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やっとこさ本編
周囲の様相も変わってきて……
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昼休み、今日はグループでの集合ランチを断って一人で屋上に居る。今日は守衛さんが居るから、と田丸にメールでここに呼び出された。普段なら断るところだけど今日は行った方が良い様な気がする、何となく。
「父の法要の事で兄と連絡を取るんだ」
遵斗と真幸にはそう告げてるけど、輝はそこんとこ信用出来るからアイツにだけは正直に話してある。今日颯天は地区大会で公欠してるから、あと光畑を交えての昼飯になるって言ってた。
そう言えばA組四時限目は体育、っつってたな。俺は腹が減ったので先に弁当を頂く事にする。それにしても今年は空梅雨らしくて、この時季にも関わらず見事な晴天続きでまさにアウトドア日和だな。波那ちゃんなんて『今日みたいな日は家中の布団を干したい』って言いながら出勤の支度してたもんな。
ただこの後に数学が控えてなければ……史生谷先生は嫌いじゃないけど授業がスパルタで毎回ぐったりなんだよ。それにもうじきテストだしまた実践とか言って難問解かされまくるのか?あ゛~トンズラしてやろうかな?一応しないつもりだけど。
「ゴメンね、お待たせして」
数学の事でどんよりしてるところに田丸が屋上にやって来る、今日は随分と穏やかな表情してるな。
「良いよ、ただ飯は先に食ってる」
「構わないよ、呼び出しておいて待たせてる訳だから」
アレ?コイツ普段こんなだったっけ?もっと冷たい奴なのかと思ってた。
「?どうかした?」
ついつい田丸の顔を凝視してしまってる俺を不思議そうに見つめてくる。元々顔立ちは整ってるけど今日のこの男はランクを一つ上げた様な気がする、まぁ惚れはしないけど。
「お前……何か良い事でもあったのか?」
「えっ?どうして?」
「いや、何か随分と印象が違うからさ」
「それは多分二人きりになれたからだよ」
コイツそういう事さらっと言いやがるんだな、見直して損した。
「それは無い。ところで何でこんなとこ呼び出したんだよ?」
「二つほど用件があってね。一つは”白雪姫“の事」
“白雪姫”……誠の事か。見た感じ惚れた晴れたな内容じゃない様だけど、ってかそれで定着しちまったな。
「“白雪姫”がどうかしたのか?」
「うん。僕の勘違いでなければ彼とは一度お会いしてるんだよね、入試に間に合わなかったとかって話、聞いた事無いかな?」
……そう言えばアイツ併願で願書出してた私立の入試に間に合わなかった、って。確か用水路にはまって出られなくなった子猫を助けようとした男の子を手伝ってたとか言ってたな。
「パンダ柄の子猫が用水路にどうとか……ってアレお前だったのか?」
「やっぱりそうだ!彼入試は……」
「間に合わなかったよ。学校で大目玉食らったらしいけど本人はヤル気無かったからケロっとしてたけどな」
「じゃあ彼にきちんと謝らないと……」
「そこは気にしなくて良いさ、それより子猫の方はどうなったんだ?」
家で飼ってるよ。田丸はポケットからケータイを取り出して画像を見せてくれた。ほぅ、マジでパンダ模様だ。
「可愛いのか不細工なのかよく分かんねぇな」
「こういう子の方が愛嬌があって良いよ。ただこの子病気があるみたいで……あまり長生き出来ないだろうってお医者さんが」
そうか……ブサ可愛いパンダ猫を見てるとちょっと切なくなってきた。そうだ、この事誠に伝えてやらないと。
「その画像くれないか?誠に見せてやりたいんだ」
誠?田丸はケータイをいじりながら俺の顔を見る。そっか、名前知らないのか。
「小田原誠、“白雪姫”の名前だよ」
「小田原誠君……彼にお礼が言いたいんだけど」
「話してみる、週末辺りどうだ?」
良いよ。田丸はにっこりと微笑んでパンダ子猫の画像をくれた。誠きっと喜ぶだろうな、帰りにでも送ってやろ。俺はケータイをポケットにしまって弁当を頬張る。
「ホント食べるの好きだよね、親御さんも作りがいがあると思うよ」
「あぁ……親居ないんだ、俺」
田丸は言ってからハッとなってゴメン、と言う。母親は居ると思ってたみたいだ。
「そっか……確かお兄さんと同居、してるんだっけ?」
「あぁ、俺の保護者ってのは兄とパートナーの事だよ」
俺はここでは颯天と輝しか知らない事実を話す、同性愛がらみの内容だからコイツなら大丈夫だ。
「そう言う事ね、保護者になるって事は年齢的に離れてる?」
「今同居してる上の兄は十六、新潟に居る兄でも八つ離れてる」
「へぇ、じゃあ可愛がってもらえたんじゃない?何となく甘えん坊そうだもん」
田丸はそう言ってふふふと笑う。この前はちょっと癪に障ったけどこういう笑い方なんだろうな、元から。
「まぁ否定はしないけど……」
実際可愛がってもらってたからな、父さんにも兄貴にも。そのお蔭で家庭環境の事で陰口叩かれても大して気にせずにこれたんだと思う。今も兄さんと波那ちゃんに大事にされてると思うしさ。
「田丸、もう一つの話って何だ?」
「そうだ。こっちの方が大事なんだ、ただ正直気分の良い話じゃないんだけど……」
そう前置きしてからにわかに信じがたい内容の出来事を聞かされた、ま、マジかよその話……?
「父の法要の事で兄と連絡を取るんだ」
遵斗と真幸にはそう告げてるけど、輝はそこんとこ信用出来るからアイツにだけは正直に話してある。今日颯天は地区大会で公欠してるから、あと光畑を交えての昼飯になるって言ってた。
そう言えばA組四時限目は体育、っつってたな。俺は腹が減ったので先に弁当を頂く事にする。それにしても今年は空梅雨らしくて、この時季にも関わらず見事な晴天続きでまさにアウトドア日和だな。波那ちゃんなんて『今日みたいな日は家中の布団を干したい』って言いながら出勤の支度してたもんな。
ただこの後に数学が控えてなければ……史生谷先生は嫌いじゃないけど授業がスパルタで毎回ぐったりなんだよ。それにもうじきテストだしまた実践とか言って難問解かされまくるのか?あ゛~トンズラしてやろうかな?一応しないつもりだけど。
「ゴメンね、お待たせして」
数学の事でどんよりしてるところに田丸が屋上にやって来る、今日は随分と穏やかな表情してるな。
「良いよ、ただ飯は先に食ってる」
「構わないよ、呼び出しておいて待たせてる訳だから」
アレ?コイツ普段こんなだったっけ?もっと冷たい奴なのかと思ってた。
「?どうかした?」
ついつい田丸の顔を凝視してしまってる俺を不思議そうに見つめてくる。元々顔立ちは整ってるけど今日のこの男はランクを一つ上げた様な気がする、まぁ惚れはしないけど。
「お前……何か良い事でもあったのか?」
「えっ?どうして?」
「いや、何か随分と印象が違うからさ」
「それは多分二人きりになれたからだよ」
コイツそういう事さらっと言いやがるんだな、見直して損した。
「それは無い。ところで何でこんなとこ呼び出したんだよ?」
「二つほど用件があってね。一つは”白雪姫“の事」
“白雪姫”……誠の事か。見た感じ惚れた晴れたな内容じゃない様だけど、ってかそれで定着しちまったな。
「“白雪姫”がどうかしたのか?」
「うん。僕の勘違いでなければ彼とは一度お会いしてるんだよね、入試に間に合わなかったとかって話、聞いた事無いかな?」
……そう言えばアイツ併願で願書出してた私立の入試に間に合わなかった、って。確か用水路にはまって出られなくなった子猫を助けようとした男の子を手伝ってたとか言ってたな。
「パンダ柄の子猫が用水路にどうとか……ってアレお前だったのか?」
「やっぱりそうだ!彼入試は……」
「間に合わなかったよ。学校で大目玉食らったらしいけど本人はヤル気無かったからケロっとしてたけどな」
「じゃあ彼にきちんと謝らないと……」
「そこは気にしなくて良いさ、それより子猫の方はどうなったんだ?」
家で飼ってるよ。田丸はポケットからケータイを取り出して画像を見せてくれた。ほぅ、マジでパンダ模様だ。
「可愛いのか不細工なのかよく分かんねぇな」
「こういう子の方が愛嬌があって良いよ。ただこの子病気があるみたいで……あまり長生き出来ないだろうってお医者さんが」
そうか……ブサ可愛いパンダ猫を見てるとちょっと切なくなってきた。そうだ、この事誠に伝えてやらないと。
「その画像くれないか?誠に見せてやりたいんだ」
誠?田丸はケータイをいじりながら俺の顔を見る。そっか、名前知らないのか。
「小田原誠、“白雪姫”の名前だよ」
「小田原誠君……彼にお礼が言いたいんだけど」
「話してみる、週末辺りどうだ?」
良いよ。田丸はにっこりと微笑んでパンダ子猫の画像をくれた。誠きっと喜ぶだろうな、帰りにでも送ってやろ。俺はケータイをポケットにしまって弁当を頬張る。
「ホント食べるの好きだよね、親御さんも作りがいがあると思うよ」
「あぁ……親居ないんだ、俺」
田丸は言ってからハッとなってゴメン、と言う。母親は居ると思ってたみたいだ。
「そっか……確かお兄さんと同居、してるんだっけ?」
「あぁ、俺の保護者ってのは兄とパートナーの事だよ」
俺はここでは颯天と輝しか知らない事実を話す、同性愛がらみの内容だからコイツなら大丈夫だ。
「そう言う事ね、保護者になるって事は年齢的に離れてる?」
「今同居してる上の兄は十六、新潟に居る兄でも八つ離れてる」
「へぇ、じゃあ可愛がってもらえたんじゃない?何となく甘えん坊そうだもん」
田丸はそう言ってふふふと笑う。この前はちょっと癪に障ったけどこういう笑い方なんだろうな、元から。
「まぁ否定はしないけど……」
実際可愛がってもらってたからな、父さんにも兄貴にも。そのお蔭で家庭環境の事で陰口叩かれても大して気にせずにこれたんだと思う。今も兄さんと波那ちゃんに大事にされてると思うしさ。
「田丸、もう一つの話って何だ?」
「そうだ。こっちの方が大事なんだ、ただ正直気分の良い話じゃないんだけど……」
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