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【side:涼夏】Ωだから仕方ない。
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自分がΩだと知った時、その診断が信じられなくて何かの間違いだと受け入れることを拒否した。
自分がΩであるはずがない。
自分はαだ。
診断が覆ることはまず無いと言われても諦めることができず、再度診断を受けてみたものの、再度Ωとの診断が出ただけで受け入れるしかなくなってしまった。
当時、同じ中学のΩと付き合っていたオレは、その時を心待ちにしていた。
大切なΩを慈しみ、大切に大切に、宝物のように扱おうと決めていた。
それなのに、自分がΩだったせいで全てが変わってしまったのだ。
Ωだから仕方ない。
そう言われてネックガードをして登校すれば「αじゃなかったんだ」「え、Ωだったの!?」と嘲笑う声が聞こえる。付き合っていた相手はオレがΩだったと知ると「涼夏君のことは好きだけど、気持ちの整理がつかない。少し時間くれる?」と言われてしまい、少しと時間を待っている間にフェイドアウトしてしまった。
彼のことを責めることなんてできなかった。自分がΩと診断され、近くにαがいることでどれだけ安心感を得られるかを知っているから。
毎朝の両親からのハグは、子を守るためのマーキングで、ヒートが来ていないオレにとってはお守りみたいなもの。
Ωだからといって常に危険に晒されるわけではないけれど、庇護のあるΩにわざわざちょっかいを出すαは少ない。
「お前、本当にΩなの?」
「そんなΩ、見たことない」
「誰も涼夏のことなんて襲わないって。
ネックガード、意味ねえ」
今まではαには敵わないからと遠巻きにしていた一部の生徒からはそんな声をかけられるものの、口撃だけなのは両親からのマーキングのおかげだろう。
「涼夏がαじゃなかったなんて、どうしたらいいの?」
そう言って泣いた彼に何も言えず、時間が欲しいと言われたまま卒業を迎えフェイドアウトしてしまった関係。
彼がどこの学校に行ったのかを知る術はあるけれど、彼が求めていたのはαであるオレなのだから仕方ないと詮索はしなかった。
Ωと診断が出ても、それを頭では受け入れていても、αとして過ごしてきた時間が長すぎて、そんなアンバランスなオレを心配した両親に言われるまま決めた進路は家から離れた学校だった。
近隣では有名なαやΩが多く通う学校で、入学が決まった時には親が引っ越すと言い出しそれを止めるのに苦労した。
「同級生に会いたくないんじゃないの?」
そう言って心配そうな顔をされたけど、Ωだったから逃げたと言われるのも面白くないし、そもそも家のローンだってまだ残っている。オレがΩだと診断された時にセキュリティーだって強化していたはずだ。
「大丈夫だって。
会いたくない同級生は確かにいるけど、そうじゃないヤツだっているし。
そもそも、薬でなんとかなりそうだし」
そう答えたのは初めてのヒートが思った以上に軽く、何事もなかったかのように終わったせいもある。
両親共にαなのにΩが産まれることは珍しいらしく、週に一度受診するように指示されたのは正直面倒だった。だけどそのおかげでいち早くヒートの訪れに気付き、対処できたことには感謝している。
帰宅してもαの両親ではケアが難しいかもと言われて専用の部屋で過ごした初めてのヒートは思っていた以上に軽く、薬を飲んでしまえば治ってしまうほどだった。気持ちの問題なのか昂りはあったものの、一度慰めれば治ってしまう程度。男性Ωは後ろで受け入れることができると知っていたけれど、そこに触れることもなく終わるヒート。
中途半端なΩ。
αの両親から産まれたせいでΩなのにα因子が強いとか、それならばαにしてくれれば良かったのにと苛立つ。α因子が強いΩだなんて、そんなどっちつかずの存在であるのなら間をとってβでいいじゃないかと荒唐無稽なことまで考えてしまう。
それまでαとして扱われていたのに突然Ωとして腫れ物を触るような対応をされることに辟易してしまう。
そんな毎日に「やり辛い…」と愚痴をこぼせば「Ωだから仕方ないよ」と宥められる。Ωになることを選択したのはオレじゃないのに、環境は変わらないのにオレの周囲だけが変化していく。
「Ωだから仕方ない」
そう言えば付き合っていたΩの彼も、時折そんなことを言っていたなと思い出す。夏場にネックガードが邪魔であっても外すことができず、行動にも制限がある。Ωだと診断を受けてからは、もしもの時を考えて緊急用の抑制剤を常に携帯することを強いられる。
他人事だと思っていたこと、それら全ての煩わしさから守ろうと思っていたのに自分の想定していた行動は、全て自分が与えられる立場になってしまったのだ。
正直なところ電車通学に不安がなかったわけじゃない。
Ωであるのにαと勘違いさせるような容姿だったオレはΩ専用車両に乗る度に好機の目に晒されることになる。
覚悟していたとはいえ居心地は良くない。
「ここ、Ω専用ですよ」
入学する前に何度か電車に乗る機会があったけれど、Ω専用車両に乗る度にそんなふうに声をかけられ、隠していた首元を晒せば「ごめんなさい」と謝られる。首元を晒し必要ないと嗤われたことで隠していたネックガードだったけど、Ωとして生きていくためには仕方ないと隠すことを止めた。
Ωだと診断されただけで〈今居 涼夏〉という人間が変質わけでもないのに勝手に変わっていく環境に馴染むことができず、必要以上に気を遣われることに違和感を感じて少しずつ心が消耗していく。
あの日は朝からただただ緊張していたのを覚えている。
新しい環境と新しい学校、そして新しい人間関係。
今までは自宅から近い学校だったため知った顔が多かったし、【推定α】だというだけで周りが勝手にオレのことを持ち上げていたことに気付いたのはΩと診断を受けてから。αと共に過ごすことによる恩恵が欲しくて側にいたヤツは思ったより多かった事を知ってしまった。
もちろんそんなヤツばかりではなかったけれど、多感な時期に受けた裏切りとも取れる行動はオレのことを臆病にさせる。
αといれば安泰なのかもしれない。
Ωであることを受け入れ、αの庇護を受けることこそが平穏を手に入れる近道なのかもしれない。
そんなことを考えていたせいか、その日はやたらとαの【匂い】が気になって仕方がなかった。廊下を歩いていても気になってしまうαの香り。
それは良いとか悪いではなくて、そこかしこにαがいることを認識して自分との違いを見せつけられる香り。
もしも自分からもあんなふうにαとしてのフェロモンが香っていたら、付き合っていた彼と別れることなく同じ学校に通うこともできていたのに、そんな思いを捨て切ることができない。
自分にはないΩを惹きつける香りに羨ましさを感じながらも劣等感を刺激される。だけど、劣等感を抱きながらも支配されてしまえば楽になれるのではないかと思ったりもするのだから始末が悪い。
Ωであるのにαとしての思考を捨てきれない中途半端な存在。いっそのことΩだと思い知らされてしまえば納得するしかないのかもしれない、そう思った時に現れたのが燈哉だった。
燈哉が体育館に入って来た時に周りが少し騒ついたことが彼を知るきっかけ。
「相模君が新入生代表だって」
「まあ、そうだよな」
「相変わらず羽琉君と仲良いよね」
「仲良いっていうか…」
周りで交わされる会話は体育館に入ってきたふたりに対する言葉らしく、そちらを見れば如何にもなαとΩの姿が目に入る。この体育館に入るまでに会ったどのαとも違う、【強いα】の存在感。自分の隣に立つΩを守るために放たれるフェロモンは周りを萎縮させるようだったけれど、オレにはとても心地良かった。
自分もあんなふうに強いαであれば、今この場所にいなかっただろうと自分の姿をそのαと入れ替えてみる。オレの隣でオレを頼るΩの彼。フェイドアウトしてしまった彼は、誰か守ってくれるαを見付けることができたのだろうか。
新しい学校で困っていないだろうか。
自分のΩを守るために発せられるαのフェロモンが心地良い。あんなふうに守ることができれば、そんなふうに思っていたはずなのに、いつの間にかあんなふうに守られることができれば楽になれるのかもしれないと思考が移り変わっていく。
強いαに支配され、庇護され、自分ではどうしようもないのだと見せつけられてしまえば諦めるしかないだろうと思考が彷徨う。
新しい環境に緊張した心と、自分が思い描いていた理想の存在を見せつけられたことで湧き上がった劣等感。
それまで優れていると思っていた自分は、所詮庇護される側だったのだという敗北感。
強いものに従いたいという本能。
自分は支配される側だと認識することは屈辱でしかなかった。
自分がΩであるはずがない。
自分はαだ。
診断が覆ることはまず無いと言われても諦めることができず、再度診断を受けてみたものの、再度Ωとの診断が出ただけで受け入れるしかなくなってしまった。
当時、同じ中学のΩと付き合っていたオレは、その時を心待ちにしていた。
大切なΩを慈しみ、大切に大切に、宝物のように扱おうと決めていた。
それなのに、自分がΩだったせいで全てが変わってしまったのだ。
Ωだから仕方ない。
そう言われてネックガードをして登校すれば「αじゃなかったんだ」「え、Ωだったの!?」と嘲笑う声が聞こえる。付き合っていた相手はオレがΩだったと知ると「涼夏君のことは好きだけど、気持ちの整理がつかない。少し時間くれる?」と言われてしまい、少しと時間を待っている間にフェイドアウトしてしまった。
彼のことを責めることなんてできなかった。自分がΩと診断され、近くにαがいることでどれだけ安心感を得られるかを知っているから。
毎朝の両親からのハグは、子を守るためのマーキングで、ヒートが来ていないオレにとってはお守りみたいなもの。
Ωだからといって常に危険に晒されるわけではないけれど、庇護のあるΩにわざわざちょっかいを出すαは少ない。
「お前、本当にΩなの?」
「そんなΩ、見たことない」
「誰も涼夏のことなんて襲わないって。
ネックガード、意味ねえ」
今まではαには敵わないからと遠巻きにしていた一部の生徒からはそんな声をかけられるものの、口撃だけなのは両親からのマーキングのおかげだろう。
「涼夏がαじゃなかったなんて、どうしたらいいの?」
そう言って泣いた彼に何も言えず、時間が欲しいと言われたまま卒業を迎えフェイドアウトしてしまった関係。
彼がどこの学校に行ったのかを知る術はあるけれど、彼が求めていたのはαであるオレなのだから仕方ないと詮索はしなかった。
Ωと診断が出ても、それを頭では受け入れていても、αとして過ごしてきた時間が長すぎて、そんなアンバランスなオレを心配した両親に言われるまま決めた進路は家から離れた学校だった。
近隣では有名なαやΩが多く通う学校で、入学が決まった時には親が引っ越すと言い出しそれを止めるのに苦労した。
「同級生に会いたくないんじゃないの?」
そう言って心配そうな顔をされたけど、Ωだったから逃げたと言われるのも面白くないし、そもそも家のローンだってまだ残っている。オレがΩだと診断された時にセキュリティーだって強化していたはずだ。
「大丈夫だって。
会いたくない同級生は確かにいるけど、そうじゃないヤツだっているし。
そもそも、薬でなんとかなりそうだし」
そう答えたのは初めてのヒートが思った以上に軽く、何事もなかったかのように終わったせいもある。
両親共にαなのにΩが産まれることは珍しいらしく、週に一度受診するように指示されたのは正直面倒だった。だけどそのおかげでいち早くヒートの訪れに気付き、対処できたことには感謝している。
帰宅してもαの両親ではケアが難しいかもと言われて専用の部屋で過ごした初めてのヒートは思っていた以上に軽く、薬を飲んでしまえば治ってしまうほどだった。気持ちの問題なのか昂りはあったものの、一度慰めれば治ってしまう程度。男性Ωは後ろで受け入れることができると知っていたけれど、そこに触れることもなく終わるヒート。
中途半端なΩ。
αの両親から産まれたせいでΩなのにα因子が強いとか、それならばαにしてくれれば良かったのにと苛立つ。α因子が強いΩだなんて、そんなどっちつかずの存在であるのなら間をとってβでいいじゃないかと荒唐無稽なことまで考えてしまう。
それまでαとして扱われていたのに突然Ωとして腫れ物を触るような対応をされることに辟易してしまう。
そんな毎日に「やり辛い…」と愚痴をこぼせば「Ωだから仕方ないよ」と宥められる。Ωになることを選択したのはオレじゃないのに、環境は変わらないのにオレの周囲だけが変化していく。
「Ωだから仕方ない」
そう言えば付き合っていたΩの彼も、時折そんなことを言っていたなと思い出す。夏場にネックガードが邪魔であっても外すことができず、行動にも制限がある。Ωだと診断を受けてからは、もしもの時を考えて緊急用の抑制剤を常に携帯することを強いられる。
