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第53話
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「あの・・・はっきり言っても、良いですか?」
わたしは、座り込んだまま足の上で腕を組み、その上に頭を乗せるとそう聞いた。
「は、はい。どうぞ」
コンラート様は、緊張気味に答えた。
「わたしはコンラート様の目の事は、気になりませんし、
それどころか、きれいなその瞳をずっと見ていたくなります」
「えっ!?き、綺麗?」
「はい。ですから・・・とは言っても、トラウマは一瞬では消えませんね」
「え、えぇ・・・まぁ、そうですね」
「でしたら・・・私にだけに、見せてくださいませんか?」
わたしは、そう言うと共に立ち上がる。
「はい?」
不思議そうに返事をしながら、ゆっくりと立ち上がるコンラート様に
「他の方に、コンラート様を知っていただく必要は、ありません。
私が、コンラート様をもっと知りたいので、わたしだけに見せてください」
私はそう言った。
すると、コンラート様は顔を真っ赤にして、
「分かりました。俺は今まで、人の顔を見ないようにしてきました。
けど、俺もマリア様に慣れるために、頑張ろうと思います」
「嬉しいです」
「俺もです、
では、この部屋で少し休んでください。
侍女を一人つけておきますので、何かありましたらそちらに」
「分かりました。ありがとうございます」
わたしがそう言うと、コンラート様は部屋を出ていかれた。
しばらくして、侍女が一人入ってきた。
「えっ!?リリス?」
入ってきたのは、クルーシュ家での私の侍女、リリスだった。
わたしは、座り込んだまま足の上で腕を組み、その上に頭を乗せるとそう聞いた。
「は、はい。どうぞ」
コンラート様は、緊張気味に答えた。
「わたしはコンラート様の目の事は、気になりませんし、
それどころか、きれいなその瞳をずっと見ていたくなります」
「えっ!?き、綺麗?」
「はい。ですから・・・とは言っても、トラウマは一瞬では消えませんね」
「え、えぇ・・・まぁ、そうですね」
「でしたら・・・私にだけに、見せてくださいませんか?」
わたしは、そう言うと共に立ち上がる。
「はい?」
不思議そうに返事をしながら、ゆっくりと立ち上がるコンラート様に
「他の方に、コンラート様を知っていただく必要は、ありません。
私が、コンラート様をもっと知りたいので、わたしだけに見せてください」
私はそう言った。
すると、コンラート様は顔を真っ赤にして、
「分かりました。俺は今まで、人の顔を見ないようにしてきました。
けど、俺もマリア様に慣れるために、頑張ろうと思います」
「嬉しいです」
「俺もです、
では、この部屋で少し休んでください。
侍女を一人つけておきますので、何かありましたらそちらに」
「分かりました。ありがとうございます」
わたしがそう言うと、コンラート様は部屋を出ていかれた。
しばらくして、侍女が一人入ってきた。
「えっ!?リリス?」
入ってきたのは、クルーシュ家での私の侍女、リリスだった。
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