18 / 90
17 オーランドサイド
しおりを挟む
★オーランドサイド
王宮に再度戻ってきたものの、リリアーナからいつも訪ねてきたから、彼女が今どこにいるか見当もつかない。当然、会いたくもない相手を探し回る気も起きない。しかし、一刻も早くあの歪みの元に近づく必要があった。
(いや、アリーヤの為にもこんな事で嫌がってはいられない。)
結論、人に尋ねるのが一番だと判断し、オーランドが廊下で適当な人物を探そうとしていると
「これはこれは!リュクソン公子様じゃないですか!」
前よりグレージュの髪に深い灰色の瞳を持つ、優しそうな中肉中背の柔和な紳士が、書類を抱えてやってくる。
「ドーソン伯爵ではないか。相変わらず貴殿は忙しそうだな」
「仕方の無い事です。最近は特に増えましてね…ですがリュクソン公女様の方がお忙しいでしょう?」
「あれは人が好すぎる。請け負わなくて良いものまでしていたからな。それらの書類は全て持ってきた本人がやるように私が返したのだが、もしや貴殿忙しさの一因には私が関係しているかもな」
オーランドがそう笑えばドーソン伯爵は少しだけ引き攣った顔をしつつも
「左様でしたか。私の知らない所でそんな事があったのなら、リュクソン公女様にはなんとお詫びを申し上げれば…なんでも先程過労で倒れたと耳にしました」
「……耳に?」
アリーヤが倒れた事は、それをきっかけにレオナルドやリリアーナが何か仕掛けてこない様にと、ミリーとオーランドだけの秘密にした。
そしてオーランドはアリーヤを運んで歩く時、周囲の人間に気付かれないように「無詠唱」でアリーヤと自分の周囲に水魔法で乱反射させる為の極めて細かい水滴の霧を作り、自分達を隠した。
また念の為、音を吸収・拡散する水の膜も張り、歩く音も聞こえなくした。
霧と水。どちらも簡単な魔法ではあるが、たとえ無詠唱だろうと、化け物と呼ばれる自身の魔力と技術で完璧に隠蔽できたと確信していた。実際すれ違う人間は誰一人オーランド達には気づかなかったはずだった。
(なら、何故──?)
一瞬、リリアーナがアリーヤが倒れた事を伯爵に話したのかと思ったが、既にあの時執務室には居なかった。執務室には常時アリーヤが外の音を気にしなくて良いように消音魔法と、こちらの会話が聞かれないように防音魔法をかけている。(勿論アリーヤに気付かれないように無詠唱だ)部屋の外にいたリリアーナが気付くはずがない。
「公子様?どうかなさいましたか?」
オーランドはハッとする。考えるのは今じゃない。
「いや何。伯爵のクラバット(スカーフのようなネクタイ)にある緑の宝石のブローチが美しくてね。公子の私でも見た事のない宝石で、なんとも神秘的で深く見入ってしまった。そう言えばご息女もやはり緑の見た事のない宝石を付けていたな…」
オーランドはいかにも興味があると言った体でしげしげと宝石を見つめる。なんとも気持ち悪い宝石だ。
「公子様のお眼鏡に叶うとは嬉しゅうございます。こちらは隣国で最近発見されたものでして……この神秘的な緑が売りなのです。有難いことに王国では我が伯爵家のみ買い付けを許されておりまして」
「貴殿からしか買えないのか!それはいいな!社交界一美丈夫な私にこそ相応しい逸品だ!俄然欲しくなったぞ!私にもひとつ売ってくれないだろうか?」
「公子様がお付けになればより一層輝きも増し良い宣伝にもなります。良ければ贈らせて頂きたく」
伯爵は少しだけ茶目っ気を出しては、優しい笑顔で笑う。本当にこうして見ると人の良さそうな何処にでもいる貴族だ。
この宝石の放つ気持ち悪い「淀み」に気づかず、伯爵は宝石を売っているのだろうか。なんにせよこんな物に金を出さなくて済むなら有難い。
「それは願ってもない申し出だ!その際には社交界一美丈夫な私が約束通り大いに宣伝塔となろう!」
伯爵はオーランドのナルシストな発言に、どこか苦笑しながらその場を去ろうとするので、ついでと見えるように引き止める。
「ああ、そう言えば!先程ご息女にお茶を誘われたのだが、その時は手が離せず泣く泣く後ほどとお断りしてしまって……直ぐにお受け出来なかった悲しみのせいで待ち合わせするのを忘れてしまって……貴殿はご息女が何処におられるかご存知か?」
「え、ええ。この時間なら多分中庭に。ですが……その……」
ドーソン伯爵は口篭る。なるほど。レオナルドと一緒というわけか。それは確かに婚約者の身内には言いにくいだろう。正直レオナルドの指輪も確認したいので二人一緒にいた方が楽だが、隣にレオナルドがいるといちいち自分に突っかかって話が進まなそうだ。
(しょうがない、呼び出すか……)
「気にするな。教えてくれて感謝する。ああ、それと。アリーヤが過労で倒れたと言うのは嘘だ。そのせいで私も同様に虚弱体質などと思われたら、レディに気遣われ熱い夜を過ごせなくなるかも知れん。聞かれた際には貴殿も訂正しておいてくれ」
(まぁ、知っているのは伯爵だけだろうが…)
オーランドは心の中でそう付け加えてその場を去った。
王宮に再度戻ってきたものの、リリアーナからいつも訪ねてきたから、彼女が今どこにいるか見当もつかない。当然、会いたくもない相手を探し回る気も起きない。しかし、一刻も早くあの歪みの元に近づく必要があった。
(いや、アリーヤの為にもこんな事で嫌がってはいられない。)
結論、人に尋ねるのが一番だと判断し、オーランドが廊下で適当な人物を探そうとしていると
「これはこれは!リュクソン公子様じゃないですか!」
前よりグレージュの髪に深い灰色の瞳を持つ、優しそうな中肉中背の柔和な紳士が、書類を抱えてやってくる。
「ドーソン伯爵ではないか。相変わらず貴殿は忙しそうだな」
「仕方の無い事です。最近は特に増えましてね…ですがリュクソン公女様の方がお忙しいでしょう?」
「あれは人が好すぎる。請け負わなくて良いものまでしていたからな。それらの書類は全て持ってきた本人がやるように私が返したのだが、もしや貴殿忙しさの一因には私が関係しているかもな」
オーランドがそう笑えばドーソン伯爵は少しだけ引き攣った顔をしつつも
「左様でしたか。私の知らない所でそんな事があったのなら、リュクソン公女様にはなんとお詫びを申し上げれば…なんでも先程過労で倒れたと耳にしました」
「……耳に?」
アリーヤが倒れた事は、それをきっかけにレオナルドやリリアーナが何か仕掛けてこない様にと、ミリーとオーランドだけの秘密にした。
そしてオーランドはアリーヤを運んで歩く時、周囲の人間に気付かれないように「無詠唱」でアリーヤと自分の周囲に水魔法で乱反射させる為の極めて細かい水滴の霧を作り、自分達を隠した。
また念の為、音を吸収・拡散する水の膜も張り、歩く音も聞こえなくした。
霧と水。どちらも簡単な魔法ではあるが、たとえ無詠唱だろうと、化け物と呼ばれる自身の魔力と技術で完璧に隠蔽できたと確信していた。実際すれ違う人間は誰一人オーランド達には気づかなかったはずだった。
(なら、何故──?)
一瞬、リリアーナがアリーヤが倒れた事を伯爵に話したのかと思ったが、既にあの時執務室には居なかった。執務室には常時アリーヤが外の音を気にしなくて良いように消音魔法と、こちらの会話が聞かれないように防音魔法をかけている。(勿論アリーヤに気付かれないように無詠唱だ)部屋の外にいたリリアーナが気付くはずがない。
「公子様?どうかなさいましたか?」
オーランドはハッとする。考えるのは今じゃない。
「いや何。伯爵のクラバット(スカーフのようなネクタイ)にある緑の宝石のブローチが美しくてね。公子の私でも見た事のない宝石で、なんとも神秘的で深く見入ってしまった。そう言えばご息女もやはり緑の見た事のない宝石を付けていたな…」
オーランドはいかにも興味があると言った体でしげしげと宝石を見つめる。なんとも気持ち悪い宝石だ。
「公子様のお眼鏡に叶うとは嬉しゅうございます。こちらは隣国で最近発見されたものでして……この神秘的な緑が売りなのです。有難いことに王国では我が伯爵家のみ買い付けを許されておりまして」
「貴殿からしか買えないのか!それはいいな!社交界一美丈夫な私にこそ相応しい逸品だ!俄然欲しくなったぞ!私にもひとつ売ってくれないだろうか?」
「公子様がお付けになればより一層輝きも増し良い宣伝にもなります。良ければ贈らせて頂きたく」
伯爵は少しだけ茶目っ気を出しては、優しい笑顔で笑う。本当にこうして見ると人の良さそうな何処にでもいる貴族だ。
この宝石の放つ気持ち悪い「淀み」に気づかず、伯爵は宝石を売っているのだろうか。なんにせよこんな物に金を出さなくて済むなら有難い。
「それは願ってもない申し出だ!その際には社交界一美丈夫な私が約束通り大いに宣伝塔となろう!」
伯爵はオーランドのナルシストな発言に、どこか苦笑しながらその場を去ろうとするので、ついでと見えるように引き止める。
「ああ、そう言えば!先程ご息女にお茶を誘われたのだが、その時は手が離せず泣く泣く後ほどとお断りしてしまって……直ぐにお受け出来なかった悲しみのせいで待ち合わせするのを忘れてしまって……貴殿はご息女が何処におられるかご存知か?」
「え、ええ。この時間なら多分中庭に。ですが……その……」
ドーソン伯爵は口篭る。なるほど。レオナルドと一緒というわけか。それは確かに婚約者の身内には言いにくいだろう。正直レオナルドの指輪も確認したいので二人一緒にいた方が楽だが、隣にレオナルドがいるといちいち自分に突っかかって話が進まなそうだ。
(しょうがない、呼び出すか……)
「気にするな。教えてくれて感謝する。ああ、それと。アリーヤが過労で倒れたと言うのは嘘だ。そのせいで私も同様に虚弱体質などと思われたら、レディに気遣われ熱い夜を過ごせなくなるかも知れん。聞かれた際には貴殿も訂正しておいてくれ」
(まぁ、知っているのは伯爵だけだろうが…)
オーランドは心の中でそう付け加えてその場を去った。
1
あなたにおすすめの小説
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
お妃候補に興味はないのですが…なぜか辞退する事が出来ません
Karamimi
恋愛
13歳の侯爵令嬢、ヴィクトリアは体が弱く、空気の綺麗な領地で静かに暮らしていた…というのは表向きの顔。実は彼女、領地の自由な生活がすっかり気に入り、両親を騙してずっと体の弱いふりをしていたのだ。
乗馬や剣の腕は一流、体も鍛えている為今では風邪一つひかない。その上非常に頭の回転が速くずる賢いヴィクトリア。
そんな彼女の元に、両親がお妃候補内定の話を持ってきたのだ。聞けば今年13歳になられたディーノ王太子殿下のお妃候補者として、ヴィクトリアが選ばれたとの事。どのお妃候補者が最も殿下の妃にふさわしいかを見極めるため、半年間王宮で生活をしなければいけないことが告げられた。
最初は抵抗していたヴィクトリアだったが、来年入学予定の面倒な貴族学院に通わなくてもいいという条件で、お妃候補者の話を受け入れたのだった。
“既にお妃には公爵令嬢のマーリン様が決まっているし、王宮では好き勝手しよう”
そう決め、軽い気持ちで王宮へと向かったのだが、なぜかディーノ殿下に気に入られてしまい…
何でもありのご都合主義の、ラブコメディです。
よろしくお願いいたします。
【完結済】侯爵令息様のお飾り妻
鳴宮野々花@書籍4作品発売中
恋愛
没落の一途をたどるアップルヤード伯爵家の娘メリナは、とある理由から美しい侯爵令息のザイール・コネリーに“お飾りの妻になって欲しい”と持ちかけられる。期間限定のその白い結婚は互いの都合のための秘密の契約結婚だったが、メリナは過去に優しくしてくれたことのあるザイールに、ひそかにずっと想いを寄せていて─────
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリエット・スチール公爵令嬢18歳
ロミオ王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
【完結】無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない
ベル
恋愛
旦那様とは政略結婚。
公爵家の次期当主であった旦那様と、領地の経営が悪化し、没落寸前の伯爵令嬢だった私。
旦那様と結婚したおかげで私の家は安定し、今では昔よりも裕福な暮らしができるようになりました。
そんな私は旦那様に感謝しています。
無口で何を考えているか分かりにくい方ですが、とてもお優しい方なのです。
そんな二人の日常を書いてみました。
お読みいただき本当にありがとうございますm(_ _)m
無事完結しました!
公爵令嬢になった私は、魔法学園の学園長である義兄に溺愛されているようです。
木山楽斗
恋愛
弱小貴族で、平民同然の暮らしをしていたルリアは、両親の死によって、遠縁の公爵家であるフォリシス家に引き取られることになった。位の高い貴族に引き取られることになり、怯えるルリアだったが、フォリシス家の人々はとても良くしてくれ、そんな家族をルリアは深く愛し、尊敬するようになっていた。その中でも、義兄であるリクルド・フォリシスには、特別である。気高く強い彼に、ルリアは強い憧れを抱いていくようになっていたのだ。
時は流れ、ルリアは十六歳になっていた。彼女の暮らす国では、その年で魔法学校に通うようになっている。そこで、ルリアは、兄の学園に通いたいと願っていた。しかし、リクルドはそれを認めてくれないのだ。なんとか理由を聞き、納得したルリアだったが、そこで義妹のレティが口を挟んできた。
「お兄様は、お姉様を共学の学園に通わせたくないだけです!」
「ほう?」
これは、ルリアと義理の家族の物語。
※基本的に主人公の視点で進みますが、時々視点が変わります。視点が変わる話には、()で誰視点かを記しています。
※同じ話を別視点でしている場合があります。
断罪された私ですが、気づけば辺境の村で「パン屋の奥さん」扱いされていて、旦那様(公爵)が店番してます
さら
恋愛
王都の社交界で冤罪を着せられ、断罪とともに婚約破棄・追放を言い渡された元公爵令嬢リディア。行き場を失い、辺境の村で倒れた彼女を救ったのは、素性を隠してパン屋を営む寡黙な男・カイだった。
パン作りを手伝ううちに、村人たちは自然とリディアを「パン屋の奥さん」と呼び始める。戸惑いながらも、村人の笑顔や子どもたちの無邪気な声に触れ、リディアの心は少しずつほどけていく。だが、かつての知り合いが王都から現れ、彼女を嘲ることで再び過去の影が迫る。
そのときカイは、ためらうことなく「彼女は俺の妻だ」と庇い立てる。さらに村を襲う盗賊を二人で退けたことで、リディアは初めて「ここにいる意味」を実感する。断罪された悪女ではなく、パンを焼き、笑顔を届ける“私”として。
そして、カイの真実の想いが告げられる。辺境を守り続けた公爵である彼が選んだのは、過去を失った令嬢ではなく、今を生きるリディアその人。村人に祝福され、二人は本当の「パン屋の夫婦」となり、温かな香りに包まれた新しい日々を歩み始めるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる