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そして月日が流れ、春の季節が巡ってきた。
収友は高校三年、結愛は高等部の二年生に進級した。収友は級友とつるむこともなく、ただ黙々と学校生活を過ごし、週末は明日夏とともに山に籠る日々を送る。一方、結愛は純真無邪気に飛び跳ね、人々を魅了する。彼女を愛する仲間たちの中で楽しい学園生活を満喫していた。
あっという間に夏休みも終わり、二学期が始まってひと月が過ぎたある日。
「わぁああああ―――ッ。まずッ、まずいよ! 今日こそ絶対遅刻する―――ッ。うんしょ……。い、行ってきま――す!」
いつものように結愛は大騒ぎしながら玄関を飛び出すと、駅に向かって全力疾走する。
「まーったく。……いっつもいっつも夜遅くまで起きてるからこういうことになるって言ってんのに」
陽生は呆れた顔で小さくなる結愛を庭から見送ると、溜め息一つついて玄関に戻る。
「お疲れさま。結愛は朝から元気ね」
葉奈が笑顔で陽生を迎えた。
「あら、おはよう。……あれ? 着替えてないけど今日は出勤じゃなかったんだっけ?」
「……うん。出勤じゃないよ」
「そっか、じゃあ朝ごはんにするか」
二人は仲良くダイニングに入って行った。
昼過ぎ。やさしい日差しがリビングに差し込む。陽生と葉奈はソファに並んで座りテレビを見ていたが、葉奈が突然リモコンの電源ボタンを押してテレビを消した。
「ん? どうしたの」
「うん。……陽生は今年で何歳になるの?」
「えっと……六十七だな。随分と歳を取ったなぁ」
陽生は短髪のグレイヘアーを掻き上げた。
「私も三十六だし……長く生きた方かなぁ」
「はあ? 何言ってんだよ、俺の半分くらいしか生きてないのに」
「初めて会った時のこと、覚えてる?」
「んー……。どうだったかなぁ」
「あ、ひっどーい。覚えてないのォ?」
葉奈は目を細めて口を折り曲げた。
「あー、いやいや。ちゃんと覚えてるよ。恥ずかしいからあんまり思い出したくないんだよなぁ。……なんであの時チャック閉めてなかったんだろうなぁ」
「それは二回目の時の話でしょ! 陽生が突然あの小屋に来て、私びっくりしちゃって陽生にいろんなもの投げつけちゃったでしょ」
「あー。そうだ。あん時はとんでもない女だと思ってたんだよ。でもコントロールは良かったよなぁ」
「あははッ。あの時ね、陽生のこと必死になって追い払いたかった。でも……行ってほしくなかった。行ってほしいのに行ってもらいたくなかった。……ほんとに、一人が寂しかったから」
葉奈はうつむいて寂しい微笑みを浮かべた。
「……ごめんな。家族を一つにできなくて」
神妙な顔つきになった陽生に向かって葉奈は優しい笑顔で話しかけた。
「でもね、あなたが戻ってきてくれた時はほんとにうれしかった。……なんて言えばいいのかなァ。何かよくわからないけど、直感的に思ったの。この人は”私を解放してくれるヒト”だって。……おマヌケさんだったけどね」
「何だよ、やっぱりそこに行くんじゃないかよォ」
陽生は下を向いて頭を掻いた。
「楽しかったなー。あの小屋での生活。ちょっとの間しかできなかったけど、それまでの私の過ごした生活なんかより全然楽しかった」
葉奈は天井を見上げて嬉しそうに話す。
「……そんなによかったか?」
「うん。あの場所で私はすべての経験ができたのよ。人の視線を気にしない生活。素の自分が出せた生活。そして……人を好きになるっていう気持ちに気付けた生活。……あなたが私の前に現れてくれて本当によかった」
葉奈は陽生の顔を写し取るかのように一心に見つめると、笑顔で話しかけた。
「陽生。……私を見つけてくれて、本当にありがとう」
「い、いっやあー。そんな大それたことじゃ……って言うかぁ、どっちかってゆうと君が俺を選んでくれたから……」
葉奈の声を聞いて、陽生はしどろもどろになりながら慌てて言葉を絞り出した。そんな陽生の表情を葉奈は温かく見つめる。
