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やっとこさ本編
語り部ジャック 波那編 秘密兵器の思惑
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「そろそろ兄ちゃんとの関係を変えた方が良いんじゃないか、とはかねてより思ってたましたので、『兄ちゃんと付き合う方向で一度真剣に考えてみてよ』って話はしました」
「そう、それでか……フライングではあるけど、そっちの方は君の思惑通りに進んでるよ」
ホントですか!?勇君の表情がパッと明るくなって笑顔を見せてきます。
「ただ伽月君今は体調崩しちゃってるんですよね?」
「うん、昨日誠君がゼリー持って家に来たよ。察するに可能性は零じゃないと思うけどね」
「……正直兄の方が先に気付くと思ってたので今頓挫してる状態なんです。無自覚ながらも伽月君に気持ちはあるくせに別の方にときめいてる訳ですから。今僕が動くと逆効果になりそうで」
ちょうど困ってたところなんです。勇君きっと誰にも言わず一人でコツコツ気付かれない様働きかけてたんだろうなぁ……普段こんなにあっさり口割らないのに、一人でするには限界が見えてきたのかな?
「ところで、お父さんとお母さんにこの事は?」
「誰にも話してないです。勘付かれてる可能性はあると思いますが……」
「そうかも知れないけど、今は話さない方が良いかもね」
「はい、両親は本人の気持ちを尊重しよう、って感じですし、姉ちゃんは全面協力中ですから」
それで『今動くと逆効果』な訳ね。綾ちゃんが誠君をバックアップしてるとなると勇君は動きにくいよね。『人の恋路にケチ付けんじゃない!』とか言いそうだもん、彼女。
でも勇君どうして誠君と伽月をくっ付けようなんて思ったのかな?本来冷静で客観視も出来る子だから、普段そういうとこに拘ったりする性格じゃないのに……何かしらのきっかけでもあったのかな?
「根本的な質問をするけど、どうしてあの二人をカップルにしたいと思ってるの?」
「僕の思い込みに聞こえそうな内容なのですが……」
勇君はそう前置きしてから、ミックスジュースを飲んで一息吐きました。
「伽月君と兄ちゃんが初めて逢った日の事、覚えてますか?」
「うん、淳二さんと三兄弟で家に来たんだよね、でも僕キッチンに居て二人の顔合わせ見てないんだ」
「そっか……波那ちゃんと泰地君忙しくしてましたもんね」
そんなところも覚えてるんだ?冷静な上に物凄い記憶力です。
「その日兄ちゃん物凄く緊張してて……以前も同じ様な事をして上手くいかなかった経緯もあったので。そしたら伽月君の方から歩み寄ってくれたんです。
二人が自己紹介して握手を交わした時に、伽月君兄ちゃんの右手にそっと左手を被せたんです。それが運命の出逢いの瞬間に見えて、当時は兄ちゃんがゲイだなんて事知らなかったけど、僕はこの二人の恋の架け橋になる!って。邪魔する奴は一人残らずぶった斬る!……本当にぶった斬ったりはしないけど、それくらいの誓いは自分の中にありますね、今も」
「そ、そんなに前から考えてた事なの?」
正直そこまでの事とは考えてませんでした。でも勇君は、はいと平然と頷いています。今思えば何かに付け二人を隣同士にしてたと記憶してるけど……当時は気付いてた訳じゃなかったから。
「そう言えば、中学生になった辺りから二人の間の空気がガラッと変わった様な気がするんだよね……」
ただ気になるのは勇君のちょっとした行動とは明らかに違う何かがあったはずなんだ、そこが分かれば……。
「それなら思い当たる事があります。当事者以外の方に話すのは気が引けますが、ここは波那ちゃんを信頼します!」
あ、ありがとう勇君……ちょっと責任重いけど一度乗り掛かった船です、こうなったらあの二人をくっ付けてしまおう!と既に僕のお節介根性に火が点いています。
「僕二人が都市伝説の検証と言う理由でキスしてたのを見ちゃったんです」
「都市伝説?」
「はい、ファーストキスはレモンの味がするのか?と……」
まったくマセた事を……言い出しっぺは間違いなく伽月だな。それを見てた勇君も勇君なんだけど……って今更オジサンがどうこう言うのはやめよう。何にせよ二人の関係性が密になってきた理由が分かった訳だから。
「その後二人で話し合って『キスにカウントしない』って事になってたそうで。多分伽月君が兄ちゃんの本当のファーストキスは好きな人のためのものに、って配慮だと僕は勝手にそう思ってます」
伽月らしいなぁ、その発想。でもそれファーストキスだからね、お互い無自覚だけどもう十分“好き同士”じゃないか。
「勇君、僕もその作戦に乗っかっちゃっても良いかな?多分何も出来ないと思うけど……」
「お願いします!ちょうど協力者が欲しいと思ってたところなんです、波那ちゃんなら百人力!」
それは大袈裟だと思うよ、勇君。でも年の功で出来る限りの事はするからね。こう見えても僕キューピッド役は得意な方だから。
「そう、それでか……フライングではあるけど、そっちの方は君の思惑通りに進んでるよ」
ホントですか!?勇君の表情がパッと明るくなって笑顔を見せてきます。
「ただ伽月君今は体調崩しちゃってるんですよね?」
「うん、昨日誠君がゼリー持って家に来たよ。察するに可能性は零じゃないと思うけどね」
「……正直兄の方が先に気付くと思ってたので今頓挫してる状態なんです。無自覚ながらも伽月君に気持ちはあるくせに別の方にときめいてる訳ですから。今僕が動くと逆効果になりそうで」
ちょうど困ってたところなんです。勇君きっと誰にも言わず一人でコツコツ気付かれない様働きかけてたんだろうなぁ……普段こんなにあっさり口割らないのに、一人でするには限界が見えてきたのかな?