他人事だと思っていたこと、それら全ての煩わしさから守ろうと思っていたのに自分の想定していた行動は、全て自分が与えられる立場になってしまったのだ。
正直なところ電車通学に不安がなかったわけじゃない。
Ωであるのにαと勘違いさせるような容姿だったオレはΩ専用車両に乗る度に好機の目に晒されることになる。
覚悟していたとはいえ居心地は良くない。
「ここ、Ω専用ですよ」
入学する前に何度か電車に乗る機会があったけれど、Ω専用車両に乗る度にそんなふうに声をかけられ、隠していた首元を晒せば「ごめんなさい」と謝られる。首元を晒し必要ないと嗤われたことで隠していたネックガードだったけど、Ωとして生きていくためには仕方ないと隠すことを止めた。
Ωだと診断されただけで〈今居 涼夏〉という人間が変質わけでもないのに勝手に変わっていく環境に馴染むことができず、必要以上に気を遣われることに違和感を感じて少しずつ心が消耗していく。
あの日は朝からただただ緊張していたのを覚えている。
新しい環境と新しい学校、そして新しい人間関係。
今までは自宅から近い学校だったため知った顔が多かったし、【推定α】だというだけで周りが勝手にオレのことを持ち上げていたことに気付いたのはΩと診断を受けてから。αと共に過ごすことによる恩恵が欲しくて側にいたヤツは思ったより多かった事を知ってしまった。
もちろんそんなヤツばかりではなかったけれど、多感な時期に受けた裏切りとも取れる行動はオレのことを臆病にさせる。
αといれば安泰なのかもしれない。
Ωであることを受け入れ、αの庇護を受けることこそが平穏を手に入れる近道なのかもしれない。
そんなことを考えていたせいか、その日はやたらとαの【匂い】が気になって仕方がなかった。廊下を歩いていても気になってしまうαの香り。
それは良いとか悪いではなくて、そこかしこにαがいることを認識して自分との違いを見せつけられる香り。
もしも自分からもあんなふうにαとしてのフェロモンが香っていたら、付き合っていた彼と別れることなく同じ学校に通うこともできていたのに、そんな思いを捨て切ることができない。
自分にはないΩを惹きつける香りに羨ましさを感じながらも劣等感を刺激される。だけど、劣等感を抱きながらも支配されてしまえば楽になれるのではないかと思ったりもするのだから始末が悪い。
Ωであるのにαとしての思考を捨てきれない中途半端な存在。いっそのことΩだと思い知らされてしまえば納得するしかないのかもしれない、そう思った時に現れたのが燈哉だった。
燈哉が体育館に入って来た時に周りが少し騒ついたことが彼を知るきっかけ。
「相模君が新入生代表だって」
「まあ、そうだよな」
「相変わらず羽琉君と仲良いよね」
「仲良いっていうか…」
周りで交わされる会話は体育館に入ってきたふたりに対する言葉らしく、そちらを見れば如何にもなαとΩの姿が目に入る。この体育館に入るまでに会ったどのαとも違う、【強いα】の存在感。自分の隣に立つΩを守るために放たれるフェロモンは周りを萎縮させるようだったけれど、オレにはとても心地良かった。
自分もあんなふうに強いαであれば、今この場所にいなかっただろうと自分の姿をそのαと入れ替えてみる。オレの隣でオレを頼るΩの彼。フェイドアウトしてしまった彼は、誰か守ってくれるαを見付けることができたのだろうか。
新しい学校で困っていないだろうか。
自分のΩを守るために発せられるαのフェロモンが心地良い。あんなふうに守ることができれば、そんなふうに思っていたはずなのに、いつの間にかあんなふうに守られることができれば楽になれるのかもしれないと思考が移り変わっていく。
強いαに支配され、庇護され、自分ではどうしようもないのだと見せつけられてしまえば諦めるしかないだろうと思考が彷徨う。
新しい環境に緊張した心と、自分が思い描いていた理想の存在を見せつけられたことで湧き上がった劣等感。
それまで優れていると思っていた自分は、所詮庇護される側だったのだという敗北感。
強いものに従いたいという本能。
自分は支配される側だと認識することは屈辱でしかなかった。
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