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やっとこさ本編
語り部ジャック 泰地編 悩める弟
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それだけなら何も俺に突っつかれるまで悩む事無く誠に告る選択をしてそうだけど、この後出してきた筆談の内容が伽月を悩ませているみたいだ。
【誠には今好きな奴がいる】
「そう言う事か……」
俺もここからは筆談での会話に切り替える。その方が気兼ね無く話せる、如何せん相部屋だからな。
【ひょっとして友達か?】
【俺のクラスメイト。出席順が前の奴なんだ。親しくしてるだけに波風立てる様な事したくない】
【それで納得出来るのか?】
【分からない】
歳の割にそこそこ恋愛経験あるくせに……これまでさほど考えてこなかったんだな。付き合う女の子が出来ても最優先はいつだって誠だったし、誠に何かあるとデートをすっぽかしたり途中で切り上げたりなんて事一度や二度じゃない。それが元で振られる事だってあったのに、それに関しては全く気にしてなかったからな。振られても平然としててあっさり次の子と付き合い始めるんだ、我が弟ながら大したタラシ状態なんだよ……んで質悪いのが無自覚でそれやってんだ、相手の子からしたら残酷極まりないんだぞ、それ。
まぁ今それを言っても仕方無いのか。ここへ来て誠、だもんなぁ……それにしてもよくここまで気付かなかったもんだよ、兄としてはそう思ってしまう。でも今はとにかく体を治す事が先決だな、そろそろ面会時間も終わりそうだからおいとましよう。
【今は何も考えなくて良い、ゆっくり休め】
筆談でそう伝えたタイミングで看護師さんが見回りにやって来て、面会時間の終了を知らされる。俺はちょっと名残惜しい気がしながらも病院をあとにした。
ΔΔΔ区立病院を出て兄夫婦の愛の巣に一週間厄介になる事になっている俺は、久し振りに波那ちゃんの飯が食えるのもちょっとした帰省の楽しみだったりするんだ。それくらい波那ちゃんの料理には癒しのパワーがある、きっと皆の幸せを真剣に願って料理を作ってくれてるんだと思う、ルックスも含めて天使だから。俺も料理はするからね、今でも基本自炊だし、職場にだって弁当持参だ。
「こんばんは」
俺が兄夫婦の自宅にお邪魔すると、波那ちゃんがお帰り。と出迎えてくれた。
「そこは『ただいま』って言って欲しかったな」
いやいや、いくら何でも実家とかじゃないんだし。まぁ兄さんがずっと住んでる家ではあるんだけど、正直『ただいま』とは言いづらい。
「ホント遠慮がちなところは三兄弟よく似てるよ」
波那ちゃんはその辺りの事を全く気にしない、きっと彼自身が養子ながらもそういうのを一切気にさせないように育ててくれた早苗さんたちの尽力の賜物と言えるのかも知れないな。
「じゃ、次からそうさせてもらうよ……ところで兄さんは?」
「お風呂だよ、明日は休日出勤だからね」
休日出勤とか意味分かんない。波那ちゃんは新妻みたいな事を言ってため息吐いてる。う~ん、一家の家計を担う男としては休日出勤をして家庭を豊かにしたいって事だと思うけど……多分ちょこっと愚痴りたいだけなんだと思う、そういうとこ女性的だから。
「風呂上がったぞ……おぅ、帰ってたか」
「うん、ただいま。ひとまず服、着ない?」
兄さんはオッサンかと言いたくなるくらいに家では気ぃ抜けまくってんだな。三十代前半にして家中パンツ一丁で歩き回るなんて……娘いたら明らかに嫌われてるな、それ。
「今年は空梅雨だから暑いのは分かるけど……はい、パジャマ着て」
波那ちゃん、そこには寛容なんだな……波那ちゃんは兄さんにパジャマを手渡してキッチンに引っ込んでいく。
「手伝うよ、波那ちゃん」
「明日からでいいって、先ずはお風呂入ってきな」
