そして、夜明けが訪れた

いといしゅん

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朝起きると…

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何処からか、僕の名前を呼び続けている誰かの声が聞こえる。
その声は、あまりに辛そうで嗚咽が混じった悲しみの声だった。
僕のことを呼んでいたはずの声はいつしか耐えきれなくなったのか嗚咽だけに変わり、
いつしか泣き叫んでいた。

-------------

「ん…?」
ふと、目が覚めた。
窓から差し込んだ光が部屋を明るく包み込んでいた。
いま何時だろう?と考えていた時、僕に違和感が生じた。
背後からほのかな熱を感じたのだ。
なんだろう?と考えながら後ろを向いた、
そこには…
すーっと寝息を立てている小泉がいた。
そうえば、昨日膝枕してもらったんだっけ、と思い出す。してもらったと言うか罰ゲームだが。
そして何気なく小泉の方を見る。よく見てみると小泉って顔可愛いな。
小泉の寝顔も拝めたし、二度寝するかとそこまで考えて…
ー小泉が隣で寝ているー
という事実を頭が理解した。
その瞬間、心臓はバクバクとなり、冷や汗が流れる。
しかも、小泉の顔が可愛いなんて考えていたせいで頰が熱くなる。
僕は、数分間硬直してから、やっと、これからの行動を考える余裕ができた。 
「さて、これからどう動けばいいんだ?」
小泉を起こさないようにそっと呟く。
小泉を今起こしてもいいのだが、僕自身睡眠を途中で邪魔されると
疲れが取りきれていない感覚に陥るので、起こすは少しかわいそうだと思うのでやめておく。
でも、小泉が起きないことには僕は一切動けない。
なぜなら、小泉の手は僕の腰にまわされているからだ。
ん?何?抱きつかれてるってこと⁉︎
そこで僕は、朝だけで何度目かわからない驚愕を味わう。
まぁ、寝てるんだから抱きついてきてんのは、偶然だよな?
うん、偶然だと。
そう自問自答をしないと僕の理性が死にそうだ。
まぁ、小泉が起きないと僕は動くことができないので結局二度寝をすることにした。
そうして僕は、二度寝の体制にはいり、目を閉じる。
すると、女の子特有の匂いが鼻をくすぐり、僕の理性を攻撃してくる。
「……んっ……………すぅ…………」
僕が、必死に理性と戦っているのに、小泉は、呑気に寝息をたてながら、熟睡している。
はぁ、と心の中でため息をつき、無理矢理小泉から意識を遠ざけようと、
別のことを考えるが、小泉から聞こえる寝息のせいで、小泉から意識を遠ざけることはできず、
僕が、二度寝をすることはできないのだった。
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