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◇188◇ルイユの正体!?
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「あげたのでしょう?」
答えられないイラーノに、ニッコリ微笑んで質問をしたマドラーユさんが答えた。
「………」
「あれはね、私との距離がわかるようになっているの」
それって、居場所が分かるって事?
「な、なんでそんなものを俺に?」
驚いてイラーノが言う。
マドラーユさんも僕達を見張っていたの? どうして?
「その機能がついたのは、ただの偶然。追加としてついちゃったものなの。だから別に、あなた達の行動を見張ろうとかそう言うのではないわ。ただ今日ずっと一緒に居たのに反応がないからね」
偶然ってそれ本当かな? ちょっと怪しい。
「反応がないって。近くにいないとわからないものなの?」
イラーノが聞くと、マドラーユさんは頷いた。
「そうねぇ。ここからちょうどエルフが墓守をしているという森ぐらいまでの範囲かしら? で、誰にあげたのかしら? ルイユだったりするのかな?」
そういう事か。
ペンダントは、あの襲撃前まではちゃんとイラーノが持っていた。だから反応をしていたんだ。けどその後、オスダルスさんにあげたから反応が消えた。
ルイユは死んだのではなく、そのペンダントをつけて姿を暗ましたと思ったんだ。
見つかりづらいペンダントだからちょうどいいもんね。
《まさかあのペンダントがそういう品とは……。確認をしておくべきでした》
僕はチラッとルイユを見て、小さく首を振った。
ルイユのせいじゃない。
ポン。
うん? 今、微かに何か音がしたような……。
「あら、お客様ね」
そう言うと、外していたゴーグルを手に取り覗き込む。
なるほど、誰かが来たらそのゴーグルで見える様になっていたわけか。だから僕達が訪ねたら直ぐにわかったんだ。
「え? 騎士団?」
「騎士団だって!?」
マドラーユさんの呟きに、イラーノは驚きの声を上げた。
どうして乗り込んで来たんだろう?
まさかまた、偶然を装って訪ねて来たの?
マドラーユさんは、ドアに向かう。
「あなた達は、この部屋に居て」
僕達を残しマドラーユさんは、部屋から出て行った。
そっとドアを開け、二人で様子を伺う。
ノックされたドアをマドラーユさんは、はいと返事を返し開けた。現れたのは、やっぱりアベガルさんだ。
「失礼するよ」
「ちょっと、何?」
今日は、三人も引き連れて来ていた。最後に入って来た人がドアをぱたんと閉める。
「ここに二人が来ていますよね?」
「二人とは?」
アベガルさんの問いに、マドラーユさんは何の事だという感じで返す。
いや僕達、見張られていたからここにいるって事でいいんだけど。
「きゃ。何をするのよ!」
いきなり一人の騎士団の人が、マドラーユさんを羽交い絞めにした!
「やめろ!」
イラーノはそう言ってドアを開けた。
「あの二人だ」
そうアベガルさんは言って顎をクイッとすると、残りの二人の騎士団が僕達に向かって来る。
「ちょっと何で!」
「抵抗しないから離して!」
《主様!》
僕は慌てて、小さく首を振る。
ルイユに何もしないでという合図だ。
「ルイユを確認した」
「え?」
険しい顔つきで、驚くような事をアベガルさんは言った。
そして、マドラーユさんを見る。
「彼女が、ルイユなんだろう?」
「はぁ?」
アベガルさんの更に驚くような言葉に、一番驚いているのはマドラーユさんだ。
って、何でそう言う発想になるんだ!
まさかここに来ただけで、そう思うなんて。
「先ほど連絡が入った。エルフの森にルイユが現れたと!」
「え!」
それ僕なんだけど!
そっか。女に見える外套を羽織っていたからルイユだと思ったんだ。
「どうしてルイユだって言えるんだ! 顔を見たの?」
「見なくとも空からなど、ルイユ以外に出来る訳がない。君達二人が出て行った後、彼女も外出した」
「やっぱり見張っていたんだね」
アベガルさんの言葉に、キッと睨みイラーノが言う。
「連絡では、街の方面から来て街の方面に飛び去ったらしい。私達もそれぐらい見張れるマジックアイテムを所持しているのでね。君達二人は、ずっと見張らせてもらった。いや気づいていたから彼女を向かわせる為に、利用したのだろう? さて、何しに行ったのか聞こうか。ルイユ」
うわぁ。全部、お見通しだった!
向かったのは僕だけど、このままだと大変な事になる。
「待って! マドラーユさんは関係ないから! そんなのたまたまだ!」
「たまたまだと? そんなわけあるか。よく考えればつじつまがあう。君達が、襲撃の前から彼女と会っていたのは調べ済みだ。彼女も錬金術師。あのルイユの姿は、仮の姿だったのだろう?」
あの姿が仮の姿なのはあっているけど、これルイユが別にいるって証明しないとマドラーユさんじゃないと証明できないんだけど!!
答えられないイラーノに、ニッコリ微笑んで質問をしたマドラーユさんが答えた。
「………」
「あれはね、私との距離がわかるようになっているの」
それって、居場所が分かるって事?
「な、なんでそんなものを俺に?」
驚いてイラーノが言う。
マドラーユさんも僕達を見張っていたの? どうして?
「その機能がついたのは、ただの偶然。追加としてついちゃったものなの。だから別に、あなた達の行動を見張ろうとかそう言うのではないわ。ただ今日ずっと一緒に居たのに反応がないからね」
偶然ってそれ本当かな? ちょっと怪しい。
「反応がないって。近くにいないとわからないものなの?」
イラーノが聞くと、マドラーユさんは頷いた。
「そうねぇ。ここからちょうどエルフが墓守をしているという森ぐらいまでの範囲かしら? で、誰にあげたのかしら? ルイユだったりするのかな?」
そういう事か。
ペンダントは、あの襲撃前まではちゃんとイラーノが持っていた。だから反応をしていたんだ。けどその後、オスダルスさんにあげたから反応が消えた。
ルイユは死んだのではなく、そのペンダントをつけて姿を暗ましたと思ったんだ。
見つかりづらいペンダントだからちょうどいいもんね。
《まさかあのペンダントがそういう品とは……。確認をしておくべきでした》
僕はチラッとルイユを見て、小さく首を振った。
ルイユのせいじゃない。
ポン。
うん? 今、微かに何か音がしたような……。
「あら、お客様ね」
そう言うと、外していたゴーグルを手に取り覗き込む。
なるほど、誰かが来たらそのゴーグルで見える様になっていたわけか。だから僕達が訪ねたら直ぐにわかったんだ。
「え? 騎士団?」
「騎士団だって!?」
マドラーユさんの呟きに、イラーノは驚きの声を上げた。
どうして乗り込んで来たんだろう?
まさかまた、偶然を装って訪ねて来たの?
マドラーユさんは、ドアに向かう。
「あなた達は、この部屋に居て」
僕達を残しマドラーユさんは、部屋から出て行った。
そっとドアを開け、二人で様子を伺う。
ノックされたドアをマドラーユさんは、はいと返事を返し開けた。現れたのは、やっぱりアベガルさんだ。
「失礼するよ」
「ちょっと、何?」
今日は、三人も引き連れて来ていた。最後に入って来た人がドアをぱたんと閉める。
「ここに二人が来ていますよね?」
「二人とは?」
アベガルさんの問いに、マドラーユさんは何の事だという感じで返す。
いや僕達、見張られていたからここにいるって事でいいんだけど。
「きゃ。何をするのよ!」
いきなり一人の騎士団の人が、マドラーユさんを羽交い絞めにした!
「やめろ!」
イラーノはそう言ってドアを開けた。
「あの二人だ」
そうアベガルさんは言って顎をクイッとすると、残りの二人の騎士団が僕達に向かって来る。
「ちょっと何で!」
「抵抗しないから離して!」
《主様!》
僕は慌てて、小さく首を振る。
ルイユに何もしないでという合図だ。
「ルイユを確認した」
「え?」
険しい顔つきで、驚くような事をアベガルさんは言った。
そして、マドラーユさんを見る。
「彼女が、ルイユなんだろう?」
「はぁ?」
アベガルさんの更に驚くような言葉に、一番驚いているのはマドラーユさんだ。
って、何でそう言う発想になるんだ!
まさかここに来ただけで、そう思うなんて。
「先ほど連絡が入った。エルフの森にルイユが現れたと!」
「え!」
それ僕なんだけど!
そっか。女に見える外套を羽織っていたからルイユだと思ったんだ。
「どうしてルイユだって言えるんだ! 顔を見たの?」
「見なくとも空からなど、ルイユ以外に出来る訳がない。君達二人が出て行った後、彼女も外出した」
「やっぱり見張っていたんだね」
アベガルさんの言葉に、キッと睨みイラーノが言う。
「連絡では、街の方面から来て街の方面に飛び去ったらしい。私達もそれぐらい見張れるマジックアイテムを所持しているのでね。君達二人は、ずっと見張らせてもらった。いや気づいていたから彼女を向かわせる為に、利用したのだろう? さて、何しに行ったのか聞こうか。ルイユ」
うわぁ。全部、お見通しだった!
向かったのは僕だけど、このままだと大変な事になる。
「待って! マドラーユさんは関係ないから! そんなのたまたまだ!」
「たまたまだと? そんなわけあるか。よく考えればつじつまがあう。君達が、襲撃の前から彼女と会っていたのは調べ済みだ。彼女も錬金術師。あのルイユの姿は、仮の姿だったのだろう?」
あの姿が仮の姿なのはあっているけど、これルイユが別にいるって証明しないとマドラーユさんじゃないと証明できないんだけど!!
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