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やっとこさ本編
語り部ジャック 泰地編 兄嫁の名(?)推理
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「昨日ね、淳二さんの迎えで誠君とも病院に行ったんだ」
うん。昨日確かそう言ってたよな。
「最初は家族である僕たちだけが病室に入って、入院の手続きをする時に小田原親子に留守をお願いしたの。まだ意識が戻ってなかったから、目が覚めた時に一人なのよりは良いかと思って。
で、僕たちが入院の手続きを終えて病室に戻ったらちょうど意識が戻ったよ、って淳二さんが見舞いに来てくれてた担任の先生とクラスメイトの男の子四人を呼びに出てこられてて。それで先生に挨拶を済ませて中に入った時の二人だけの空気がいつもと違ってたんだ」
波那ちゃんはミルクスープを一口飲んで一息つく。
「伽月が変だったの?それとも誠が変だったの?」
「う~ん、今思えば二人とも変、だったかな。伽月はここへきて自分の気持ちに気付いちゃったからそれで変によそよそしくなっちゃってるし、誠君は……どうもお見舞いメンバーの中に親しくしてる子がいたみたいなんだよね」
って事は出席順が前の男の子が混じってた……んだろうな。
「きっとね、今二人とも関係性が変わっていってる事への不安があるんだと思う。伽月は自分の気持ちが変わっちゃった事、誠君は新しい恋に目覚めちゃった事」
「……二人は多分元の関係を続けようとしてるから逆に気まずくなってるんだろうな」
「うん、やっぱり泰地だと話が早いや」
波那ちゃんは俺に笑顔を向けてサンドウィッチを小さくかじった。俺は最後の一切れになったサンドウィッチを食べ切って、コーヒーを飲む。伽月は自分の気持ちを伝えない事で均衡を破らず、誠の気持ちを最優先にするつもりだ。でもそれって“元の関係”なのか?
「今のままだとお互いが傷付くよ、最悪他人以下になるかもね」
他人以下……そうなるくらいならアイツは正直に気持ち伝えてフラれる方がまだ良い様な気がする。
「そうなる前に伽月は誠に気持ち伝えるべきだと思ってる。ただ、今のアイツはそれをする気は無いみたいだけど」
「確かにその方が気持ちの整理は付け易いよね、伽月には『もうちょっと主観で動いて良い』とは言ったんだけど……」
波那ちゃんのアドバイスは的確なんだけど、相手が誠となると難しいだろうなぁ……。
「相手が相手だからちょっと難しすぎたみたい、主語が全部誠君に刷り変わっちゃうんだもん」
ドツボに填まらなきゃ良いんだけど……波那ちゃんは紅茶を飲んで物思いに耽ってる表情を見せてる。まるで息子の行動に一喜一憂してる母親みたいだな、って言っても一応男性なんだけど。
「どうする?って俺たちが騒ぐのも変だよね?今日明日どうこうなる事でもないから当面は静観するしか無さそうだけど……」
「まぁ僕たちオッサンは動かない方が良いかもね。たださ、誠君迎えに行ったら動きとか態度とかちょこっとだけ気にかけて欲しいんだ。さっきの電話の感じがちょっと引っ掛かる」
「引っ掛かるってどう?」
「うん、物凄く変な緊張してたの。だって伽月が居ようが居まいがこれまで普通に遊びに来てたじゃない」
「変な緊張?今更?」
マジで?波那ちゃん相手の電話でか?普段ならはしゃぎ気味なくらい嬉しそうに通話してくるのに?
「元々声は小さいけど、今日は何だかモゴモゴしてるし喋り方もたどたどしくて……昨日の伽月の態度がよっぽど堪えたのかなぁ?」
「そうかも知れないな、気に掛けておくよ」
俺はコーヒーを飲み干して席を立とうとしたんだけど、波那ちゃんの話はこれで終わりじゃなかったんだ。
「話を元に戻すけど、誰も何もしないって訳にもいかないんだよ」
「へ?さっき静観する方向で……」
「それは僕たち大人が、って事。こんな時に適任なのが居るんだってば」
って事は伽月と誠両方知ってる同世代の奴って事だよな。今俺が思い付くのは颯天と……いや、ちょっと待て波那ちゃん!それはどうだろうか?確かにあの子は誠とも仲良いよ、けど今の事態にはむしろ参加させちゃダメだろ?
「泰地、今誰の事考えてた?心配しなくてもあの子じゃないよ、それどころじゃなく忙しくしてるからね」
ほら。波那ちゃんはトレンド雑誌をテーブルの上に置いた。そこには四分の一程度ながらもあの子に関する記事が載っている。へぇ、アイドルグループのメンバーになったんだ……ってじゃあ誰なんだ?そう言う意味なら颯天だって忙しいぞ。
「誰?あと颯天くらいしか思い付かないよ」
「何言ってんの。最高なのが一人、居るじゃない」
波那ちゃんはその人物の名前を挙げた。えっ!?そこ行くか!?
うん。昨日確かそう言ってたよな。
「最初は家族である僕たちだけが病室に入って、入院の手続きをする時に小田原親子に留守をお願いしたの。まだ意識が戻ってなかったから、目が覚めた時に一人なのよりは良いかと思って。
で、僕たちが入院の手続きを終えて病室に戻ったらちょうど意識が戻ったよ、って淳二さんが見舞いに来てくれてた担任の先生とクラスメイトの男の子四人を呼びに出てこられてて。それで先生に挨拶を済ませて中に入った時の二人だけの空気がいつもと違ってたんだ」
波那ちゃんはミルクスープを一口飲んで一息つく。
「伽月が変だったの?それとも誠が変だったの?」
「う~ん、今思えば二人とも変、だったかな。伽月はここへきて自分の気持ちに気付いちゃったからそれで変によそよそしくなっちゃってるし、誠君は……どうもお見舞いメンバーの中に親しくしてる子がいたみたいなんだよね」
って事は出席順が前の男の子が混じってた……んだろうな。
「きっとね、今二人とも関係性が変わっていってる事への不安があるんだと思う。伽月は自分の気持ちが変わっちゃった事、誠君は新しい恋に目覚めちゃった事」
「……二人は多分元の関係を続けようとしてるから逆に気まずくなってるんだろうな」
「うん、やっぱり泰地だと話が早いや」
波那ちゃんは俺に笑顔を向けてサンドウィッチを小さくかじった。俺は最後の一切れになったサンドウィッチを食べ切って、コーヒーを飲む。伽月は自分の気持ちを伝えない事で均衡を破らず、誠の気持ちを最優先にするつもりだ。でもそれって“元の関係”なのか?
「今のままだとお互いが傷付くよ、最悪他人以下になるかもね」
他人以下……そうなるくらいならアイツは正直に気持ち伝えてフラれる方がまだ良い様な気がする。
「そうなる前に伽月は誠に気持ち伝えるべきだと思ってる。ただ、今のアイツはそれをする気は無いみたいだけど」
「確かにその方が気持ちの整理は付け易いよね、伽月には『もうちょっと主観で動いて良い』とは言ったんだけど……」
波那ちゃんのアドバイスは的確なんだけど、相手が誠となると難しいだろうなぁ……。
「相手が相手だからちょっと難しすぎたみたい、主語が全部誠君に刷り変わっちゃうんだもん」
ドツボに填まらなきゃ良いんだけど……波那ちゃんは紅茶を飲んで物思いに耽ってる表情を見せてる。まるで息子の行動に一喜一憂してる母親みたいだな、って言っても一応男性なんだけど。
「どうする?って俺たちが騒ぐのも変だよね?今日明日どうこうなる事でもないから当面は静観するしか無さそうだけど……」
「まぁ僕たちオッサンは動かない方が良いかもね。たださ、誠君迎えに行ったら動きとか態度とかちょこっとだけ気にかけて欲しいんだ。さっきの電話の感じがちょっと引っ掛かる」
「引っ掛かるってどう?」
「うん、物凄く変な緊張してたの。だって伽月が居ようが居まいがこれまで普通に遊びに来てたじゃない」
「変な緊張?今更?」
マジで?波那ちゃん相手の電話でか?普段ならはしゃぎ気味なくらい嬉しそうに通話してくるのに?
「元々声は小さいけど、今日は何だかモゴモゴしてるし喋り方もたどたどしくて……昨日の伽月の態度がよっぽど堪えたのかなぁ?」
「そうかも知れないな、気に掛けておくよ」
俺はコーヒーを飲み干して席を立とうとしたんだけど、波那ちゃんの話はこれで終わりじゃなかったんだ。
「話を元に戻すけど、誰も何もしないって訳にもいかないんだよ」
「へ?さっき静観する方向で……」
「それは僕たち大人が、って事。こんな時に適任なのが居るんだってば」
って事は伽月と誠両方知ってる同世代の奴って事だよな。今俺が思い付くのは颯天と……いや、ちょっと待て波那ちゃん!それはどうだろうか?確かにあの子は誠とも仲良いよ、けど今の事態にはむしろ参加させちゃダメだろ?
「泰地、今誰の事考えてた?心配しなくてもあの子じゃないよ、それどころじゃなく忙しくしてるからね」
ほら。波那ちゃんはトレンド雑誌をテーブルの上に置いた。そこには四分の一程度ながらもあの子に関する記事が載っている。へぇ、アイドルグループのメンバーになったんだ……ってじゃあ誰なんだ?そう言う意味なら颯天だって忙しいぞ。
「誰?あと颯天くらいしか思い付かないよ」
「何言ってんの。最高なのが一人、居るじゃない」
波那ちゃんはその人物の名前を挙げた。えっ!?そこ行くか!?
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