「ところで、お父さんとお母さんにこの事は?」
「誰にも話してないです。勘付かれてる可能性はあると思いますが……」
「そうかも知れないけど、今は話さない方が良いかもね」
「はい、両親は本人の気持ちを尊重しよう、って感じですし、姉ちゃんは全面協力中ですから」
それで『今動くと逆効果』な訳ね。綾ちゃんが誠君をバックアップしてるとなると勇君は動きにくいよね。『人の恋路にケチ付けんじゃない!』とか言いそうだもん、彼女。
でも勇君どうして誠君と伽月をくっ付けようなんて思ったのかな?本来冷静で客観視も出来る子だから、普段そういうとこに拘ったりする性格じゃないのに……何かしらのきっかけでもあったのかな?
「根本的な質問をするけど、どうしてあの二人をカップルにしたいと思ってるの?」
「僕の思い込みに聞こえそうな内容なのですが……」
勇君はそう前置きしてから、ミックスジュースを飲んで一息吐きました。
「伽月君と兄ちゃんが初めて逢った日の事、覚えてますか?」
「うん、淳二さんと三兄弟で家に来たんだよね、でも僕キッチンに居て二人の顔合わせ見てないんだ」
「そっか……波那ちゃんと泰地君忙しくしてましたもんね」
そんなところも覚えてるんだ?冷静な上に物凄い記憶力です。
「その日兄ちゃん物凄く緊張してて……以前も同じ様な事をして上手くいかなかった経緯もあったので。そしたら伽月君の方から歩み寄ってくれたんです。
二人が自己紹介して握手を交わした時に、伽月君兄ちゃんの右手にそっと左手を被せたんです。それが運命の出逢いの瞬間に見えて、当時は兄ちゃんがゲイだなんて事知らなかったけど、僕はこの二人の恋の架け橋になる!って。邪魔する奴は一人残らずぶった斬る!……本当にぶった斬ったりはしないけど、それくらいの誓いは自分の中にありますね、今も」
「そ、そんなに前から考えてた事なの?」
正直そこまでの事とは考えてませんでした。でも勇君は、はいと平然と頷いています。今思えば何かに付け二人を隣同士にしてたと記憶してるけど……当時は気付いてた訳じゃなかったから。
「そう言えば、中学生になった辺りから二人の間の空気がガラッと変わった様な気がするんだよね……」
ただ気になるのは勇君のちょっとした行動とは明らかに違う何かがあったはずなんだ、そこが分かれば……。
「それなら思い当たる事があります。当事者以外の方に話すのは気が引けますが、ここは波那ちゃんを信頼します!」
あ、ありがとう勇君……ちょっと責任重いけど一度乗り掛かった船です、こうなったらあの二人をくっ付けてしまおう!と既に僕のお節介根性に火が点いています。
「僕二人が都市伝説の検証と言う理由でキスしてたのを見ちゃったんです」
「都市伝説?」
「はい、ファーストキスはレモンの味がするのか?と……」
まったくマセた事を……言い出しっぺは間違いなく伽月だな。それを見てた勇君も勇君なんだけど……って今更オジサンがどうこう言うのはやめよう。何にせよ二人の関係性が密になってきた理由が分かった訳だから。
「その後二人で話し合って『キスにカウントしない』って事になってたそうで。多分伽月君が兄ちゃんの本当のファーストキスは好きな人のためのものに、って配慮だと僕は勝手にそう思ってます」
伽月らしいなぁ、その発想。でもそれファーストキスだからね、お互い無自覚だけどもう十分“好き同士”じゃないか。
「勇君、僕もその作戦に乗っかっちゃっても良いかな?多分何も出来ないと思うけど……」
「お願いします!ちょうど協力者が欲しいと思ってたところなんです、波那ちゃんなら百人力!」
それは大袈裟だと思うよ、勇君。でも年の功で出来る限りの事はするからね。こう見えても僕キューピッド役は得意な方だから。
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