【完結】偽り神官様は恋をする

すみ 小桜(sumitan)

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第23話 サーターの結論

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 はぁ……。
 ため息を漏らし、ルナードに治癒してもらった左肩を右手で撫でるディアルディ。

 本当にバレていないのだろうか? 古傷の事も何も聞かれなかった。まあ、あの人なら聞かないか。
 それにしても、見た目と違って結構やる事が粗いよな。
 ……しかし、治癒まで出来るなんて。

 普通は、一体の精霊と契約する。精霊によって得意分野が違い、治癒できる精霊は少ないと言われていた。実際ディアルディが出会った精霊には、治癒出来る精霊はいなかった。

 彼は、何体と契約しているんだ? さすがマカリーさんの孫だよな。
 いやそれよりも、気づいたらすぐに襲ってくるなんてな。継承間近って事か?
 それまで無事にいてくれればいいんだが……。はぁ……。

 また一つ、ディアルディは溜息をついた。

□□□

 「おはようございます」

 「おはようルナード。二日酔いじゃないか?」

 「別に」

 「で? どうだった?」

 「何が?」

 「何がって! 酔った勢いで……怖いです。顔がマジで怖いです!」

 ルナードは、サーターを睨み付けた。彼の言いたい事がわかったのだ。酒の勢いで一線超えたのかと聞いて来たのだ。

 「バカな事を言うからだ!」

 「いや、婚約者だろう?」

 「あぁ、婚約者だ。婚姻をしていない」

 「……真面目すぎだろう、お前。神託が下ったんなら結婚するんだろう?」

 「………」

 するのか? させる気なのか? 向こうはそれで本当にいいと思っているのだろうか? 私の事を男だと思っているのだろう?
 理由があって女装しているとはいえ、別に男が好きってわけでもないだろう。

 「お前もしかして、男が好きなのか? 結婚はカモフラージュか?」

 「うん? それって私の事か?」

 「今、話題にしているのはそうだろうが……」

 「そうなら神官なのだから結婚しなければいいだけだろう?」

 「あ、なるほど」

 そういえば、ディアルディさん、治癒に関して何も言ってなかったな。マカリー様が、特別な力を持った神官だと知っているって事か? だから私が持っていても不思議ではないと。
 そうでないと、どうやってと驚くよな。

 「もしかして、やっぱり堪えてる?」

 「え? 何に?」

 「ミリサの事。お嫁に行っちゃうからさ」

 「彼女には、幸せになってほしいよ。私の分までね」

 「……そっか。マカリー様に言われていたんだな」

 「うん?」

 「いいって。彼女の幸せを願おう!」

 サーターは、ルナードの相手はマカリーが決めると言われていたんだと誤解し、ミリサの事を好きだが身を引いた。そう思ったのだ。
 だからあんな美人のディアルディでも乗り気でないのだと勝手に解釈した。

 「元気だせよ!」

 「? あぁ。元気だけど?」

 サーターは、ルナードを気遣うのだが、ルナードには通じない。
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