60 / 145
やっとこさ本編
……ところが週末に緊急事態発生!
しおりを挟む
土曜日の午前中、僕は昨日のドキドキを心の中で反芻しながら上機嫌な休日を過ごしています。波那ちゃんからもお見舞いの許可も頂いているので、明日伽月君の自宅へ輝君と一緒に行く事にしました。何かお見舞い用にお菓子でも作ろうかな?そんな事を考えながらリビングで一人の時間を過ごしています。お父さんは家に居るけど昨夜遅く帰ってきたので多分まだ寝てると思います。
ちょっと料理番組でも、とテレビを点けると桃の缶詰めを使ったゼリーを作っています。彼はどら焼に次いでゼリーが大好きなんです、僕は慌てて録画ボタンを押してレシピのメモを取りました。これでお見舞い品も決まった、番組終わったら作ってみようと決めたところでケータイが震え始めました。輝君から通話着信です、一体どうしたのかな?もしもし、彼の声は何だか慌ててる様でした。
『伽月が倒れた、ご家族の方に連絡してもらえるかな?』
えっ……?確かに体調不良とは聞いていましたが、まさか倒れるほどの事態になるなんて……僕は想像以上のショックで言葉が出てきません。
『誠君、聞いてる?』
「……分かった、連絡する」
僕は放心状態のまま通話を切り、波那ちゃんのケータイ番号に通話発信します。三回ほどのコールではい、と穏やかな声で通話に出てくださいます。
「誠です」
『うん、どうしたの?』
「今伽月君のクラスの子から『倒れた』って電話かあって……」
『分かった、星哉には僕が連絡する。今学校に向かってるから』
「えっ?」
『テスト終わってすぐに病院に連れていく予定にしてたんだ。今日は熱っぽかったみたいだし、子供の頃掛かり付けだった病院で改めて診てもらおうところで思って。ΔΔΔ区立病院だよ』
分かりました。僕は通話を切り、居ても立ってもいられなくて何故か身支度を始めてしまいます。そのタイミングでお父さんが起きてきて、どうしたんだ?と訪ねてきます。
「お父さん、ΔΔΔ区立病院に行ってくる」
何で?お父さんは不思議そうに聞いてきます。ΔΔΔ区は伽月君と泰地君が春先まで住んでいた所です、ここからだと交通機関を使って一時間ちょっと掛かります。
「伽月君が倒れた、って……彼の学校の友達から連絡があったんだ。波那ちゃんにその事伝えたら『ΔΔΔ区立病院に連れていく』って。星哉君もう学校に向かってるんだって」
「って事はまだ病院に着いてないだろうし、入院すると決まった訳でもないだろ?ちょっと落ち着きなさい」
お父さんは僕の二の腕を擦りながら言います、子供の頃から僕たちが慌てた行動を起こし出すとこうやって気持ちを鎮めてくれるんです。
「まずはその連絡をくれた子に波那ちゃんに伝えた事と病院名を教えてあげなさい。それと泰地君に連絡して、今は波那ちゃんからの連絡を待ちなさい。身支度はそれから」
はい……僕は身支度を止めてケータイを掴み、輝君に波那ちゃんに伝えた事と病院名とメールで知らせました。その後泰地君に通話発信すると、ワンコールもしないうちに通話に出てくれました。
『伽月、倒れたんだってな。今颯天から連絡もらったんだ、さすがに兄さんと波那ちゃんの連絡先までは知らなかったみたいで』
午前中で仕事は切り上げるよ、泰地君はそう言いました。
『喘息がらみの事だと俺しか分かんないから。会社に帰省出来るか掛け合ってみる』
泰地君は仕事中だったのでそれで通話は切りましたが、颯天君の機転も手伝って少し落ち着いてきましたが、やっぱり伽月君が心配です。
「お父さん……」
「分かった、もしもの時は病院まで車で行こう。そうなると波那ちゃんも連れていく必要があるからね」
顔洗ってくる。お父さんは洗面所に向かい、僕は波那ちゃんからの連絡を待ちました。
ーーそれから一時間ほどが経過してーー
ブーッ、ブーッ、ブーッ。
「はい」
僕は画面もろくにチェックせずに通話に出てしまいましたが、波那ちゃんの優しい声で、誠君?と聞こえてきました。
『伽月入院だって、一泊か二泊程度だそうだけど』
そうですか……僕は一緒に待機してくれてるお父さんを見ます。
「代わるよ、今のうちに支度してきな」
「波那ちゃん、ちょっと待って。お父さんと代わるから」
えっ!?波那ちゃんはびっくりした声を上げていましたが、僕はお父さんにケータイを渡して身支度を再開します。その間お父さんが波那ちゃんと通話して、ΔΔΔ区立病院へ波那ちゃんも一緒に乗せて行く話がまとまりました。
ちょっと料理番組でも、とテレビを点けると桃の缶詰めを使ったゼリーを作っています。彼はどら焼に次いでゼリーが大好きなんです、僕は慌てて録画ボタンを押してレシピのメモを取りました。これでお見舞い品も決まった、番組終わったら作ってみようと決めたところでケータイが震え始めました。輝君から通話着信です、一体どうしたのかな?もしもし、彼の声は何だか慌ててる様でした。
『伽月が倒れた、ご家族の方に連絡してもらえるかな?』
えっ……?確かに体調不良とは聞いていましたが、まさか倒れるほどの事態になるなんて……僕は想像以上のショックで言葉が出てきません。
『誠君、聞いてる?』
「……分かった、連絡する」
僕は放心状態のまま通話を切り、波那ちゃんのケータイ番号に通話発信します。三回ほどのコールではい、と穏やかな声で通話に出てくださいます。
「誠です」
『うん、どうしたの?』
「今伽月君のクラスの子から『倒れた』って電話かあって……」
『分かった、星哉には僕が連絡する。今学校に向かってるから』
「えっ?」
『テスト終わってすぐに病院に連れていく予定にしてたんだ。今日は熱っぽかったみたいだし、子供の頃掛かり付けだった病院で改めて診てもらおうところで思って。ΔΔΔ区立病院だよ』
分かりました。僕は通話を切り、居ても立ってもいられなくて何故か身支度を始めてしまいます。そのタイミングでお父さんが起きてきて、どうしたんだ?と訪ねてきます。
「お父さん、ΔΔΔ区立病院に行ってくる」
何で?お父さんは不思議そうに聞いてきます。ΔΔΔ区は伽月君と泰地君が春先まで住んでいた所です、ここからだと交通機関を使って一時間ちょっと掛かります。
「伽月君が倒れた、って……彼の学校の友達から連絡があったんだ。波那ちゃんにその事伝えたら『ΔΔΔ区立病院に連れていく』って。星哉君もう学校に向かってるんだって」
「って事はまだ病院に着いてないだろうし、入院すると決まった訳でもないだろ?ちょっと落ち着きなさい」
お父さんは僕の二の腕を擦りながら言います、子供の頃から僕たちが慌てた行動を起こし出すとこうやって気持ちを鎮めてくれるんです。
「まずはその連絡をくれた子に波那ちゃんに伝えた事と病院名を教えてあげなさい。それと泰地君に連絡して、今は波那ちゃんからの連絡を待ちなさい。身支度はそれから」
はい……僕は身支度を止めてケータイを掴み、輝君に波那ちゃんに伝えた事と病院名とメールで知らせました。その後泰地君に通話発信すると、ワンコールもしないうちに通話に出てくれました。
『伽月、倒れたんだってな。今颯天から連絡もらったんだ、さすがに兄さんと波那ちゃんの連絡先までは知らなかったみたいで』
午前中で仕事は切り上げるよ、泰地君はそう言いました。
『喘息がらみの事だと俺しか分かんないから。会社に帰省出来るか掛け合ってみる』
泰地君は仕事中だったのでそれで通話は切りましたが、颯天君の機転も手伝って少し落ち着いてきましたが、やっぱり伽月君が心配です。
「お父さん……」
「分かった、もしもの時は病院まで車で行こう。そうなると波那ちゃんも連れていく必要があるからね」
顔洗ってくる。お父さんは洗面所に向かい、僕は波那ちゃんからの連絡を待ちました。
ーーそれから一時間ほどが経過してーー
ブーッ、ブーッ、ブーッ。
「はい」
僕は画面もろくにチェックせずに通話に出てしまいましたが、波那ちゃんの優しい声で、誠君?と聞こえてきました。
『伽月入院だって、一泊か二泊程度だそうだけど』
そうですか……僕は一緒に待機してくれてるお父さんを見ます。
「代わるよ、今のうちに支度してきな」
「波那ちゃん、ちょっと待って。お父さんと代わるから」
えっ!?波那ちゃんはびっくりした声を上げていましたが、僕はお父さんにケータイを渡して身支度を再開します。その間お父さんが波那ちゃんと通話して、ΔΔΔ区立病院へ波那ちゃんも一緒に乗せて行く話がまとまりました。
0
あなたにおすすめの小説
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
学校一のイケメンとひとつ屋根の下
おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった!
学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……?
キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子
立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。
全年齢
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる