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◆191◆騙されたのは――
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ロドリゴさんが、部屋の中を無表情で見渡す。
「なんか、凄いですね……」
いるのかいらない物なのかわからない物がそこら辺にいっぱい。
僕には、ガラクタにしか見えないけど。
「あ、そこに座って」
何とか確保してあるスペースをマドラーユさんは指差した。
ご飯を食べるテーブルだ。
椅子も一応、4つある。
マドラーユさんの隣に僕が座り、彼女の向かい側がロドリゴさん、その隣がイラーノと座った。
「で、私はこれからどうすれば宜しいかしら?」
「どうと言われても……。彼らには、関わらなければいいかと」
マドラーユさんの質問に、ロドリゴさんがそう答える。
「僕達は、この街を出て行くから……」
「あ、俺、約束通り数日お手伝いした方がいい?」
ふと、思い出したのかイラーノが聞いた。
「わかってないのね、あなた達。ルイユとして睨まれたのよ? ここで暮らせるわけないでしょう。ギルドとの提携は全面停止でしょうね」
「え!」
マドラーユさんの話に驚いた。
僕達、彼女に凄い迷惑をかけてしまった。というか、どうしよう。
確かに何かを企んでいると思われる危険人物と取引なんてしないよね。
アベガルさんならロドリゴさんから何か言われる前に先手を打って、ギルドに上手く伝えていると思う。
「ごめんなさい……。見張られていてどうする事も出来なくて、まさかマドラーユさんまで目を付けられるとは思わなくて」
「まあ、ルイユって事にされるとは思わなかったけど、目は付けられるとはわかっていたわよ。あなた、私に何て言ったか覚えてる?」
僕が謝ると、そう質問を返された。
「えっと、エルフに会いに行くので手伝って下さい?」
「お前、そんな事を言ってお願いをしたのか?」
僕の回答に、ロドリゴさんは驚いている。
「え?」
「え、じゃない! あぁ、もう!」
ロドリゴさんは、額を抑えてため息をついた。
「やっぱり気づいてないのね。あなた三時間の時間を頂戴って言ったのよ? いい? 騎士団でもあの場所へ行くのに四時間はかかるのよ?」
「あ……」
しまったぁ!
あまり長い間、ずっと歩き回らせるのもと思って、ルイユにどれくらい早く行けるかと聞いたら往復で三時間って言われたから……。
よく考えれば、飛んで行っても無理な時間だった。
きっとマドラーユさんは、始めはルイユに会いに行ったんだと思った。でも、アベガルさんに話を聞いて、本当にルイユと一緒にエルフに会いに行ったんだと思ったに違いない。
「時間もそうだが、あんな事があった後でエルフに会いに行くって言って、協力してもらえると思うとは……」
ロドリゴさんが、呆れて言った。
「いやだって、他に思いつかなくって……」
作戦に乗ってくれたのは、エルフがいる森に行くとは思っていなかったからで、本当にそうだとわかっていたら手伝ってくれていなかったかもしれない。
「イラーノ。前にも言ったが、お前は止める立場だろう?」
「うふふ。本当に、エルフの所に行ったんだぁ」
にまぁっとして、マドラーユさんが言った。
いやもう、どんな言い訳しても仕方がない感じになっちゃったよ。
「で、ルイユはどこにい……」
「マドラーユさん。巻き込んだ責任は、こちらで取ります。ですのであなたはもう、手を引いて下さい。この二人に関わると、本当に商売出来なくなりますよ?」
「責任ねぇ。どう取るというの? あなたがギルドマスターだとしても、出来事はこの街での事よ?」
「私の管轄のノラノラシチ街で錬金術師として……」
「あのねぇ。そこで錬金術師としての仕事はあるのかしら?」
ロドリゴさんが真面目な顔で言うと、少し首を傾げてマドラーユさんは問う。
ないだろうなぁ。圧倒的に、滞在している冒険者の数も仕事の量も違うから。
「それは……」
「この街と同じだけ稼げて、研究するスペースの確保もってなると無理でしょう?」
「で、あなたは、何が目的で二人に協力をしたのですか? 普通なら協力などしないでしょうに……」
ため息交じりにロドリゴさんは、マドラーユさんに聞いた。
そう言われればそうかも。
マヌケにもエルフに会いに行くからって言ったんだ。それに協力したとばれれば、ここで暮らしてはいけない事をわかっていた。
それに、ルイユに会いに行くと思っていたみたいだし、それを確かめて騎士団に通報するつもりもなかったよね。
「聞かなくてもわかってるでしょう? ルイユに会う為よ」
「え? 会いたかったの?」
「この子、大丈夫? 絶対騙されるタイプだわ」
僕は驚くと、マドラーユさんは真面目な顔で言った。
しかも、ロドリゴさんとイラーノは、二人揃って頷いたんだけど!!
