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小学生編
しあわせ図鑑 15
久しぶりの更新です!
前置きは同人誌のことになりますので、不要な方はスクロールしてくださいね。
前置き
こんにちは、この物語を紡いでいる志生帆海です!
まだまだ暑いですね。皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
つぶやきの内容と被りますが、8月のお盆休みからエブリスタでの定期連載をお休みさせていただいて、同人誌の執筆を頑張っていました。
今年も秋庭『J․GARDEN』に参加します。
2025年10月12日(日)東京ビッグサイト西3・4ホールで開催されますので、ぜひ遊びにいらして下さい。
今回の同人誌は私の創作10周年を記念したスペシャルブックです。処女作『重なる月』の冒頭を同人誌用に加筆修正したスペシャルバージョンを1万字収録。その他、― あの物語の始まりの前夜。そして、10年後の今を収録しました。
今まで気になっていた……
あの時、彼らは何を想っていたのか。
あれから、彼らはどんな時を重ねてきたのか。
たとえば単身でニューヨークから帰国する洋の心境
離婚したばかりの宗吾さんの心境など……
月が照らすのは変わらない気持ちと歩み寄る幸せ。
まるでセレナーデのような短編集をどうぞ!
二十歳になった薙と芽生のパッション溢れるSSは、これからの定期連載の布石となりますので必見です。
重なる月の冒頭以外はすべて書き下ろしです。WEB公開予定はないので、この機会にぜひ。
以下の作品の物語のはじまりのその少し前の様子と、
二人のその後の幸せそうな様子をSSにしました。
新刊同人誌は明日、18日9時まで先行予約受付中
内容はエッセイhttps://estar.jp/novels/25768518にて公開しています。
詳細はXにて💛
https://x.com/seahope10
前置きが長くなり失礼いたしました。
久しぶりに続きを書いたので、どうぞ!
(本格再開は来週からになります)
瑞樹がフラワーアーティストの取材を受ける日の朝の様子からスタートです。
****
少し早起きした僕は、そっとリビングからベランダに出てみた。
まだ気温が上がる前の爽やかな夏風が、爽やかに通り抜けていく。
北国育ちの僕にとって都心の蒸し暑さは苦手だが、朝の光と空気はどこまでも澄んでいて、心地よい。
目を細めて、青い空の向こうを見つめた。
「お父さん、お母さん、夏樹、おはようございます。爽やかな朝を届けてくれて、ありがとう」
僕は以前は朝が苦手だった。
お父さんとお母さんと夏樹がいない朝が怖くて寂しかった。
でも宗吾さんと芽生くんと暮らすようになって好きになった。
また愛しい人たちに会えるスタートだから。
さぁ、今日はいよいよ雑誌の取材日だ。
午前中にお台場のホテルロビーの、大きな生け込みを任されていて、その作業の様子をカメラマンに撮影されることになっている。
考えるだけで緊張で手が震え、落ち着かない。
顔を洗って鏡を見ると、髪の毛があちこち跳ねていた。
「わっ、ひどいな」
急いで直そうとしたが、うまく髪がまとまらない。
どんどん焦ってくる。
その時、背後からやわらかな気配が近づいてきた。
宗吾さんだ。
彼は僕の緊張を見透かしたように黙ってブラシを手に取って、僕の髪を梳きはじめた。
「瑞樹、ちょっと深呼吸してみろ」
「あ……はい」
ゆっくりと優しくブラッシングされる度に肩の力が少しずつ抜けていく。
髪を撫でられる感触は子どもに戻ったようで、くすぐったくも、ほっとする。
「大丈夫だ。いつもの瑞樹でいればいい」
背後から落ち着いた声が届くと、さっきからドクドクとうるさかった鼓動がすっと静まった。
僕は一人じゃない。
こうやって背中を押してくれる人がいる。
その事実が、こんなにも心強い。
「よし、ばっちりだ。王子様みたいにかっこいいぞ」
「ありがとうございます」
鏡の中の宗吾さんと目が合い、自然と笑みがこぼれた。
緊張は解け、甘い気持ちがこみあげてくる。
それも見透かされたようで、チュッとキスをされた。
