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やっとこさ本編
…少しずつ何かが変わる?…
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“白雪姫”の話自体はオーソドックスなもので、王様役の女子生徒は恰幅が良く、継母役の女子生徒は手当たり次第物を破壊するなかなか強烈なキャラになっていた。最初は人形だった白雪は成長して誠になり、継母の策略により山中に棄てられる。誠の女装姿はあの時よりも磨きがかかってメイクも上手くなってるもんだから、男と分かっててもめちゃくちゃ可愛くなってんだよ。そのせいなのかは知らないけど、一般客の男共が色めき立ってる。
んで七人の小人の家に居候する白雪の元に、魔女に扮装した継母が毒入り林檎を食わせて死んでしまったところに王子様役の野口さんが現れてキスして白雪目覚めて大円団で終了……って感じ、ただ俺誠の芝居にハラハラしてストーリーどころじゃなかったよ。
もちろん下手くそなのは承知で見てたんだけど、初めて会った日の事とか、中学時代に色々あってしょっちゅう泣いてた頃の事とか何故か思い出されて俺一人多分違う感動をしてたと思う。ホント良かったよ、水の合った高校に入って友達にも恵まれて……このクラスの団結力は舞台上からも伝わってきた。
俺は終演して明るくなってから後方を見るとおじさんとおばさん感激して泣いちゃってるよ、ハンディカムの操作も結局綾姉さんに任せちゃってるしさ。んで勇が二人の事なだめるのに苦労してるみたいだから、お節介を承知で挨拶してこようかな?何となくだけど俺と似たような見方してたと思うんだ。
「俺家族と合流するわ」
俺は隣に居る輝に声を掛けて席を立った。
「うん、僕もそうしようと思ってたとこなんだ。颯天は彼女と会うんでしょ?」
おぅ。颯天が頷いたのを見てから二人と別れて小田原一家と兄夫妻の所へ移動すると、おばさん嬉し泣きでおじさんと抱き合っちゃってるよ。勇はもうお手上げみたいで俺に向けて首を振ってきた。
「気持ちは分かるんだけど、家に帰ってからにしてほしいよ」
「まぁ良いじゃないか、親ならではの思いがあるんだって」
とは言っても勇はモロ思春期、恥ずかしさもあるよな。
「この後兄ちゃんの所行くんだろ?そんな顔見せたら心配掛けるだろ?」
「それもそうだな……ホラ、涙吹いて」
おじさんはおばさんに寄り添ってハンカチで目元を拭ってる。ホントいつ見ても仲良くてまさに理想の夫婦像だな、兄夫妻もこうなれる様目指してるみたいだけどまだちょっとだけ負けてるかな?おばさんは鏡を取り出して目元を気にすると、トイレに行くと言って席を立った。綾姉さんも席を立って、勇にハンディカムを預けておばさんに付いていく。
「誠が学校行事であんなにイキイキした姿見せたの初めてだったから……人目も憚らず興奮しちゃったよ」
「分かります、俺も途中から芝居どころじゃなくなってました」
おじさんは俺に笑顔を向けて頷いてる、多分学校での嫌な事を俺に打ち明けてる事勘付いてらっしゃるんだろうな。
「この後一緒に行こう、誠の所へ」
「是非。波那ちゃんたちはどうする?」
「僕はこの後急遽同窓会なんだ、当時のクラスメイトに会ったら懐かしくなっちゃって。星哉は実家へ行くんだよね?」
「あぁ、早苗さんとるりかの子守りだよ。麗未さんたまには夫婦だけで過ごしたいんだと」
兄さんは波那ちゃんのご実家に行くんだな。因みに早苗さんは波那ちゃんのお母さん、麗未ちゃんは双子のお姉さんなんだ。るりかは麗未ちゃんの娘で先月末一歳になったばかり、夫の大輔さんは酒造メーカーに勤務しててこの四月から松山で単身赴任中なんだ。嫁と娘恋しさにほぼ週末毎に帰ってきて家族サービスしてる良いパパっ振りなんだよ。俺の周囲は不思議と仲良しカップルが多くて自然と結婚願望が強めだったりする、と思う。
ってな訳で俺は小田原一家にくっついて誠の顔を拝みに行くため、保育科の校舎に向かった。
お芝居はどうにか無事に終了した僕たちは予想以上の集客と手応えに皆浮き足立っています。僕も頭がフワフワしていて思考はまともに働いておりません。すると継母役の関川友奈さんが僕の所にやって来ました。
「まこちゃん、友達来てるよ。○○高校の男の子」
伽月君かな?そう思った僕は、知り合いだと思うと告げて外に出ると、彼ではなく輝君でした。
「お芝居お疲れ様、良かったら受け取って」
輝君はとっても可愛い花束を差し出してきました。僕はちょっとためらいましたが、彼の厚意が素直に嬉しくて、ありがとうと言ってそれを受け取りました。
「少しだけ良いかな?」
僕は誘われるまま外に出て人気の少ない所に移動します。僕の先を歩いていた輝君はちょっと固い表情を向けてくるので、緊迫した空気が僕たちを包みます。
「単刀直入に聞くね、伽月とはどんな関係なの?」
え……?どうしてそんな事を聞いてくるのか、僕には理解出来ませんでした。
「友達だよ」
「本当にそれだけ?君たちちょっと特殊っぽいから」
そう見えてるんだ……確かにちょっと密な感じに映ってたのかな?でも彼恋愛感情の有無を聞いてる、んだよね?きっと。
「そんな風に見えた?」
「うん、伽月が羨ましくてね。僕君に一目惚れしてるから」
……えっ?言い方は悪いですが冗談にしか聞こえません。嫌われる事はあっても好きと言われる事なんて一度も無かったんです。ましてや輝君は美青年、ひょっとしてからかわれて……ないよね?見た感じ真面目に言ってくれてる様に見えるし……僕どう答えれば良いんだろう?
「返事は急がないから、伽月と何も無いなら僕と付き合う事考えてほしいんだ」
それじゃまた。輝君は綺麗な笑顔を見せて去っていきました。僕は大きな宿題を突き付けられた気分になって、終演直後の高揚感は見事に払拭されてしまいました……。
んで七人の小人の家に居候する白雪の元に、魔女に扮装した継母が毒入り林檎を食わせて死んでしまったところに王子様役の野口さんが現れてキスして白雪目覚めて大円団で終了……って感じ、ただ俺誠の芝居にハラハラしてストーリーどころじゃなかったよ。
もちろん下手くそなのは承知で見てたんだけど、初めて会った日の事とか、中学時代に色々あってしょっちゅう泣いてた頃の事とか何故か思い出されて俺一人多分違う感動をしてたと思う。ホント良かったよ、水の合った高校に入って友達にも恵まれて……このクラスの団結力は舞台上からも伝わってきた。
俺は終演して明るくなってから後方を見るとおじさんとおばさん感激して泣いちゃってるよ、ハンディカムの操作も結局綾姉さんに任せちゃってるしさ。んで勇が二人の事なだめるのに苦労してるみたいだから、お節介を承知で挨拶してこようかな?何となくだけど俺と似たような見方してたと思うんだ。
「俺家族と合流するわ」
俺は隣に居る輝に声を掛けて席を立った。
「うん、僕もそうしようと思ってたとこなんだ。颯天は彼女と会うんでしょ?」
おぅ。颯天が頷いたのを見てから二人と別れて小田原一家と兄夫妻の所へ移動すると、おばさん嬉し泣きでおじさんと抱き合っちゃってるよ。勇はもうお手上げみたいで俺に向けて首を振ってきた。
「気持ちは分かるんだけど、家に帰ってからにしてほしいよ」
「まぁ良いじゃないか、親ならではの思いがあるんだって」
とは言っても勇はモロ思春期、恥ずかしさもあるよな。
「この後兄ちゃんの所行くんだろ?そんな顔見せたら心配掛けるだろ?」
「それもそうだな……ホラ、涙吹いて」
おじさんはおばさんに寄り添ってハンカチで目元を拭ってる。ホントいつ見ても仲良くてまさに理想の夫婦像だな、兄夫妻もこうなれる様目指してるみたいだけどまだちょっとだけ負けてるかな?おばさんは鏡を取り出して目元を気にすると、トイレに行くと言って席を立った。綾姉さんも席を立って、勇にハンディカムを預けておばさんに付いていく。
「誠が学校行事であんなにイキイキした姿見せたの初めてだったから……人目も憚らず興奮しちゃったよ」
「分かります、俺も途中から芝居どころじゃなくなってました」
おじさんは俺に笑顔を向けて頷いてる、多分学校での嫌な事を俺に打ち明けてる事勘付いてらっしゃるんだろうな。
「この後一緒に行こう、誠の所へ」
「是非。波那ちゃんたちはどうする?」
「僕はこの後急遽同窓会なんだ、当時のクラスメイトに会ったら懐かしくなっちゃって。星哉は実家へ行くんだよね?」
「あぁ、早苗さんとるりかの子守りだよ。麗未さんたまには夫婦だけで過ごしたいんだと」
兄さんは波那ちゃんのご実家に行くんだな。因みに早苗さんは波那ちゃんのお母さん、麗未ちゃんは双子のお姉さんなんだ。るりかは麗未ちゃんの娘で先月末一歳になったばかり、夫の大輔さんは酒造メーカーに勤務しててこの四月から松山で単身赴任中なんだ。嫁と娘恋しさにほぼ週末毎に帰ってきて家族サービスしてる良いパパっ振りなんだよ。俺の周囲は不思議と仲良しカップルが多くて自然と結婚願望が強めだったりする、と思う。
ってな訳で俺は小田原一家にくっついて誠の顔を拝みに行くため、保育科の校舎に向かった。
お芝居はどうにか無事に終了した僕たちは予想以上の集客と手応えに皆浮き足立っています。僕も頭がフワフワしていて思考はまともに働いておりません。すると継母役の関川友奈さんが僕の所にやって来ました。
「まこちゃん、友達来てるよ。○○高校の男の子」
伽月君かな?そう思った僕は、知り合いだと思うと告げて外に出ると、彼ではなく輝君でした。
「お芝居お疲れ様、良かったら受け取って」
輝君はとっても可愛い花束を差し出してきました。僕はちょっとためらいましたが、彼の厚意が素直に嬉しくて、ありがとうと言ってそれを受け取りました。
「少しだけ良いかな?」
僕は誘われるまま外に出て人気の少ない所に移動します。僕の先を歩いていた輝君はちょっと固い表情を向けてくるので、緊迫した空気が僕たちを包みます。
「単刀直入に聞くね、伽月とはどんな関係なの?」
え……?どうしてそんな事を聞いてくるのか、僕には理解出来ませんでした。
「友達だよ」
「本当にそれだけ?君たちちょっと特殊っぽいから」
そう見えてるんだ……確かにちょっと密な感じに映ってたのかな?でも彼恋愛感情の有無を聞いてる、んだよね?きっと。
「そんな風に見えた?」
「うん、伽月が羨ましくてね。僕君に一目惚れしてるから」
……えっ?言い方は悪いですが冗談にしか聞こえません。嫌われる事はあっても好きと言われる事なんて一度も無かったんです。ましてや輝君は美青年、ひょっとしてからかわれて……ないよね?見た感じ真面目に言ってくれてる様に見えるし……僕どう答えれば良いんだろう?
「返事は急がないから、伽月と何も無いなら僕と付き合う事考えてほしいんだ」
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