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第1章
野生のヒロインが現れた!
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ヨンナの謹慎がとけたとリースベットから聞いたフェリシアは悩んでいた。
── あの子の姿が見えないのはきつい・・・ゲームのスチルは覚えてるけどあれと同じとは限らないし。
目と口だけで判断できるのは表情位で、どういう格好をしているか、どういう髪型をしているかも分からないのは不利だよ。
「どうしたのぉ?」
「お前がそんな顔してるからアーベルがやばいんだが」
「そんな顔ってどんな顔?わたしはいつもこの顔なんですけどー?」
「難しい顔をしているよ。今日の精霊召喚が不安なのかな?大丈夫、私がついてるからフェリシアは安心して」
それぞれにそう言われて、フェリシアは自分が難しい顔をしている事に気付き、慌てて笑顔を作った。
「精霊召喚楽しみよね。やっとこの封じの腕輪を外せるし!」
この世界には精霊に愛される者が多いが、その分それを利用しようとする者達も多く存在する。
だから、魔法学園高等部でのみ召喚できるようにしてあり、入学できなかった者は封じの腕輪を一生つけて生活する事になる。
「でもぉ、召喚できない人の方が多いわよねぇ」
「校長の言う通り、召喚できたらラッキー程度に考えるべきだな。自分も母方の獣人性の方が強いから精霊召喚は期待されてないぞ」
『召喚できないから自分は精霊に嫌われていると考えるのは愚の骨頂じゃ。
召喚には魔力の多さや運も関係するのじゃ、だから召喚できなかった者は自分には必要なかったと思うておればよいのじゃ』と、リースベットは入学式で生徒達に伝えていた。
実際に、精霊を必要としない種族もいる。
獣人・竜人・魔族の一部は、その身の強さの為に精霊を召喚できる者は全体の1%にも満たない。
そのせいでブローム国内では出来損ないの姫と呼ばれ避けられているにも関わらず、エステルは豪快に笑う。
「そうだね、僕らは幼馴染で戦友、それにライバルでもある。このクラスの皆もクラスメイトであり友人でありライバルだよね。こんな良い仲間を得られるのは幸せな事だね。ああ、もちろんフェリシアにはそれ以上の愛があるけど」
最後の言葉は必要?と思いながらも、同じ事を考えていたフェリシアとクリスは顔を見合わせて微笑みあった。
「僕達もいるしね!エステル嬢は兄上の次にかっこいいし!あ、見た目は可愛いよ!中身がかっこいいんだよ!」
「俺もエステル嬢には学ぶ事が多いですよ」
笑顔で言うマルクス、目線は合わせられなくても、そう思えるようになるまでの事を想像したケントは言う。
そして、頬を赤くしながら頷き、優しい目でこちらを見つめるクラスメイト達もいる。
「エステル、わたしは何があってもエステルの親友だからね。この席は誰にも渡さないから!」
「わたくしもですわぁ。いつまでも3人」
「ははは、そうだな。お前らがいてくれると思うだけで心強いよ」
── 人は時には戦い、時には支えあって生きていくのよね。
自分は1人だと思ってても、誰かが心をこめて作った作物を食べてる。誰かが精一杯の気持ちで作った家に住んでるし。それを食べてくれる、住んでくれる事を喜んでる人がいたら1人にはなれないよね。
うん、もう悩むのやめた。巻き込まないなんて一緒にいる限りは絶対に無理だしね。
皆の笑顔を見てフェリシアが決意を新たにした時
ガラッ────
「アーベル様!マルクス様!ケント様!」
『野生のヒロインが現れた!』とフェリシアはBGMつきで思った。
アーベル達は後ろをとられた(実際は正面)!
── どうしてもネタになっちゃう!黒いのが悪い!
フェリシアは開き直った。
件の3人は怒り・困惑し・怯えているが、ヨンナはそれに気付いてはいない。
「あっあの、この間は助けて下さってありがとうございましたっ!」
「「「「「「「????」」」」」」
── まさか、ヨンナさんはシナリオ通りに進めようとしてる?
それにしても無理矢理すぎるでしょ!
マルクスとケントはその場にいなかったし・・・。
「この間って、君が失礼な発言をした事かな?」
「そうですうー。あたしとっても困ってたんですうー」
「僕とケントはいなかったけどね」
「心の支えになってくださいましたからあ」
「・・・(こっちを見ないでほしいのだが)」
手を前で組んで顔を赤くしながら言うヨンナの様子(フェリシアには見えていないが)を見て、事情を知らない者達も『こいつヤバい奴だ』と目配せしあっていた。
その空気を壊したのはクリスティーナ。
「ねぇ、そこの不敬を連発してるあなたぁ。私はぁアーベル達の友達だけどぉ、あなたの事なんて知らないのよねぇ?どこでお知り合いになったのぉ?フェリは知ってるぅ?(訳:あなた失礼すぎるわよ。長く友人やってるけどこんなの見た事ないわよ?あなた達、いつから知り合いなの?フェリ、この子のセリフはゲームにあるの?)」
「私は会った事ないね」
「僕もだよ、いつも兄上や君達といたのにこっそり知り合えるわけないよね?」
「俺はフェリシア様以外の女性と話すつもりはありませんから」
「話さないじゃなく、話せないだろ」
「わたしも昨日初めて会ったし」
「クリスはまほガク2の悪役令嬢なんだから黙っててよ!」
ヨンナの存在を忘れたかのように話す6人に痺れを切らしたヨンナが叫んだ。
── まほガク2!?続編なんてあったの!?校長先生!聞いてないよー!
── あの子の姿が見えないのはきつい・・・ゲームのスチルは覚えてるけどあれと同じとは限らないし。
目と口だけで判断できるのは表情位で、どういう格好をしているか、どういう髪型をしているかも分からないのは不利だよ。
「どうしたのぉ?」
「お前がそんな顔してるからアーベルがやばいんだが」
「そんな顔ってどんな顔?わたしはいつもこの顔なんですけどー?」
「難しい顔をしているよ。今日の精霊召喚が不安なのかな?大丈夫、私がついてるからフェリシアは安心して」
それぞれにそう言われて、フェリシアは自分が難しい顔をしている事に気付き、慌てて笑顔を作った。
「精霊召喚楽しみよね。やっとこの封じの腕輪を外せるし!」
この世界には精霊に愛される者が多いが、その分それを利用しようとする者達も多く存在する。
だから、魔法学園高等部でのみ召喚できるようにしてあり、入学できなかった者は封じの腕輪を一生つけて生活する事になる。
「でもぉ、召喚できない人の方が多いわよねぇ」
「校長の言う通り、召喚できたらラッキー程度に考えるべきだな。自分も母方の獣人性の方が強いから精霊召喚は期待されてないぞ」
『召喚できないから自分は精霊に嫌われていると考えるのは愚の骨頂じゃ。
召喚には魔力の多さや運も関係するのじゃ、だから召喚できなかった者は自分には必要なかったと思うておればよいのじゃ』と、リースベットは入学式で生徒達に伝えていた。
実際に、精霊を必要としない種族もいる。
獣人・竜人・魔族の一部は、その身の強さの為に精霊を召喚できる者は全体の1%にも満たない。
そのせいでブローム国内では出来損ないの姫と呼ばれ避けられているにも関わらず、エステルは豪快に笑う。
「そうだね、僕らは幼馴染で戦友、それにライバルでもある。このクラスの皆もクラスメイトであり友人でありライバルだよね。こんな良い仲間を得られるのは幸せな事だね。ああ、もちろんフェリシアにはそれ以上の愛があるけど」
最後の言葉は必要?と思いながらも、同じ事を考えていたフェリシアとクリスは顔を見合わせて微笑みあった。
「僕達もいるしね!エステル嬢は兄上の次にかっこいいし!あ、見た目は可愛いよ!中身がかっこいいんだよ!」
「俺もエステル嬢には学ぶ事が多いですよ」
笑顔で言うマルクス、目線は合わせられなくても、そう思えるようになるまでの事を想像したケントは言う。
そして、頬を赤くしながら頷き、優しい目でこちらを見つめるクラスメイト達もいる。
「エステル、わたしは何があってもエステルの親友だからね。この席は誰にも渡さないから!」
「わたくしもですわぁ。いつまでも3人」
「ははは、そうだな。お前らがいてくれると思うだけで心強いよ」
── 人は時には戦い、時には支えあって生きていくのよね。
自分は1人だと思ってても、誰かが心をこめて作った作物を食べてる。誰かが精一杯の気持ちで作った家に住んでるし。それを食べてくれる、住んでくれる事を喜んでる人がいたら1人にはなれないよね。
うん、もう悩むのやめた。巻き込まないなんて一緒にいる限りは絶対に無理だしね。
皆の笑顔を見てフェリシアが決意を新たにした時
ガラッ────
「アーベル様!マルクス様!ケント様!」
『野生のヒロインが現れた!』とフェリシアはBGMつきで思った。
アーベル達は後ろをとられた(実際は正面)!
── どうしてもネタになっちゃう!黒いのが悪い!
フェリシアは開き直った。
件の3人は怒り・困惑し・怯えているが、ヨンナはそれに気付いてはいない。
「あっあの、この間は助けて下さってありがとうございましたっ!」
「「「「「「「????」」」」」」
── まさか、ヨンナさんはシナリオ通りに進めようとしてる?
それにしても無理矢理すぎるでしょ!
マルクスとケントはその場にいなかったし・・・。
「この間って、君が失礼な発言をした事かな?」
「そうですうー。あたしとっても困ってたんですうー」
「僕とケントはいなかったけどね」
「心の支えになってくださいましたからあ」
「・・・(こっちを見ないでほしいのだが)」
手を前で組んで顔を赤くしながら言うヨンナの様子(フェリシアには見えていないが)を見て、事情を知らない者達も『こいつヤバい奴だ』と目配せしあっていた。
その空気を壊したのはクリスティーナ。
「ねぇ、そこの不敬を連発してるあなたぁ。私はぁアーベル達の友達だけどぉ、あなたの事なんて知らないのよねぇ?どこでお知り合いになったのぉ?フェリは知ってるぅ?(訳:あなた失礼すぎるわよ。長く友人やってるけどこんなの見た事ないわよ?あなた達、いつから知り合いなの?フェリ、この子のセリフはゲームにあるの?)」
「私は会った事ないね」
「僕もだよ、いつも兄上や君達といたのにこっそり知り合えるわけないよね?」
「俺はフェリシア様以外の女性と話すつもりはありませんから」
「話さないじゃなく、話せないだろ」
「わたしも昨日初めて会ったし」
「クリスはまほガク2の悪役令嬢なんだから黙っててよ!」
ヨンナの存在を忘れたかのように話す6人に痺れを切らしたヨンナが叫んだ。
── まほガク2!?続編なんてあったの!?校長先生!聞いてないよー!
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