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やっとこさ本編
語り部ジャック 泰地編 誠が家にやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!
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午後二時過ぎ、そろそろ来るだろうなと思われる(って予測立ててたのは波那ちゃんなんだけど)時間に合わせて俺は駅南口のロータリーに車を停める。確か誠が来る方面の電車が七分着なんだよ。電車降りてから地下道通って改札口に出るから……おっ、出てきた。
「泰地君?」
誠は俺の車に気付いて駆け寄ってくる。ゼリーの入った小さめのクーラーボックス抱えて、髪の毛も波那ちゃんくらいのボブカットまで伸びてる。しかもちびっこくて前髪をてっぺんでピンで留めてるからボーイッシュな女の子みたいだな。
んで急にあれ?みたいな顔してバッグからケータイ取り出して画面チェックしてる。そんな姿がちょっと可笑しくて送ってないよ、と教えてやった。そしたらホッとした表情を見せて俺の車に乗り込み、ほんのわずか五分程度の車移動で誠の様子を伺ってみる。
今のところ普段とさほど変わらない。髪の毛伸ばしてるのか?から話を切り出し、文化祭でヒロイン役をやった事にも触れてみる。俺は伽月が送ってくれた画像でしか知らないけど、それなりの大反響で一躍人気者状態だったらしい、とは聞いてる。本人は相当恥ずかしがってたみたいだけど、この短期間で随分と垢抜けた印象は確かにあるな。
「そのバッグの中身、ゼリーだよな?」
「うん、昨日テレビで見たのが美味しそうで作ってみたんだ」
「あぁ。今からの季節なら桃か?」
……ゼリーの話題に関しては普通だな、“桃”と言う単語にも特におかしな反応は見られない。でも桃のゼリーをチョイスしてる時点で伽月仕様の柔らかめと見た。家に缶詰が残ってた、とは言ってるけど多分後付けだな。桃が無ければミカンで作るとかってな発想はしないはずだ。
「伽月に残しといてやらないとな、アイツゼリー好物だから」
“伽月”と言う単語で誠はクーラーボックスを抱えて俯いてしまった。やっぱり波那ちゃんの読みは当たってるみたいだな。
どした?俺は信号待ちの間に誠の顔を覗き込むと、昨日は水を飲むのも辛そうにしてたから……とかなり本気で心配してる。
「喉の痛みは大分引いたみたいだぞ、声はまだ出ないみたいだけど。今朝兄さんがサンドウィッチ持ってったよ」
食事がちゃんと摂れてると分かると誠の表情が少し緩む。伽月は“誠には好きな相手がいる”なんて言ってるけど、行動次第で逆転は可能だと思うぞ、俺は。
「心配しなくても多分普通に食ってると思うよ、だから俺たちは今日のうちに食っとかないと取り分無くなるな」
誠は精一杯の笑顔を見せて頷いた。この表情は惚れた晴れたを抜きにしても可愛いと思う。もっと笑えば良いのに、引っ込み思案の人見知りだから親しくしてる相手以外には滅多に見せないんだ。
たった五分の車移動はあっと言う間に終わりを迎え、兄さんの住むマンションの来客用駐車場に車を停める。誠を連れて家に入ると、兄さんも仕事を終えて帰宅してた。
「ただいま」
「お帰り。いらっしゃい、誠君」
ゼリー見せて。波那ちゃんがクーラーボックスに興味を示すと、誠は嬉しそうにそれを彼に渡す。
「結構ずっしりだね」
「うん、五~六人分はあるから」
「星哉も戻ってきてるから、皆で一緒に頂こうね」
はい。誠は波那ちゃんの手伝いをするのが好きで、早速お手伝いします、なんて言ってる。いつも思うけど、お客さんは手伝いなんてしなくても良いんだぞ。波那ちゃんも一旦は断ってるんだけど、誠はほぼほぼ引き下がらないし、多分彼の技を学びたいって考えもあるんだろうな。誠は波那ちゃんと一緒にキッチンに入り、通りかかる際に兄さんにも挨拶をしていく。
「誠、文化祭以来女子化してないか?」
「そ、そうですか?最近は姉が服を選んでくれるので……『髪形を変えるなら服もそれに見合う物に変えた方が良い』って」
確かに、小柄な上に髪の毛を伸ばしてる誠には紳士服じゃ合わないだろうな。綾さんならアパレル勤務の友達も多いし、誠のイメチェンには適任だ。因みに俺もたまにお世話になってます、彼女の人脈のお陰で行きつけのお店もあるし。
「何だ、思春期真っ只中じゃねぇか?ハーレム状態らしいじゃねぇか」
ん?兄さん何言ってんだ?“同じ穴のムジナ”だろ?
「泰地君?」
誠は俺の車に気付いて駆け寄ってくる。ゼリーの入った小さめのクーラーボックス抱えて、髪の毛も波那ちゃんくらいのボブカットまで伸びてる。しかもちびっこくて前髪をてっぺんでピンで留めてるからボーイッシュな女の子みたいだな。
んで急にあれ?みたいな顔してバッグからケータイ取り出して画面チェックしてる。そんな姿がちょっと可笑しくて送ってないよ、と教えてやった。そしたらホッとした表情を見せて俺の車に乗り込み、ほんのわずか五分程度の車移動で誠の様子を伺ってみる。
今のところ普段とさほど変わらない。髪の毛伸ばしてるのか?から話を切り出し、文化祭でヒロイン役をやった事にも触れてみる。俺は伽月が送ってくれた画像でしか知らないけど、それなりの大反響で一躍人気者状態だったらしい、とは聞いてる。本人は相当恥ずかしがってたみたいだけど、この短期間で随分と垢抜けた印象は確かにあるな。
「そのバッグの中身、ゼリーだよな?」
「うん、昨日テレビで見たのが美味しそうで作ってみたんだ」
「あぁ。今からの季節なら桃か?」
……ゼリーの話題に関しては普通だな、“桃”と言う単語にも特におかしな反応は見られない。でも桃のゼリーをチョイスしてる時点で伽月仕様の柔らかめと見た。家に缶詰が残ってた、とは言ってるけど多分後付けだな。桃が無ければミカンで作るとかってな発想はしないはずだ。
「伽月に残しといてやらないとな、アイツゼリー好物だから」
“伽月”と言う単語で誠はクーラーボックスを抱えて俯いてしまった。やっぱり波那ちゃんの読みは当たってるみたいだな。
どした?俺は信号待ちの間に誠の顔を覗き込むと、昨日は水を飲むのも辛そうにしてたから……とかなり本気で心配してる。
「喉の痛みは大分引いたみたいだぞ、声はまだ出ないみたいだけど。今朝兄さんがサンドウィッチ持ってったよ」
食事がちゃんと摂れてると分かると誠の表情が少し緩む。伽月は“誠には好きな相手がいる”なんて言ってるけど、行動次第で逆転は可能だと思うぞ、俺は。
「心配しなくても多分普通に食ってると思うよ、だから俺たちは今日のうちに食っとかないと取り分無くなるな」
誠は精一杯の笑顔を見せて頷いた。この表情は惚れた晴れたを抜きにしても可愛いと思う。もっと笑えば良いのに、引っ込み思案の人見知りだから親しくしてる相手以外には滅多に見せないんだ。
たった五分の車移動はあっと言う間に終わりを迎え、兄さんの住むマンションの来客用駐車場に車を停める。誠を連れて家に入ると、兄さんも仕事を終えて帰宅してた。
「ただいま」
「お帰り。いらっしゃい、誠君」
ゼリー見せて。波那ちゃんがクーラーボックスに興味を示すと、誠は嬉しそうにそれを彼に渡す。
「結構ずっしりだね」
「うん、五~六人分はあるから」
「星哉も戻ってきてるから、皆で一緒に頂こうね」
はい。誠は波那ちゃんの手伝いをするのが好きで、早速お手伝いします、なんて言ってる。いつも思うけど、お客さんは手伝いなんてしなくても良いんだぞ。波那ちゃんも一旦は断ってるんだけど、誠はほぼほぼ引き下がらないし、多分彼の技を学びたいって考えもあるんだろうな。誠は波那ちゃんと一緒にキッチンに入り、通りかかる際に兄さんにも挨拶をしていく。
「誠、文化祭以来女子化してないか?」
「そ、そうですか?最近は姉が服を選んでくれるので……『髪形を変えるなら服もそれに見合う物に変えた方が良い』って」
確かに、小柄な上に髪の毛を伸ばしてる誠には紳士服じゃ合わないだろうな。綾さんならアパレル勤務の友達も多いし、誠のイメチェンには適任だ。因みに俺もたまにお世話になってます、彼女の人脈のお陰で行きつけのお店もあるし。
「何だ、思春期真っ只中じゃねぇか?ハーレム状態らしいじゃねぇか」
ん?兄さん何言ってんだ?“同じ穴のムジナ”だろ?
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