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本編 表側
聖教会への訪問
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聖教会の本部につくと、名前と用件を記入し、順番がくるまで、ひたすら待つ。前に数十名いたので、もしかしたら今日中には無理かもしれない。あまり、寄付していない平民は後回しにされる事が多い。とりあえず、宿を取りに行くために待合室を出る。
平民専用の宿に泊まるため、ホテルへ向かうと生憎一部屋しか空いていない。アーリオが気を遣って野宿しようとするのを引き留めて、一緒に泊まるよう説得する。
泊まる所は確保したので、もう一度、本部を覗いてみると、案の定、順番は明日の午後になるそうだ。
「とにかく、腹ごしらえだな。」
食堂に行くと、宿屋がいっぱいの割に人は少なかった。
「意外と少ないね。」
「ん?ああ、そうだな。さっき、悪かった。」
アーリオから謝られる覚えはない。どちらかというとこちらが謝らないといけないのに。
「お前の問題なのに、何かあの王子にお前を取られたくなくて。」
顔が真っ赤になっている。びっくりしてじっとみていると、アーリオは恥ずかしそうに顔を背けた。
「謝るのはこっちだよ。あれでアーリオも目をつけられちゃった。ごめんなさい。でも、助けてくれてありがとう。」
あの時ほど、一人でなくてよかったと思ったことはない。アーリオがいてくれて、良かった。
アーリオはエミリアの頭をポンポンと軽く叩いて、溜め息をついた。
「まあ、とにかく明日までの辛抱だ。王子の勘違いだって、すぐにわかるよ。」
「そうだよね。すぐ、笑い話になるよね。」
あの変な王子に付き纏われるのも、明日までの辛抱だ。聖女ではないと知ればもう大丈夫だろう。エミリアが聖女でないことは疑いようもないのだから。
話しながら、しっかりご飯を食べて、体力をつけておく。明日は長い1日になるだろうから。
食べ終えて、宿に帰ると、急に我にかえる二人。ベッドは一つだけだ。半分ずつ背中越しで寝ようとするが、全く眠れない。近くに好きな人が寝ていて、触れようとしなくても、ベッドが狭くて触れ合ってしまう。
ドキドキしすぎて、心臓に悪い。体は疲れているのに、眠くならない。
ふう、と溜め息をついた途端、後ろから抱きしめられる。体が強張るが、アーリオの寝息が頭上から聞こえてきて、どうやらエミリアは抱き枕に就任したらしい。
やっぱり疲れていたのだと、エミリアは申し訳なく思った。だから、起こさないように、大人しく抱き枕としての仕事を全うする。
アーリオにドキドキしながらも、目を閉じると、人肌の温かさに徐々に眠気に包みこまれていった。
平民専用の宿に泊まるため、ホテルへ向かうと生憎一部屋しか空いていない。アーリオが気を遣って野宿しようとするのを引き留めて、一緒に泊まるよう説得する。
泊まる所は確保したので、もう一度、本部を覗いてみると、案の定、順番は明日の午後になるそうだ。
「とにかく、腹ごしらえだな。」
食堂に行くと、宿屋がいっぱいの割に人は少なかった。
「意外と少ないね。」
「ん?ああ、そうだな。さっき、悪かった。」
アーリオから謝られる覚えはない。どちらかというとこちらが謝らないといけないのに。
「お前の問題なのに、何かあの王子にお前を取られたくなくて。」
顔が真っ赤になっている。びっくりしてじっとみていると、アーリオは恥ずかしそうに顔を背けた。
「謝るのはこっちだよ。あれでアーリオも目をつけられちゃった。ごめんなさい。でも、助けてくれてありがとう。」
あの時ほど、一人でなくてよかったと思ったことはない。アーリオがいてくれて、良かった。
アーリオはエミリアの頭をポンポンと軽く叩いて、溜め息をついた。
「まあ、とにかく明日までの辛抱だ。王子の勘違いだって、すぐにわかるよ。」
「そうだよね。すぐ、笑い話になるよね。」
あの変な王子に付き纏われるのも、明日までの辛抱だ。聖女ではないと知ればもう大丈夫だろう。エミリアが聖女でないことは疑いようもないのだから。
話しながら、しっかりご飯を食べて、体力をつけておく。明日は長い1日になるだろうから。
食べ終えて、宿に帰ると、急に我にかえる二人。ベッドは一つだけだ。半分ずつ背中越しで寝ようとするが、全く眠れない。近くに好きな人が寝ていて、触れようとしなくても、ベッドが狭くて触れ合ってしまう。
ドキドキしすぎて、心臓に悪い。体は疲れているのに、眠くならない。
ふう、と溜め息をついた途端、後ろから抱きしめられる。体が強張るが、アーリオの寝息が頭上から聞こえてきて、どうやらエミリアは抱き枕に就任したらしい。
やっぱり疲れていたのだと、エミリアは申し訳なく思った。だから、起こさないように、大人しく抱き枕としての仕事を全うする。
アーリオにドキドキしながらも、目を閉じると、人肌の温かさに徐々に眠気に包みこまれていった。
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