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第28話》そうと決まれば、レッツゴー!
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「さて、これからどうしようか」
「どうしようかって……あのレリーフの事を調べるんでしょ?」
俺が言うと、ミチさんが呆れた様に言った。そうだった。色々あって忘れちゃった。
「これか……」
「それは!」
俺が鞄から取り出し、レリーフを眺めていると、その手をガシッと掴まれた! 驚いて顔を上げると、学者の様な出で立ちのおじさんが俺の手を掴んでいた。
「ちょっと、何ですか?」
驚いて、振りほどく。
「あ、ロンダだ」
「NPCよ」
ボソッとミチさんが耳打ちしてくれた。
あぁ、びっくりした。NPCか。うん? という事は、イベントが始まった?
「すまなかった。つい興奮して。君達、それをどこで?」
「百のダンジョンですが……」
「やはり! あの場所にあると思っていたんだ!」
またギュッと両手で握られた! だから手を握るなってば!
「よかった。エットがレリーフを持っていてくれて」
「そうね。NPCとはいえ、おじさんにあんな風に手を握られたくないものね」
うんうんと、ママルさんが頷いている。俺だって握られたくないわ!
「は、離して下さいってば……」
「おぉ、すまない。私は、考古学者のロンダ。お願いがある。私の代わりに調べてほしい事があるんだ。もちろん、お礼はする!」
「勿論、受けるよ!」
ママルさんが、勢いよく頷いて了承した。
「おぉ、ありがとう! ここから北にズルランという大きな街がある。そこから東に行った所に、遺跡があってな。これがカギになっていると思われるんだ」
「カギかどうか試してほしいって事かしら?」
ミチさんが聞くと、ロンダは頷く。
「もし遺跡の中に入れたら、調べて来てほしいのだ。古代の遺産、精霊の言霊を」
「「精霊!」」
二人は声を揃えて反応した。どうやらナビが言った様に、精霊と関係あるイベントの様だ。
「わかりました。で、結果はここに戻って来てあなたに知らせればいいのですか?」
「いや、ズルランにワシの研究所がある。そこに仲間がいる。まずはそこを訪ねてほしい。これは依頼料だ。宜しく頼む」
そう言って渡されたのは、3,000ダイスコインだ。
リアルならとんずらされるとか思うだろうから、まず今は渡さないだろうけどさすがゲームだね。
「まかせて、ロンダ! 私達がちゃんと精霊を見つけてあげるよ」
ママルさんが、意気揚々と言ったけど、ロンダが探して欲しいのは精霊じゃなくて、精霊の言霊ね。たぶん、アイテムなんだと思うんだけど。
「うむ。後はこれだ。これを研究者の者に見せてくれ。そうすれば、私から依頼を受けたとわかるはずだ」
「はい。わかりました」
受け取ったのは、何も書かれていないただの小さな紙だ。
「何それ……」
紙を見たママルさんが、ポツリと呟く。ミチさんもジーッと紙を見つめていた。
こうして俺達は、北にあるズルランに向かう事になった――。
□ ◇ □ ◇ □
俺達は、サイコロを転がしながらズルランに向かっていた。はじまりの村を離れると、勿論敵が強くなっていく。そして、レベル3の敵と遭遇。
――おめでとうございます。レベル4になりました。
3体目を倒した時、めでたくレベルアップした。
「よし、4レベルだ」
「「おめでとう」」
二人が祝福してくれた。
――アタックチェンジを取得しました。
――スピードチェンジを取得しました。
おぉ、まだ覚えるんだ魔法。チェンジか……ちょっと見てみるかな。
『アタックチェンジ』――魔力の50%を攻撃力に上乗せする。(剣装備時、戦闘終了まで。重複不可、魔力半減)
『スピードチェンジ』――魔力の50%をスピードに上乗せする。(弓装備時、戦闘終了まで。重複不可、魔力半減)
うん? 弓装備時にスピードをアップするって事は、弓の攻撃力ってスピードなのか?
「弓ってスピードが攻撃力なのか?」
『はい、そうです。上から撃つことで、攻撃力が増します』
なるほど。それで弓の時にジャンプが役立つって事か。
うーん。魔法以外の攻撃を確保した方がいいよな。魔力が枯渇する事はないとして、魔法が封じ込まれる事があるかもしれない。
よし、弓を手に入れよう! エンチャントして強くすればレアじゃなくてもいいんだし。俺は、弓を手に入れる事にした――。
「どうしようかって……あのレリーフの事を調べるんでしょ?」
俺が言うと、ミチさんが呆れた様に言った。そうだった。色々あって忘れちゃった。
「これか……」
「それは!」
俺が鞄から取り出し、レリーフを眺めていると、その手をガシッと掴まれた! 驚いて顔を上げると、学者の様な出で立ちのおじさんが俺の手を掴んでいた。
「ちょっと、何ですか?」
驚いて、振りほどく。
「あ、ロンダだ」
「NPCよ」
ボソッとミチさんが耳打ちしてくれた。
あぁ、びっくりした。NPCか。うん? という事は、イベントが始まった?
「すまなかった。つい興奮して。君達、それをどこで?」
「百のダンジョンですが……」
「やはり! あの場所にあると思っていたんだ!」
またギュッと両手で握られた! だから手を握るなってば!
「よかった。エットがレリーフを持っていてくれて」
「そうね。NPCとはいえ、おじさんにあんな風に手を握られたくないものね」
うんうんと、ママルさんが頷いている。俺だって握られたくないわ!
「は、離して下さいってば……」
「おぉ、すまない。私は、考古学者のロンダ。お願いがある。私の代わりに調べてほしい事があるんだ。もちろん、お礼はする!」
「勿論、受けるよ!」
ママルさんが、勢いよく頷いて了承した。
「おぉ、ありがとう! ここから北にズルランという大きな街がある。そこから東に行った所に、遺跡があってな。これがカギになっていると思われるんだ」
「カギかどうか試してほしいって事かしら?」
ミチさんが聞くと、ロンダは頷く。
「もし遺跡の中に入れたら、調べて来てほしいのだ。古代の遺産、精霊の言霊を」
「「精霊!」」
二人は声を揃えて反応した。どうやらナビが言った様に、精霊と関係あるイベントの様だ。
「わかりました。で、結果はここに戻って来てあなたに知らせればいいのですか?」
「いや、ズルランにワシの研究所がある。そこに仲間がいる。まずはそこを訪ねてほしい。これは依頼料だ。宜しく頼む」
そう言って渡されたのは、3,000ダイスコインだ。
リアルならとんずらされるとか思うだろうから、まず今は渡さないだろうけどさすがゲームだね。
「まかせて、ロンダ! 私達がちゃんと精霊を見つけてあげるよ」
ママルさんが、意気揚々と言ったけど、ロンダが探して欲しいのは精霊じゃなくて、精霊の言霊ね。たぶん、アイテムなんだと思うんだけど。
「うむ。後はこれだ。これを研究者の者に見せてくれ。そうすれば、私から依頼を受けたとわかるはずだ」
「はい。わかりました」
受け取ったのは、何も書かれていないただの小さな紙だ。
「何それ……」
紙を見たママルさんが、ポツリと呟く。ミチさんもジーッと紙を見つめていた。
こうして俺達は、北にあるズルランに向かう事になった――。
□ ◇ □ ◇ □
俺達は、サイコロを転がしながらズルランに向かっていた。はじまりの村を離れると、勿論敵が強くなっていく。そして、レベル3の敵と遭遇。
――おめでとうございます。レベル4になりました。
3体目を倒した時、めでたくレベルアップした。
「よし、4レベルだ」
「「おめでとう」」
二人が祝福してくれた。
――アタックチェンジを取得しました。
――スピードチェンジを取得しました。
おぉ、まだ覚えるんだ魔法。チェンジか……ちょっと見てみるかな。
『アタックチェンジ』――魔力の50%を攻撃力に上乗せする。(剣装備時、戦闘終了まで。重複不可、魔力半減)
『スピードチェンジ』――魔力の50%をスピードに上乗せする。(弓装備時、戦闘終了まで。重複不可、魔力半減)
うん? 弓装備時にスピードをアップするって事は、弓の攻撃力ってスピードなのか?
「弓ってスピードが攻撃力なのか?」
『はい、そうです。上から撃つことで、攻撃力が増します』
なるほど。それで弓の時にジャンプが役立つって事か。
うーん。魔法以外の攻撃を確保した方がいいよな。魔力が枯渇する事はないとして、魔法が封じ込まれる事があるかもしれない。
よし、弓を手に入れよう! エンチャントして強くすればレアじゃなくてもいいんだし。俺は、弓を手に入れる事にした――。
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