「なんか、凄いですね……」
いるのかいらない物なのかわからない物がそこら辺にいっぱい。
僕には、ガラクタにしか見えないけど。
「あ、そこに座って」
何とか確保してあるスペースをマドラーユさんは指差した。
ご飯を食べるテーブルだ。
椅子も一応、4つある。
マドラーユさんの隣に僕が座り、彼女の向かい側がロドリゴさん、その隣がイラーノと座った。
「で、私はこれからどうすれば宜しいかしら?」
「どうと言われても……。彼らには、関わらなければいいかと」
マドラーユさんの質問に、ロドリゴさんがそう答える。
「僕達は、この街を出て行くから……」
「あ、俺、約束通り数日お手伝いした方がいい?」
ふと、思い出したのかイラーノが聞いた。
「わかってないのね、あなた達。ルイユとして睨まれたのよ? ここで暮らせるわけないでしょう。ギルドとの提携は全面停止でしょうね」
「え!」
マドラーユさんの話に驚いた。
僕達、彼女に凄い迷惑をかけてしまった。というか、どうしよう。
確かに何かを企んでいると思われる危険人物と取引なんてしないよね。
アベガルさんならロドリゴさんから何か言われる前に先手を打って、ギルドに上手く伝えていると思う。
「ごめんなさい……。見張られていてどうする事も出来なくて、まさかマドラーユさんまで目を付けられるとは思わなくて」
「まあ、ルイユって事にされるとは思わなかったけど、目は付けられるとはわかっていたわよ。あなた、私に何て言ったか覚えてる?」
僕が謝ると、そう質問を返された。
「えっと、エルフに会いに行くので手伝って下さい?」
「お前、そんな事を言ってお願いをしたのか?」
僕の回答に、ロドリゴさんは驚いている。
「え?」
「え、じゃない! あぁ、もう!」
ロドリゴさんは、額を抑えてため息をついた。
「やっぱり気づいてないのね。あなた三時間の時間を頂戴って言ったのよ? いい? 騎士団でもあの場所へ行くのに四時間はかかるのよ?」
「あ……」
しまったぁ!
あまり長い間、ずっと歩き回らせるのもと思って、ルイユにどれくらい早く行けるかと聞いたら往復で三時間って言われたから……。
よく考えれば、飛んで行っても無理な時間だった。
きっとマドラーユさんは、始めはルイユに会いに行ったんだと思った。でも、アベガルさんに話を聞いて、本当にルイユと一緒にエルフに会いに行ったんだと思ったに違いない。
「時間もそうだが、あんな事があった後でエルフに会いに行くって言って、協力してもらえると思うとは……」
ロドリゴさんが、呆れて言った。
「いやだって、他に思いつかなくって……」
作戦に乗ってくれたのは、エルフがいる森に行くとは思っていなかったからで、本当にそうだとわかっていたら手伝ってくれていなかったかもしれない。
「イラーノ。前にも言ったが、お前は止める立場だろう?」
「うふふ。本当に、エルフの所に行ったんだぁ」
にまぁっとして、マドラーユさんが言った。
いやもう、どんな言い訳しても仕方がない感じになっちゃったよ。
「で、ルイユはどこにい……」
「マドラーユさん。巻き込んだ責任は、こちらで取ります。ですのであなたはもう、手を引いて下さい。この二人に関わると、本当に商売出来なくなりますよ?」
「責任ねぇ。どう取るというの? あなたがギルドマスターだとしても、出来事はこの街での事よ?」
「私の管轄のノラノラシチ街で錬金術師として……」
「あのねぇ。そこで錬金術師としての仕事はあるのかしら?」
ロドリゴさんが真面目な顔で言うと、少し首を傾げてマドラーユさんは問う。
ないだろうなぁ。圧倒的に、滞在している冒険者の数も仕事の量も違うから。
「それは……」
「この街と同じだけ稼げて、研究するスペースの確保もってなると無理でしょう?」
「で、あなたは、何が目的で二人に協力をしたのですか? 普通なら協力などしないでしょうに……」
ため息交じりにロドリゴさんは、マドラーユさんに聞いた。
そう言われればそうかも。
マヌケにもエルフに会いに行くからって言ったんだ。それに協力したとばれれば、ここで暮らしてはいけない事をわかっていた。
それに、ルイユに会いに行くと思っていたみたいだし、それを確かめて騎士団に通報するつもりもなかったよね。
「聞かなくてもわかってるでしょう? ルイユに会う為よ」
「え? 会いたかったの?」
「この子、大丈夫? 絶対騙されるタイプだわ」
僕は驚くと、マドラーユさんは真面目な顔で言った。
しかも、ロドリゴさんとイラーノは、二人揃って頷いたんだけど!!
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