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第55話 なんかスキル連鎖してます?
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うううう。やっぱり不気味だ。
ランプがあるとはいえ、森の中を歩くのは嫌だな。でも羊の為だ。あのままじゃかわいそう。
それにしても清める行為って、森の中でするの?
「ユイジュさん、真っ暗だね……」
「そんな事よりどこへ行くんだ?」
「さあ?」
「さあって、聞けよ!」
聞いても知らない所だと思うけど。
「ねえ、どこ行くの?」
『もう着くわ。湖よ』
「ミズウミ? 海!?」
「湖は、海じゃない! まあ大きな水たまりだな」
「へえ……」
「お前、見た事ないのか?」
「川ぐらいかな? お父さんが漁師だけど海も見た事ないよ」
『着いたわよ』
突然開けたと思ったらキラキラ水面が輝く場所に出た。風もなく穏やかなので、月明かりで凄く綺麗だ。
「本当に大きな水たまりだね。深そう」
「深そうじゃなくて、深いからな!」
『さあロマド。全裸になって清めるのよ!』
僕は、サザナミの言葉に頷いて服を脱ぐ。
あ、マジカルマップはどうしよう? 水に濡れても大丈夫って言っていたし、魔力が切れたら困るからこのままでいいや。
「待て待て待て! なんで脱いでいる!」
「うん? だって脱げって言うから」
「誰が?」
「サザナミが」
「何をするか聞いたか? もしかして湖に入るんじゃないだろうな? 風邪をひくぞ」
『そうよ。ここの湖は、清め作用がある魔力があるの。それは今時間が一番効きがいいのよ』
「だって」
「だから俺には聞こえないと言っているだろう」
もういちいち通訳が面倒くさい。
「って、おい!」
「もう勝手についてきて文句ばかり」
「俺は心配しているんだろうが! 悪い奴らではないけど、お前は聖獣ではなく人間だ! 同じ事は出来ないんだぞ!」
「え? これってセイジュウがする事なの?」
「した事あるか?」
「……ないけど」
「だろう? とりあえず服を着れ。違う方法を考えるぞ」
『もう裸になったんだ。われと一緒に行こう』
そう言ってチェトがぴょんとジャンプしてきたので、抱っこした。
まあチェトと一緒だったらいいかな。
「ちょっとやってみる」
「おま……拭く物も持ってきてないだろうが!」
「あ、じゃ持って来て」
「おい……」
凄いため息が後ろから聞こえた。
湖の縁まで来て、足元の湖を見たけど深さがわからない。澄んではいるんだけどね。
ちゃぷん。
右足を足首まで入れてみる。結構冷たい!
「あのさ、昼間じゃダメ?」
『清めるなら今よ』
いつのまにかサザナミが湖の中に入っていて、頭だけ出していた。ネックレスの小さなランプがほのかな明かりを放っている。
あれ? 魔力込めてないのに光ってる……。
この湖に本当に魔力があるって事かな?
『いつまでこうしている』
と突然、チェトが湖の方へ体を投げ出したので、慌てて前へって……。
「わー!」
「ロマド!」
ジャバーン!!
僕は、湖の中に落ちる形で入った。
って深い! 足が届かないんだけど!!
それより水の中って動きづらい。冷たくて更に動きが鈍くなって息が……。
――『素潜り』の条件が整いました。『素潜り』を作成しますか?
――『水魔法』の条件が整いました。『水魔法』を作成しますか?
あ、『清める』の前に違うのを覚えちゃった。でも苦しくて……。
何かが僕を支えてくれた。
「ぷふぁ」
サザナミだ。僕はサザナミに掴まってぷかぷか浮いている。
「脅かすなよ……」
「ゲホゲホ。助かった死ぬかと思った。……はいっと」
――『素潜り』のスキルを取得しました。
――『水魔法』のスキルを取得しました。
あ、僕のランプもほのかに光りを帯びていた。
「綺麗だな」
『さあ、奥まで行くわよ』
そう言うと、サザナミが動き出した。
「わぁ……」
「待て! どこへ連れて行く!?」
ユイジュさんが叫んでいるけど、どうしようもないよね?
「ちょっと行ってきます!」
「行ってきますって……」
立ち尽くすユイジュさんが見える。そんなに心配しなくてもチェトもいるし、サザナミが引っ張ってくれてるから心配ないと思う。
でも、ちょっと怖いかな。何もない水の中も不気味かも。
『さあ清めましょう。息を止めて』
息を止める? そう思いながらもサザナミの言う通り息を止めたらサザナミが潜った! 僕もそのまま湖の中へ!
わぁ。潜るならそう言って! 心の準備がぁ!
って、あれ? さっきと違って動きがスムーズ? でも苦しい!
「ぷはぁ」
――『清める』の条件が整いました。『清める』を作成しますか?
あ、本当に清めるを覚えた!
「はい!」
――『清める』のスキルを取得しました。
――『ピュリファイング』の条件が整いました。『ピュリファイング』を作成しますか?
取得してすぐにまた出た。これってレベル3のスキルだ。
「はい!」
――『ピュリファイング』のスキルを取得しました。
――『浄化』の条件が整いました。『浄化』を作成しますか?
えぇ!? またぁ?
「はい」
――『浄化』のスキルを取得しました。
――『浄化』はランク1になりました。
うん? なんか今までと違う表示が出たんだけど!
ランプがあるとはいえ、森の中を歩くのは嫌だな。でも羊の為だ。あのままじゃかわいそう。
それにしても清める行為って、森の中でするの?
「ユイジュさん、真っ暗だね……」
「そんな事よりどこへ行くんだ?」
「さあ?」
「さあって、聞けよ!」
聞いても知らない所だと思うけど。
「ねえ、どこ行くの?」
『もう着くわ。湖よ』
「ミズウミ? 海!?」
「湖は、海じゃない! まあ大きな水たまりだな」
「へえ……」
「お前、見た事ないのか?」
「川ぐらいかな? お父さんが漁師だけど海も見た事ないよ」
『着いたわよ』
突然開けたと思ったらキラキラ水面が輝く場所に出た。風もなく穏やかなので、月明かりで凄く綺麗だ。
「本当に大きな水たまりだね。深そう」
「深そうじゃなくて、深いからな!」
『さあロマド。全裸になって清めるのよ!』
僕は、サザナミの言葉に頷いて服を脱ぐ。
あ、マジカルマップはどうしよう? 水に濡れても大丈夫って言っていたし、魔力が切れたら困るからこのままでいいや。
「待て待て待て! なんで脱いでいる!」
「うん? だって脱げって言うから」
「誰が?」
「サザナミが」
「何をするか聞いたか? もしかして湖に入るんじゃないだろうな? 風邪をひくぞ」
『そうよ。ここの湖は、清め作用がある魔力があるの。それは今時間が一番効きがいいのよ』
「だって」
「だから俺には聞こえないと言っているだろう」
もういちいち通訳が面倒くさい。
「って、おい!」
「もう勝手についてきて文句ばかり」
「俺は心配しているんだろうが! 悪い奴らではないけど、お前は聖獣ではなく人間だ! 同じ事は出来ないんだぞ!」
「え? これってセイジュウがする事なの?」
「した事あるか?」
「……ないけど」
「だろう? とりあえず服を着れ。違う方法を考えるぞ」
『もう裸になったんだ。われと一緒に行こう』
そう言ってチェトがぴょんとジャンプしてきたので、抱っこした。
まあチェトと一緒だったらいいかな。
「ちょっとやってみる」
「おま……拭く物も持ってきてないだろうが!」
「あ、じゃ持って来て」
「おい……」
凄いため息が後ろから聞こえた。
湖の縁まで来て、足元の湖を見たけど深さがわからない。澄んではいるんだけどね。
ちゃぷん。
右足を足首まで入れてみる。結構冷たい!
「あのさ、昼間じゃダメ?」
『清めるなら今よ』
いつのまにかサザナミが湖の中に入っていて、頭だけ出していた。ネックレスの小さなランプがほのかな明かりを放っている。
あれ? 魔力込めてないのに光ってる……。
この湖に本当に魔力があるって事かな?
『いつまでこうしている』
と突然、チェトが湖の方へ体を投げ出したので、慌てて前へって……。
「わー!」
「ロマド!」
ジャバーン!!
僕は、湖の中に落ちる形で入った。
って深い! 足が届かないんだけど!!
それより水の中って動きづらい。冷たくて更に動きが鈍くなって息が……。
――『素潜り』の条件が整いました。『素潜り』を作成しますか?
――『水魔法』の条件が整いました。『水魔法』を作成しますか?
あ、『清める』の前に違うのを覚えちゃった。でも苦しくて……。
何かが僕を支えてくれた。
「ぷふぁ」
サザナミだ。僕はサザナミに掴まってぷかぷか浮いている。
「脅かすなよ……」
「ゲホゲホ。助かった死ぬかと思った。……はいっと」
――『素潜り』のスキルを取得しました。
――『水魔法』のスキルを取得しました。
あ、僕のランプもほのかに光りを帯びていた。
「綺麗だな」
『さあ、奥まで行くわよ』
そう言うと、サザナミが動き出した。
「わぁ……」
「待て! どこへ連れて行く!?」
ユイジュさんが叫んでいるけど、どうしようもないよね?
「ちょっと行ってきます!」
「行ってきますって……」
立ち尽くすユイジュさんが見える。そんなに心配しなくてもチェトもいるし、サザナミが引っ張ってくれてるから心配ないと思う。
でも、ちょっと怖いかな。何もない水の中も不気味かも。
『さあ清めましょう。息を止めて』
息を止める? そう思いながらもサザナミの言う通り息を止めたらサザナミが潜った! 僕もそのまま湖の中へ!
わぁ。潜るならそう言って! 心の準備がぁ!
って、あれ? さっきと違って動きがスムーズ? でも苦しい!
「ぷはぁ」
――『清める』の条件が整いました。『清める』を作成しますか?
あ、本当に清めるを覚えた!
「はい!」
――『清める』のスキルを取得しました。
――『ピュリファイング』の条件が整いました。『ピュリファイング』を作成しますか?
取得してすぐにまた出た。これってレベル3のスキルだ。
「はい!」
――『ピュリファイング』のスキルを取得しました。
――『浄化』の条件が整いました。『浄化』を作成しますか?
えぇ!? またぁ?
「はい」
――『浄化』のスキルを取得しました。
――『浄化』はランク1になりました。
うん? なんか今までと違う表示が出たんだけど!
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