126 / 145
懲りずに続編
ここ大事だぞー……
しおりを挟む
バケツを洗い終えた俺は、チェックインの時間に合わせて誠と一緒にホテルのフロントに集合していた。毎度の事ながら部屋割は奈良橋さんが仕切る。
「嵯峨家、望月家、小田原家と隼人君はファミリールームね、統括部長は遵斗君とツインで宜しいですか?」
「えぇ、構わないわ」
「はい、問題無いです」
二人は奈良橋さんに頷いてみせてる。
「今年はダブルが二部屋あるから小泉バカップルと三條、牟礼をぶち込みゃいいわね?」
「うん、それでいいですよ」
と波那ちゃん。
「何なんだよ『バカップル』ってよぉ……」
と不服そうに言う兄さん、何だ今更ツンデレかよ。
「折角のダブルなんですから初々しい高校生カップルにお譲りしたいと思いまーす」
と牟礼さんは俺たちを見てニタニタしてる。えぇっ!いきなりそれハードル高くねぇか!?
「じゃあ三條、牟礼はツイン……っと。高校生組はそれでいい?」
俺たちは思わず顔を見合わせてしまう。もちろん嫌じゃないどころか棚ボタだけど、何と言うか変な緊張する……。
「誠、問題無いか?」
「伽月はどう?大丈夫?」
「俺は勿論……」
嬉しいに決まってんじゃねぇか。
「はいはい見つめ合ってんじゃないわよ、君たち二人はダブルに入りなさい!」
奈良橋さんに押し切られる形で俺たちのダブルルーム行きが決定した。すると隼人が俺の所につつつとやって来る、言いたい事は大体分かるがな。
「まこちゃんを襲うなよ伽月ぃ」
「襲うかバカタレ」
とは表向きだけ、襲うに決まってんだろ。
「諦めろ隼人君、今日で誠の純潔は失われるんだ」
おい遵斗、小学生相手に表現が生々しいわ。横でお母さん思いっきり睨んでるぞ。
「遵斗君、諦めちゃダメだよ!断固阻止しようよ!」
煩いわ悪ガキ、くどい様だが誠は俺の恋人だ。
「よしっ!この二人の部屋で座り込みだっ!!!」
「いよいよ鬱陶しいわ!部屋ん中でくらい平和に過ごさせろ!」
「はぁいそこまでっ!!!部屋割終わったから荷物持って」
奈良橋さんは手をパン!と叩いて俺たちの低レベルな言い争いを仲裁する。残る奈良橋さん、大澄さん、須藤さんはツインルームにエキストラベッドを入れた三人部屋に決まり、毎年恒例の大移動で決められた部屋に入っていった。
……で、今俺たちは部屋でまったり、と言いたいところだが隼人はベッドの上で本当に座り込みを敢行しやがる。そういう有言実行は要らねぇわマジで。
「……どけ悪ガキ」
俺と隼人は現在睨み合い状態、誠は呑気そうにお茶の準備、そして晋と遵斗も何故かこの部屋にいる。まぁ二人は巻き込まれただけだろうが。
「ヤダッ!まこちゃんの純潔は渡さないぞ伽月ぃ」
「うっさいわ!部屋に戻れバカタレが」
「バカタレ言う奴がバカタレなんだぞ伽月ぃ」
あーもう!こんの悪ガキ面倒臭ぇなぁまったく!
「そんなに怒らなくてもいいじゃない、大勢の方が楽しいでしょ?」
誠は五人分の日本茶をトレーに乗せてこっちに来る。
「だからってずっとこうされるんは鬱陶しいわ」
「そんな事しないよね隼人君?」
誠は可愛い笑顔を悪ガキに向けて隣に座る。その笑顔俺に向けてはくれまいか……。
「……まこちゃんアイツはオオカミなんだよ、二人にしてたら襲われちゃうよ」
「大丈夫、そんな事にはならないから」
ころ~っと口の聞き方を変えてきやがる悪ガキ相手に誠は真面目に諭してる。まぁ夜になれば狼さんに変貌を遂げる気満々ではありますが、本気でそう思ってそうだからそれはそれでやりづれぇわ。
「ホント?何かあったら呼んでね、すぐ助けに行くから」
「うん、ありがとう隼人君」
おいそこは『ありがとう』じゃねぇだろ誠……。
「隼人ぉ、あんまり人の恋路邪魔するもんじゃないよ」
晋は駄々っ子みたいな行動をする幼馴染に呆れてる。取り敢えず晋は俺の味方をしてくれてるらしい。
「晋ぅ、男心を察してくれ」
「何ビミョーに大人ぶった事言ってんの?さむ兄ちゃんに何て言われてここに参加してるか分かってる?」
うぅっ……隼人は珍しく言葉を詰まらせてる。理由は分からんが勇には逆らえないんだ小さい頃から。
「あんまり度が過ぎるとさむ兄ちゃんに言いつけるよ」
「ダメっ!それはダメッ!」
どうやら効果てきめんだったようで隼人はササッとベッドから降りる。おい、勇の奴どんだけ暗躍してんだよ……?
「勇に何言われてんだ?」
遵斗だってそう思うよな。
「遵斗君には後で教えてあげる、伽月君とまこ兄ちゃんには関係無い話だから忘れて」
「そうだぞ、知らぬが華って事もあるんだぞ伽月ぃ」
何かモヤモヤするんだが……まぁ邪魔立てしないんならそれでいいや。俺たちは遵斗が持ってきてくれたスナック菓子をつまみ、何とか悪ガキの牽制をして夕飯まで五人で過ごしていた。
「嵯峨家、望月家、小田原家と隼人君はファミリールームね、統括部長は遵斗君とツインで宜しいですか?」
「えぇ、構わないわ」
「はい、問題無いです」
二人は奈良橋さんに頷いてみせてる。
「今年はダブルが二部屋あるから小泉バカップルと三條、牟礼をぶち込みゃいいわね?」
「うん、それでいいですよ」
と波那ちゃん。
「何なんだよ『バカップル』ってよぉ……」
と不服そうに言う兄さん、何だ今更ツンデレかよ。
「折角のダブルなんですから初々しい高校生カップルにお譲りしたいと思いまーす」
と牟礼さんは俺たちを見てニタニタしてる。えぇっ!いきなりそれハードル高くねぇか!?
「じゃあ三條、牟礼はツイン……っと。高校生組はそれでいい?」
俺たちは思わず顔を見合わせてしまう。もちろん嫌じゃないどころか棚ボタだけど、何と言うか変な緊張する……。
「誠、問題無いか?」
「伽月はどう?大丈夫?」
「俺は勿論……」
嬉しいに決まってんじゃねぇか。
「はいはい見つめ合ってんじゃないわよ、君たち二人はダブルに入りなさい!」
奈良橋さんに押し切られる形で俺たちのダブルルーム行きが決定した。すると隼人が俺の所につつつとやって来る、言いたい事は大体分かるがな。
「まこちゃんを襲うなよ伽月ぃ」
「襲うかバカタレ」
とは表向きだけ、襲うに決まってんだろ。
「諦めろ隼人君、今日で誠の純潔は失われるんだ」
おい遵斗、小学生相手に表現が生々しいわ。横でお母さん思いっきり睨んでるぞ。
「遵斗君、諦めちゃダメだよ!断固阻止しようよ!」
煩いわ悪ガキ、くどい様だが誠は俺の恋人だ。
「よしっ!この二人の部屋で座り込みだっ!!!」
「いよいよ鬱陶しいわ!部屋ん中でくらい平和に過ごさせろ!」
「はぁいそこまでっ!!!部屋割終わったから荷物持って」
奈良橋さんは手をパン!と叩いて俺たちの低レベルな言い争いを仲裁する。残る奈良橋さん、大澄さん、須藤さんはツインルームにエキストラベッドを入れた三人部屋に決まり、毎年恒例の大移動で決められた部屋に入っていった。
……で、今俺たちは部屋でまったり、と言いたいところだが隼人はベッドの上で本当に座り込みを敢行しやがる。そういう有言実行は要らねぇわマジで。
「……どけ悪ガキ」
俺と隼人は現在睨み合い状態、誠は呑気そうにお茶の準備、そして晋と遵斗も何故かこの部屋にいる。まぁ二人は巻き込まれただけだろうが。
「ヤダッ!まこちゃんの純潔は渡さないぞ伽月ぃ」
「うっさいわ!部屋に戻れバカタレが」
「バカタレ言う奴がバカタレなんだぞ伽月ぃ」
あーもう!こんの悪ガキ面倒臭ぇなぁまったく!
「そんなに怒らなくてもいいじゃない、大勢の方が楽しいでしょ?」
誠は五人分の日本茶をトレーに乗せてこっちに来る。
「だからってずっとこうされるんは鬱陶しいわ」
「そんな事しないよね隼人君?」
誠は可愛い笑顔を悪ガキに向けて隣に座る。その笑顔俺に向けてはくれまいか……。
「……まこちゃんアイツはオオカミなんだよ、二人にしてたら襲われちゃうよ」
「大丈夫、そんな事にはならないから」
ころ~っと口の聞き方を変えてきやがる悪ガキ相手に誠は真面目に諭してる。まぁ夜になれば狼さんに変貌を遂げる気満々ではありますが、本気でそう思ってそうだからそれはそれでやりづれぇわ。
「ホント?何かあったら呼んでね、すぐ助けに行くから」
「うん、ありがとう隼人君」
おいそこは『ありがとう』じゃねぇだろ誠……。
「隼人ぉ、あんまり人の恋路邪魔するもんじゃないよ」
晋は駄々っ子みたいな行動をする幼馴染に呆れてる。取り敢えず晋は俺の味方をしてくれてるらしい。
「晋ぅ、男心を察してくれ」
「何ビミョーに大人ぶった事言ってんの?さむ兄ちゃんに何て言われてここに参加してるか分かってる?」
うぅっ……隼人は珍しく言葉を詰まらせてる。理由は分からんが勇には逆らえないんだ小さい頃から。
「あんまり度が過ぎるとさむ兄ちゃんに言いつけるよ」
「ダメっ!それはダメッ!」
どうやら効果てきめんだったようで隼人はササッとベッドから降りる。おい、勇の奴どんだけ暗躍してんだよ……?
「勇に何言われてんだ?」
遵斗だってそう思うよな。
「遵斗君には後で教えてあげる、伽月君とまこ兄ちゃんには関係無い話だから忘れて」
「そうだぞ、知らぬが華って事もあるんだぞ伽月ぃ」
何かモヤモヤするんだが……まぁ邪魔立てしないんならそれでいいや。俺たちは遵斗が持ってきてくれたスナック菓子をつまみ、何とか悪ガキの牽制をして夕飯まで五人で過ごしていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
学校一のイケメンとひとつ屋根の下
おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった!
学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……?
キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子
立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。
全年齢
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる