝らない。それに、政文にお願いしたのは僕だよ」
「そうそう、俺にしてみれば伊織にヤキモチ妬かせてくれてありがとうだし」
「やっぱりヤキモチ妬いた?」
「妬かないって言ったら嘘になるけどどっちかって言えば嫉妬ってより周りの反応にイラっとしただけかな。それに自分の大切な人が自分以外を大切そうに運んで嫉妬するのは普通でしょ?」
僕を安心させるようにそう言うと「それに今はそんな話じゃないよ」と話を続ける。〈大切な人が自分以外を〉という言葉に反応してしまいそうになるけれど、それを意図してスルーする。
「それで、今居君が『羽琉って誰?燈哉君の何?』って言い出して…。
それで、大切な【幼馴染】だからって」
「まあ、間違いじゃないけどな」
「まあね。
それで、今居君が面白くない顔を見せたら羽琉のことは身体が弱いせいで自分がずっと面倒を見てきたからとか言って。
自分以外には触らせたくないとか言ってたの、どの口だよって周りはドン引き。
聞いてるこっちにしてみれば何それって感じだよね」
昨日の朝までは、僕と番になるのは自分だと主張していたはずの燈哉がそんなことを言い出せば確かにそうだろう。だけど僕にとってはドン引きで済ませることのできない言葉。
今までは燈哉の庇護が当たり前だと思い、その時が来れば燈哉と番になるのだという認識の中で過ごして来たけれど、僕を番にする気はないと言われたのと同じなのだ。
「俺たちが一緒にいるから」
僕の不安を感じ取ったのだろう。
政文がそう言って伊織にも確認する。
「とりあえずクラス単位で動く時は伊織がいるし、登下校は隆臣さんがきてくれるだろ?」
「政文、やることないじゃん」
「え、弁当は一緒に」
「でも2人とも学食でしょ?」
「羽琉が弁当持って一緒に学食にくれば席取りお願いできるんじゃない?」
「え、羽琉に席取りさせるとか政文鬼畜。
あ、僕と羽琉は座ってるから政文が並んでくれるとか?」
深刻な話をしていたはずなのに、それなのに少しだけ気持ちが緩む。
今話した内容を考えれば伊織と政文の申し出に甘えるのが1番だろう。だけど燈哉のことを諦めきれない僕は即答することができなかった。
「燈哉に言っておいたんだ」
返事のできない僕に政文が重い口を開く。
「他のΩの匂いさせて羽琉に近付くなって」
その言葉の意味を考え、昨日の2人を思い浮かべる。彼のことをそっと抱きしめた燈哉は僕に見向きもせずに、ただただ彼のことを愛おしそうに見つめていた。
「燈哉は今居は羽琉みたいに守るべき存在ではないけれど、放っておけないって。
話にならないから今居の匂いが消えるまでは羽琉と話すことも許さないって言っておいた。
羽琉のことは俺と伊織が守るから」
「そんな、駄目だよ」
燈哉の主張にショックを受けたけれど、それ以上に2人に迷惑をかけてしまうことが申し訳なくて政文の言葉を受け入れることができない。
「でも、もう言っちゃったし。
羽琉がストレスで体調崩したのは燈哉の行動のせいだって言っておいたし」
「そこまで言ったんだ」
政文も伊織も面白そうにしているけれど、正直僕には笑えないことばかりだ。
燈哉が彼を守りたい存在だと認めたこと。
僕のことを【幼馴染】だと格下げしたこと。昨日の朝までは僕のことを【番】扱いしていたのに、あの短時間で僕はその地位を失ったのだろう。
そして、燈哉が彼の香りを纏っていたことも僕を落ち込ませる。
今までは僕を守るという大義名分で僕に触れ、自分の存在を周知していたけれど僕の香りを燈哉が纏うことはなかった。『羽琉、早く大きくなりな』そう言って僕の頸を香ることはあってもそれ以上僕に触れることはなかった。
αである燈哉がΩである僕の頸を香ることによって自分の庇護を主張していたけれど、それは一方通行の行為。
僕は受け取るだけで与えることは許されず、『羽琉にヒートが来たらその時にね』と言われていたんだ。
αはその性質上、自分のΩにマーキングして自分の存在を知らしめるけれど、Ωは通常αに対するマーキングをすることはない。
そして、残り香ではなくαがΩの香りを纏っているのは体液の交換が行われた時だと言われている。
番になっていない状態で体液の交換が行われればお互いの香りを纏い、番になってしまえばお互いにしかその香りは感じることができない。
稀に番がいても不特定のαに対してΩの香りを纏わせることのできる〈挑発フェロモン〉を持つ希少なΩもいるけれど、その〈はしたない〉行為を行うΩは稀なため都市伝説だとも思われている。
そう考えると燈哉と彼は番にはなっていないけれど、体液の交換をするような仲なのだと改めて認識させられる。
ヒートを共に過ごさなくても、身体を重ねなくても、唇を重ねれば体液の交換は可能だ。そして、僕にその行為はしてくれなかったのに、彼にはその行為をしたのだと思い知らされる。
「僕、どうしたらいいの?」
2人に頼ってはいけないと思いながらも不安に押しつぶされそうになり、正直な気持ちを吐露してしまう。
「燈哉は僕のこと、番にしてくれるんじゃなかったんだね。
あの子、今居君?
今居君はきっと、もうヒートが来てるんだね。そうだよね、僕みたいに小さくないし、僕みたいに弱くなさそうだったし。
僕にヒートが来てたら燈哉は今居君に気付かなかったのかな?
僕と番になってたら今居君と番にならなかったのかな?」
「まだ番じゃないと思うけどね」
僕の言葉に返答に困ったのか、政文がそんなことを言って伊織に嗜められる。政文は政文なりに気を遣ってくれたのだろうけど、番になっていないのは大きな問題じゃない。
僕じゃなくて彼が【番】として選ばれた事実が僕を傷付けるのだ。
「とりあえず羽琉は僕と一緒にいれば大丈夫だから。僕だってαなんだし、僕だけじゃ無理な時はすぐに政文が来てくれるだろうし。
燈哉がそばに居なくても僕たちが一緒にいればαから守ってあげられるから」
そんな風に心配してくれる伊織にそれ以上何も言うことはできなかった。
76
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
奇跡に祝福を
善奈美
BL
家族に爪弾きにされていた僕。高等部三学年に進級してすぐ、四神の一つ、西條家の後継者である彼が記憶喪失になった。運命であると僕は知っていたけど、ずっと避けていた。でも、記憶がなくなったことで僕は彼と過ごすことになった。でも、記憶が戻ったら終わり、そんな関係だった。
※不定期更新になります。
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる