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◇190◇お怒りです
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バン!
ドアが開ける前に開き、入って来た人物に皆が驚いた。
「お、お父さん?」
「なぜ、あなたがここに?」
かなり驚いた様子でアベガルさんは問う。
なんでロドリゴさんがここに居るの? 僕も同じ疑問を持つ。
「まあ、気になる事があったので、街に来ていた。それよりこれは、ギルドの指示ですか? 二人はまだいいとして、彼女は一般人では? 騎士団は、冒険者を取り締まる組織のはず。ギルドに報告しても宜しいですよね?」
「な……」
ロドリゴさんが、凄んでアベガルさんに言う。
アベガルさんの独断なら報告されたら困るのかも。ロドリゴさんは、ギルドマスターだし、ギルドもちゃんと確認をするだろう。
「ルイユの正体、暴いてやるからな! 行くぞ」
そう捨て台詞を残してアベガルさん達は、建物から出て行った。
た、助かった……。
「お前達、何をやっているんだ! 一般人を巻き込んで、何を考えている!」
「ご、ごめんなさい。こんな事になるなんて……」
ロドリゴさんが、凄い形相で怒鳴ると、イラーノは泣きそうな顔で謝る。
「ごめんなさい」
「謝るのなら彼女にだろう。本当に迷惑を掛けて申し訳ありません。もしこれから騎士団に何かされましたら私に言って下さい。対処します。私は、ノラノラシチ街の冒険者ギルドのマスターをしております、ロドリゴと申します」
「「ごめんなさい」」
三人で、マドラーユさんに頭を下げた。
「頭を上げて。もとからあの人達とはそりが合わないのよ。でもまさか、ルイユにされるとは思わなかったわ」
はあっとため息交じりで、マドラーユさんは言う。
あれ? ここに住んでいるのにマドラーユさんって冒険者じゃないの?
「マドラーユさんって、冒険者じゃないのにこっち側に住んでいるの?」
「あ、本当だ」
僕の質問に、イラーノも頷く。
「私は女だからね。錬金術の才能があるのに気付いた親は、冒険者ではなく商人にしたのさ。知識が無くても調合が出来てしまうのは危険だからね。錬金術師は、ここではこっち側に住むって決まっているの。女で冒険者じゃないけど、ここに住んでいるってわけよ」
なるほど。そう言う事だったんだ。
「お父さん、知っていたんだ」
「私は、この街に滞在していたからな。ここに居て彼女を知らない者はいないよ」
有名人だったんだ。
まあ特殊な感じだよね。冒険者でも男でもないのに住んでるだけで目立ちそうだよ。
「そう言えば、あなた達親子なの? 全く似ていないわね」
「よく言われます」
マドラーユさんの言葉に、微笑んでロドリゴさんは答えた。
本当の親子じゃないから似ていなくて当たり前だ。
「ふーん。ギルドマスターって暇なの? 自分の息子の監視を自分でするなんて驚いたわ」
マドラーユさんの台詞に、ロドリゴさんは目をぱちくりとしている。
「いやいやまさか。彼らがここで、色んな事があったようなので、少し調べに来ていたんです。そうしたら二人がこの建物に入って行って、その後騎士団が入って行ったので、少し様子を伺ってました」
二人が戻って来た所を偶然発見したロドリゴさんは、どうしてここにと思ったんだろうね。
マドラーユさんの事は話してなかったし、その後騎士団が入って行ったのを見たのなら探りを入れるよね。
「勝手に敷地内に入ったのは謝ります」
「それは別にいいわ。助けて頂いたのだし。で、ロドリゴさんは、どこまで把握しているのかしら? 私、とんでもない作戦に乗せられたようだけど?」
あわわわ。やばい。そうだった! 全部聞いていたんだったらロドリゴさんには、色々ばれてそうだ。
「ルイユは、死んだと彼らから聞きました。この街で聞き込みした結果、モンスターに食べられたとか。生きていないでしょう」
「彼らは、そんな事では納得しないわよ。私もね。ルイユが現れた。たぶん、それは確かでしょう」
だよね……。まさかあっちの方で、見られているとは思わなかった。遠いし見えないと思ったけど、マジックアイテムで監視しているとは……。
さて、どうしよう。
うん? ロドリゴさんが凄い顔で睨んでいる。
これ、かなり怒っているよね?
「ここまで乗りかかった船です。ご協力しますよ。内密な話は、向こうの部屋で致しましょう。ちょっとごちゃっとしていますが、あちらの部屋は結界を施してありますので、会話が漏れる事はありません」
「………」
その言葉に、開いているドアから部屋の中を見たロドリゴさんは、何も返さない。
僕が片付けたから少しは歩くスペースはあるけど、ちょっとじゃないよね?
ドアが開ける前に開き、入って来た人物に皆が驚いた。
「お、お父さん?」
「なぜ、あなたがここに?」
かなり驚いた様子でアベガルさんは問う。
なんでロドリゴさんがここに居るの? 僕も同じ疑問を持つ。
「まあ、気になる事があったので、街に来ていた。それよりこれは、ギルドの指示ですか? 二人はまだいいとして、彼女は一般人では? 騎士団は、冒険者を取り締まる組織のはず。ギルドに報告しても宜しいですよね?」
「な……」
ロドリゴさんが、凄んでアベガルさんに言う。
アベガルさんの独断なら報告されたら困るのかも。ロドリゴさんは、ギルドマスターだし、ギルドもちゃんと確認をするだろう。
「ルイユの正体、暴いてやるからな! 行くぞ」
そう捨て台詞を残してアベガルさん達は、建物から出て行った。
た、助かった……。
「お前達、何をやっているんだ! 一般人を巻き込んで、何を考えている!」
「ご、ごめんなさい。こんな事になるなんて……」
ロドリゴさんが、凄い形相で怒鳴ると、イラーノは泣きそうな顔で謝る。
「ごめんなさい」
「謝るのなら彼女にだろう。本当に迷惑を掛けて申し訳ありません。もしこれから騎士団に何かされましたら私に言って下さい。対処します。私は、ノラノラシチ街の冒険者ギルドのマスターをしております、ロドリゴと申します」
「「ごめんなさい」」
三人で、マドラーユさんに頭を下げた。
「頭を上げて。もとからあの人達とはそりが合わないのよ。でもまさか、ルイユにされるとは思わなかったわ」
はあっとため息交じりで、マドラーユさんは言う。
あれ? ここに住んでいるのにマドラーユさんって冒険者じゃないの?
「マドラーユさんって、冒険者じゃないのにこっち側に住んでいるの?」
「あ、本当だ」
僕の質問に、イラーノも頷く。
「私は女だからね。錬金術の才能があるのに気付いた親は、冒険者ではなく商人にしたのさ。知識が無くても調合が出来てしまうのは危険だからね。錬金術師は、ここではこっち側に住むって決まっているの。女で冒険者じゃないけど、ここに住んでいるってわけよ」
なるほど。そう言う事だったんだ。
「お父さん、知っていたんだ」
「私は、この街に滞在していたからな。ここに居て彼女を知らない者はいないよ」
有名人だったんだ。
まあ特殊な感じだよね。冒険者でも男でもないのに住んでるだけで目立ちそうだよ。
「そう言えば、あなた達親子なの? 全く似ていないわね」
「よく言われます」
マドラーユさんの言葉に、微笑んでロドリゴさんは答えた。
本当の親子じゃないから似ていなくて当たり前だ。
「ふーん。ギルドマスターって暇なの? 自分の息子の監視を自分でするなんて驚いたわ」
マドラーユさんの台詞に、ロドリゴさんは目をぱちくりとしている。
「いやいやまさか。彼らがここで、色んな事があったようなので、少し調べに来ていたんです。そうしたら二人がこの建物に入って行って、その後騎士団が入って行ったので、少し様子を伺ってました」
二人が戻って来た所を偶然発見したロドリゴさんは、どうしてここにと思ったんだろうね。
マドラーユさんの事は話してなかったし、その後騎士団が入って行ったのを見たのなら探りを入れるよね。
「勝手に敷地内に入ったのは謝ります」
「それは別にいいわ。助けて頂いたのだし。で、ロドリゴさんは、どこまで把握しているのかしら? 私、とんでもない作戦に乗せられたようだけど?」
あわわわ。やばい。そうだった! 全部聞いていたんだったらロドリゴさんには、色々ばれてそうだ。
「ルイユは、死んだと彼らから聞きました。この街で聞き込みした結果、モンスターに食べられたとか。生きていないでしょう」
「彼らは、そんな事では納得しないわよ。私もね。ルイユが現れた。たぶん、それは確かでしょう」
だよね……。まさかあっちの方で、見られているとは思わなかった。遠いし見えないと思ったけど、マジックアイテムで監視しているとは……。
さて、どうしよう。
うん? ロドリゴさんが凄い顔で睨んでいる。
これ、かなり怒っているよね?
「ここまで乗りかかった船です。ご協力しますよ。内密な話は、向こうの部屋で致しましょう。ちょっとごちゃっとしていますが、あちらの部屋は結界を施してありますので、会話が漏れる事はありません」
「………」
その言葉に、開いているドアから部屋の中を見たロドリゴさんは、何も返さない。
僕が片付けたから少しは歩くスペースはあるけど、ちょっとじゃないよね?
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