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【side:涼夏】あるΩの打算と誤算。
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従いたくないと思いながらも見せつけられる存在感。逃げ出したいと思いながらもその強さに惹かれるのは自分が欲しかったものを見せつけられたから。
欲しい。
欲しかった。
あの力を、あの存在感を手にしていれば今、オレの隣には彼がいてくれたかもしれないのに。
そんなどうにもできないことを考えながら、どうにもできないのなら自分が彼と同じ立ち位置に収まってしまえば楽になることができるのかもしれないと夢想する。
守ることができなくなり、守られる立場になったことを受け入れることができていないのに整えられていく環境。自分のことで精一杯で、自分のために整えられたソレに抗うことなんてできなかった。
「名前を教えてもらっても?」
「今居 涼夏です」
突然聞こえた声に無意識に答えたオレは、きっと悪くない。
顔を上げ、声の主を見て先ほどのαだと気付き高揚する。体育館に入ってきただけで人の目を引く存在感と、自分に絶対的な自信のあるものの威圧感。
その威圧が心地良い。
両親からのマーキングがあるはずなのに、ソレに気付くことなく近づいてきたαの彼は「相模 燈哉だ」と短く答える。
その声に、その姿に、そのフェロモンに魅せられる。
酩酊感に似たその感覚を楽しみながら口を開く。
「その相模君はぼくに何か?」
「燈哉と呼んで欲しい」
「じゃあ、ぼくのことも涼夏で」
Ωとしての庇護されるものの本能なのだろうか。普段は〈オレ〉が一人称なのに何故か〈ぼく〉と言ってしまうけれど、そこに違和感を感じることもない。
「外部?」
「そうだね。今年からここに通うことになったから」
「そうなんだ」
「燈哉君は?」
「俺は幼稚舎の頃から」
幼稚舎の頃からこの学校に通っているとなるとちゃんとした家の子なのだろう。良い家に生まれた強いαとなれば超優良物件だ。
悪くないな。
打算が生まれる。
新しい環境で過ごすのならこの【強いα】の庇護の元に入れば過ごしやすくなるはずだ。Ωに見えないからと言って嗤われることに怯えなくても良いかもしれない。
一緒にいたΩのことなんてはっきり言って忘れていた。
その強さを見せつけられ屈辱感を覚えていたはずなのに、支配する者の力を見せつけられて高揚する。
威圧され、そのフェロモンに魅せられ、少しずつ少しずつ自分の中に燈哉が侵食していく。
初めての感覚に酩酊感を覚え、何を話したかなんて覚えていないほどだった。
軽いヒートしか経験したことのないオレだったけれど、本来ヒートとはこういうモノなのかもしれないとぼんやりと思ったのは燈哉にハグされた時。どんな話をしてどんな経緯でそうなったのか覚えていないのは酩酊感のせいだろう。
周りの様子に全く気付いていなかったオレは、鋭い燈哉の声で我に返る。
「触るなっ‼︎」
明確な意図を持った威嚇が燈哉から放たれる。燈哉の視線の先には先ほど一緒にいたΩと、そのΩを気遣うように隣に立つ燈哉と雰囲気の似たαがいて、周囲はその様子を遠巻きに見るだけで体育館が静まり返る。
「政文っ‼︎」
鋭い声で呼ばれた名前はあのαのものだろう。燈哉の威嚇に動じることなくΩを守るように威嚇を遮るように動いている。
「政文、羽琉に触るな」
先ほど話していた時とは全く違う燈哉に危機感を覚え、咄嗟に後に続く。
「ねぇ、急にどうしたの?