「うまくいくおまじないだ」
今度は、パタパタと軽い足音が廊下から近づいてきた。
振り返ると、パジャマ姿の芽生くんが手に小さなものを握りしめていた。
「お兄ちゃん、これ! おまじないだよ」
差し出されたカードには、子どもらしいあどけない字で『おにいちゃんのおしごと、うまくいきますように』と書いてある。
「これも持って行ってね」
添えられたタオルハンカチには、四つ葉のクローバーの刺繍。
芽生くんが先日、僕のために選んでくれたものだ。
これは世界でひとつだけのお守りだ。
「ありがとう……すごくうれしいよ」
思わず芽生くんを抱きしめると、少し照れたように笑ってくれた。
その笑顔は、朝の光よりもまぶしかった。
「芽生くん、寝ぐせを直してあげよう」
「うん!」
宗吾さんから注いでもらった愛情は、こうしてまた次へと伝わっていく。
宗吾さんは平日で仕事があるから、会場には来られない。
そのことを残念そうにしながらも、全力で僕を励ましてくれる。
そんな宗吾さんが大好きです。
「いいか、取材中もし焦ったら、深呼吸して……ここを思い出せ。俺たちの家を」
彼の声は僕の中にまっすぐ届いて、胸の奥の不安を溶かしていく。
視線を巡らせれば、朝の光に満ちたリビングが目に入った。
食卓のテーブルの上には、芽生くんが昨夜描いていた朝顔の絵が、そのまま残っている。
窓辺には僕がいけた向日葵の花が夏の光を浴びて、元気よく咲いている。
宗吾さんが最後に飲んだ、水のグラスもテーブルの上で煌めいて……
日々の暮らしの断片が、こんなにも温かく、僕を支えてくれるものだと改めて思う。
「お兄ちゃん、あとでおばあちゃんたちと見に行くからね。だから安心して!」
芽生くんも元気いっぱいに笑って、僕を励ましてくれる。
その明るさに背中を押されるように、僕の胸の中にも勇気が広がっていく。
「ありがとう。頑張ってくるよ」
僕は二人に微笑みかけて、玄関に向かった。
今日は準備があるので一足先に出ないといけない。
でも寂しくない。
二人の深い愛に包まれているから。
扉を開けると、真夏の青空が眩しかった。
胸の奥には、大切な人たちがくれた想いとぬくもり。
それをぎゅっと抱きしめながら、新しい一日の第一歩を踏み出した。
前置きは同人誌のことになりますので、不要な方はスクロールしてくださいね。
前置き
こんにちは、この物語を紡いでいる志生帆海です!
まだまだ暑いですね。皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
つぶやきの内容と被りますが、8月のお盆休みからエブリスタでの定期連載をお休みさせていただいて、同人誌の執筆を頑張っていました。
今年も秋庭『J․GARDEN』に参加します。
2025年10月12日(日)東京ビッグサイト西3・4ホールで開催されますので、ぜひ遊びにいらして下さい。
今回の同人誌は私の創作10周年を記念したスペシャルブックです。処女作『重なる月』の冒頭を同人誌用に加筆修正したスペシャルバージョンを1万字収録。その他、― あの物語の始まりの前夜。そして、10年後の今を収録しました。
今まで気になっていた……
あの時、彼らは何を想っていたのか。
あれから、彼らはどんな時を重ねてきたのか。
たとえば単身でニューヨークから帰国する洋の心境
離婚したばかりの宗吾さんの心境など……
月が照らすのは変わらない気持ちと歩み寄る幸せ。
まるでセレナーデのような短編集をどうぞ!
二十歳になった薙と芽生のパッション溢れるSSは、これからの定期連載の布石となりますので必見です。
重なる月の冒頭以外はすべて書き下ろしです。WEB公開予定はないので、この機会にぜひ。
以下の作品の物語のはじまりのその少し前の様子と、
二人のその後の幸せそうな様子をSSにしました。
新刊同人誌は明日、18日9時まで先行予約受付中
内容はエッセイhttps://estar.jp/novels/25768518にて公開しています。
詳細はXにて💛
https://x.com/seahope10
前置きが長くなり失礼いたしました。
久しぶりに続きを書いたので、どうぞ!
(本格再開は来週からになります)
瑞樹がフラワーアーティストの取材を受ける日の朝の様子からスタートです。
****
少し早起きした僕は、そっとリビングからベランダに出てみた。
まだ気温が上がる前の爽やかな夏風が、爽やかに通り抜けていく。
北国育ちの僕にとって都心の蒸し暑さは苦手だが、朝の光と空気はどこまでも澄んでいて、心地よい。
目を細めて、青い空の向こうを見つめた。
「お父さん、お母さん、夏樹、おはようございます。爽やかな朝を届けてくれて、ありがとう」
僕は以前は朝が苦手だった。
お父さんとお母さんと夏樹がいない朝が怖くて寂しかった。
でも宗吾さんと芽生くんと暮らすようになって好きになった。
また愛しい人たちに会えるスタートだから。
さぁ、今日はいよいよ雑誌の取材日だ。
午前中にお台場のホテルロビーの、大きな生け込みを任されていて、その作業の様子をカメラマンに撮影されることになっている。
考えるだけで緊張で手が震え、落ち着かない。
顔を洗って鏡を見ると、髪の毛があちこち跳ねていた。
「わっ、ひどいな」
急いで直そうとしたが、うまく髪がまとまらない。
どんどん焦ってくる。
その時、背後からやわらかな気配が近づいてきた。
宗吾さんだ。
彼は僕の緊張を見透かしたように黙ってブラシを手に取って、僕の髪を梳きはじめた。
「瑞樹、ちょっと深呼吸してみろ」
「あ……はい」
ゆっくりと優しくブラッシングされる度に肩の力が少しずつ抜けていく。
髪を撫でられる感触は子どもに戻ったようで、くすぐったくも、ほっとする。
「大丈夫だ。いつもの瑞樹でいればいい」
背後から落ち着いた声が届くと、さっきからドクドクとうるさかった鼓動がすっと静まった。
僕は一人じゃない。
こうやって背中を押してくれる人がいる。
その事実が、こんなにも心強い。
「よし、ばっちりだ。王子様みたいにかっこいいぞ」
「ありがとうございます」
鏡の中の宗吾さんと目が合い、自然と笑みがこぼれた。
緊張は解け、甘い気持ちがこみあげてくる。
それも見透かされたようで、チュッとキスをされた。
「うまくいくおまじないだ」
今度は、パタパタと軽い足音が廊下から近づいてきた。
振り返ると、パジャマ姿の芽生くんが手に小さなものを握りしめていた。
「お兄ちゃん、これ! おまじないだよ」
差し出されたカードには、子どもらしいあどけない字で『おにいちゃんのおしごと、うまくいきますように』と書いてある。
「これも持って行ってね」
添えられたタオルハンカチには、四つ葉のクローバーの刺繍。
芽生くんが先日、僕のために選んでくれたものだ。
これは世界でひとつだけのお守りだ。
「ありがとう……すごくうれしいよ」
思わず芽生くんを抱きしめると、少し照れたように笑ってくれた。
その笑顔は、朝の光よりもまぶしかった。
「芽生くん、寝ぐせを直してあげよう」
「うん!」
宗吾さんから注いでもらった愛情は、こうしてまた次へと伝わっていく。
宗吾さんは平日で仕事があるから、会場には来られない。
そのことを残念そうにしながらも、全力で僕を励ましてくれる。
そんな宗吾さんが大好きです。
「いいか、取材中もし焦ったら、深呼吸して……ここを思い出せ。俺たちの家を」
彼の声は僕の中にまっすぐ届いて、胸の奥の不安を溶かしていく。
視線を巡らせれば、朝の光に満ちたリビングが目に入った。
食卓のテーブルの上には、芽生くんが昨夜描いていた朝顔の絵が、そのまま残っている。
窓辺には僕がいけた向日葵の花が夏の光を浴びて、元気よく咲いている。
宗吾さんが最後に飲んだ、水のグラスもテーブルの上で煌めいて……
日々の暮らしの断片が、こんなにも温かく、僕を支えてくれるものだと改めて思う。
「お兄ちゃん、あとでおばあちゃんたちと見に行くからね。だから安心して!」
芽生くんも元気いっぱいに笑って、僕を励ましてくれる。
その明るさに背中を押されるように、僕の胸の中にも勇気が広がっていく。
「ありがとう。頑張ってくるよ」
僕は二人に微笑みかけて、玄関に向かった。
今日は準備があるので一足先に出ないといけない。
でも寂しくない。
二人の深い愛に包まれているから。
扉を開けると、真夏の青空が眩しかった。
胸の奥には、大切な人たちがくれた想いとぬくもり。
それをぎゅっと抱きしめながら、新しい一日の第一歩を踏み出した。
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