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やっとこさ本編
…大人になるという事は…
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俺は小田原一家に混じって誠に会いに行くと、出演者たちはまだ衣装を身に付けたままだった。メイクもそのまま、黙ってりゃ女の子にしか見えない。
「結構な盛況振りだったみたいで、出演者全員で校内を練り歩く事になっちゃって……」
……まぁしょうがない、高い方ではあるけどやっぱり声は男だな。
「おぅ、ほぼ満席だったぞ」
えぇっ!!!誠客席の状況なんかに気が回ってなかったみたいで、今になって足をガクガク震わせてる。
「わわっ、腰抜けそう……」
「何で今更ビビってんだよ?ホラ、しゃんとしろって」
俺はへたり込みそうになってる誠の体を支えてやる。ありがとう、一旦は身を委ねてたんだけど、人目を気にしてすぐに離れようとした。俺は自力で立てるのかを確認する為にゆっくりと腕を外すと、誠は多少ふらつきながらも何とか自力で踏ん張っている。
「ヤバくなったら服でも掴め」
「うん、そうする……」
誠の奴ちょっと恥ずかしそうにしてるな、女装姿が今更慣れない、なんて事は無いと思うんだけど……。
「そう言えば輝がお前の芝居褒めてたぞ」
「えっ!?そっそうなのっ……?」
ん?何で顔真っ赤にしてんだ?ひょっとしてひょっとするのか?
「何だ何だ?輝に惚れたのか?」
俺はちょっと茶化すだけのつもりで言ってみたんだけど、誠は首が外れんじゃないかってくらいに大きく振ってウィッグずれそうになっちまってる。お、おい、落ち着けって……。
「ちっ違うよ!そんなんじゃないってば!」
誠は相変わらず紅い顔して必死に否定してる。そのくせウィッグのズレには気付いてるみたいで手は頭を触って髪型を直してる。
「そんな必死に否定しなくても……」
「だ、だって伽月君がおかしな事言うからでしょ!?」
そおかぁ?俺そんなに変な事言ってないぞ。輝はバイだから男を好きになってもおかしくないし、気が合うんなら良いんじゃね?って感じだな、俺は。にしても動揺の仕方半端無いな……もしかして逆か?そう言えば輝の奴、『立候補』っつってたな。さっきは冗談だと思ってたけどあれかなりのガチ発言だったのかも知れないな。
俺はちびっこい誠の腹を探る様な視線で見下ろして……何やってんだろ?俺軽く嫌な奴じゃないか。仮に輝が誠を好きになったなら、本当ならアイツの良さを分かってくれる友人を見出だせた自分を誇れると思ってた。けど何かちょっと違うんだ、煙に巻かれて視界が霞んでくる感覚に近い。
輝に告られでもしたか?聞けば済む事なのにどうしても聞けなかった。その問いを上手く投げ掛けられたとしたところで、今日のアイツは答えてくれない様な気がして結局俺は言葉を飲み込んだ。
腰が抜けそうになってる僕の体を支えてくれる伽月君の行動に恥ずかしさを覚えてしまって何となく気まずくなりました。これまでだってこんな事はあったのに、今日は女装してるせいなのか何なのか分かりませんが僕の中でいつもと違います。
「輝に惚れたのか?」
彼のその一言にちょっとした怒りを覚えてしまいました。冗談で言ってるのはもちろん分かっています、でもさっきの出来事を見透かされてる様で何故か隠したい気持ちになってしまったんです。
この事は知られたくない……仮に輝君を好きになっても僕を嫌ったりしないと思います。ただ、これまでの関係をずっと維持する事は出来ない様な気がしてならないんです。今となってはぬるま湯かも知れないけど、僕には伽月君の存在が心の拠り所なんです。輝君なら話せば分かってくれると思いますが、実際恋人となってその状況を無条件に受け入れられるか……逆の立場になった時にどう思うのかな?その事を小難しく考える前に僕は輝君のをどう思ってるの?一番大事なのってそこなんだよね……。
「今日の誠、何か変だぞ」
それは僕自身重々承知してるんです、でもそれを言葉にして伝えるのが僕には難しくてうやむやな返事をしてしまいました。
ひょっとして今の僕たちの関係って大人になると不向きな関係なんでしょうか?それでもこの“ぬるま湯”が僕の宝物なんです。彼が居なかったら中学時代を乗り越えられなかったと思うんです。だから失いたくないんです、例え何が起こっても……ってのはちょっと大げさだったかな?