なんか皆んな、怯えてるよ?」
静まり返った周りを気にしながらもそう声をかければオレの存在を思い出したのか「涼夏、ちょっと待ってて」と言われてしまい黙るしかなかった。
燈哉とオレを見てヒソヒソと囁き合うのも見えたけど、何が起こったかわかっていないオレには何もできることはない。
「羽琉っ」
燈哉に名前を呼ばれたΩの子は羽琉って言うんだ、とぼんやりと考える。周りはその関係性を知っているのだろうけど、オレには何がどうなっているのか分かっていないからその様子を見守ることしかできない。
「羽琉っ」
置いてけぼりの中、酩酊感が抜けてしまえば何を見せられているのだろうと正常な思考が戻ってくる。
ひとりのΩを巡ってされるやり取りは高揚していたオレを冷静にさせる。
もしかしてオレは、とんでもないことに巻き込まれてしまったのではないか。
そう思った時にはすでに手遅れだったんだ。
よく分からないやり取りを繰り返し、段々と顔色を悪くしていく羽琉と呼ばれた彼を政文と呼ばれたαが抱き抱えると燈哉が怒りを抑えることなく詰め寄る。
調子が悪いのならさっさと保健室に連れていくべきだとは言えず、黙ったまま見ているうちに新たな人物が増え、よく分からないやり取りが更に続く。調子の悪くなった羽琉というΩと、誰が彼を保健室に連れていくかと揉めるα。調子の悪い羽琉を気遣う振りをしながら繰り返される自己主張。
新たに加わった誰かが連れてきた白衣の男性は保健医なのだろう。
「式が始まるから戻りなさい」
「ほら、戻るよ」
保健医と共に来た人物が燈哉を促す。
「でも、」
「燈哉、羽琉のこと気にしてるけど気にする相手、違うんじゃない?」
そんなふうに言われて不思議そうな顔をした燈哉はオレの存在なんて忘れていたのだろう。
「燈哉くん?」
そう名前を呼べば「あ、ごめん」と謝られてしまった。
「あれ、誰?」
「友達というか、幼馴染?
身体が弱くてずっと面倒見てるんだ」
オレの言葉に燈哉が答えると「友達とか、幼馴染とか、」とは呆れたような、苛ついたような声が聞こえる。その言葉と体育館に入ってきた時のことを思い出せば、そんな軽い関係でないことは想像がついてしまったけれど、敢えて分かっていないフリをして言葉を続ける。
「でも威嚇、」
「ごめん、大丈夫だった?」
「ぼくは大丈夫だけど、何で?」
自分は知らなかったのだとアピールするために交わす会話。
「ずっと面倒見てきたから俺が世話するのが当たり前なのにって思ったらつい…」
「優しいんだね」
納得したフリをして「でも、少し妬けるかな」と嗤ってみせる。そんなことで誤魔化されるはずがないと伝わるだろうか?
「燈哉、そろそろ席つかないとまずいと思うよ?」
オレの嗤いにどう返すのかと待っていたのにそんな言葉で邪魔をされ「帰りに迎えに行く。もう少し話がしたい」と言われれば頷くことしかできなくて、言われるがままに連絡先を交換して自分の席に戻る。
式は滞りなく行われ、新入生代表で挨拶をした燈哉を見た時にはそうなんだ、と冷めた感想しか出なかった。
流石にαやΩの多い学校だけあって、異質であると言われた存在のオレでもΩだという理由で好機の目に晒されることは無く、式が終われば他の生徒と共に教室に向かう。
ネックガードは敢えて見えるようにしてあったけれど、それを見て揶揄されることもないし、「あ、Ωなんだ。ネックガード無ければわからないって言われない?」と言われることはもちろんあるけれど、そこには蔑むような響きは無く、ただただ純粋な感想。
「よく言われる」
そう答えれば、「αなのにΩに見える子だっているんだからΩに見えないΩの子だっているよね」と悪意のない言葉が返ってくる。αとΩの多い学校だけあって、一般的に想像するαやΩと違っていても違和感はないのかもしれない。
ただ、Ωだからと差別されることは無かったものの、「燈哉君とどんな関係?」「燈哉君と羽琉君のこと知らない?」と声をかけてきたのはオレと同じようにネックガードをしたΩの子、ふたり。
「どんな関係って初対面だし、燈哉君も羽琉君も今日初めて知った」
「外部入学だもんね、そうだよね」
