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MY ROOM
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「内藤さんに言われたんだ。雛子さんを下まで迎えに行ってやれって」
私のアパートへと夜道を歩きながら、陸が絵梨とのやり取りを教えてくれた。
絵梨は自分と入れ替わりで化粧室に降りて行った相川さんたちが、今日こそ陸をモノにするとコソコソ話しているのを耳にしたのだそうだ。私がトイレで相川さんと鉢合わせしてややこしいことになるのではないかと心配になった絵梨は、店先にいた陸に声を掛け、事情を伝えたらしい。
「あんたさ、雛子のこと本気で好きなら、ちゃんと守ってやってよ」
そう言って陸を階下に向かわせたのだと言う。
さすがに女子トイレの中に入って行くわけにはいかず、陸は階段の踊り場に身を潜めて様子を伺っていた。すると中から出てきた私たちが何やら揉め始めたので、耳を澄まして女の闘いに聞き入っていたのだそうだ。
「すぐに仲裁に入るつもりだったんだけど、ごめん、雛子さんが何て答えるのか知りたくて、ちょっと様子見しちゃったよ」
おかげで雛子さんの俺への愛をはっきりこの耳で聞けた。そう言って、とても満足そうに陸は笑った。
「マジで嬉しかった。俺のこと本気で好きだから、絶対譲らないって言ってくれたよね」
私の手に指を絡めながら、本当にスキップでもしそうな足取りでニコニコしている。こういう時の顔は、18歳の頃の無邪気な様子とちっとも変わらない。大人びて達観しているように見えるのに、本当は結構幼いところもあって素直な陸。
乳白色の月を見上げながら並んで歩いているうちに、白壁のアパートに辿り着いた。
いざ陸を部屋に招こうと思うと、やっぱりどうしても緊張してしまう。私はこの部屋に男の人を入れたことがない。過去につきあったボーイフレンドたちは、そうなる前にお別れしていた。
「俺、今日、帰らないよ。・・・いい?」
陸も少し緊張しているような声を出した。私は自分に言い聞かせるように「うん」と頷くと、陸の手を引いてアパートの階段を昇って行った。
鍵を開け、玄関に入り灯りを点ける。靴を脱ぎながら「どうぞ」と言って、陸を1LDKに招き入れた。
「あー・・・、女の人の部屋だ。・・・なんか、いい匂い」
陸がくすぐったそうな表情で、私の部屋をキョロキョロと見回している。
「散らかってるからあんまり見ないで」
「全然、綺麗じゃん。俺の部屋なんてひどいよ。一人暮らし始めてから、もうぐちゃぐちゃ」
「実家の部屋は結構片付いてたよね?」
「あれは、おふくろがうるさかったから。香坂先生が来る日くらい、掃除しなさい!って朝から怒鳴られて」
陸が決まり悪そうな笑みを浮かべ、私は陸の母親を思い出して懐かしさに頬が緩んだ。
「今度ちゃんと掃除しておくから、俺の部屋にも来てね」
陸はそう言って、リビングの安物のソファにストンと腰を下ろした。私は「うん。楽しみ」と微笑み返し、なんだか照れくさくなってソワソワとキッチンに向かった。
とりあえず、コーヒーでも淹れるべきだろうか。
彼氏が家に泊まるとなると、どういう手順を踏めばいいのだろう・・・。いい年をして、この手のことに免疫がなさすぎてどうも動きが怪しくなってしまう。
「陸くん、あの、コーヒー飲む?それともお酒の後だから、冷たいお茶とかの方がいいかな?」
冷蔵庫に手を伸ばしながら振り向くと、ソファに座っていたはずの陸がすぐ真後ろにいたのでびっくりした。
「あのね。まず最初は雛子さんがいい」
「えっ、最初って・・・」
言い終わらないうちに抱きすくめられ、キスをされていた。
「んっ・・・。陸・・・」
うっすらとお酒の香りが漂って、なんだかほんのり酔いそうになる。
陸は私の唇を引っ張るように甘く吸い上げ、隙間から舌をぬらりと滑り込ませてきた。
熱くてとろけそうな感触に、私の舌は早くも痺れそうになる。愛おしむような動きで貪られ、お互いの歯がカチッとぶつかった。陸は構わず私の口内を嬲っては味わい、私の唇はあっという間に唾液まみれになった。
「雛子さん・・・」
身体を服の上からまさぐられる。スカート越しにお尻をギュッと掴まれ、私は思わず「あっ・・・」と甘えたような声を漏らしてしまった。
「陸くん、待って・・・。汗かいてるから、シャワー・・・」
「ん。分かってる。ちょっとだけ・・・」
陸の手がスカートの裾を捲り上げ、ストッキングに包まれたお尻の肉を撫で回した。その手はもどかしそうにお尻の割れ目の下へと伸びていき、指先が私の敏感な部分を探し当てて擦るように往復した。
「あ・・・。雛子さん、ちょっと濡れてる・・・。ヤバい、興奮する」
陸が私の耳元で熱い息を吐いた。濡れていると言われてひどく恥ずかしくなり、私は慌てて陸の手から逃れようと身体をよじった。
「陸くん、ダメ・・・っ。ね、先にシャワー浴びさせて・・・」
「シャワー、一緒に浴びる?」
思いつめたような熱っぽい眼で問われ、私は真っ赤になって「ダメに決まってるでしょ!」と陸の胸を叩いた。
「ちぇっ、やっぱダメか」
悪戯っぽく笑う陸を睨みつけ、さて、どちらが先にシャワーを使えばいいのかと考えを巡らせた。私の迷いを読んだらしく、陸は「雛子さんが先に入って」と私の背中を優しく押す。
「俺、テレビでも見てるから、ゆっくり入ってきて。あ、後で洗面所使わせて。歯磨きしたいから」
「うん、もちろん。歯ブラシある?買い置きの新しいのがあるけど」
「大丈夫。営業マンたるもの、常に歯磨きセットは持ち歩いております」
陸が得意げな笑顔を見せたので、おかげで私の緊張もほぐれて気持ちが楽になった。
洗面所で歯を磨いた後、私は手早く服を脱いで浴室に入った。
自分の部屋に陸がいると思うと、やっぱりドキドキして落ち着いて入浴もできない。待たせていると思うと気が急いてしまい、私は超特急でメイクを落とし、スポンジで身体をゴシゴシ洗った。
「雛子さん、歯磨きさせてー?」
擦りガラスのドア越しに陸のシルエットが見えたので、心臓がドキンと跳ねた。
「あー、うん!どうぞー」
私は自分の気持ちを落ち着けるように深呼吸すると、急いで髪を洗い、仕上げのトリートメントを塗り込んだ。シャワーの下で、髪をすすぐ。眼を閉じて流水の下にいたので、背後で浴室のドアが開いたことにすぐには気づかなかった。
「・・・きゃっ!陸く・・・っ」
「ごめん、雛子さん。俺もう我慢できないや」
いきなり後ろから陸に抱きしめられ、私は飛び上がるほど驚いた。陸もまた裸になっていることに気づき、その素肌の感触に私の胸が激しく乱れ打った。
「やだ、陸くん・・・っ。こんなの恥ずかしいよ・・・」
「どうして?これからもっと恥かしいことするんだから、慣れておこうよ」
そう言って陸は、更にぴったりと私に身体を押しつけてくる。お尻に、陸の硬いモノが当たっているのを感じて息を呑んだ。すごく熱くなっていて、何やらモソモソと動いている気配までしている。
「や、陸くん・・・っ。あっ・・・」
「雛子さんがすぐそこでシャワー浴びてると思ったら、もう抑えが利かなくなっちゃった」
へへっと言い訳するように笑って、陸は後ろから私の顎を掴んでキスしてきた。
シャワーにまみれたキスは、お湯の味がしてなんだか変な感じがする。それでも舌を愛撫するように舐められると、私の身体から徐々に力が抜けていく。陸は唇を優しく吸いながら、両手で私の乳房を大事そうに包み込んだ。
陸の手つきは眩暈がしそうなほどいやらしかった。