「まこ、そろそろ行くってさ。畠中君、観てくれてたんだね」
「あぁ、楽しませてもらったよ。あんた男装の方が似合うな」
ありがとう、明日香ちゃんはこの衣装をとても気に入ってるので伽月君の言葉に上機嫌です。彼女身長百七十センチになったら制服のボトムスをパンツスタイルに替える申請してて、健康診断で八ミリ足りなくて悔しそうにしてたもん。
「それにしてもおじさんたち『先生にご挨拶する』っつってから長くないか?」
「きっと故郷トークで盛り上がってるんだと思うよ。家庭訪問の時も本題脱線してたから」
「そうなのか?じゃあおじさんには俺から伝えとくから行ってきな」
うん。両親の事は伽月君に任せて“白雪姫”の練り歩きに出て行きました。
「結構な盛況振りだったみたいで、出演者全員で校内を練り歩く事になっちゃって……」
……まぁしょうがない、高い方ではあるけどやっぱり声は男だな。
「おぅ、ほぼ満席だったぞ」
えぇっ!!!誠客席の状況なんかに気が回ってなかったみたいで、今になって足をガクガク震わせてる。
「わわっ、腰抜けそう……」
「何で今更ビビってんだよ?ホラ、しゃんとしろって」
俺はへたり込みそうになってる誠の体を支えてやる。ありがとう、一旦は身を委ねてたんだけど、人目を気にしてすぐに離れようとした。俺は自力で立てるのかを確認する為にゆっくりと腕を外すと、誠は多少ふらつきながらも何とか自力で踏ん張っている。
「ヤバくなったら服でも掴め」
「うん、そうする……」
誠の奴ちょっと恥ずかしそうにしてるな、女装姿が今更慣れない、なんて事は無いと思うんだけど……。
「そう言えば輝がお前の芝居褒めてたぞ」
「えっ!?そっそうなのっ……?」
ん?何で顔真っ赤にしてんだ?ひょっとしてひょっとするのか?
「何だ何だ?輝に惚れたのか?」
俺はちょっと茶化すだけのつもりで言ってみたんだけど、誠は首が外れんじゃないかってくらいに大きく振ってウィッグずれそうになっちまってる。お、おい、落ち着けって……。
「ちっ違うよ!そんなんじゃないってば!」
誠は相変わらず紅い顔して必死に否定してる。そのくせウィッグのズレには気付いてるみたいで手は頭を触って髪型を直してる。
「そんな必死に否定しなくても……」
「だ、だって伽月君がおかしな事言うからでしょ!?」
そおかぁ?俺そんなに変な事言ってないぞ。輝はバイだから男を好きになってもおかしくないし、気が合うんなら良いんじゃね?って感じだな、俺は。にしても動揺の仕方半端無いな……もしかして逆か?そう言えば輝の奴、『立候補』っつってたな。さっきは冗談だと思ってたけどあれかなりのガチ発言だったのかも知れないな。
俺はちびっこい誠の腹を探る様な視線で見下ろして……何やってんだろ?俺軽く嫌な奴じゃないか。仮に輝が誠を好きになったなら、本当ならアイツの良さを分かってくれる友人を見出だせた自分を誇れると思ってた。けど何かちょっと違うんだ、煙に巻かれて視界が霞んでくる感覚に近い。
輝に告られでもしたか?聞けば済む事なのにどうしても聞けなかった。その問いを上手く投げ掛けられたとしたところで、今日のアイツは答えてくれない様な気がして結局俺は言葉を飲み込んだ。
腰が抜けそうになってる僕の体を支えてくれる伽月君の行動に恥ずかしさを覚えてしまって何となく気まずくなりました。これまでだってこんな事はあったのに、今日は女装してるせいなのか何なのか分かりませんが僕の中でいつもと違います。
「輝に惚れたのか?」
彼のその一言にちょっとした怒りを覚えてしまいました。冗談で言ってるのはもちろん分かっています、でもさっきの出来事を見透かされてる様で何故か隠したい気持ちになってしまったんです。
この事は知られたくない……仮に輝君を好きになっても僕を嫌ったりしないと思います。ただ、これまでの関係をずっと維持する事は出来ない様な気がしてならないんです。今となってはぬるま湯かも知れないけど、僕には伽月君の存在が心の拠り所なんです。輝君なら話せば分かってくれると思いますが、実際恋人となってその状況を無条件に受け入れられるか……逆の立場になった時にどう思うのかな?その事を小難しく考える前に僕は輝君のをどう思ってるの?一番大事なのってそこなんだよね……。
「今日の誠、何か変だぞ」
それは僕自身重々承知してるんです、でもそれを言葉にして伝えるのが僕には難しくてうやむやな返事をしてしまいました。
ひょっとして今の僕たちの関係って大人になると不向きな関係なんでしょうか?それでもこの“ぬるま湯”が僕の宝物なんです。彼が居なかったら中学時代を乗り越えられなかったと思うんです。だから失いたくないんです、例え何が起こっても……ってのはちょっと大げさだったかな?
「まこ、そろそろ行くってさ。畠中君、観てくれてたんだね」
「あぁ、楽しませてもらったよ。あんた男装の方が似合うな」
ありがとう、明日香ちゃんはこの衣装をとても気に入ってるので伽月君の言葉に上機嫌です。彼女身長百七十センチになったら制服のボトムスをパンツスタイルに替える申請してて、健康診断で八ミリ足りなくて悔しそうにしてたもん。
「それにしてもおじさんたち『先生にご挨拶する』っつってから長くないか?」
「きっと故郷トークで盛り上がってるんだと思うよ。家庭訪問の時も本題脱線してたから」
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