美少年は男嫌い

mios

文字の大きさ
上 下
10 / 38

お泊り(隼人)

しおりを挟む
お風呂で寝てしまうことなく、無事風呂から出ると、大澤君は、ウトウトしていた。

お腹いっぱいだったしな。
タオルケットをかけてやる。

16歳らしい、可愛らしい顔でくるんと横になった。
キッチンで水を飲む。
何も聞いていないけれど、明日で帰ることもないよな。

明日でいいか。

聞きたいことはたくさんあった。何故帰れないのか。何があったのか。家族との関わり…は、俺も聞かれたくないか。


眠るには少し早い。
明日のお弁当と朝ご飯の準備をしておく。料理は割と得意な方だ。下ごしらえの有無が美味しさを左右する。普段ならしないことだが、明日の大澤君の笑顔に繋がるのなら、やる価値はある。

ベッドの横にうずくまって眠ってしまった大澤君を持ち上げて、ベッドに下ろす。布団をかけ直す。

「おやすみ」
電気を消す。

襖をしめて、こちらの部屋の電気をつける。家計簿をつけて、時計を見ると、いつもよりは早いものの、いい時間だった。

電気を消して、寝室にいくと、大澤君がうなされていた。汗が凄い。
起こした方が良さそうだ。

「大丈夫か?」
ゆさゆさと体を揺さぶるが起きない。
何の夢か考えるまでもない。
おわりのない悪夢。

「おーい。おーさわくーん。」
もう一度揺さぶると、ようやく目を覚まし、暗闇にいる男に怯えた。

とっさに電気をつける。

相手の顔がわかったら、今度は泣きそうな顔になった。気がつくと抱きしめていた。背中を撫でる。大丈夫大丈夫、と繰り返し、言いながら。

大澤君は俺の首に抱きついて泣いているみたいだった。顔を見ない方がいいだろうと、抱きしめつつ、頭と、背中をなでていた。

一つしか離れていないけど、手のかかる息子のようだな、と思う。俺の息子ならこんなに酷い目に遭わさないのに。

散々泣いたら泣いたで、彼は安心したのか俺に張り付いたまま寝てしまった。
剥がそうとするが剥がれず、また起こすのも可哀想なので、そのまま寝た。

人肌は安心するのか、うなされることはなかった。

まあ、でも驚くのは朝だよね。

目が覚めたのは大澤君の方が少し早かった。彼は男に欲情されるのが嫌だって言ってたのに、朝起きたとき、俺に抱きつかれていた。目覚めた時は焦った。

「ごめん」手を引っ込めて体を離す。
「こちらこそ」そう言いながら、股間に目をやる。
「これは…朝だからだよ。お前もだろ」
「男の子ですから。」と笑う。

「隼人さん、僕に欲情しないでくれてありがとうございました。」
「当たり前だろ。」
朝ごはんの準備を、と立ち上がったとき、彼に腕を掴まれる。

気づけば、彼の顔が目の前にあった。

しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

悪役令息は犬猿の仲の騎士団長に溺愛される。

BL / 連載中 24h.ポイント:1,889pt お気に入り:627

ドスケベ団地妻♂に食われる初心な宅配員くんの話

BL / 完結 24h.ポイント:775pt お気に入り:36

少年は虎の尻を商品として堪能する

BL / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:29

男はもどかしい腰振りで愛しき少年の本当を暴く

BL / 完結 24h.ポイント:63pt お気に入り:3

見ててブリギッテ ~悪女のクローゼット~

恋愛 / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:13

短編集

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:6

商品にされた刑事は壁の両側で嬲られる

BL / 完結 24h.ポイント:28pt お気に入り:49

【完】♡系女装男子によるメス化調教

BL / 完結 24h.ポイント:468pt お気に入り:55

社畜くんの甘々癒やされ極上アクメ♡

BL / 完結 24h.ポイント:369pt お気に入り:89

処理中です...