触れられることで、私の胸が実際より淫らな形に変化するような気がする。大きな手の中で円を描くように揉まれると、まるでそうされるのを待っていたみたいに胸の先端がふしだらに尖りだした。
ひどく恥ずかしくて、でもそれ以上にせつない衝動が身体の奥からあふれてくる。私は知らないうちに喘ぐようなはしたない声を漏らしていて、それを聞いた陸はますます興奮し、もっといやらしい手つきで私の胸をまさぐった。
「すげー可愛い。たまんない。手触りがエロい」
陸は私の乳房をすくい上げるように揉みしだき、親指で硬く尖った乳首をねちっこく捏ね回した。
「あっ、あっ、やっ・・・!」
胸の先から快感が電流のように駆けあがってくる。私は脚の付け根を擦り合わせるようにして、反射的に身をよじらせた。陸の手は容赦なく淫靡で、乳首を摘んでコリコリとしごかれた時には思わず悲鳴を上げてしまった。
「ね、ダメ・・・。陸くん、変になっちゃうから、や・・・」
「可愛い、雛子さん。めちゃくちゃ可愛い。今すぐ挿れたいくらい」
「あんっ、今は、ダメ・・・っ」
息を乱しながら、私はなんとか抵抗する。陸の誘惑を必死で押しとどめ、ようやく向き直って陸の顔を見上げた。
「もう・・・!言うこと聞いて。ちゃんとお風呂済ませてからでしょ?」
一応年上らしくたしなめてみるけれど、快楽に流されそうになっている時点で説得力がない。陸は「ごめん」とニヤニヤ笑いながら私の身体をまじまじと見下ろした。
「やっぱ綺麗。雛子さんの身体。・・・ずっと、何度も何度も想像してたんだ。あの時の記憶を引っ張り出して」
そう言いながら、もう一度私の胸に触れて乳首をキュッと摘んだ。
陸の性器はもう充分すぎるほど屹立している。人生で二度目に見るそれは、私の記憶よりずっと大きく乱暴そうに見えてドキリとした。
「じゃあ俺も即行でシャワー済ませるから、雛子さんはベッドで待っててね」
陸は私のお尻を撫でるようにして抱き寄せながら、名残惜しそうにくちづけてきた。
「俺が出るまで寝ちゃダメだよ」
そう笑いながら、陸は私の身体に仕上げのシャワーを当ててくれた。
私のアパートへと夜道を歩きながら、陸が絵梨とのやり取りを教えてくれた。
絵梨は自分と入れ替わりで化粧室に降りて行った相川さんたちが、今日こそ陸をモノにするとコソコソ話しているのを耳にしたのだそうだ。私がトイレで相川さんと鉢合わせしてややこしいことになるのではないかと心配になった絵梨は、店先にいた陸に声を掛け、事情を伝えたらしい。
「あんたさ、雛子のこと本気で好きなら、ちゃんと守ってやってよ」
そう言って陸を階下に向かわせたのだと言う。
さすがに女子トイレの中に入って行くわけにはいかず、陸は階段の踊り場に身を潜めて様子を伺っていた。すると中から出てきた私たちが何やら揉め始めたので、耳を澄まして女の闘いに聞き入っていたのだそうだ。
「すぐに仲裁に入るつもりだったんだけど、ごめん、雛子さんが何て答えるのか知りたくて、ちょっと様子見しちゃったよ」
おかげで雛子さんの俺への愛をはっきりこの耳で聞けた。そう言って、とても満足そうに陸は笑った。
「マジで嬉しかった。俺のこと本気で好きだから、絶対譲らないって言ってくれたよね」
私の手に指を絡めながら、本当にスキップでもしそうな足取りでニコニコしている。こういう時の顔は、18歳の頃の無邪気な様子とちっとも変わらない。大人びて達観しているように見えるのに、本当は結構幼いところもあって素直な陸。
乳白色の月を見上げながら並んで歩いているうちに、白壁のアパートに辿り着いた。
いざ陸を部屋に招こうと思うと、やっぱりどうしても緊張してしまう。私はこの部屋に男の人を入れたことがない。過去につきあったボーイフレンドたちは、そうなる前にお別れしていた。
「俺、今日、帰らないよ。・・・いい?」
