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【side:政文】ΩらしいΩ。αらしいΩ。そして、Ωらしいα。
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「でも、そんなに羽琉のことが大切ならなんで今居のことを、あんなに気にするんだろう?」
少し考え込んだ伊織が言った言葉の意味を考え、慎重に答えを探す。
燈哉は今居の何に惹かれたのか。
今居は燈哉のことをどう思っているのか。
羽琉はそれでも燈哉を選ぶのか。
燈哉を諦めた時に伊織は想いを伝えるのか。
そして、想いを告げられた羽琉が伊織を選ぶのか。
同じαであってもΩに対する気持ちは同じじゃ無いことは自分と伊織を比べても明らかだ。
だから燈哉の行動を頭から否定する気はないけれど、それでも守りたい者に対する考え方の違いには違和感を感じる。
伊織のように純粋に羽琉を大切に思う気持ちと、俺のように【Ωであるから】庇護しなければという使命感から羽琉を気にすることは全く違う。ただ、他のΩに対してはそこまでの感情は無いから自分の中で羽琉が特別であることに間違いはない。
いくら今居がΩであっても庇護欲を感じることは無いし、昼間話した男性Ωに対しても何も感じるものは無かった。無かったどころか、羽琉と燈哉の関係を知っているくせに今居に肩入れしていることに苛立ちを感じたほどだ。パートナーのいないΩは自分を守るために協力関係を持つと聞いたことがあるけれど、付き合いの長さを考えれば羽琉の方が長いはずなのに、燈哉といい彼といい、今居にどれほどの魅力があるのかと疑問に思う。
「庇護したい相手と大切にしたい相手が違うってこともあるんじゃないか?」
燈哉の気持ちは理解し難いけれど、それでも自分の気持ちと照らし合わせて言葉にする。羽琉を庇護したい気持ちと伊織を大切にしたい気持ちが違うのは実感として感じているから。
αとしての本能で庇護したいと思う気持ち、αとしての本能で執着する想い、それを否定する気はないけれど、過度なその想いが多方向に向かってしまうと齟齬が生まれてしまうのだろう。
「それ、何が違うの?」
「単純にαとして弱いΩを守りたいっていう庇護欲と、性差も何も関係なく大切にしたいと思う気持ちと。
燈哉にとっての羽琉は庇護欲を満たすことのできる相手で、今居のことは羽琉に対する庇護欲とは違う何かがあるんじゃないのか?」
俺は自分自身の経験として実感しているけれど、庇護欲も執着も羽琉に対してしか向けることのない伊織には理解できないのだろう。
羽琉も今居もΩだけど、その性質は全く違って見える。見た目で人を判断するのは良くないと分かっていても、明らかに違うふたりを並べて比べてしまうのは仕方のないことだろう。
幼い頃から他と比べると小さかった羽琉は、高等部になった今も標準に満たない。華奢と言えば聞こえはいいけれど、病的と言っても間違いじゃない。
日に焼けることのない白い肌と艶やかな黒髪。黙って座っている時、その瞳は輝きが無く空洞のように見える。中等部の頃はもう少し社交性があったはずだけど、入学式での出来事が羽琉を萎縮させているのだろう。
そんな羽琉の瞳に光が宿るのは気を許した相手、燈哉や伊織を相手にしている時だけで、クラスメイトと接する時に多少の表情が浮かぶものの、どこか一線引かれているように見えるのは燈哉のマーキングのせいなのかもしれない。他の生徒に影響を与えないよう、燈哉の機嫌を損ねないよう。
俺に対する時にも他の生徒に接する時に比べれば表情はあるけれど、燈哉や伊織に対する信頼を向けられることは無い。羽琉にとって俺は伊織の付属品でしかないのかもしれない。
今居は一見すればΩに見えない。
身長も高く、伸びやかな手足と筋肉質とは言わないもののバランスの取れた体型。伊織と並んでも遜色がないだろう。
明るめの髪色は少し派手に見える容姿とマッチしていて燈哉と並んでも庇護する者と庇護される者には見えない。
α同士と言われたら納得してしまうだろう。
αの本能として羽琉に対しては明確に【守りたい】【守らなければいけない】という気持ちを持てるけど、今居に対してはΩだと分かっていてもそんな気持ちは微塵も思わないのはその外見のせいもあるのかもしれない。
