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やっとこさ本編
語り部ジャック 勇編 二人の衝撃映像を見た!
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当時僕は小学四年生になる直前で、正直まだまだお子ちゃまでした。まぁ今もなのですが……その日二人は客間で遊んでいて、僕も宿題を終えてから混ぜてもらおうと思ってたんです。で、部屋に行ってドアを開けると、部屋の奥の隅っこで神妙な顔付きで見つめ合ってヒソヒソと話していたんです。その内容と言うのが……。
『なぁ、キスってホントにレモンの味がするのか?』
『う~ん、どうなのかなぁ?』
兄ちゃんは『キス』と言う単語に赤面していました。確かに思春期の男子にとっては敏感に反応する言葉です。
『だったら試してみないか?』
『えっ!?今!?』
……いやいや兄ちゃん、当時は同性愛者である事を知らなかったので、そこは男同士で、だろ?と心の中でツッコミを入れてたのですが……兄ちゃんは恥ずかしそうに下を向いてモジモジしていて、なかなか煮え切らない態度を取っていました。気持ちは分からなくもないよ、言わばファーストキスが実験めいたものだと思い出も何もあったもんじゃありません。それよりも秘め事を覗き見してた九歳の僕がある意味一番おかしな奴な訳で……。
『ホントなら“好きな人”とするモノだから俺と、ってのは変だと思うけど……誰とでも出来る事じゃないからさ』
『……うん、良いよ』
良いんかい!?僕は二人の行く末を息を殺して覗いていました。
『じゃあさ、目、閉じてろ』
うん。兄ちゃんは言われるまま目を閉じました。
『たださ、キスって相手の口ん中に舌入れるらしいんだ』
『へっ!?』
兄ちゃんはその事実に驚いて目を開けてしまいました。僕にとってもこれはかなり衝撃的な内容だったんです。
『だ、大丈夫だよ!詳しい事は俺もよく分かんないし。唇くっ付けるだけだから』
『う、うん……』
兄ちゃんは完全にうろたえていましたが、それでも一旦は合意したから、と腹をくくった様に再び目を閉じました。伽月君は兄ちゃんの顔に近付くと、ちょっと震えてる手を握ってキスをしました。時間にすると一秒もかかっていないくらいだった様に思いますが、こっそり見てた僕にとっては物凄く長く感じました。
確かにドキドキの衝撃映像ではありましたが、何と言うか、思っていたほどいやらしいものではなかったんです。唇を離した二人はお互いの顔を見つめ合っていて、兄ちゃんは目を大きく見開いてぼんやりとしている様でした。伽月君は兄ちゃんの頭を撫でてにっこりと微笑みかけていました。
『レモンの味、したか?』
伽月君の問いかけに兄ちゃんは首を横に振っていました。へぇ、あれってただの都市伝説だったみたいです。
『何の味もしなかったよ、強いて言えばお水かな?』
よくそんな分析出来たね、僕は意外と冷静な我が兄に妙な感心をしてしまいました。
『水かぁ……俺はミルクの味がしたけどな』
ミルク?兄ちゃんは条件反射なのか自分の体の匂いを嗅いでいました。
『僕今日牛乳飲んでないよ』
『そうじゃないよ、誠ってホットミルクみたいな甘い匂いがするんだ。何て言うか、安心する匂い』
『そうなんだ……初めて言われた、そんな事』
へぇ……僕兄弟だけどそんなの感じた事無かったなぁ。人にはそれぞれ違う体の匂いがあるようでして、僕はどんな匂いがするのかな?とちょっと気になって服の中に鼻を入れてみましたが何の匂いもしませんでした。
「伽月君、ファーストキスっていつだった?」
んぁ?夕飯前、僕が投げ掛けた質問にちょっとびっくりしたのかお間抜けな顔になっています。彼は少し考えてから中一だったかな、と答えました。
「初めて付き合った隣のクラスの女の子だった」
「えっ?違うでしょ?」
「あ"?何でお前のダメ出しが入るんだよ?」
「だって兄ちゃんなんじゃないの?中学に入学する前、家の客間で」
「まさかアレ見てたのかよ!?」
伽月君は顔を真っ赤にして取り乱しています。ご、ゴメン、三年越しのカミングアウト……見られてたなんて思わないよね?
「マジでかぁ……ただアレはキスとしてカウントしないでくれ。都市伝説の検証と言うか何と言うか……」
「何でさ?兄ちゃんはそう思ってるかも知れないじゃない」
「あの後二人で話し合ってそう決めたんだ、公表は出来ない自由研究って事で……」
「じゃあ兄ちゃんもその時の事は……」
「あぁ、訊ねたところでその答えにはならないよ」
そうだったんだ……そこまでちゃんと話し合ってたなんて。彼兄ちゃんの事思いやっているんだな。僕はそういう風に捉えました。
「でさ、キスした人の中でレモンの味した事ある?」
いや、無い。伽月君は首を横に振りました。やっぱりアレって都市伝説って事で良いみたいです。実はもう一つ聞きたい事があったので、ここは勢いに任せてぶっちゃけてしまいました。
「その中で一番好きな味って誰だった?」
『なぁ、キスってホントにレモンの味がするのか?』
『う~ん、どうなのかなぁ?』
兄ちゃんは『キス』と言う単語に赤面していました。確かに思春期の男子にとっては敏感に反応する言葉です。
『だったら試してみないか?』
『えっ!?今!?』
……いやいや兄ちゃん、当時は同性愛者である事を知らなかったので、そこは男同士で、だろ?と心の中でツッコミを入れてたのですが……兄ちゃんは恥ずかしそうに下を向いてモジモジしていて、なかなか煮え切らない態度を取っていました。気持ちは分からなくもないよ、言わばファーストキスが実験めいたものだと思い出も何もあったもんじゃありません。それよりも秘め事を覗き見してた九歳の僕がある意味一番おかしな奴な訳で……。
『ホントなら“好きな人”とするモノだから俺と、ってのは変だと思うけど……誰とでも出来る事じゃないからさ』
『……うん、良いよ』
良いんかい!?僕は二人の行く末を息を殺して覗いていました。
『じゃあさ、目、閉じてろ』
うん。兄ちゃんは言われるまま目を閉じました。
『たださ、キスって相手の口ん中に舌入れるらしいんだ』
『へっ!?』
兄ちゃんはその事実に驚いて目を開けてしまいました。僕にとってもこれはかなり衝撃的な内容だったんです。
『だ、大丈夫だよ!詳しい事は俺もよく分かんないし。唇くっ付けるだけだから』
『う、うん……』
兄ちゃんは完全にうろたえていましたが、それでも一旦は合意したから、と腹をくくった様に再び目を閉じました。伽月君は兄ちゃんの顔に近付くと、ちょっと震えてる手を握ってキスをしました。時間にすると一秒もかかっていないくらいだった様に思いますが、こっそり見てた僕にとっては物凄く長く感じました。
確かにドキドキの衝撃映像ではありましたが、何と言うか、思っていたほどいやらしいものではなかったんです。唇を離した二人はお互いの顔を見つめ合っていて、兄ちゃんは目を大きく見開いてぼんやりとしている様でした。伽月君は兄ちゃんの頭を撫でてにっこりと微笑みかけていました。
『レモンの味、したか?』
伽月君の問いかけに兄ちゃんは首を横に振っていました。へぇ、あれってただの都市伝説だったみたいです。
『何の味もしなかったよ、強いて言えばお水かな?』
よくそんな分析出来たね、僕は意外と冷静な我が兄に妙な感心をしてしまいました。
『水かぁ……俺はミルクの味がしたけどな』
ミルク?兄ちゃんは条件反射なのか自分の体の匂いを嗅いでいました。
『僕今日牛乳飲んでないよ』
『そうじゃないよ、誠ってホットミルクみたいな甘い匂いがするんだ。何て言うか、安心する匂い』
『そうなんだ……初めて言われた、そんな事』
へぇ……僕兄弟だけどそんなの感じた事無かったなぁ。人にはそれぞれ違う体の匂いがあるようでして、僕はどんな匂いがするのかな?とちょっと気になって服の中に鼻を入れてみましたが何の匂いもしませんでした。
「伽月君、ファーストキスっていつだった?」
んぁ?夕飯前、僕が投げ掛けた質問にちょっとびっくりしたのかお間抜けな顔になっています。彼は少し考えてから中一だったかな、と答えました。
「初めて付き合った隣のクラスの女の子だった」
「えっ?違うでしょ?」
「あ"?何でお前のダメ出しが入るんだよ?」
「だって兄ちゃんなんじゃないの?中学に入学する前、家の客間で」
「まさかアレ見てたのかよ!?」
伽月君は顔を真っ赤にして取り乱しています。ご、ゴメン、三年越しのカミングアウト……見られてたなんて思わないよね?
「マジでかぁ……ただアレはキスとしてカウントしないでくれ。都市伝説の検証と言うか何と言うか……」
「何でさ?兄ちゃんはそう思ってるかも知れないじゃない」
「あの後二人で話し合ってそう決めたんだ、公表は出来ない自由研究って事で……」
「じゃあ兄ちゃんもその時の事は……」
「あぁ、訊ねたところでその答えにはならないよ」
そうだったんだ……そこまでちゃんと話し合ってたなんて。彼兄ちゃんの事思いやっているんだな。僕はそういう風に捉えました。
「でさ、キスした人の中でレモンの味した事ある?」
いや、無い。伽月君は首を横に振りました。やっぱりアレって都市伝説って事で良いみたいです。実はもう一つ聞きたい事があったので、ここは勢いに任せてぶっちゃけてしまいました。
「その中で一番好きな味って誰だった?」
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