陸も少し緊張しているような声を出した。私は自分に言い聞かせるように「うん」と頷くと、陸の手を引いてアパートの階段を昇って行った。
鍵を開け、玄関に入り灯りを点ける。靴を脱ぎながら「どうぞ」と言って、陸を1LDKに招き入れた。
「あー・・・、女の人の部屋だ。・・・なんか、いい匂い」
陸がくすぐったそうな表情で、私の部屋をキョロキョロと見回している。
「散らかってるからあんまり見ないで」
「全然、綺麗じゃん。俺の部屋なんてひどいよ。一人暮らし始めてから、もうぐちゃぐちゃ」
「実家の部屋は結構片付いてたよね?」
「あれは、おふくろがうるさかったから。香坂先生が来る日くらい、掃除しなさい!って朝から怒鳴られて」
陸が決まり悪そうな笑みを浮かべ、私は陸の母親を思い出して懐かしさに頬が緩んだ。
「今度ちゃんと掃除しておくから、俺の部屋にも来てね」
陸はそう言って、リビングの安物のソファにストンと腰を下ろした。私は「うん。楽しみ」と微笑み返し、なんだか照れくさくなってソワソワとキッチンに向かった。
とりあえず、コーヒーでも淹れるべきだろうか。
彼氏が家に泊まるとなると、どういう手順を踏めばいいのだろう・・・。いい年をして、この手のことに免疫がなさすぎてどうも動きが怪しくなってしまう。
「陸くん、あの、コーヒー飲む?それともお酒の後だから、冷たいお茶とかの方がいいかな?」
冷蔵庫に手を伸ばしながら振り向くと、ソファに座っていたはずの陸がすぐ真後ろにいたのでびっくりした。
「あのね。まず最初は雛子さんがいい」
「えっ、最初って・・・」
言い終わらないうちに抱きすくめられ、キスをされていた。
「んっ・・・。陸・・・」
うっすらとお酒の香りが漂って、なんだかほんのり酔いそうになる。
陸は私の唇を引っ張るように甘く吸い上げ、隙間から舌をぬらりと滑り込ませてきた。
熱くてとろけそうな感触に、私の舌は早くも痺れそうになる。愛おしむような動きで貪られ、お互いの歯がカチッとぶつかった。陸は構わず私の口内を嬲っては味わい、私の唇はあっという間に唾液まみれになった。
「雛子さん・・・」
身体を服の上からまさぐられる。スカート越しにお尻をギュッと掴まれ、私は思わず「あっ・・・」と甘えたような声を漏らしてしまった。
「陸くん、待って・・・。汗かいてるから、シャワー・・・」
「ん。分かってる。ちょっとだけ・・・」
陸の手がスカートの裾を捲り上げ、ストッキングに包まれたお尻の肉を撫で回した。その手はもどかしそうにお尻の割れ目の下へと伸びていき、指先が私の敏感な部分を探し当てて擦るように往復した。
「あ・・・。雛子さん、ちょっと濡れてる・・・。ヤバい、興奮する」
陸が私の耳元で熱い息を吐いた。濡れていると言われてひどく恥ずかしくなり、私は慌てて陸の手から逃れようと身体をよじった。
「陸くん、ダメ・・・っ。ね、先にシャワー浴びさせて・・・」
「シャワー、一緒に浴びる?」
思いつめたような熱っぽい眼で問われ、私は真っ赤になって「ダメに決まってるでしょ!」と陸の胸を叩いた。
「ちぇっ、やっぱダメか」
悪戯っぽく笑う陸を睨みつけ、さて、どちらが先にシャワーを使えばいいのかと考えを巡らせた。私の迷いを読んだらしく、陸は「雛子さんが先に入って」と私の背中を優しく押す。
「俺、テレビでも見てるから、ゆっくり入ってきて。あ、後で洗面所使わせて。歯磨きしたいから」
「うん、もちろん。歯ブラシある?買い置きの新しいのがあるけど」
「大丈夫。営業マンたるもの、常に歯磨きセットは持ち歩いております」
陸が得意げな笑顔を見せたので、おかげで私の緊張もほぐれて気持ちが楽になった。
洗面所で歯を磨いた後、私は手早く服を脱いで浴室に入った。
