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懺悔編
ある神官
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平民の女性が、自分に聖魔法の力がないことを証明してほしい、と訪ねてきた。平民に聖魔法どころか、魔力さえ備わっていないことは明白なのに、何を言っているのかと初めは呆れた。
だが、話を聞くにつれ、これは私だけでは判断しかねるため、明日の午後、と指定し、司祭様に対応を、お願いすることにした。
司祭様は、隣国の聖女にお会いしたことがあり、水晶で魔力を確かめることができるこの国では唯一の人だ。聖女が水晶に触ろうとすると、実際に触れなくても、水晶が光り、聖女であると、示されると言う。
私は実物を見たことはなかったが、人生で一度は立ち合いたい瞬間と言えよう。
とはいえ、こちらの平民が、聖女であるとは俄かに信じられず、期待するのは良くないことだ、と半ば諦めるよう自分に言い聞かせた。
司祭様に伝えるときに、自分もぜひ立ち合いたいと一言添えると、司祭様からは了承の返事があった。
もしかしたら、念願が叶うのでは?
王家に一矢報いることができるのでは?
今思えば欲に目が眩んだのです。あんなにわかりやすい違いを見逃したのですから。彼女の怯えが手に取るようにわかりました。だからこそ、真実なのだと錯覚してしまいました。
確かに彼女は触りませんでした。光っていたのも、照明が眩しかったからで、水晶そのものから発した光ではありませんでした。
今ならどんな詐欺にも簡単に引っかかるでしょう。現に今引っかかったのです。自分の過ちが人目に晒されることに怯えた愚かな女性に。
私たちが騒いで聖女様を取り囲もうとしている中、司祭様だけは首を捻るようなしぐさをされていて、何かを、気にされているようでした。
前の聖女との判定の仕方が違うから、でしたがそんなことは些細なことではないですか?私は未だに興奮冷めやらぬ、と言った状態でした。
数多くいる神官の中で、司祭になれる人物はそう多くはありません。あの偉そうな王族でさえ、司祭様を蔑ろにはできないのです。司祭様は限りなく神に近い聖人であり、特にこの国では王と並ぶ存在とされています。今聖女がいないのは、王が聖女を崇めないからです。不信心だからです。
王族を従えるのは、聖女を手に入れた聖教会の司祭様です。聖女は、聖教会のために働くべきなのです。平民であっても関係ありません。むしろ、平民なら身分を盾に、従属を命じるべきです。あの方が真の聖女かなんて、この際どうでも良いではありませんか。聖女と言う存在があるだけで、地位は確約されるのです。
あの方を逃がす、ですか?あり得ません。
王族より早く私たちが手に入れるのです。聖女は、渡しません。見つけたら鎖で繋ぎますか。もう逃げ出せないように。
だが、話を聞くにつれ、これは私だけでは判断しかねるため、明日の午後、と指定し、司祭様に対応を、お願いすることにした。
司祭様は、隣国の聖女にお会いしたことがあり、水晶で魔力を確かめることができるこの国では唯一の人だ。聖女が水晶に触ろうとすると、実際に触れなくても、水晶が光り、聖女であると、示されると言う。
私は実物を見たことはなかったが、人生で一度は立ち合いたい瞬間と言えよう。
とはいえ、こちらの平民が、聖女であるとは俄かに信じられず、期待するのは良くないことだ、と半ば諦めるよう自分に言い聞かせた。
司祭様に伝えるときに、自分もぜひ立ち合いたいと一言添えると、司祭様からは了承の返事があった。
もしかしたら、念願が叶うのでは?
王家に一矢報いることができるのでは?
今思えば欲に目が眩んだのです。あんなにわかりやすい違いを見逃したのですから。彼女の怯えが手に取るようにわかりました。だからこそ、真実なのだと錯覚してしまいました。
確かに彼女は触りませんでした。光っていたのも、照明が眩しかったからで、水晶そのものから発した光ではありませんでした。
今ならどんな詐欺にも簡単に引っかかるでしょう。現に今引っかかったのです。自分の過ちが人目に晒されることに怯えた愚かな女性に。
私たちが騒いで聖女様を取り囲もうとしている中、司祭様だけは首を捻るようなしぐさをされていて、何かを、気にされているようでした。
前の聖女との判定の仕方が違うから、でしたがそんなことは些細なことではないですか?私は未だに興奮冷めやらぬ、と言った状態でした。
数多くいる神官の中で、司祭になれる人物はそう多くはありません。あの偉そうな王族でさえ、司祭様を蔑ろにはできないのです。司祭様は限りなく神に近い聖人であり、特にこの国では王と並ぶ存在とされています。今聖女がいないのは、王が聖女を崇めないからです。不信心だからです。
王族を従えるのは、聖女を手に入れた聖教会の司祭様です。聖女は、聖教会のために働くべきなのです。平民であっても関係ありません。むしろ、平民なら身分を盾に、従属を命じるべきです。あの方が真の聖女かなんて、この際どうでも良いではありませんか。聖女と言う存在があるだけで、地位は確約されるのです。
あの方を逃がす、ですか?あり得ません。
王族より早く私たちが手に入れるのです。聖女は、渡しません。見つけたら鎖で繋ぎますか。もう逃げ出せないように。
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