ただ、Ωと認識はしているから目の前で今居が危険な目に遭っていれば助けようと思うだろうし、きっと助けるために動くのだろうけれど、何もないフラットな状態で【庇護する対象】として見ることができるかと考えてそれは無理だと結論を出す。
全てのΩに対して庇護欲を駆り立てられるわけではないのだ。
挙句、面白くないことに、燈哉と今居が並んで歩く姿と、俺と伊織が並んで歩く姿が似ているらしく、もともと伊織はΩではないのかと疑う声があったのは知っていたけれど、その言葉が独り歩きしてしまったのは大きな誤算。
今まで一緒に過ごしてきた学友は伊織がαだと知っているけれど、高等部から入学した生徒の中にはその噂を鵜呑みするものも少なくない。
中には伊織がΩならと声をかけようとする者まで出てきており、自分の中では羽琉よりも伊織を囲うことの方が重要事項になっている。
燈哉は燈哉でどうしようもないけれど、俺だって人のことは言えないのかもしれない。
燈哉も俺も、この不毛な関係を壊すきっかけを欲しているのだ、きっと。
「でもさ、今居ってΩっぽくないよね。
αって言われたらそうかなって思うし」
そんな伊織の言葉に苦笑いが漏れる。
俺の隣に立つと自分がΩに見られるとぼやいていた事があったけれど、それとこれとは別の問題らしい。
「確かに、羽琉とは正反対だな」
「燈哉はどこに惹かれたんだろう?」
「まあ、人の好みはそれぞれだし」
伊織のようにΩらしいΩの羽琉を好むのなら今居は完全に対象外だろう。だけど、αであっても伊織に惹かれてしまった俺には燈哉の好みを否定することはできない。
「とりあえず、伊織は伝言と鞄よろしくな」
話しながら歩くうちに教室についてしまったため鞄を伊織に託す。
「そうだった、」
そう言いながら鞄を受け取った伊織に「燈哉と伊織は考え方そのものが違うんだから悩みすぎるなよ」と声をかけ、自分の教室に向かうことにする。その言葉が納得できないようで「ああ」とか「ん、」とか曖昧な返事が返ってきたことに苦笑いが漏れるけれど「また昼に、いつもの場所で」と声をかけて背を向ければ「うん」と応えた伊織に満足はしたけれど、少しずつ変化していく環境に戸惑いを覚えたのは本能。
羽琉を守りたい伊織と、伊織を守りたい俺。羽琉に対する執着をあからさまに見せれば燈哉は伊織を排除しようとするかもしれない。
俺が隣にいることでカムフラージュになってはいるはずだけど、それが通用しなくなった時の対応を考える必要があるかもしれない。
そんなことを考えて過ごす時は時間の流れが遅く、いつもなら学食で待ち合わせるのに教室まで迎えにいくことにする。
伊織と羽琉、そして燈哉は同じクラスになる事が多く、今年も3人揃って同じクラスだったせいで伊織が何かやらかしていないか心配だったんだ。
その外見から嫋やかだの、妖艶だの言われる伊織だけど、羽琉に対してはなかなかにアグレッシブだ。燈哉に対して詰め寄っていたとしてもおかしくない。
「伊織」
そう声をかけた俺に不貞腐れた顔を見せた伊織は声に出すことなく視線で不満を表す。視線の先には弁当を並べる燈哉と羽琉。中等部の頃から見慣れた光景だ。
「結局、いつも通り?」
そう言ったものの、羽琉に施されたマーキングに気付き呆れてしまう。あれほど強いマーキングを施してしまうと周りにも影響が出てしまうだろう。
「それにしてもマーキング、凄いな。
あれだけマーキングが強いとαもβも近寄れないな」
思わずそう口にするけれど、羽琉に興味を持たなければ問題ない。だけど、羽琉に執着する伊織には辛いだろうと問い掛ければ小さく頷く。
「政文も?」
「………俺は案外平気」
燈哉と自分を比べてもαとしての強さに大きな差は無い。そして、羽琉に対しても伊織のような執着を持たない俺にとっては燈哉のマーキングは感じていても何の脅威もない。
伊織はきっと羽琉に近付けば近付くほど辛くなるのだろうなと思えば気の毒に思うけれど、αとしての力の差はどうすることもできないのだろう。
近づきたいのに近付けない、ただただ見ていることしかできない。そんな伊織の視線に気付いたのか羽琉がこちらを見る。
「大丈夫だから」
声は届かないけれど、確かにそう言った羽琉はすぐに視線を逸らす。
「伊織、行くぞ」
羽琉が選んだのだからこれ以上何かする必要はないと伊織を教室から連れ出す。
「羽琉が自分で選んだんだから仕方ないだろ?」
俺の言葉に悔しそうな顔を見せた伊織だけど「そうだよね、」と小さく呟くとそれ以降は口を開こうとしなかった。
少し考え込んだ伊織が言った言葉の意味を考え、慎重に答えを探す。
燈哉は今居の何に惹かれたのか。
今居は燈哉のことをどう思っているのか。
羽琉はそれでも燈哉を選ぶのか。
燈哉を諦めた時に伊織は想いを伝えるのか。
そして、想いを告げられた羽琉が伊織を選ぶのか。
同じαであってもΩに対する気持ちは同じじゃ無いことは自分と伊織を比べても明らかだ。
だから燈哉の行動を頭から否定する気はないけれど、それでも守りたい者に対する考え方の違いには違和感を感じる。
伊織のように純粋に羽琉を大切に思う気持ちと、俺のように【Ωであるから】庇護しなければという使命感から羽琉を気にすることは全く違う。ただ、他のΩに対してはそこまでの感情は無いから自分の中で羽琉が特別であることに間違いはない。
いくら今居がΩであっても庇護欲を感じることは無いし、昼間話した男性Ωに対しても何も感じるものは無かった。無かったどころか、羽琉と燈哉の関係を知っているくせに今居に肩入れしていることに苛立ちを感じたほどだ。パートナーのいないΩは自分を守るために協力関係を持つと聞いたことがあるけれど、付き合いの長さを考えれば羽琉の方が長いはずなのに、燈哉といい彼といい、今居にどれほどの魅力があるのかと疑問に思う。
「庇護したい相手と大切にしたい相手が違うってこともあるんじゃないか?」
燈哉の気持ちは理解し難いけれど、それでも自分の気持ちと照らし合わせて言葉にする。羽琉を庇護したい気持ちと伊織を大切にしたい気持ちが違うのは実感として感じているから。
αとしての本能で庇護したいと思う気持ち、αとしての本能で執着する想い、それを否定する気はないけれど、過度なその想いが多方向に向かってしまうと齟齬が生まれてしまうのだろう。
「それ、何が違うの?」
「単純にαとして弱いΩを守りたいっていう庇護欲と、性差も何も関係なく大切にしたいと思う気持ちと。
燈哉にとっての羽琉は庇護欲を満たすことのできる相手で、今居のことは羽琉に対する庇護欲とは違う何かがあるんじゃないのか?」
俺は自分自身の経験として実感しているけれど、庇護欲も執着も羽琉に対してしか向けることのない伊織には理解できないのだろう。
羽琉も今居もΩだけど、その性質は全く違って見える。見た目で人を判断するのは良くないと分かっていても、明らかに違うふたりを並べて比べてしまうのは仕方のないことだろう。
幼い頃から他と比べると小さかった羽琉は、高等部になった今も標準に満たない。華奢と言えば聞こえはいいけれど、病的と言っても間違いじゃない。
日に焼けることのない白い肌と艶やかな黒髪。黙って座っている時、その瞳は輝きが無く空洞のように見える。中等部の頃はもう少し社交性があったはずだけど、入学式での出来事が羽琉を萎縮させているのだろう。
そんな羽琉の瞳に光が宿るのは気を許した相手、燈哉や伊織を相手にしている時だけで、クラスメイトと接する時に多少の表情が浮かぶものの、どこか一線引かれているように見えるのは燈哉のマーキングのせいなのかもしれない。他の生徒に影響を与えないよう、燈哉の機嫌を損ねないよう。
俺に対する時にも他の生徒に接する時に比べれば表情はあるけれど、燈哉や伊織に対する信頼を向けられることは無い。羽琉にとって俺は伊織の付属品でしかないのかもしれない。
今居は一見すればΩに見えない。
身長も高く、伸びやかな手足と筋肉質とは言わないもののバランスの取れた体型。伊織と並んでも遜色がないだろう。
明るめの髪色は少し派手に見える容姿とマッチしていて燈哉と並んでも庇護する者と庇護される者には見えない。
α同士と言われたら納得してしまうだろう。
αの本能として羽琉に対しては明確に【守りたい】【守らなければいけない】という気持ちを持てるけど、今居に対してはΩだと分かっていてもそんな気持ちは微塵も思わないのはその外見のせいもあるのかもしれない。
ただ、Ωと認識はしているから目の前で今居が危険な目に遭っていれば助けようと思うだろうし、きっと助けるために動くのだろうけれど、何もないフラットな状態で【庇護する対象】として見ることができるかと考えてそれは無理だと結論を出す。
全てのΩに対して庇護欲を駆り立てられるわけではないのだ。
挙句、面白くないことに、燈哉と今居が並んで歩く姿と、俺と伊織が並んで歩く姿が似ているらしく、もともと伊織はΩではないのかと疑う声があったのは知っていたけれど、その言葉が独り歩きしてしまったのは大きな誤算。
今まで一緒に過ごしてきた学友は伊織がαだと知っているけれど、高等部から入学した生徒の中にはその噂を鵜呑みするものも少なくない。
中には伊織がΩならと声をかけようとする者まで出てきており、自分の中では羽琉よりも伊織を囲うことの方が重要事項になっている。
燈哉は燈哉でどうしようもないけれど、俺だって人のことは言えないのかもしれない。
燈哉も俺も、この不毛な関係を壊すきっかけを欲しているのだ、きっと。
「でもさ、今居ってΩっぽくないよね。
αって言われたらそうかなって思うし」
そんな伊織の言葉に苦笑いが漏れる。
俺の隣に立つと自分がΩに見られるとぼやいていた事があったけれど、それとこれとは別の問題らしい。
「確かに、羽琉とは正反対だな」
「燈哉はどこに惹かれたんだろう?」
「まあ、人の好みはそれぞれだし」
伊織のようにΩらしいΩの羽琉を好むのなら今居は完全に対象外だろう。だけど、αであっても伊織に惹かれてしまった俺には燈哉の好みを否定することはできない。
「とりあえず、伊織は伝言と鞄よろしくな」
話しながら歩くうちに教室についてしまったため鞄を伊織に託す。
「そうだった、」
そう言いながら鞄を受け取った伊織に「燈哉と伊織は考え方そのものが違うんだから悩みすぎるなよ」と声をかけ、自分の教室に向かうことにする。その言葉が納得できないようで「ああ」とか「ん、」とか曖昧な返事が返ってきたことに苦笑いが漏れるけれど「また昼に、いつもの場所で」と声をかけて背を向ければ「うん」と応えた伊織に満足はしたけれど、少しずつ変化していく環境に戸惑いを覚えたのは本能。
羽琉を守りたい伊織と、伊織を守りたい俺。羽琉に対する執着をあからさまに見せれば燈哉は伊織を排除しようとするかもしれない。
俺が隣にいることでカムフラージュになってはいるはずだけど、それが通用しなくなった時の対応を考える必要があるかもしれない。
そんなことを考えて過ごす時は時間の流れが遅く、いつもなら学食で待ち合わせるのに教室まで迎えにいくことにする。
伊織と羽琉、そして燈哉は同じクラスになる事が多く、今年も3人揃って同じクラスだったせいで伊織が何かやらかしていないか心配だったんだ。
その外見から嫋やかだの、妖艶だの言われる伊織だけど、羽琉に対してはなかなかにアグレッシブだ。燈哉に対して詰め寄っていたとしてもおかしくない。
「伊織」
そう声をかけた俺に不貞腐れた顔を見せた伊織は声に出すことなく視線で不満を表す。視線の先には弁当を並べる燈哉と羽琉。中等部の頃から見慣れた光景だ。
「結局、いつも通り?」
そう言ったものの、羽琉に施されたマーキングに気付き呆れてしまう。あれほど強いマーキングを施してしまうと周りにも影響が出てしまうだろう。
「それにしてもマーキング、凄いな。
あれだけマーキングが強いとαもβも近寄れないな」
思わずそう口にするけれど、羽琉に興味を持たなければ問題ない。だけど、羽琉に執着する伊織には辛いだろうと問い掛ければ小さく頷く。
「政文も?」
「………俺は案外平気」
燈哉と自分を比べてもαとしての強さに大きな差は無い。そして、羽琉に対しても伊織のような執着を持たない俺にとっては燈哉のマーキングは感じていても何の脅威もない。
伊織はきっと羽琉に近付けば近付くほど辛くなるのだろうなと思えば気の毒に思うけれど、αとしての力の差はどうすることもできないのだろう。
近づきたいのに近付けない、ただただ見ていることしかできない。そんな伊織の視線に気付いたのか羽琉がこちらを見る。
「大丈夫だから」
声は届かないけれど、確かにそう言った羽琉はすぐに視線を逸らす。
「伊織、行くぞ」
羽琉が選んだのだからこれ以上何かする必要はないと伊織を教室から連れ出す。
「羽琉が自分で選んだんだから仕方ないだろ?」
俺の言葉に悔しそうな顔を見せた伊織だけど「そうだよね、」と小さく呟くとそれ以降は口を開こうとしなかった。
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