貴方を忘れる

戒月冷音

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第151話

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「コンラート。どうする?」
「どうすると言われても、・・・もう、帰ってきてるんでしょ?」
「あぁ。コルニアの屋敷に、送ったと・・・」
「では、後数日で来るでしょうね」
「やはりそうか・・・」
ラートとお義父様はそう話し、私の隣にいるメイナを見る。

「マリア」
「はい」
「コルニア夫人が、刑期を終えて帰ってきた」
「・・・そうですか。では、お別れが近い、と言うことですね」
「あぁ・・・」
「分かりました。ではそのように、準備をいたします」
余りにもスッキリした私の答えに、コンラートとジャニスはビックリしていた。

「マリア嬢は、なにも感じないのか?」
お義父様の言葉に
「父上っ!」
と、コンラート様が注意してくださるが
「ありがとう、ラート。
 そしてお義父様。私はなにも感じない訳ではありません。
 ですが・・・最初から決まっていたことなので、預かっている親戚の子・・・
 ぐらいの感覚でいただけです」 
そう答える。

私は、メイナを預かる時から決めていたから、そんなに後ろ髪は引かれない。
メイナは、アントニーの子供の頃に似ている。
だから、相手をしていると、子供の頃の事を思い出したりしていた。
そして私が預かった時に、国王陛下と約束した、メイナの家族についての話しは、ここに来たときから物語のように聞かせてきた。

母親の両親と家は、もう無いこと。
母親は、罪を犯し罰を与えられていること・・・
そして父親は、もう一度1から、学び直していることも・・・

それから1番、勘違いしてほしくなかったことは
「私は、この子の母ではない。それは、ずっと言ってきました。
 だからメイナは、理解していますよ。それに父親とは、週に一度会っております」
その言葉に驚いたのは、ラートだった。
「コルニア子爵と、会っているのか?」
ラートがメイナに、そう聞くと
「おとうちゃまに、合うの?」
と言った。

この家で、メイナがおとうちゃまと呼ぶ人はいない。
皆、名前で呼ぶように、しているからだ。
だからメイナがそう呼んだことで、コルニア子爵が父親だと分かっている事は、はっきりした。
しかし、
「かと言って、夫人を母と呼ぶのか?」
と、お義父様が言うが、私はお母様と言う言葉を教えていない。
だからどう呼ぶかは、メイナ次第。
そして、ジューンにとっては、最初の難関だった。

この家の人達は誰も、ジューンの事を話そうとしない。
それは、ラートの事を傷つけていたからなのだが、元々誰も、良い印象など持っていない。
だからメイナに話そうとしても、言って良いことが、出てこないので皆口を濁していた。
だから今のメイナに、母親と言う人の情報はほとんどない。
アントニーと面会の時、私は行っていないが、付き添いのメイドに様子を訪ねても、毎回母親の話しはしないと聞いていた。
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