自分の部屋に陸がいると思うと、やっぱりドキドキして落ち着いて入浴もできない。待たせていると思うと気が急いてしまい、私は超特急でメイクを落とし、スポンジで身体をゴシゴシ洗った。
「雛子さん、歯磨きさせてー?」
擦りガラスのドア越しに陸のシルエットが見えたので、心臓がドキンと跳ねた。
「あー、うん!どうぞー」
私は自分の気持ちを落ち着けるように深呼吸すると、急いで髪を洗い、仕上げのトリートメントを塗り込んだ。シャワーの下で、髪をすすぐ。眼を閉じて流水の下にいたので、背後で浴室のドアが開いたことにすぐには気づかなかった。
「・・・きゃっ!陸く・・・っ」
「ごめん、雛子さん。俺もう我慢できないや」
いきなり後ろから陸に抱きしめられ、私は飛び上がるほど驚いた。陸もまた裸になっていることに気づき、その素肌の感触に私の胸が激しく乱れ打った。
「やだ、陸くん・・・っ。こんなの恥ずかしいよ・・・」
「どうして?これからもっと恥かしいことするんだから、慣れておこうよ」
そう言って陸は、更にぴったりと私に身体を押しつけてくる。お尻に、陸の硬いモノが当たっているのを感じて息を呑んだ。すごく熱くなっていて、何やらモソモソと動いている気配までしている。
「や、陸くん・・・っ。あっ・・・」
「雛子さんがすぐそこでシャワー浴びてると思ったら、もう抑えが利かなくなっちゃった」
へへっと言い訳するように笑って、陸は後ろから私の顎を掴んでキスしてきた。
シャワーにまみれたキスは、お湯の味がしてなんだか変な感じがする。それでも舌を愛撫するように舐められると、私の身体から徐々に力が抜けていく。陸は唇を優しく吸いながら、両手で私の乳房を大事そうに包み込んだ。
陸の手つきは眩暈がしそうなほどいやらしかった。
触れられることで、私の胸が実際より淫らな形に変化するような気がする。大きな手の中で円を描くように揉まれると、まるでそうされるのを待っていたみたいに胸の先端がふしだらに尖りだした。
ひどく恥ずかしくて、でもそれ以上にせつない衝動が身体の奥からあふれてくる。私は知らないうちに喘ぐようなはしたない声を漏らしていて、それを聞いた陸はますます興奮し、もっといやらしい手つきで私の胸をまさぐった。
「すげー可愛い。たまんない。手触りがエロい」
陸は私の乳房をすくい上げるように揉みしだき、親指で硬く尖った乳首をねちっこく捏ね回した。
「あっ、あっ、やっ・・・!」
胸の先から快感が電流のように駆けあがってくる。私は脚の付け根を擦り合わせるようにして、反射的に身をよじらせた。陸の手は容赦なく淫靡で、乳首を摘んでコリコリとしごかれた時には思わず悲鳴を上げてしまった。
「ね、ダメ・・・。陸くん、変になっちゃうから、や・・・」
「可愛い、雛子さん。めちゃくちゃ可愛い。今すぐ挿れたいくらい」
「あんっ、今は、ダメ・・・っ」
息を乱しながら、私はなんとか抵抗する。陸の誘惑を必死で押しとどめ、ようやく向き直って陸の顔を見上げた。
「もう・・・!言うこと聞いて。ちゃんとお風呂済ませてからでしょ?」
一応年上らしくたしなめてみるけれど、快楽に流されそうになっている時点で説得力がない。陸は「ごめん」とニヤニヤ笑いながら私の身体をまじまじと見下ろした。
「やっぱ綺麗。雛子さんの身体。・・・ずっと、何度も何度も想像してたんだ。あの時の記憶を引っ張り出して」
そう言いながら、もう一度私の胸に触れて乳首をキュッと摘んだ。
陸の性器はもう充分すぎるほど屹立している。人生で二度目に見るそれは、私の記憶よりずっと大きく乱暴そうに見えてドキリとした。
「じゃあ俺も即行でシャワー済ませるから、雛子さんはベッドで待っててね」
陸は私のお尻を撫でるようにして抱き寄せながら、名残惜しそうにくちづけてきた。
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