どら焼は恋をつなぐ

谷内 朋

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やっとこさ本編

……まさかまさかの〇〇〇〇〇?

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 高校生組の昼食も済んで、田丸君が持ってきてくれたお菓子を頂きながら小さなリビングテーブルを男五人で囲んでいます。なぜそうなっているのかと言うと……。
 「うわぁ~可愛すぎるぅ」
 僕たちは田丸君のコレクションに釘付けなんです。それは彼が飼っている猫たちの写真、先日彼に救出されたパンダ模様の子猫ちゃんをはじめとする八匹のにゃんこが愛くるしく写されているんです。
 「この子が『ウノ』、一番の古株なんだよ」
 「お髭白いね、何歳なの?」
 晋はトラネコの『ウノ』ちゃんをじっと見つめています。
 「十三歳だよ、人間で言うと五十歳は過ぎてるかな」
 「僕らより長生きだね……」
 晋と隼人君はお互いの顔を見合わせています。動物が自分たちより歳上と言うのが変な感覚なのでしょうか?
 「君たち何年生なの?」
 「四年生、今年十歳なんだ」
 「じゃあこの二匹と同い年だ」
 田丸君は二匹のトラネコを指差しました。
 「名前は?」
 「『アン』と『ヘン』だよ、この子たちは『ウノ』の子供なんだ」
 『アン』と『ヘン』は常に一緒の写真に収まっていて仲の良さが伺えます、こうして見てると……。
 「お前ら二人みたいだな」
 伽月君に言われてしまいました。
 「僕らここまで一緒にいないぞ、伽月ぃ」
 「うん、こんなにベッタリはしてないよ」
 晋と隼人君は呼吸を合わせて頷き合っています。そういうところの事を言ってるんだよ、お二人さん。
 「アホ、仲の良さがって意味だ」
 「アホって言う奴がアホなんだぞ、伽月ぃ」
 「お前なぁ……その口の聞き方何とかなんないのか?しかも何で俺に対してだけなんだよ?」
 あ~あ、また始まっちゃいました……。
 「そ、それはだな、伽月ぃ……」
 あれ?隼人君急にトーンダウンしちゃいました。顔も赤くなって動きもぎこちなくなってるけど……大丈夫?そんな彼に伽月君は何だよ?とふて顔を見せています。
 「ま、まこちゃんは僕のお嫁さんになるからだ!」
 ……一瞬の沈黙の後……。
 「ええぇーっ!!?」
 「はあっ!!?」
 「あら?」
 「ぬほっ!」
 晋、『ぬほっ!』って何……?はさておき、僕はどうすれば良いの……?
 「いやいやちょっと待て、それとこれとは話が違うだろ?」
 「違わないぞ、伽月ぃ。だって僕はまこちゃんに変な『虫』が付かないようにしなきゃいけないんだ、僕はまこちゃんの夫になるんだからな!」
 「それは構わねぇよ、ただ俺の質問の答えになってねぇぞ」
 「何言ってんだ、お前こそがまこちゃんの『虫』なんだっ!」
 「冗談じゃねぇ!俺がいつそんな事したんだよ!?」
 か、伽月君。そんなにマジにならないで……でも彼は『虫』じゃなくて友達だって事は伝えないと。僕は睨み合っている小学生vs高校生の間に割って入ります。
 「は、隼人君……伽月君は友達だよ」
 「ホント?コイツにたぶらかされてない?」
 「大丈夫、彼はそんな事しないよ」
 ホントに?隼人君は心配そうに僕の顔を見つめてきます。ううっ、なんて健気なの……。
 「ったく、その変わり身の早さは一体何なんだよ……」
 伽月君は少々不機嫌そうな表情で毒付いています。まぁ『虫』扱いされちゃあねぇ……。
 「でも何かあったら僕を呼んで、いつでも駆け付けるからね」
 「う、うん。ありがとう……」
 隼人君、気持ちだけありがたく頂いておくね……僕は小学生の男の子にも頼り無く映っちゃってるのかなぁ?僕だって男なのに何だか情けなくなってきました。
 「……」
 「誠君、落ち込まなくて良いと思うよ」
 「でも……」
 「男だからって皆が皆腕っぷしが強くならなきゃいけない事も無いよ。強さは人それぞれ、持ち味を活かせれば特技は何であれ最強になれるんだよ」
 そうかなぁ……?僕には特技らしいものがありません。
 「誠君、お料理得意でしょ?今日だってここに居る皆の為にカレーライスを作ってくれたじゃない。ご家族の分も考えて四リットルのお鍋で作るってなかなか出来ないよ、僕昼食の買い出し考えてたんだから」
 田丸君は優しい表情を向けてくれました。ううっ、なんて優しい人なんだ……僕多分ウルウルしてるよぉ。
 「そう言ってくれると凄く嬉しい……」
 「僕、まこちゃんの作る料理大好きだからねっ」
 隼人君は僕の手を握って慰めてくれます。ありがとう、隼人君。
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