「……陽生。あのね、私……実を言うとね、昨日で仕事辞めちゃったんだ」
「へ? ……そ、そうなんだ。……そっかぁ」
「びっくりしちゃった?」
「あー。ははっ。まぁ……でも実際、大変だっただろ。週に何度も夜勤があってさ。……じゃあ、お義父さんの跡を継いで開業するつもりなの?」
「……しない。って言うか、できないかなァ」
「……なに、どうしたの」
「陽生。あなたが私の家族の……ううん、私の一族の事を調べて私に話してくれた時があったよね」
「ああ」
「あの時から私の頭の中にね。……ロウソクに灯る火が見えるようになったの」
「……ろうそく?」
「うん。……少しずつ、少しずつ火に灯されてロウは蒸発していく」
「……葉奈。……どういうことだ」
「……私たちは続く。枯れることなく未来に向かって続いてゆく。文字通り、私たちの心が満たされるまで」
目を細めて淡々と言葉を吐く葉奈の隣で、陽生は重苦しい空気に押しつぶされそうな顔をしていた。
「結愛の身体が完成に近づいている。それに伴って私の役目も終わる。……陽生、私たち”白き女”はチカラの頂点から少し下がった辺りで次の”女”を産むの。そして、次の私が無事にチカラを発揮できるまで補佐役として細々とそのチカラを持ちながらこの世に留まる。……ロウソクに灯る火が消えるまで」
「……そ、そんな。……だって、チカラは無いって言ってたじゃないかッ。なんでそんなものが見えなくちゃいけないんだよッ!」
陽生は勢いよく立ち上がると、わめくように感情的になった声を葉奈に投げつけた。
「……許してくれなかったみたいね。その尼さんが」
西の方から流れてきた大きな雲が太陽を隠すと、部屋の中に薄く影が差す。
「葉奈ァ。どうにか……どうにかして避けられないのかよおッ!」
「陽生……」
葉奈は陽生の手を掴むと、その手を自らの方に引き寄せた。陽生は静かにソファに身を落とす。
「陽生。私たち一族には恋愛感情なんてもの無かったのかもしれない。人を助けるのに必要ないものだもの。……でもね、私にはそれがあった。あなたと出会ってそれが生まれた。私の、一番の宝物よ」
葉奈の落ち着いた優しい声を陽生はうつむいた姿勢で耳に入れる。
「……いま、火が消えた」
その声に陽生が顔を上げる。
「あなたと離れ離れになるのが……とっても寂しい」
葉奈は陽生の手を軽く握った。
「寂しくなんか、ないよ。俺もすぐに行くから」
陽生は葉奈の手を強く握り返す。
「ダメッ。すぐになんて来ちゃダメよ」
葉奈は陽生をたしなめた。
「あの子たちを見守って。私たちの大切な子供たちを、出来る限り見守ってあげて」
「葉奈……」
「安心して。前みたいに生まれ変わるかどうかみたいなことにはならないから。ずっと向こうで待ってるから、ゆっくり来てね」
「……ほんとに、寂しくなるな」
「陽生。結愛はああ見えても寂しがり屋だからよく面倒見てね。それと……収友をお願いね。明日夏お姉ちゃんと一緒にいるっていっても、あの子の一途な感情はとっても怖いわ」
「そうだね。……わかったよ」
「それと、後のことはこの庄堂先生にお願いして。私の親友なの。話はしてあるから、うまいこと死亡診断書を書いてくれるわ」
そう言うと、葉奈は胸のポケットから彼女の名刺を陽生に渡した。
「……じゃあ、そろそろ行くね。にっかどさん、大好きだよ!」
葉奈は満面の笑みを浮かべた。
「葉奈。出来ることなら向こうの世界じゃあ、君に初めて会った時の姿で会いたいなァ」
「ふふっ。じゃあ、私も初めて会った時の姿で待ってるね」
葉奈は無邪気な笑い声を奏でると、そのまま静かに陽生の左の肩にもたれ掛かり、永遠の眠りに就いた。
陽生は眠りに就いた葉奈を抱きしめると、静かにその目を閉じた。頬に一筋の雫が流れ落ちる。午後の太陽の前を大きな雲が通り過ぎると、再び柔らかな日差しがリビングに差し込む。ソファから垂れる二つの影は陽が暮れるまで動かないままっだった。
収友は高校三年、結愛は高等部の二年生に進級した。収友は級友とつるむこともなく、ただ黙々と学校生活を過ごし、週末は明日夏とともに山に籠る日々を送る。一方、結愛は純真無邪気に飛び跳ね、人々を魅了する。彼女を愛する仲間たちの中で楽しい学園生活を満喫していた。
あっという間に夏休みも終わり、二学期が始まってひと月が過ぎたある日。
「わぁああああ―――ッ。まずッ、まずいよ! 今日こそ絶対遅刻する―――ッ。うんしょ……。い、行ってきま――す!」
いつものように結愛は大騒ぎしながら玄関を飛び出すと、駅に向かって全力疾走する。
「まーったく。……いっつもいっつも夜遅くまで起きてるからこういうことになるって言ってんのに」
陽生は呆れた顔で小さくなる結愛を庭から見送ると、溜め息一つついて玄関に戻る。
「お疲れさま。結愛は朝から元気ね」
葉奈が笑顔で陽生を迎えた。
「あら、おはよう。……あれ? 着替えてないけど今日は出勤じゃなかったんだっけ?」
「……うん。出勤じゃないよ」
「そっか、じゃあ朝ごはんにするか」
二人は仲良くダイニングに入って行った。
昼過ぎ。やさしい日差しがリビングに差し込む。陽生と葉奈はソファに並んで座りテレビを見ていたが、葉奈が突然リモコンの電源ボタンを押してテレビを消した。
「ん? どうしたの」
「うん。……陽生は今年で何歳になるの?」
「えっと……六十七だな。随分と歳を取ったなぁ」
陽生は短髪のグレイヘアーを掻き上げた。
「私も三十六だし……長く生きた方かなぁ」
「はあ? 何言ってんだよ、俺の半分くらいしか生きてないのに」
「初めて会った時のこと、覚えてる?」
「んー……。どうだったかなぁ」
「あ、ひっどーい。覚えてないのォ?」
葉奈は目を細めて口を折り曲げた。
「あー、いやいや。ちゃんと覚えてるよ。恥ずかしいからあんまり思い出したくないんだよなぁ。……なんであの時チャック閉めてなかったんだろうなぁ」
「それは二回目の時の話でしょ! 陽生が突然あの小屋に来て、私びっくりしちゃって陽生にいろんなもの投げつけちゃったでしょ」
「あー。そうだ。あん時はとんでもない女だと思ってたんだよ。でもコントロールは良かったよなぁ」
「あははッ。あの時ね、陽生のこと必死になって追い払いたかった。でも……行ってほしくなかった。行ってほしいのに行ってもらいたくなかった。……ほんとに、一人が寂しかったから」
葉奈はうつむいて寂しい微笑みを浮かべた。
「……ごめんな。家族を一つにできなくて」
神妙な顔つきになった陽生に向かって葉奈は優しい笑顔で話しかけた。
「でもね、あなたが戻ってきてくれた時はほんとにうれしかった。……なんて言えばいいのかなァ。何かよくわからないけど、直感的に思ったの。この人は”私を解放してくれるヒト”だって。……おマヌケさんだったけどね」
「何だよ、やっぱりそこに行くんじゃないかよォ」
陽生は下を向いて頭を掻いた。
「楽しかったなー。あの小屋での生活。ちょっとの間しかできなかったけど、それまでの私の過ごした生活なんかより全然楽しかった」
葉奈は天井を見上げて嬉しそうに話す。
「……そんなによかったか?」
「うん。あの場所で私はすべての経験ができたのよ。人の視線を気にしない生活。素の自分が出せた生活。そして……人を好きになるっていう気持ちに気付けた生活。……あなたが私の前に現れてくれて本当によかった」
葉奈は陽生の顔を写し取るかのように一心に見つめると、笑顔で話しかけた。
「陽生。……私を見つけてくれて、本当にありがとう」
「い、いっやあー。そんな大それたことじゃ……って言うかぁ、どっちかってゆうと君が俺を選んでくれたから……」
葉奈の声を聞いて、陽生はしどろもどろになりながら慌てて言葉を絞り出した。そんな陽生の表情を葉奈は温かく見つめる。
「……陽生。あのね、私……実を言うとね、昨日で仕事辞めちゃったんだ」
「へ? ……そ、そうなんだ。……そっかぁ」
「びっくりしちゃった?」
「あー。ははっ。まぁ……でも実際、大変だっただろ。週に何度も夜勤があってさ。……じゃあ、お義父さんの跡を継いで開業するつもりなの?」
「……しない。って言うか、できないかなァ」
「……なに、どうしたの」
「陽生。あなたが私の家族の……ううん、私の一族の事を調べて私に話してくれた時があったよね」
「ああ」
「あの時から私の頭の中にね。……ロウソクに灯る火が見えるようになったの」
「……ろうそく?」
「うん。……少しずつ、少しずつ火に灯されてロウは蒸発していく」
「……葉奈。……どういうことだ」
「……私たちは続く。枯れることなく未来に向かって続いてゆく。文字通り、私たちの心が満たされるまで」
目を細めて淡々と言葉を吐く葉奈の隣で、陽生は重苦しい空気に押しつぶされそうな顔をしていた。
「結愛の身体が完成に近づいている。それに伴って私の役目も終わる。……陽生、私たち”白き女”はチカラの頂点から少し下がった辺りで次の”女”を産むの。そして、次の私が無事にチカラを発揮できるまで補佐役として細々とそのチカラを持ちながらこの世に留まる。……ロウソクに灯る火が消えるまで」
「……そ、そんな。……だって、チカラは無いって言ってたじゃないかッ。なんでそんなものが見えなくちゃいけないんだよッ!」
陽生は勢いよく立ち上がると、わめくように感情的になった声を葉奈に投げつけた。
「……許してくれなかったみたいね。その尼さんが」
西の方から流れてきた大きな雲が太陽を隠すと、部屋の中に薄く影が差す。
「葉奈ァ。どうにか……どうにかして避けられないのかよおッ!」
「陽生……」
葉奈は陽生の手を掴むと、その手を自らの方に引き寄せた。陽生は静かにソファに身を落とす。
「陽生。私たち一族には恋愛感情なんてもの無かったのかもしれない。人を助けるのに必要ないものだもの。……でもね、私にはそれがあった。あなたと出会ってそれが生まれた。私の、一番の宝物よ」
葉奈の落ち着いた優しい声を陽生はうつむいた姿勢で耳に入れる。
「……いま、火が消えた」
その声に陽生が顔を上げる。
「あなたと離れ離れになるのが……とっても寂しい」
葉奈は陽生の手を軽く握った。
「寂しくなんか、ないよ。俺もすぐに行くから」
陽生は葉奈の手を強く握り返す。
「ダメッ。すぐになんて来ちゃダメよ」
葉奈は陽生をたしなめた。
「あの子たちを見守って。私たちの大切な子供たちを、出来る限り見守ってあげて」
「葉奈……」
「安心して。前みたいに生まれ変わるかどうかみたいなことにはならないから。ずっと向こうで待ってるから、ゆっくり来てね」
「……ほんとに、寂しくなるな」
「陽生。結愛はああ見えても寂しがり屋だからよく面倒見てね。それと……収友をお願いね。明日夏お姉ちゃんと一緒にいるっていっても、あの子の一途な感情はとっても怖いわ」
「そうだね。……わかったよ」
「それと、後のことはこの庄堂先生にお願いして。私の親友なの。話はしてあるから、うまいこと死亡診断書を書いてくれるわ」
そう言うと、葉奈は胸のポケットから彼女の名刺を陽生に渡した。
「……じゃあ、そろそろ行くね。にっかどさん、大好きだよ!」
葉奈は満面の笑みを浮かべた。
「葉奈。出来ることなら向こうの世界じゃあ、君に初めて会った時の姿で会いたいなァ」
「ふふっ。じゃあ、私も初めて会った時の姿で待ってるね」
葉奈は無邪気な笑い声を奏でると、そのまま静かに陽生の左の肩にもたれ掛かり、永遠の眠りに就いた。
陽生は眠りに就いた葉奈を抱きしめると、静かにその目を閉じた。頬に一筋の雫が流れ落ちる。午後の太陽の前を大きな雲が通り過ぎると、再び柔らかな日差しがリビングに差し込む。ソファから垂れる二つの影は陽が暮れるまで動かないままっだった。
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