どら焼は恋をつなぐ

谷内 朋

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懲りずに続編

何故そうなった?……

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 「うしっ!完成っ!」
 おっちゃんの協力を得て心臓を完成させた俺は、その出来に思わずニヤついてしまう。二つに割って中を見せるアイデアも上手くいったし、色付けは帰ってから図鑑とか見ながらゆっくり塗っていこう。
 「ありがとうおっちゃん、早速誠に……」
 と立ち上がろうと思ったら、背後が急に騒がしくなって軽く人だかりが出来ている。何だありゃ?
 「かつきくーん!」
 その人だかりから飛び出すように駆け寄ってくる青蓮坊、おい誠と一緒じゃなかったか?
 「どした青蓮坊?誠は?」
 「おめかししてあのなかにいるよ」
 おめかし?何のこっちゃ?
 「おめかし?あいつ何やってんだ?」
 「ゆかたきておけしょうもしてるよ、まこちゃんおじょうちゃんになっちゃったよ」
 浴衣?化粧?お嬢ちゃん?あいつそのうちクロスドレッサーにでもなるんじゃないのか?まぁだからって中身まで変わる訳じゃねぇからそう大事なことじゃないけどな。何かニュアンスは違うがモテ期到来の誠は、人だかりの中心で色んな人に声を掛けられ段々と大きな集合体になっていく。
 「こんな所にいたのか伽月、飯食ったか?」
 と遵斗が一人で俺の所にやって来る。晋と隼人は?一緒じゃなかったのか?
 「いやまだ」
 「二階にフードコートあるから飯食おうぜ、晋と隼人なら大澄さんと一緒だよ」
 と言って上を指差す、って事は今飯食ってんのか。
 「それにしても騒がしいな、何だ?あの人だかり」
 「まこちゃんおじょうちゃんになったの、ゆかたきておけしょうもしてるよ」
 「へぇ、青蓮は見たのか?」
 「うん、めちゃくちゃカワイイよ」
 「そっか、俺も見てこ……ってこっち来るわ。おーい誠ー!」
 遵斗は完全に面白がって集合体の中心にいる誠を見付けてビラビラと手を振ってる。それに気付いた誠は『ひゃっ、じゅっ遵斗君!?』と言いながら一人ワタワタしている。
 『あら?あの子たちお知り合い?』
 『みたいよ、和菓子体験に来てた坊っちゃんも一緒だから』
 『じゃああそこ目指さない?』
 『そうねぇ、イケメン二人にこの子挟んで写真撮りましょ』
 ……とまぁお姉さんとおばさんの間くらいかな~?って感じの女性の集団が誠を中心にして完全に俺らめがけて大移動してくる。おい怖えな女の集団って……腐女子って種類(かどうかは分かんねぇけど)はもっとひっそりしてんじゃねぇの?何かで聞いた程度だけどこっそりと楽しみたいとか言って矢面に立つの嫌うとかって……この集団完全に真逆行ってるが。
 「おぅ来たな誠、ちょっとそこ立っててくんね?」
 遵斗はおもむろにケータイを誠に向けて写真を撮るとサクサクと操作してニンマリとしている。
 「何やってんだ遵斗?」
 「ん?晋と隼人に送った」
 はぁっ!?晋はともかく隼人悪ガキにまで送んな!
 「はいは~い、君たちこの子の知り合い?集合写真撮らせてくれる?」
 「じゃあこの子の両隣に立って。さっきのボクはこの子の前ね」
 とまぁ異常にテキパキと俺らを誘導して誠を挟むように立たされ、バッシャバシャと写真を撮りまくるオバサン共(あっつい本音が……)。こんなの無敵艦隊じゃねぇかと白旗を挙げる以外なす術ゼロの中遵斗がすみませんとオバサンに声を掛けた。
 「その画像ください」
 オバサンは気前良く良いわよと遵斗のケータイに赤外線送信、んでまたしてもケータイいじってニンマリする遵斗。
 「おい何しやがった……?」
 「あぁ、クラスのグループメールに……」
 と言ってきたところに俺のケータイが反応を見せる。もしやと思って画面を見るとさっき撮られたであろう浴衣姿の誠を挟む俺らの画像……まぁそうなるわな。
 「何してんだよ……?」
 「いや欲しいかと思って……あっ、レス来たわ」
 遵斗は勝手に輪から離れてケータイをいじり始める、お前ホント自由だよなと思ったら誠の方にもメールが来たらしい。
 「あっ、颯天君からだ……えっ!?嘘っ!?ダメダメっ!!!」
 誠は赤いのか青いのかよく分からん顔色で慌てて返信してやがる、多分颯天のヤロー面白がって彼女に拡散するとか言い出してんだろ。マジ油断も隙も無ぇな……って思ってたらまたメール、今度は輝からだ。
 【誠君可愛すぎ♪勿論花火大会は浴衣姿で来てくれるんだよね?あっ、因みに諒には拡散したから】
 何でだよ!?要らん事すんなと返信してやろうとするとそれをぶった斬って新たなメール、案の定光畑だ。
 【輝から画像頂きました、あまりに可愛かったんで田丸に拡散したけどよかったか?】
 ……事後報告は勘弁してくれ、俺はもう諦めてケータイをポケットにしまった。その直後に田丸からメールが来てたがもう無視だ。遵斗は好き勝手した後『俺ら邪魔だから』と青蓮坊を連れて逃げちまいやがり、俺と誠はオバサン共の暴挙に付き合わされる羽目になってしまった。
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