使えないと思った僕のバフはパッシブでした。パーティーを追い出されたけど呪いの魔導士と内密にペアを組んでます

すみ 小桜(sumitan)

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第35話 僕の処分は……

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 う~ん。っと胸の前で腕を組み、難しい顔をしてギルドマスターのディルダスさんが唸っている。僕が魔素を消した事を報告したからだ。

 「君が、魔眼を所持しているのは本当なのだな?」
 「え? あ、はい」
 「で、そのポーチに入るぐらい小さな子犬が魔狼だと言うのだな」
 「はい……」

 今は、僕の膝の上でプルプル震えている。見た目は、魔狼にはとても見えない。

 「鑑定しても宜しいですか?」

 僕の向かい側に座っているサブマスターのキモンさんが、ジッとリルを見て聞いてきた。
 キモンさんとディルダスさんが、僕らの向かい側に座り、ローテーブルをはさんで僕、その右にリトラさん、ロメイトさん、ミューリィさんと並んで座っている。

 「はい」
 「そのまま膝に乗せたままで結構です」

 やっぱり鑑定するのは、僕ではなくリルなんだ。まあ魔眼も魔素空間も鑑定では見ないと伝えたからね。

 『ところで今の時代は、魔狼はどういう扱いなのだ?』

 え? 扱い?

 『私の時代は、モンスターとは区別されてはいたが、あまり増えるとエサがなくなって街へ降りてくるので増えたら駆除していたが』

 そういう事は、早く言ってよ!
 どうしよう。今はモンスターと同じく殺す事になっていたら……。

 「魔狼ですね……。今現在は魔素酔いはしていないようです」
 「そんなこともわかるんですか?」

 僕の後付け鑑定ではわからなかった。

 「状態がわかるのです。いかがします?」
 「魔狼か……」
 「大丈夫です! 絶対に人を襲わせたりさせません! 僕がちゃんと面倒をみますから殺さないでください」

 僕は、リルを抱き上げ立ち上がり言った。

 「……そうですね。魔狼は、彼に預けて大丈夫かと思います」

 そうキモンさんが言ってくれて、ディルダスさんが頷いた。よかった。殺されずに済んだ。

 『別に殺すとか言っていなかっただろうに』

 だって気にしていたよね?

 「魔狼の事もそうだが、彼の魔眼の事は君達しか知らないのだな? ダリリンスさん達も知らないのだな?」
 「はい。知らないはずです」

 ディルダスさんの問いにロメイトさんが答えた。

 「では、この件については、誰にも話さないように。そして、真実を知っている君らでこの後調査をお願いしたい」
 「え? 俺達でですか? マルリードも一緒に?」

 ロメイトさんが聞くと、そうだとディルダスさんは頷く。

 「絶対に漏らすなよ」

 そうディルダスさんが念を押してきた!
 リルの事は、よほどの事なのかもしれない。魔狼だとばれないようにしなくちゃ!

 『まあ今ならバレる可能性は、ほぼゼロ%だな』

 何か視線を感じると右を見ると、満月の夜のメンバー全員がリルを見つめていた。

 「ご、ごめんなさい。なんか、変な事になっちゃって……」

 原因は僕なので、謝った。

 「しかし、どうやって調べるかだよな。手がかりがない」
 「そのことなのだが、君達から聞いてふと思ったのだが、ゴブリンもそこにいたのではないか? そこで魔素酔いさせた・・・。ただ問題なのは、あの鉱山に住みつくまでゴブリンを発見出来なかった事だ。魔素酔いして来たのなら、暴れながら来るだろう」

 ディルダスさんの言葉に、全員がそうだと頷いた。
 たぶん魔素をあそこに溜めた人物の目的は、魔素酔いさせる事だと思う。でもどうやって、モンスターをあの場所までバレずに移動させたかだよね?

 「もしかして、秘密通路があるとか?」
 「いや、少なくてもゴブリンがいた鉱山跡地にはそれらしきモノはなかった」

 リトラさんが言うと、ディルダスさんがそう返す。鉱山同士繋がっていないとなれば、普通に移動した事になるんだけどな。

 「あの森ら辺は、夜は冒険者もいないだろうからこっそりとなら移動しても気づかれないだろうけど、モンスターがこっそりと移動するとは考えられないからな。どういうカラクリなんだ? それとも他の場所にも魔素を充満させた場所を作ったのか?」
 「そういう事を調べてほしい」

 ロメイトさんが言うと、ディルダスさんが僕らを見つめそう言った。

 「わかりました。他にそういう場所がないか調べます」
 「よろしく頼む」

 そういう事で、この話は終わった。叱られるかと思ったけど、お咎めなしだった。

 『あまりにもすんなりだな。何か裏がありそうだな』

 いつもそれだね。

 『君が素直なだけだろう』

 いやリレイスタルさんが疑い深いだけだよ。

 「今日は、遅いから明日打ち合わせしよう」

 ロメイトさんに言われ僕は頷いた。今日も草原で寝るつもり。あそこ、モンスターでないし、人も気にしなくていいからね。
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