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やっとこさ本編
語り部ジャック 星哉編 振り回される大人たち
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話の概要は、その二宮君と誠の仲が何となく良い感じで、綾ちゃんがここぞとばかりに大張り切りなんだそうだ。日々のお洒落をレクチャーしぃの、デートの時は服装をコーディネートしぃのと世話を焼きまくってるらしいんだ。彼女にしてみれば年の離れた可愛い弟、特に大人しくて人見知りの誠を殊更可愛がってるんだよ。
対する勇は誠を伽月とくっ付けようと画策してるみたいで、このところ二人にちまちまと働きかけてたらしいんだ。まぁ昔から何かに付け二人を隣同士にしたり一緒に行動させる様仕向けたりはしてた、って話だけど……アイツ小学生の頃からそんな事考えてたのか?正直それには驚いた。
で、そうなると綾ちゃんの全面協力が勇にとって厄介で、何とか伽月とくっ付けようとする勇の行動が綾ちゃんにとっては不可解な訳だ。そりゃそうだ、誠の恋愛は誠自身が決める事だ、外野の誰かの手引きでどうこうするこっちゃねぇ。そういう意味では綾ちゃん寄りだな、俺の考えは。勇は勇で兄貴思いの優しい男だから、誠にとって誰が一番必要かを冷静に観察した上で伽月という答えを導き出したんだろう。我が弟を信頼してくれてるのは嬉しいが、外堀を埋めて選択肢を狭めるやり方は頂けねぇな。
んで、俺にとっての問題(と言うほどでも無いが)は波那だな、アイツの事だから伽月の思いはとおに気付いてるし、多分勇の行動も勘付いてたハズだ。伽月への親心のつもりだろうけど、勇と組んで誠と無理くりくっ付けようって腹か?だったら今すぐやめろ、それならそれで静観すべきだろ。
「ただいまぁ」
定時で仕事を終えて自宅に直帰、キッチンから美味そうな匂いが玄関に流れてきてる。
「お帰りなさい、すぐご飯出来るから」
おぅ。俺はまず着替えるため自室に入り、洗面所で手を洗ってから伽月の部屋を覗いてみる。明るいうちから寝てたんだろうな、窓もカーテンも開けっ放しで、顔は赤くちょっと眉間にシワが寄っちまってる。あれだけの高熱だ、しんどくて当たり前だな。
「結構汗かいてんな……」
俺は傍らに置いてあるタオルで弟の顔の汗を拭う。おでこに貼ってある冷却シートも熱くなってるので張り替える。頭の下に敷いてある氷枕も……替えた方が良さげだな。伽月の頭を持ち上げて氷枕を外すと、んん、と呻き声を上げてうっすらと目を開けた。
「……悪ぃ、起こしちまった」
伽月の頭を下ろして一旦部屋を出る。氷枕の水を捨てて夕飯の支度をしてる泰地に声を掛ける。
「伽月まだ熱あるみてぇだ、凄ぇ汗かいてるし」
「そう、じゃ先に風呂入らせようかな?今波那ちゃんがお風呂の支度してるところだから。これ沸騰したら火止めてくれる?」
泰地はそう言い残して伽月の部屋に入っていく。多分起きてるだろうから氷枕を作るのは後回しだな。鍋の中の野菜スープが沸くのを待ってる間に伽月が部屋から出てきて風呂場に向かっていた。少しして泰地もシーツと布団カバーを抱えて出てくると、布団乾燥機の場所を訊ねてきた。
「リビングの押入だったと思うけど……一遍波那に聞いてみてくれ」
「分かった。さすがに今からじゃ干せないから」
泰地は洗面所に入る前に波那と鉢合わせたので布団乾燥機の場所を訊ねてる。波那は泰地にシーツを洗濯機に入れるよう言うと、リビングに入って押入から布団乾燥機を取り出していた。
俺は鍋に視線を戻すと……ちょうど良いタイミングでスープが沸いてきたのでガスの火を止める。洗面所から洗濯機の稼動する音が聞こえてきて、泰地はキッチンに戻ってきた。
「スープなら沸いたぞ」
「うん、今のうちに俺たちは飯済ませちゃおう」
そうだな。波那はその間に伽月のベッドに布団乾燥機をセットしてきた様で、俺たち大人はダイニングで食事を摂る。伽月は半身浴を日課にしていて風呂に案外時間をかける、俺はチャンスとばかりに昼間淳二さんから聞いた話をしたら……。
「へぇ~、小田原家でそんな事が……」
波那は平然と相槌を打って俺の話を聞いている。泰地は……表情こそにこやかにしてるけど、波那をチラ見して合わせてるって感じだな。泰地は嘘を付くのがヘタだからな、多分コイツらグルだ。
「俺の考えは綾ちゃん寄りなんだけど、二人はどう思う?」
「どう?と言われても……」
「勇が伽月を信頼してくれてるのは嬉しいけどさ」
俺はそう言ってみて二人の反応を窺う。
「そうだね、そこだけを取ると勇寄りかな?」
と泰地。取り繕うのは止めたか、嘘を付くのが苦手なのは本人も重々承知してるからな。
「僕はそれぞれ意見があって良いと思うよ、ただVS状態なのが気になるね」
波那は無難な回答でやり過ごそうとしてやがる。普段の俺ならあっさり騙されてるところだけどそうはいくか!ここはちょいと突っついてみるか。
「そう言えば淳二さん、お前が勇と手を組んだ的な事仰ってたんだけど……どういう意味なんだろうな?」
さぁ……波那の奴顔色一つ変えずにすっとぼけやがったが、泰地の方がもう限界らしい。さて、この話題はこれくらいにしておくか。
対する勇は誠を伽月とくっ付けようと画策してるみたいで、このところ二人にちまちまと働きかけてたらしいんだ。まぁ昔から何かに付け二人を隣同士にしたり一緒に行動させる様仕向けたりはしてた、って話だけど……アイツ小学生の頃からそんな事考えてたのか?正直それには驚いた。
で、そうなると綾ちゃんの全面協力が勇にとって厄介で、何とか伽月とくっ付けようとする勇の行動が綾ちゃんにとっては不可解な訳だ。そりゃそうだ、誠の恋愛は誠自身が決める事だ、外野の誰かの手引きでどうこうするこっちゃねぇ。そういう意味では綾ちゃん寄りだな、俺の考えは。勇は勇で兄貴思いの優しい男だから、誠にとって誰が一番必要かを冷静に観察した上で伽月という答えを導き出したんだろう。我が弟を信頼してくれてるのは嬉しいが、外堀を埋めて選択肢を狭めるやり方は頂けねぇな。
んで、俺にとっての問題(と言うほどでも無いが)は波那だな、アイツの事だから伽月の思いはとおに気付いてるし、多分勇の行動も勘付いてたハズだ。伽月への親心のつもりだろうけど、勇と組んで誠と無理くりくっ付けようって腹か?だったら今すぐやめろ、それならそれで静観すべきだろ。
「ただいまぁ」
定時で仕事を終えて自宅に直帰、キッチンから美味そうな匂いが玄関に流れてきてる。
「お帰りなさい、すぐご飯出来るから」
おぅ。俺はまず着替えるため自室に入り、洗面所で手を洗ってから伽月の部屋を覗いてみる。明るいうちから寝てたんだろうな、窓もカーテンも開けっ放しで、顔は赤くちょっと眉間にシワが寄っちまってる。あれだけの高熱だ、しんどくて当たり前だな。
「結構汗かいてんな……」
俺は傍らに置いてあるタオルで弟の顔の汗を拭う。おでこに貼ってある冷却シートも熱くなってるので張り替える。頭の下に敷いてある氷枕も……替えた方が良さげだな。伽月の頭を持ち上げて氷枕を外すと、んん、と呻き声を上げてうっすらと目を開けた。
「……悪ぃ、起こしちまった」
伽月の頭を下ろして一旦部屋を出る。氷枕の水を捨てて夕飯の支度をしてる泰地に声を掛ける。
「伽月まだ熱あるみてぇだ、凄ぇ汗かいてるし」
「そう、じゃ先に風呂入らせようかな?今波那ちゃんがお風呂の支度してるところだから。これ沸騰したら火止めてくれる?」
泰地はそう言い残して伽月の部屋に入っていく。多分起きてるだろうから氷枕を作るのは後回しだな。鍋の中の野菜スープが沸くのを待ってる間に伽月が部屋から出てきて風呂場に向かっていた。少しして泰地もシーツと布団カバーを抱えて出てくると、布団乾燥機の場所を訊ねてきた。
「リビングの押入だったと思うけど……一遍波那に聞いてみてくれ」
「分かった。さすがに今からじゃ干せないから」
泰地は洗面所に入る前に波那と鉢合わせたので布団乾燥機の場所を訊ねてる。波那は泰地にシーツを洗濯機に入れるよう言うと、リビングに入って押入から布団乾燥機を取り出していた。
俺は鍋に視線を戻すと……ちょうど良いタイミングでスープが沸いてきたのでガスの火を止める。洗面所から洗濯機の稼動する音が聞こえてきて、泰地はキッチンに戻ってきた。
「スープなら沸いたぞ」
「うん、今のうちに俺たちは飯済ませちゃおう」
そうだな。波那はその間に伽月のベッドに布団乾燥機をセットしてきた様で、俺たち大人はダイニングで食事を摂る。伽月は半身浴を日課にしていて風呂に案外時間をかける、俺はチャンスとばかりに昼間淳二さんから聞いた話をしたら……。
「へぇ~、小田原家でそんな事が……」
波那は平然と相槌を打って俺の話を聞いている。泰地は……表情こそにこやかにしてるけど、波那をチラ見して合わせてるって感じだな。泰地は嘘を付くのがヘタだからな、多分コイツらグルだ。
「俺の考えは綾ちゃん寄りなんだけど、二人はどう思う?」
「どう?と言われても……」
「勇が伽月を信頼してくれてるのは嬉しいけどさ」
俺はそう言ってみて二人の反応を窺う。
「そうだね、そこだけを取ると勇寄りかな?」
と泰地。取り繕うのは止めたか、嘘を付くのが苦手なのは本人も重々承知してるからな。
「僕はそれぞれ意見があって良いと思うよ、ただVS状態なのが気になるね」
波那は無難な回答でやり過ごそうとしてやがる。普段の俺ならあっさり騙されてるところだけどそうはいくか!ここはちょいと突っついてみるか。
「そう言えば淳二さん、お前が勇と手を組んだ的な事仰ってたんだけど……どういう意味なんだろうな?」
さぁ……波那の奴顔色一つ変えずにすっとぼけやがったが、泰地の方がもう限界らしい。さて、この話題はこれくらいにしておくか。
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