68 / 145
やっとこさ本編
語り部ジャック 泰地編 帰省しました
しおりを挟む
皆様、弟の伽月がお世話になっております、兄の畠中泰地と申します。普段は新潟で暮らしてるのでそう登場はしませんが、弟の検査入院のため一週間の休暇を頂きました。アイツ今声出ないし、誠も忙しいみたいだから(?)語り部二人にはちょっと休んでもらってここに居る間だけ俺が代役を努めます。
伽月は物怖じしないから心配してなかったけど、誠はあがり症でウィスパーボイスだから最初は語り部なんて務まるのか?とも思ってたんだけど、何とかやってる様なんで俺の取り越し苦労でむしろホッとしてるくらいです。
俺の自己紹介とか……別に要らないですよね?一週間経って新潟に戻ればほとんど登場しませんし、伽月の兄貴とさえ認識して頂ければ、それ以上の事は特に必要な情報も無いですからね。
『伽月が学校で倒れました』
昨日俺は早朝出勤で会社のオフィスに居た。体育会系のせいか事務業務は苦手なんだけど、この日に限って言えば現場の業務じゃなかった事が幸いしたとも言えるのか。でないと颯天からの連絡を受け取れなかったかも知れないし、こうやって休暇を頂けたとも限らない。
新潟に来てから業務の半分は事務業務となっていて、体は楽なんだけど疲労感が心地良くなくてちょっとフラストレーション溜まってたところだった。
『もう七年目だからそろそろ事務業務も覚えていこうか』
新潟勤務になって最初に言われた上司の言葉だ。俺てっきり現場社員の補充だと思ってただけにちょっと肩透かし、事務業務覚える事なんて一生無いかな、と。正社員とは言え高卒の俺に事務業務とは……まぁ大抵は研修期間に現場に出てから事務業務覚えて営業職、ってのが大卒の出世街道ルートで、俺には無縁なハズなんだけど……世の中何が起こるか分からないな。
話が脱線してしまいましたが、ちょっと大袈裟めに言って休暇を勝ち取り、午前中に仕事を切り上げて当日中の帰省を目指そうと支度を済ませて車移動。幸い道は空いてて夕方……面会時間スレスレで間に合った。翌日にしても良かったんだけど、可愛い(?)弟が入院したと聞かされたらさすがに居ても立ってもいられない。『検査入院』と分かってても、やっぱり顔は見ておきたい。今でこそすくすくと俺の身長をあっさり抜き去って病気もほとんどしなくなったけど、子供の頃は色白でガリガリでしょっちゅう寝込んでたんだ。それをヘタに知ってるだけに顔見るまでは安心できなかったなぁ……。
……で、いざ見舞いに行くと体の方は声が出ないのと気管支の状態以外はそうでもなさそうだ。喘息の再発も見た感じしてなさそうだけど、こればっかりは素人では何とも言えない。ただちょっと浮かない顔してる、体云々とは違う元気の無さが気に掛かる。正直そっちの方が心配になってきた、伽月が悩む事と言えば大概はアレだ。
「悩み事ありそうな顔してるな」
って探りを入れてみたら、案の定首を横に振りやがった。コイツこの手の話題になると一旦は否定するんだ、心配掛けたくないとか負担になりたくないとか考えてやがる。普段はむしろスパスパ物事決められるくせに、こうなるとグズグズするんだよ、昔から。
「顔見りゃ分かる、俺を誰だと思ってんだ?」
こうでも言わなきゃ口を割らない、まぁ強要する事でもないとは思うけど、伽月は自分の事となると変に我慢するところがあって、こうでもしないとアウトプットせずにストレス溜め込むんだ。それに自分のせいで俺が将来を諦めてると思ってるフシすらある、その事についてはちゃんと話してやらないとな。
ようやっと勘念した弟はノートに悩み事を書き始めた。割とスラスラ書いてたんだけど、それをなかなか見せようとしない。多分だけど俺の勘が正しければ……まぁ見せにくいよな。
「……」
伽月は『驚かないか?』とでも言いたげな表情を見せてからおずおずとノートを差し出した。その内容と言うのが……。
【誠を好きになった】
……やっぱり、俺からすると『遂に来たか』だ。コイツはゲイじゃないけど誠の事となると話は別だ、多分男を好きになって悩んでる訳じゃない、誠に恋愛感情を持った事に悩んでる。生涯の友でいる事をその若さで決めちゃってるだけに、それとは違う感情が支配し始めて自分の気持ちもて余してるんだろうな。
伽月は物怖じしないから心配してなかったけど、誠はあがり症でウィスパーボイスだから最初は語り部なんて務まるのか?とも思ってたんだけど、何とかやってる様なんで俺の取り越し苦労でむしろホッとしてるくらいです。
