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やっとこさ本編
本人以外踏み込めない領域に……
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「お前、誠の事好きなのか?」
「うん、だから正直君の存在が邪魔に感じられてね」
「随分はっきり言ってくれんじゃないかよ、誠が好きなら本人に直接……」
「言ったよ、昨日。ただあまり手応えは無かったんだ、嫌われてまではないみたいだけど」
……それでか、誠の挙動不審の原因が分かったよ。多分アイツの中で輝の告白をうまく消化しきれてない、“隠してた”んじゃなくて“言えなかった”のかも知れない……口下手なだけに悩みを一人で抱えこんじまうところがある、昔からずっとそうだ。
「その様子だと聞いてないみたいだね」
「あぁ……そんな事まで逐一報告しないよ」
そうなんだ……輝は俺に筒抜けになるのをどこかで覚悟してたみたいだ。
「……僕みたいな男の存在って嫌なんじゃないの?」
何で?俺は意外に思ってそう訊ねたけど、胸の辺りがチクチクして落ち着かなくなる。
「だってこれまで当たり前にあった“モノ”を奪われる感覚になるかと思って……」
「誠は“モノ”じゃない、その手の話に俺が介入すべきじゃない事くらいはわきまえてる」
俺はそう言ってから自分自身の言霊の刺々しさにちょっと驚いていた。輝に伝わってなければ良いけど……奴の方を見ると安堵した表情で、なら良かった。と食事を再開してる。
「飯、冷めちまうな」
俺は刺々しさを打ち消すために明るく振る舞って目の前の食事に集中し、いつもの調子でごはんをおかわりしておばちゃんたちの美味い飯を堪能した。
輝が誠に恋してる……輝は人当たりもソフトだし頭も良いから誠みたいなのんびり屋とは相性も悪くないと思うよ。どこの誰だか分かんねぇ野郎よりかはよっぽど……って俺はオヤジか?何か俺昨日から嫌な奴化しててちょっとうんざり気味なんだよ。落ち着いて考えれば良い事のはずなのに、変化にビビってどっかで恐れてる気持ちもあるんだ、正直に言ってしまうと。
誠は大切な友達だ、アイツが幸せになれるなら未来がどう変わっても仕方無いとは思ってる。でも心の何処かで俺の人生の中に生涯アイツは存在するもんだと思ってたから、輝の気持ちに答えてどっか行っちまうんじゃないかと思うと寂しくなる。表向きは俺の方が強気でリードしてる様に見えてるかも知れないけど、それはアイツが後方支援してくれてるからで……俺案外弱っちいんだ、でかいのはガタイと態度だけなんだよ、ぶっちゃけちまうとさ。
「あ″??我ながらだらしねぇ……」
俺はリビングのソファーで寝っ転がって独り言を吐いていた。キッチンに立っている波那ちゃんは俺の声に振り返り、そのタイミングで風呂から出てきた兄さんにはどけ!と足蹴にされる。
「蹴る必要あるか?」
「うっせぇ、何か知らんがお前今日変だぞ」
「どう変なんだよ?」
「言葉で表現しがたいグジグジした感じなんだよ、何つったら良いんだか……」
兄さん頭良いくせに言葉のボキャブラリーが貧困過ぎるんだよ。当然俺には全く伝わらず、兄弟のやり取りを見てた波那ちゃんが兄さんに助け船を出してきた。
「何かね、答えの出ない問題に躍起になってる顔してるよ、嫌な事でもあった?」
答えの出ない問題……とはちょっと違うけど、兄さんよりは俺のモヤモヤ感は理解してくれてるみたいだ。
「う??ん、正解が無い問題……の方がしっくりくるかな?」
「本当の意味での正解なんて何処にも無いよ、人それぞれ違うから……今の伽月には冷たく聞こえるだろうけど自分で探し当てるしかないと思う」
……まぁ、確かにそうなんだけどさ。波那ちゃんには俺がどうすれば良いのか、多分見えてるんだよな。
「もっと主観で物事を見てもいいと思うよ、ちょっと外野に振り回されてるんじゃない?僕にはそう見えるけど」
「俺目線でって事?」
「平たく言うとね。良い悪いじゃなくて好き嫌いで動いた方が上手くいく事もあるんだよ」
「どうすべきかじゃなくてどうしたいか?だな。お前が悩むのは大概誠がらみの事だろ?」
さっきはヘタクソな表現してた兄さんが急に見透かした様な事を言ってくる。そんな事無いと否定してはみても、内心の動揺には気付いてるはずだ。
「一見お前の方が強気にしてるけどメンタルは誠の方が強いからな、アイツまだ気付いてないから今のところは甘えてるけど」
「……」
やっぱ分かってんだな、色々あっても俺たち兄弟なんだな。波那ちゃんはさすが兄弟だね、と嬉しそうに俺たちを見つめてた。
「うん、だから正直君の存在が邪魔に感じられてね」
「随分はっきり言ってくれんじゃないかよ、誠が好きなら本人に直接……」
「言ったよ、昨日。ただあまり手応えは無かったんだ、嫌われてまではないみたいだけど」
……それでか、誠の挙動不審の原因が分かったよ。多分アイツの中で輝の告白をうまく消化しきれてない、“隠してた”んじゃなくて“言えなかった”のかも知れない……口下手なだけに悩みを一人で抱えこんじまうところがある、昔からずっとそうだ。
「その様子だと聞いてないみたいだね」
「あぁ……そんな事まで逐一報告しないよ」
そうなんだ……輝は俺に筒抜けになるのをどこかで覚悟してたみたいだ。
「……僕みたいな男の存在って嫌なんじゃないの?」
何で?俺は意外に思ってそう訊ねたけど、胸の辺りがチクチクして落ち着かなくなる。
「だってこれまで当たり前にあった“モノ”を奪われる感覚になるかと思って……」
「誠は“モノ”じゃない、その手の話に俺が介入すべきじゃない事くらいはわきまえてる」
俺はそう言ってから自分自身の言霊の刺々しさにちょっと驚いていた。輝に伝わってなければ良いけど……奴の方を見ると安堵した表情で、なら良かった。と食事を再開してる。
「飯、冷めちまうな」
俺は刺々しさを打ち消すために明るく振る舞って目の前の食事に集中し、いつもの調子でごはんをおかわりしておばちゃんたちの美味い飯を堪能した。
輝が誠に恋してる……輝は人当たりもソフトだし頭も良いから誠みたいなのんびり屋とは相性も悪くないと思うよ。どこの誰だか分かんねぇ野郎よりかはよっぽど……って俺はオヤジか?何か俺昨日から嫌な奴化しててちょっとうんざり気味なんだよ。落ち着いて考えれば良い事のはずなのに、変化にビビってどっかで恐れてる気持ちもあるんだ、正直に言ってしまうと。
誠は大切な友達だ、アイツが幸せになれるなら未来がどう変わっても仕方無いとは思ってる。でも心の何処かで俺の人生の中に生涯アイツは存在するもんだと思ってたから、輝の気持ちに答えてどっか行っちまうんじゃないかと思うと寂しくなる。表向きは俺の方が強気でリードしてる様に見えてるかも知れないけど、それはアイツが後方支援してくれてるからで……俺案外弱っちいんだ、でかいのはガタイと態度だけなんだよ、ぶっちゃけちまうとさ。
「あ″??我ながらだらしねぇ……」
俺はリビングのソファーで寝っ転がって独り言を吐いていた。キッチンに立っている波那ちゃんは俺の声に振り返り、そのタイミングで風呂から出てきた兄さんにはどけ!と足蹴にされる。
「蹴る必要あるか?」
「うっせぇ、何か知らんがお前今日変だぞ」
「どう変なんだよ?」
「言葉で表現しがたいグジグジした感じなんだよ、何つったら良いんだか……」
兄さん頭良いくせに言葉のボキャブラリーが貧困過ぎるんだよ。当然俺には全く伝わらず、兄弟のやり取りを見てた波那ちゃんが兄さんに助け船を出してきた。
「何かね、答えの出ない問題に躍起になってる顔してるよ、嫌な事でもあった?」
答えの出ない問題……とはちょっと違うけど、兄さんよりは俺のモヤモヤ感は理解してくれてるみたいだ。
「う??ん、正解が無い問題……の方がしっくりくるかな?」
「本当の意味での正解なんて何処にも無いよ、人それぞれ違うから……今の伽月には冷たく聞こえるだろうけど自分で探し当てるしかないと思う」
……まぁ、確かにそうなんだけどさ。波那ちゃんには俺がどうすれば良いのか、多分見えてるんだよな。
「もっと主観で物事を見てもいいと思うよ、ちょっと外野に振り回されてるんじゃない?僕にはそう見えるけど」
「俺目線でって事?」
「平たく言うとね。良い悪いじゃなくて好き嫌いで動いた方が上手くいく事もあるんだよ」
「どうすべきかじゃなくてどうしたいか?だな。お前が悩むのは大概誠がらみの事だろ?」
さっきはヘタクソな表現してた兄さんが急に見透かした様な事を言ってくる。そんな事無いと否定してはみても、内心の動揺には気付いてるはずだ。
「一見お前の方が強気にしてるけどメンタルは誠の方が強いからな、アイツまだ気付いてないから今のところは甘えてるけど」
「……」
やっぱ分かってんだな、色々あっても俺たち兄弟なんだな。波那ちゃんはさすが兄弟だね、と嬉しそうに俺たちを見つめてた。
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