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お泊り(隼人)
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お風呂で寝てしまうことなく、無事風呂から出ると、大澤君は、ウトウトしていた。
お腹いっぱいだったしな。
タオルケットをかけてやる。
16歳らしい、可愛らしい顔でくるんと横になった。
キッチンで水を飲む。
何も聞いていないけれど、明日で帰ることもないよな。
明日でいいか。
聞きたいことはたくさんあった。何故帰れないのか。何があったのか。家族との関わり…は、俺も聞かれたくないか。
眠るには少し早い。
明日のお弁当と朝ご飯の準備をしておく。料理は割と得意な方だ。下ごしらえの有無が美味しさを左右する。普段ならしないことだが、明日の大澤君の笑顔に繋がるのなら、やる価値はある。
ベッドの横にうずくまって眠ってしまった大澤君を持ち上げて、ベッドに下ろす。布団をかけ直す。
「おやすみ」
電気を消す。
襖をしめて、こちらの部屋の電気をつける。家計簿をつけて、時計を見ると、いつもよりは早いものの、いい時間だった。
電気を消して、寝室にいくと、大澤君がうなされていた。汗が凄い。
起こした方が良さそうだ。
「大丈夫か?」
ゆさゆさと体を揺さぶるが起きない。
何の夢か考えるまでもない。
おわりのない悪夢。
「おーい。おーさわくーん。」
もう一度揺さぶると、ようやく目を覚まし、暗闇にいる男に怯えた。
とっさに電気をつける。
相手の顔がわかったら、今度は泣きそうな顔になった。気がつくと抱きしめていた。背中を撫でる。大丈夫大丈夫、と繰り返し、言いながら。
大澤君は俺の首に抱きついて泣いているみたいだった。顔を見ない方がいいだろうと、抱きしめつつ、頭と、背中をなでていた。
一つしか離れていないけど、手のかかる息子のようだな、と思う。俺の息子ならこんなに酷い目に遭わさないのに。
散々泣いたら泣いたで、彼は安心したのか俺に張り付いたまま寝てしまった。
剥がそうとするが剥がれず、また起こすのも可哀想なので、そのまま寝た。
人肌は安心するのか、うなされることはなかった。
まあ、でも驚くのは朝だよね。
目が覚めたのは大澤君の方が少し早かった。彼は男に欲情されるのが嫌だって言ってたのに、朝起きたとき、俺に抱きつかれていた。目覚めた時は焦った。
「ごめん」手を引っ込めて体を離す。
「こちらこそ」そう言いながら、股間に目をやる。
「これは…朝だからだよ。お前もだろ」
「男の子ですから。」と笑う。
「隼人さん、僕に欲情しないでくれてありがとうございました。」
「当たり前だろ。」
朝ごはんの準備を、と立ち上がったとき、彼に腕を掴まれる。
気づけば、彼の顔が目の前にあった。
お腹いっぱいだったしな。
タオルケットをかけてやる。
16歳らしい、可愛らしい顔でくるんと横になった。
キッチンで水を飲む。
何も聞いていないけれど、明日で帰ることもないよな。
明日でいいか。
聞きたいことはたくさんあった。何故帰れないのか。何があったのか。家族との関わり…は、俺も聞かれたくないか。
眠るには少し早い。
明日のお弁当と朝ご飯の準備をしておく。料理は割と得意な方だ。下ごしらえの有無が美味しさを左右する。普段ならしないことだが、明日の大澤君の笑顔に繋がるのなら、やる価値はある。
ベッドの横にうずくまって眠ってしまった大澤君を持ち上げて、ベッドに下ろす。布団をかけ直す。
「おやすみ」
電気を消す。
襖をしめて、こちらの部屋の電気をつける。家計簿をつけて、時計を見ると、いつもよりは早いものの、いい時間だった。
電気を消して、寝室にいくと、大澤君がうなされていた。汗が凄い。
起こした方が良さそうだ。
「大丈夫か?」
ゆさゆさと体を揺さぶるが起きない。
何の夢か考えるまでもない。
おわりのない悪夢。
「おーい。おーさわくーん。」
もう一度揺さぶると、ようやく目を覚まし、暗闇にいる男に怯えた。
とっさに電気をつける。
相手の顔がわかったら、今度は泣きそうな顔になった。気がつくと抱きしめていた。背中を撫でる。大丈夫大丈夫、と繰り返し、言いながら。
大澤君は俺の首に抱きついて泣いているみたいだった。顔を見ない方がいいだろうと、抱きしめつつ、頭と、背中をなでていた。
一つしか離れていないけど、手のかかる息子のようだな、と思う。俺の息子ならこんなに酷い目に遭わさないのに。
散々泣いたら泣いたで、彼は安心したのか俺に張り付いたまま寝てしまった。
剥がそうとするが剥がれず、また起こすのも可哀想なので、そのまま寝た。
人肌は安心するのか、うなされることはなかった。
まあ、でも驚くのは朝だよね。
目が覚めたのは大澤君の方が少し早かった。彼は男に欲情されるのが嫌だって言ってたのに、朝起きたとき、俺に抱きつかれていた。目覚めた時は焦った。
「ごめん」手を引っ込めて体を離す。
「こちらこそ」そう言いながら、股間に目をやる。
「これは…朝だからだよ。お前もだろ」
「男の子ですから。」と笑う。
「隼人さん、僕に欲情しないでくれてありがとうございました。」
「当たり前だろ。」
朝ごはんの準備を、と立ち上がったとき、彼に腕を掴まれる。
気づけば、彼の顔が目の前にあった。
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