使えないと思った僕のバフはパッシブでした。パーティーを追い出されたけど呪いの魔導士と内密にペアを組んでます

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
48 / 63

第48話 その誘いお断りします

しおりを挟む
 「さて戻ろうか」
 「うん」

 少し元気になったみたい。よかった。
 僕たちは、村へと戻る為道を歩き出すと、向こうから誰かが歩いてくる。ここに来るのは、採取の仕事を請け負った者ぐらいで、ほぼいない。誰?
 僕は、身構えた。現れたのは二人組だ。

 「三人で何を話していたのかしら?」
 「チェミンさんか。脅かさないでよ。うん? 三人?」

 もしかして、リレイスタルさんの事がバレている?

 『それはないだろう』

 じゃ誰の事?

 『さあな』
 「もう一人って誰の事?」
 「髭を剃ったスーレンさん風の冒険者よ」
 「彼はレモンスさんですよ。髭など生やしていた事はないです。この道を下ってきたので、三人で会っていたのかと思ったのです」

 今日は、彼女の護衛は一人のようだ。もう一人は、父親についているのか。

 『レモンスか。何をしにこっちに来たのだ?』

 草原の確認かな? 来てみたら僕たちがいたから去って行ったとか?

 「僕たちは二人で話していたんだけど?」
 「二人で? 一体ここで何を?」
 「チェミンさんには関係ないよ。あ、僕たちは戻るから」
 「……そう」

 なぜか護衛の人が困り顔で、チラッと僕を見た。何?

 『もしかして、君に用事があったのではないか?』

 僕に? でもなんでここにいるってわかったの?

 『その護衛が、二人が草原に行くという話を聞いていたのではないか?』

 なるほど。

 「あの、僕に用事なら村に戻ってからでもいいですか?」
 「もちろん、いいわ」
 『ほらみろ。当たりだっただろう』

 そう言えばいいのに。

 『乙女心がわからんやつだな。明らかに君がニーナと二人でいたと聞いて更に不機嫌になっただろうが』

 彼女が僕に気があると? ないない。チェミンさんは、冒険者には興味はないよ。彼女達からみたら僕らは貧乏人なんだから。



 村についた。

 「ニーナ。無理しないでね」
 「うん。ありがとう」

 軽く手を振り彼女は去って行く。

 「ねえ、彼女とはどういう関係?」
 「え? 幼馴染だよ。で、用事って何かな?」
 「錬金術師にならない?」
 「は?」

 いきなり何を言い出すんだ。

 「才能があると思うのよ。お父さんもバックアップするって言っているわ。悪い話ではないと思うのよ。どう?」
 『よかったではないか』

 何もよくないよ。なんで錬金術師にならないと行けないんだ。

 『何を言っている。私と組めばなんでも作れるだろうが。悪い話ではない。バックアップしてくれると言っているのだぞ?』

 あのね、リレイスタルさんは知らないかもしれないけど、彼女の父親ってケチなんだよ? そんな人が、僕のバックアップを好意でするわけないでしょう。何か裏があるに違いないよ。

 『いつもと立場が逆だな。この前の恩返しかもしれんだろう』

 娘を助けた時ですらロングソード一本だったのに?
 それに冒険者は辞めないよ。少なくとも今回の件が解決するまではね。

 「気持ちはありがたいけど、僕は冒険者を辞める気はないから」
 「あ、じゃ、兼業はどう? そういう人もいるよね? 作ってくれれば売りさばくのは、お父さんがするって言っているわ」
 「はぁ……。やっぱりそういう事か。そういう商売はする気ないから」
 「なんで? 冒険者なんて危険じゃない。なりたくてなったわけでもないのでしょう? 錬金術師の方が儲かるし」
 「あのね、儲ける為に冒険者しているわけじゃないから。僕にも目標がある。Aランクプレイヤーになりたいんだ。悪いけどあきらめて」
 「……それで、あの女を振り向かせる気なのね!」
 「は? あの女?」
 『ニーナの事だろう』

 なぜ急にニーナが出てくるんだ。

 「ニーナは関係ないよ」
 「嘘よ! 私とは態度が全然違うじゃない!」
 「………」

 そんな事言われてもなぁ。

 「この件を引き受けてくれないのならスーレンさんと結婚しちゃうからね!」
 「え? スーレンさんって誰?」
 「新しいお見合い相手のおじさんよ!」
 「もう新しいお見合いしたんだ」

 レモンスさんに似ているという髭の人が、今度のお見合い相手か。10ぐらい歳の差があるからおじさんか。でもレモンスさんに似ているのならイケメンなのでは?

 『チェミンぐらいの年頃なら20代でもおじさんなのだろう。ところでいいのか? 結婚してしまうと言っているが』

 いいんじゃない。お金持ち同士仲良くやればいいと思うよ。

 「向こうも気に入ってくれているならいいんじゃない?」
 「ひどい! もう知らない!」

 って泣きながら走っていく。しかも護衛の人に睨まれた。

 『ほらみろ。絶対に君に気があるのだ。お金持ちとは仲良くしておく方がよいぞ』

 嫌だよ。あの人達と関わると、ろくなことがないから。

 『本当に欲がないやつだ。利用できる者は利用したほうがいいのにな』

 僕はそういう考えは好かないよ。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います

登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」 「え? いいんですか?」  聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。  聖女となった者が皇太子の妻となる。  そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。  皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。  私の一番嫌いなタイプだった。  ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。  そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。  やった!   これで最悪な責務から解放された!  隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。  そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。 2025/9/29 追記開始しました。毎日更新は難しいですが気長にお待ちください。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

処理中です...