疲れ落としといで。せっせと家事仕事をこなしている波那ちゃんを尻目に、俺はお言葉に甘えて風呂を頂く事にする。その時ふと伽月との筆談の内容を思い出し、二人は気付いてるのかな?とちょっとだけ気になってしまった。
【誠には今好きな奴がいる】
「そう言う事か……」
俺もここからは筆談での会話に切り替える。その方が気兼ね無く話せる、如何せん相部屋だからな。
【ひょっとして友達か?】
【俺のクラスメイト。出席順が前の奴なんだ。親しくしてるだけに波風立てる様な事したくない】
【それで納得出来るのか?】
【分からない】
歳の割にそこそこ恋愛経験あるくせに……これまでさほど考えてこなかったんだな。付き合う女の子が出来ても最優先はいつだって誠だったし、誠に何かあるとデートをすっぽかしたり途中で切り上げたりなんて事一度や二度じゃない。それが元で振られる事だってあったのに、それに関しては全く気にしてなかったからな。振られても平然としててあっさり次の子と付き合い始めるんだ、我が弟ながら大したタラシ状態なんだよ……んで質悪いのが無自覚でそれやってんだ、相手の子からしたら残酷極まりないんだぞ、それ。
まぁ今それを言っても仕方無いのか。ここへ来て誠、だもんなぁ……それにしてもよくここまで気付かなかったもんだよ、兄としてはそう思ってしまう。でも今はとにかく体を治す事が先決だな、そろそろ面会時間も終わりそうだからおいとましよう。
【今は何も考えなくて良い、ゆっくり休め】
筆談でそう伝えたタイミングで看護師さんが見回りにやって来て、面会時間の終了を知らされる。俺はちょっと名残惜しい気がしながらも病院をあとにした。
ΔΔΔ区立病院を出て兄夫婦の愛の巣に一週間厄介になる事になっている俺は、久し振りに波那ちゃんの飯が食えるのもちょっとした帰省の楽しみだったりするんだ。それくらい波那ちゃんの料理には癒しのパワーがある、きっと皆の幸せを真剣に願って料理を作ってくれてるんだと思う、ルックスも含めて天使だから。俺も料理はするからね、今でも基本自炊だし、職場にだって弁当持参だ。
「こんばんは」
俺が兄夫婦の自宅にお邪魔すると、波那ちゃんがお帰り。と出迎えてくれた。
「そこは『ただいま』って言って欲しかったな」
いやいや、いくら何でも実家とかじゃないんだし。まぁ兄さんがずっと住んでる家ではあるんだけど、正直『ただいま』とは言いづらい。
「ホント遠慮がちなところは三兄弟よく似てるよ」
波那ちゃんはその辺りの事を全く気にしない、きっと彼自身が養子ながらもそういうのを一切気にさせないように育ててくれた早苗さんたちの尽力の賜物と言えるのかも知れないな。
「じゃ、次からそうさせてもらうよ……ところで兄さんは?」
「お風呂だよ、明日は休日出勤だからね」
休日出勤とか意味分かんない。波那ちゃんは新妻みたいな事を言ってため息吐いてる。う~ん、一家の家計を担う男としては休日出勤をして家庭を豊かにしたいって事だと思うけど……多分ちょこっと愚痴りたいだけなんだと思う、そういうとこ女性的だから。
「風呂上がったぞ……おぅ、帰ってたか」
「うん、ただいま。ひとまず服、着ない?」
兄さんはオッサンかと言いたくなるくらいに家では気ぃ抜けまくってんだな。三十代前半にして家中パンツ一丁で歩き回るなんて……娘いたら明らかに嫌われてるな、それ。
「今年は空梅雨だから暑いのは分かるけど……はい、パジャマ着て」
波那ちゃん、そこには寛容なんだな……波那ちゃんは兄さんにパジャマを手渡してキッチンに引っ込んでいく。
「手伝うよ、波那ちゃん」
「明日からでいいって、先ずはお風呂入ってきな」
疲れ落としといで。せっせと家事仕事をこなしている波那ちゃんを尻目に、俺はお言葉に甘えて風呂を頂く事にする。その時ふと伽月との筆談の内容を思い出し、二人は気付いてるのかな?とちょっとだけ気になってしまった。
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