俺の自己紹介とか……別に要らないですよね?一週間経って新潟に戻ればほとんど登場しませんし、伽月の兄貴とさえ認識して頂ければ、それ以上の事は特に必要な情報も無いですからね。
『伽月が学校で倒れました』
昨日俺は早朝出勤で会社のオフィスに居た。体育会系のせいか事務業務は苦手なんだけど、この日に限って言えば現場の業務じゃなかった事が幸いしたとも言えるのか。でないと颯天からの連絡を受け取れなかったかも知れないし、こうやって休暇を頂けたとも限らない。
新潟に来てから業務の半分は事務業務となっていて、体は楽なんだけど疲労感が心地良くなくてちょっとフラストレーション溜まってたところだった。
『もう七年目だからそろそろ事務業務も覚えていこうか』
新潟勤務になって最初に言われた上司の言葉だ。俺てっきり現場社員の補充だと思ってただけにちょっと肩透かし、事務業務覚える事なんて一生無いかな、と。正社員とは言え高卒の俺に事務業務とは……まぁ大抵は研修期間に現場に出てから事務業務覚えて営業職、ってのが大卒の出世街道ルートで、俺には無縁なハズなんだけど……世の中何が起こるか分からないな。
話が脱線してしまいましたが、ちょっと大袈裟めに言って休暇を勝ち取り、午前中に仕事を切り上げて当日中の帰省を目指そうと支度を済ませて車移動。幸い道は空いてて夕方……面会時間スレスレで間に合った。翌日にしても良かったんだけど、可愛い(?)弟が入院したと聞かされたらさすがに居ても立ってもいられない。『検査入院』と分かってても、やっぱり顔は見ておきたい。今でこそすくすくと俺の身長をあっさり抜き去って病気もほとんどしなくなったけど、子供の頃は色白でガリガリでしょっちゅう寝込んでたんだ。それをヘタに知ってるだけに顔見るまでは安心できなかったなぁ……。
……で、いざ見舞いに行くと体の方は声が出ないのと気管支の状態以外はそうでもなさそうだ。喘息の再発も見た感じしてなさそうだけど、こればっかりは素人では何とも言えない。ただちょっと浮かない顔してる、体云々とは違う元気の無さが気に掛かる。正直そっちの方が心配になってきた、伽月が悩む事と言えば大概はアレだ。
「悩み事ありそうな顔してるな」
って探りを入れてみたら、案の定首を横に振りやがった。コイツこの手の話題になると一旦は否定するんだ、心配掛けたくないとか負担になりたくないとか考えてやがる。普段はむしろスパスパ物事決められるくせに、こうなるとグズグズするんだよ、昔から。
「顔見りゃ分かる、俺を誰だと思ってんだ?」
こうでも言わなきゃ口を割らない、まぁ強要する事でもないとは思うけど、伽月は自分の事となると変に我慢するところがあって、こうでもしないとアウトプットせずにストレス溜め込むんだ。それに自分のせいで俺が将来を諦めてると思ってるフシすらある、その事についてはちゃんと話してやらないとな。
ようやっと勘念した弟はノートに悩み事を書き始めた。割とスラスラ書いてたんだけど、それをなかなか見せようとしない。多分だけど俺の勘が正しければ……まぁ見せにくいよな。
「……」
伽月は『驚かないか?』とでも言いたげな表情を見せてからおずおずとノートを差し出した。その内容と言うのが……。
【誠を好きになった】
……やっぱり、俺からすると『遂に来たか』だ。コイツはゲイじゃないけど誠の事となると話は別だ、多分男を好きになって悩んでる訳じゃない、誠に恋愛感情を持った事に悩んでる。生涯の友でいる事をその若さで決めちゃってるだけに、それとは違う感情が支配し始めて自分の気持ちもて余してるんだろうな。
0
あなたにおすすめの小説
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
学校一のイケメンとひとつ屋根の下
おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった!
学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……?
キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子
立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。
全年齢
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる