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王子 裏側
人でなくなる
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頭が割れるように痛い。いや、どこもかしこも痛いと言うのか。自由に体が動かせない。なんとなく、思い当たることがあるにはあるが、嫌だ、思い出したくない。まさか、あんな所に、魔物が潜んでいるとは思わないではないか。どうやら、一命はとりとめたらしい。さっきから奴らは俺だけを小脇に抱えて、移動している。
どこに行くつもりなのか。そこで、俺は殺されるのか。何故処分しないのか、わからない。ただ、身体の状態から、もう長くはないことはわかる。いっそ、ころしてくれ、と叫びたい。だが、多分喉も潰されていて、あー、とかうーとかそれしか、話せない。
騎士団は一撃で、大破した。村人は、あんな風に襲われたのだろうか。あの聖女を捕まえていたら、俺は助かっていたのだろう。血が流れすぎて、意識が遠くなる。次起きた時には、天国にいけるに違いない。クソッ、どうしてこんなことに。何が間違ったと言うのだ。
ふと、予想もしないことが起きる。人の気配がする。助けを呼ぼうにも、鷲掴みされたままでは、身体が痛くて動けない。
首を動かす事もできない今、近くにいる人間が視界に入ってくれないと何もできない。考えがうまくまとまらない。ここにいる人間を予想する。
逃げた女は、もう逃げ延びているだろう、あの男と共に。だから、違う。第一王子と王が、尾けてきた?俺がやられたら大喜びしそうだから、わざわざ追いかけてこない。あとは、司祭か。彼は教会に関係している人間だし、はっきり黒か白かわからないから、あり得る。最後に、実験部隊がずっといる可能性はあるか?証拠も消して早く帰りたいはず。残っている奴らがいたとしたら、新しい実験に使う身体を回収するため?あの場に残された失敗作には子どものものもあったが、成人男性も中にはいたような…?
これは、まさに危険なのではないか。私自身が人間を捨てなければ生きられない事態に陥るなんて思っても見なかった。
心を見透かしたかのように、目の端に映り込んだ人間の格好を見て、事態を悟る。わかりやすくエサをちらつかせ、まんまと誘き出されたのだと知る。今更知ったところで、どうにもできない。俺はここで死ぬ。そして、俺の意志など関係ないところで、復活するのだろう。第二王子の身体こそを欲していたのだから。この男達は。
もう意識が混濁した身体に、話しかけている。返事すらできない。自分が人間でなくなり、生き延びたとしても、それはもう自分ではない。ただの傀儡だ。
どこに行くつもりなのか。そこで、俺は殺されるのか。何故処分しないのか、わからない。ただ、身体の状態から、もう長くはないことはわかる。いっそ、ころしてくれ、と叫びたい。だが、多分喉も潰されていて、あー、とかうーとかそれしか、話せない。
騎士団は一撃で、大破した。村人は、あんな風に襲われたのだろうか。あの聖女を捕まえていたら、俺は助かっていたのだろう。血が流れすぎて、意識が遠くなる。次起きた時には、天国にいけるに違いない。クソッ、どうしてこんなことに。何が間違ったと言うのだ。
ふと、予想もしないことが起きる。人の気配がする。助けを呼ぼうにも、鷲掴みされたままでは、身体が痛くて動けない。
首を動かす事もできない今、近くにいる人間が視界に入ってくれないと何もできない。考えがうまくまとまらない。ここにいる人間を予想する。
逃げた女は、もう逃げ延びているだろう、あの男と共に。だから、違う。第一王子と王が、尾けてきた?俺がやられたら大喜びしそうだから、わざわざ追いかけてこない。あとは、司祭か。彼は教会に関係している人間だし、はっきり黒か白かわからないから、あり得る。最後に、実験部隊がずっといる可能性はあるか?証拠も消して早く帰りたいはず。残っている奴らがいたとしたら、新しい実験に使う身体を回収するため?あの場に残された失敗作には子どものものもあったが、成人男性も中にはいたような…?
これは、まさに危険なのではないか。私自身が人間を捨てなければ生きられない事態に陥るなんて思っても見なかった。
心を見透かしたかのように、目の端に映り込んだ人間の格好を見て、事態を悟る。わかりやすくエサをちらつかせ、まんまと誘き出されたのだと知る。今更知ったところで、どうにもできない。俺はここで死ぬ。そして、俺の意志など関係ないところで、復活するのだろう。第二王子の身体こそを欲していたのだから。この男達は。
もう意識が混濁した身体に、話しかけている。返事すらできない。自分が人間でなくなり、生き延びたとしても、それはもう自分ではない。ただの傀儡だ。
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