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やっとこさ本編
ここで思わぬ訪問者……
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期末テスト明けに倒れて一週間、喉の痛みも取れて食事も一人分は食べられる(とは言え普段の半分程度なんだよ)けど、相変わらず声は出ねぇ体温も微熱から下がらねぇでこのところずっとダルい。しかも今日は誠と輝の遊園地デート、本来なら二人の恋愛成就でも祈るところなんだけどそんな余裕すら無くただただダルい。俺さっきからダルいしか言ってねぇや、昨日兄貴は滞在の延期を決めてもう何日か居るみたいだし……精神的にはめちゃくちゃありがたいけど、俺のせいで生活狂わせてるのが申し訳無くてさ。
「ちゃんと治ったとこ見届けないと、仕事に戻っても気が気じゃないからな」
だからって焦んなくて良いよ。兄貴は昨日古い同級生とばったり会って、そのまま飲み会に発展して帰宅は深夜だった。ハンドルキーパーだったから酒は飲んでなかったけど、ここへきて休暇を満喫する気満々みたいだ。
「どうせ二年で消滅する有給なんだ、半分くらい使ってやろうかな?」
なんて事言って俺を気遣ってくれてるんだ。我が兄ながら優しいと思う、ホントこの人が兄貴で良かったよ。それにこういう時家に誰かが居てくれるだけでも精神的に安心度が全然違う、兄さんも定時で帰ってきてくれるし、波那ちゃんも毎食俺のワガママに合わせた食事を用意してくれるんだ。だからこそ早く回復したいのに微熱状態が続いてる、明日ΔΔΔ区立病院に改めて行こうという話で今のところまとまってる。
水曜日に誠が輝を連れて見舞いに来てくれたのは正直嬉しかったんだ、でも実際にツーショットを見た時は予想以上にショックで、笑顔作って取り繕うだけで必死だった。折角来てくれたのに申し訳無いが、とっとと帰ってくれって思っちまったんだ。二人とも良い奴らなのに、嫌いになった訳じゃねぇのに……自分の醜い感情に自己嫌悪状態だよ。マジで嫌になる、俺自身の事が。
それにここ一週間、ほぼ毎日の様に誠からメールが届く。テストの結果の事、勇の部活動の事、学校の友達の事、そして輝の事。それとほぼ丸被りの内容のメールが輝からも届く。本人らに悪気は無いんだろうが正直キツい、だからって伝えてやりもしないけど。
結局今朝も七度六分と微熱状態、朝からグダグダと答えの見つからねぇ事ばっか考えてる。何もする気が起こらねぇ……高熱出した翌日にΔΔΔ区立病院の先生が出張ついでに診察に来てくれたけど、体の方は全く異常なし。知恵熱っぽいからあんまり頭働かせるな、って言われたんだ。
はぁ~ダリィ……考えるのを止めたい俺は芸術家らしきおっちゃんに貰った木製の球体を手に取る。今は心臓の下書きがしてあって、ちょっとずつ彫り進めてるところだ。んで、麗未ちゃんに相談した結果、半分に切って中身も分かるようにしてみたら?とのアドバイスをもらい、まずはせっせとこの硬い球体を心臓の形にしているんだ。テスト期間中から作業が止まってる、頭使いたくねぇからちょっと作業しようかな?
俺は彫刻刀とゴミ箱をベッドの上に置き、ゴミ箱を脚で挟んでその上で球体を彫る。最初のうちは雑念がチラチラ浮かんでたんだけど、細かい作業で一歩間違えると怪我に繋がるのでとにかく指先に集中させていく。そのうち周囲の音も耳に入らなくなって、すっかり夢中になっていた。
それからどれくらい時間が経ったのかは分かんねぇけど、ピンポン♪というチャイムの音でハッと我に返る。はい、波那ちゃんが玄関に出て応対してるのが聞こえてくる。
『伽月、お前にお客さんだ。田丸君って同じ学校の子が来てるけど』
兄さんが部屋の外から声を掛けて中に入ってきた。俺は彫刻刀からスケッチブックに持ち変えて【エスカレーター組の奴】と書いて見せる。
「そうか、通して大丈夫だな」
うん、と頷くと波那ちゃんが田丸を連れて部屋の前までやって来た。
「今日は……調子悪くなさそうだね」
うん。さっきの彫刻のお陰で幾分気分は晴れていたので俺は大丈夫と頷いた。田丸は見舞いの菓子折りか何かを波那ちゃんに手渡して部屋に入ってくる。
「調子はどう?まぁ良くはないんだろうけど」
それに対する俺の返事はコレ。
【だったら気遣え、一時間半も掛けて来んな】
田丸の自宅はΔΔΔ区よりも遠く、隣県との県境に程近い。かと言って辺鄙さは一切無くて、芸能人や財界のお偉方が多く住んでるいわば高級住宅街だ。確か光畑も割とご近所に住んでるはずだ。
「良いじゃない、愛しい君が倒れたとなれば心配するのは当然でしょ」
……お前、最近開き直ってないか?キャラ崩壊気味だぞ。
【気持ち悪い事言うな】
「随分な言い草じゃない、辛気臭い顔してさ。恋煩いも大概にしてほしいよ」
「誰が恋煩いだ!?」
おっ、勢いで声が出た!けどアヒルキャラみたいにグワァグワァ言ってて、自分でもイマイチ何言ってんのか分かんねぇ。実際には多分……。
「グワァーガグォイグワァーイガ!?」
って感じなんだろうな。
「あっ、何言ってるか分かんないから書いて」
……それが心配してる態度か?
「ちゃんと治ったとこ見届けないと、仕事に戻っても気が気じゃないからな」
だからって焦んなくて良いよ。兄貴は昨日古い同級生とばったり会って、そのまま飲み会に発展して帰宅は深夜だった。ハンドルキーパーだったから酒は飲んでなかったけど、ここへきて休暇を満喫する気満々みたいだ。
「どうせ二年で消滅する有給なんだ、半分くらい使ってやろうかな?」
なんて事言って俺を気遣ってくれてるんだ。我が兄ながら優しいと思う、ホントこの人が兄貴で良かったよ。それにこういう時家に誰かが居てくれるだけでも精神的に安心度が全然違う、兄さんも定時で帰ってきてくれるし、波那ちゃんも毎食俺のワガママに合わせた食事を用意してくれるんだ。だからこそ早く回復したいのに微熱状態が続いてる、明日ΔΔΔ区立病院に改めて行こうという話で今のところまとまってる。
水曜日に誠が輝を連れて見舞いに来てくれたのは正直嬉しかったんだ、でも実際にツーショットを見た時は予想以上にショックで、笑顔作って取り繕うだけで必死だった。折角来てくれたのに申し訳無いが、とっとと帰ってくれって思っちまったんだ。二人とも良い奴らなのに、嫌いになった訳じゃねぇのに……自分の醜い感情に自己嫌悪状態だよ。マジで嫌になる、俺自身の事が。
それにここ一週間、ほぼ毎日の様に誠からメールが届く。テストの結果の事、勇の部活動の事、学校の友達の事、そして輝の事。それとほぼ丸被りの内容のメールが輝からも届く。本人らに悪気は無いんだろうが正直キツい、だからって伝えてやりもしないけど。
結局今朝も七度六分と微熱状態、朝からグダグダと答えの見つからねぇ事ばっか考えてる。何もする気が起こらねぇ……高熱出した翌日にΔΔΔ区立病院の先生が出張ついでに診察に来てくれたけど、体の方は全く異常なし。知恵熱っぽいからあんまり頭働かせるな、って言われたんだ。
はぁ~ダリィ……考えるのを止めたい俺は芸術家らしきおっちゃんに貰った木製の球体を手に取る。今は心臓の下書きがしてあって、ちょっとずつ彫り進めてるところだ。んで、麗未ちゃんに相談した結果、半分に切って中身も分かるようにしてみたら?とのアドバイスをもらい、まずはせっせとこの硬い球体を心臓の形にしているんだ。テスト期間中から作業が止まってる、頭使いたくねぇからちょっと作業しようかな?
俺は彫刻刀とゴミ箱をベッドの上に置き、ゴミ箱を脚で挟んでその上で球体を彫る。最初のうちは雑念がチラチラ浮かんでたんだけど、細かい作業で一歩間違えると怪我に繋がるのでとにかく指先に集中させていく。そのうち周囲の音も耳に入らなくなって、すっかり夢中になっていた。
それからどれくらい時間が経ったのかは分かんねぇけど、ピンポン♪というチャイムの音でハッと我に返る。はい、波那ちゃんが玄関に出て応対してるのが聞こえてくる。
『伽月、お前にお客さんだ。田丸君って同じ学校の子が来てるけど』
兄さんが部屋の外から声を掛けて中に入ってきた。俺は彫刻刀からスケッチブックに持ち変えて【エスカレーター組の奴】と書いて見せる。
「そうか、通して大丈夫だな」
うん、と頷くと波那ちゃんが田丸を連れて部屋の前までやって来た。
「今日は……調子悪くなさそうだね」
うん。さっきの彫刻のお陰で幾分気分は晴れていたので俺は大丈夫と頷いた。田丸は見舞いの菓子折りか何かを波那ちゃんに手渡して部屋に入ってくる。
「調子はどう?まぁ良くはないんだろうけど」
それに対する俺の返事はコレ。
【だったら気遣え、一時間半も掛けて来んな】
田丸の自宅はΔΔΔ区よりも遠く、隣県との県境に程近い。かと言って辺鄙さは一切無くて、芸能人や財界のお偉方が多く住んでるいわば高級住宅街だ。確か光畑も割とご近所に住んでるはずだ。
「良いじゃない、愛しい君が倒れたとなれば心配するのは当然でしょ」
……お前、最近開き直ってないか?キャラ崩壊気味だぞ。
【気持ち悪い事言うな】
「随分な言い草じゃない、辛気臭い顔してさ。恋煩いも大概にしてほしいよ」
「誰が恋煩いだ!?」
おっ、勢いで声が出た!けどアヒルキャラみたいにグワァグワァ言ってて、自分でもイマイチ何言ってんのか分かんねぇ。実際には多分……。
「グワァーガグォイグワァーイガ!?」
って感じなんだろうな。
「あっ、何言ってるか分かんないから書いて」
……それが心配してる態度か?
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