「でも、不味くない?」
「だよね…」
自分の知らないところで進む会話。
自分の知らない内に変わっていく環境。
「あのね、悪口じゃないから聞いて」
ああでもない、こうでもないとコソコソと話していた彼らは「でも、あんまり声に出せないから連絡先を教えて欲しい。良いかな?」と気遣ってくれる。
「連絡先くらいなら」
そう答えるとすぐさま作られたメッセージのグループ。
「メッセージで自分達の知ってること送るから。ごめん、そろそろ席戻らないと」
親切なのかそうじゃないのか分からないままにできた3人のグループ。
席に戻ると直ぐに入るふたりからのメッセージ。
燈哉が羽琉の番候補であること。
羽琉の家が太いこと。
大きな話はこのふたつ。
だけど、これ自体は口頭で話しても問題のないことだと告げられる。
そして、これが大前提だと示された後で続いていく〈事実〉だと思われる事柄で、ふたりが言った【不味い】という言葉を理解していくことになるのだった。
欲しい。
欲しかった。
あの力を、あの存在感を手にしていれば今、オレの隣には彼がいてくれたかもしれないのに。
そんなどうにもできないことを考えながら、どうにもできないのなら自分が彼と同じ立ち位置に収まってしまえば楽になることができるのかもしれないと夢想する。
守ることができなくなり、守られる立場になったことを受け入れることができていないのに整えられていく環境。自分のことで精一杯で、自分のために整えられたソレに抗うことなんてできなかった。
「名前を教えてもらっても?」
「今居 涼夏です」
突然聞こえた声に無意識に答えたオレは、きっと悪くない。
顔を上げ、声の主を見て先ほどのαだと気付き高揚する。体育館に入ってきただけで人の目を引く存在感と、自分に絶対的な自信のあるものの威圧感。
その威圧が心地良い。
両親からのマーキングがあるはずなのに、ソレに気付くことなく近づいてきたαの彼は「相模 燈哉だ」と短く答える。
その声に、その姿に、そのフェロモンに魅せられる。
酩酊感に似たその感覚を楽しみながら口を開く。
「その相模君はぼくに何か?」
「燈哉と呼んで欲しい」
「じゃあ、ぼくのことも涼夏で」
Ωとしての庇護されるものの本能なのだろうか。普段は〈オレ〉が一人称なのに何故か〈ぼく〉と言ってしまうけれど、そこに違和感を感じることもない。
「外部?」
「そうだね。今年からここに通うことになったから」
「そうなんだ」
「燈哉君は?」
「俺は幼稚舎の頃から」
幼稚舎の頃からこの学校に通っているとなるとちゃんとした家の子なのだろう。良い家に生まれた強いαとなれば超優良物件だ。
悪くないな。
打算が生まれる。
新しい環境で過ごすのならこの【強いα】の庇護の元に入れば過ごしやすくなるはずだ。Ωに見えないからと言って嗤われることに怯えなくても良いかもしれない。
一緒にいたΩのことなんてはっきり言って忘れていた。
その強さを見せつけられ屈辱感を覚えていたはずなのに、支配する者の力を見せつけられて高揚する。
威圧され、そのフェロモンに魅せられ、少しずつ少しずつ自分の中に燈哉が侵食していく。
初めての感覚に酩酊感を覚え、何を話したかなんて覚えていないほどだった。
軽いヒートしか経験したことのないオレだったけれど、本来ヒートとはこういうモノなのかもしれないとぼんやりと思ったのは燈哉にハグされた時。どんな話をしてどんな経緯でそうなったのか覚えていないのは酩酊感のせいだろう。
周りの様子に全く気付いていなかったオレは、鋭い燈哉の声で我に返る。
「触るなっ‼︎」
明確な意図を持った威嚇が燈哉から放たれる。燈哉の視線の先には先ほど一緒にいたΩと、そのΩを気遣うように隣に立つ燈哉と雰囲気の似たαがいて、周囲はその様子を遠巻きに見るだけで体育館が静まり返る。
「政文っ‼︎」
鋭い声で呼ばれた名前はあのαのものだろう。燈哉の威嚇に動じることなくΩを守るように威嚇を遮るように動いている。
「政文、羽琉に触るな」
先ほど話していた時とは全く違う燈哉に危機感を覚え、咄嗟に後に続く。
「ねぇ、急にどうしたの?
なんか皆んな、怯えてるよ?」
静まり返った周りを気にしながらもそう声をかければオレの存在を思い出したのか「涼夏、ちょっと待ってて」と言われてしまい黙るしかなかった。
燈哉とオレを見てヒソヒソと囁き合うのも見えたけど、何が起こったかわかっていないオレには何もできることはない。
「羽琉っ」
燈哉に名前を呼ばれたΩの子は羽琉って言うんだ、とぼんやりと考える。周りはその関係性を知っているのだろうけど、オレには何がどうなっているのか分かっていないからその様子を見守ることしかできない。
「羽琉っ」
置いてけぼりの中、酩酊感が抜けてしまえば何を見せられているのだろうと正常な思考が戻ってくる。
ひとりのΩを巡ってされるやり取りは高揚していたオレを冷静にさせる。
もしかしてオレは、とんでもないことに巻き込まれてしまったのではないか。
そう思った時にはすでに手遅れだったんだ。
よく分からないやり取りを繰り返し、段々と顔色を悪くしていく羽琉と呼ばれた彼を政文と呼ばれたαが抱き抱えると燈哉が怒りを抑えることなく詰め寄る。
調子が悪いのならさっさと保健室に連れていくべきだとは言えず、黙ったまま見ているうちに新たな人物が増え、よく分からないやり取りが更に続く。調子の悪くなった羽琉というΩと、誰が彼を保健室に連れていくかと揉めるα。調子の悪い羽琉を気遣う振りをしながら繰り返される自己主張。
新たに加わった誰かが連れてきた白衣の男性は保健医なのだろう。
「式が始まるから戻りなさい」
「ほら、戻るよ」
保健医と共に来た人物が燈哉を促す。
「でも、」
「燈哉、羽琉のこと気にしてるけど気にする相手、違うんじゃない?」
そんなふうに言われて不思議そうな顔をした燈哉はオレの存在なんて忘れていたのだろう。
「燈哉くん?」
そう名前を呼べば「あ、ごめん」と謝られてしまった。
「あれ、誰?」
「友達というか、幼馴染?
身体が弱くてずっと面倒見てるんだ」
オレの言葉に燈哉が答えると「友達とか、幼馴染とか、」とは呆れたような、苛ついたような声が聞こえる。その言葉と体育館に入ってきた時のことを思い出せば、そんな軽い関係でないことは想像がついてしまったけれど、敢えて分かっていないフリをして言葉を続ける。
「でも威嚇、」
「ごめん、大丈夫だった?」
「ぼくは大丈夫だけど、何で?」
自分は知らなかったのだとアピールするために交わす会話。
「ずっと面倒見てきたから俺が世話するのが当たり前なのにって思ったらつい…」
「優しいんだね」
納得したフリをして「でも、少し妬けるかな」と嗤ってみせる。そんなことで誤魔化されるはずがないと伝わるだろうか?
「燈哉、そろそろ席つかないとまずいと思うよ?」
オレの嗤いにどう返すのかと待っていたのにそんな言葉で邪魔をされ「帰りに迎えに行く。もう少し話がしたい」と言われれば頷くことしかできなくて、言われるがままに連絡先を交換して自分の席に戻る。
式は滞りなく行われ、新入生代表で挨拶をした燈哉を見た時にはそうなんだ、と冷めた感想しか出なかった。
流石にαやΩの多い学校だけあって、異質であると言われた存在のオレでもΩだという理由で好機の目に晒されることは無く、式が終われば他の生徒と共に教室に向かう。
ネックガードは敢えて見えるようにしてあったけれど、それを見て揶揄されることもないし、「あ、Ωなんだ。ネックガード無ければわからないって言われない?」と言われることはもちろんあるけれど、そこには蔑むような響きは無く、ただただ純粋な感想。
「よく言われる」
そう答えれば、「αなのにΩに見える子だっているんだからΩに見えないΩの子だっているよね」と悪意のない言葉が返ってくる。αとΩの多い学校だけあって、一般的に想像するαやΩと違っていても違和感はないのかもしれない。
ただ、Ωだからと差別されることは無かったものの、「燈哉君とどんな関係?」「燈哉君と羽琉君のこと知らない?」と声をかけてきたのはオレと同じようにネックガードをしたΩの子、ふたり。
「どんな関係って初対面だし、燈哉君も羽琉君も今日初めて知った」
「外部入学だもんね、そうだよね」
「でも、不味くない?」
「だよね…」
自分の知らないところで進む会話。
自分の知らない内に変わっていく環境。
「あのね、悪口じゃないから聞いて」
ああでもない、こうでもないとコソコソと話していた彼らは「でも、あんまり声に出せないから連絡先を教えて欲しい。良いかな?」と気遣ってくれる。
「連絡先くらいなら」
そう答えるとすぐさま作られたメッセージのグループ。
「メッセージで自分達の知ってること送るから。ごめん、そろそろ席戻らないと」
親切なのかそうじゃないのか分からないままにできた3人のグループ。
席に戻ると直ぐに入るふたりからのメッセージ。
燈哉が羽琉の番候補であること。
羽琉の家が太いこと。
大きな話はこのふたつ。
だけど、これ自体は口頭で話しても問題のないことだと告げられる。
そして、これが大前提だと示された後で続いていく〈事実〉だと思われる事柄で、ふたりが言った【不味い】という言葉を理解していくことになるのだった。
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