13 / 35
特別な日
しおりを挟む
最後はきらびやかなスターマインで花火大会は終わった。
お客さんもそれぞれ帰るのを見て自分達も帰ろうと話していたらパールが、
「コンド花火、先生ト見タイ」
「先生って、どの?」
「ロボット先生デス!」
「そうねっ、良いかもっ!」
この綺麗な花火を一緒に観れたらと秋も賛成した。
「でもよう~、ロボット先生って学校から出られないじゃん」
「あ、う~ん」
高弘の言う通り確かにそうと悩んでいると、
「じゃあ······」
「何? 九美」
「今度の8月5日に花火大会あるから、学校で観るのどうかな?」
「ミエルノ?」
「うん」
「九美ナイスッ、じゃあ今度はそうしよっ」
スマホで調べてくれた九美の助言により皆で8月5日に学校で集まることにして解散した。
――8月5日、幸運なことに今日も快晴だった。なので夕方の6時半ロボット先生はいつも通り掃き掃除や学校の見回りをしていた時に、
「ロボットせ~ん生」
「おやっ、皆さんどうしましたお揃いで」
秋、高弘、パール、そして九美が集まりなぜ来たのか分からないと不思議そうな顔をするロボット先生。
「ロボット先生、あたし達ロボット先生と一緒に花火観に来たんです」
「来マシタ」
「パールさんが言ってさっ」
「そうですか」
「ロボット先生イツモ1人デ寂シイカラ、ダカラ皆デ入レバ、寂シクナイデスッ!」
片言だけれども伝えようとするパールの気持ちを感じて笑顔で先生は、
「皆ありがとうございます。では、一緒に観ましょうか」
箒をかたずけ皆で花火が上がるのを学校の入り口の階段で座りながら待つ。
その間に九美は、
「ロボット先生」
「何ですか? 九美さん」
「いつも、1人で寂しくないんですか?」
その問いかけに3人も気になった。
「私はAiなので全然寂しくないですよ」
「······そうなんですか」
その答えに秋と高弘が少し驚き、九美はなぜかちょっとだけ悲しい気持ちになる。でもパールだけは、
「先生ウソ、ダメ」
そう言うとロボット先生はデジタルな眉を下げ、
「すいません、嘘つきました」
「えっ、嘘?」九美はつい低い声が出てしまう。ちょっとおふざけな先生は夜空を観ながら語った。
「実は半分本当でして、私が学校に来たばかりの時は本当に寂しくはなかったんです。しかし生徒の皆と普通にお喋りしたり、悩みを聞いていたりしていたら、夏休みに1人でお仕事をしていると、寂しいと感じている気がします」
「そうなんだ」
「ロボット先生ニハ、ワタシタチ居ル」
その言葉に三人も照れながら頷き、
「皆ありがとうございます」
四人に感謝しながら笑顔で丁寧に言葉を返した。
皆が話し合っていると他の生徒の姿も、そして待ちに待った夜に花火が上がる。
赤や青の花火が鳴り、
「先生どお? 花火って綺麗でしょ」
秋はロボット先生に聞いてみたかった。
「そうですね~、なぜか神秘的な物を感じる気がします。どうしてですかね、不思議ですね~」
「そんな事考えたこともなかったけど······不思議」
あらためて花火を見上げた九美。
「綺麗だから良いじゃん」
「不思議デ、キレイッ!」
「うん、綺麗ー」
このあとも花火は次々鳴り、他の生徒もロボット先生と話したりなど彼等にとって特別な日となる。
ロボット先生はそっと胸に右手を当てロボットである自身の中に暖かい何かを感じ、それはとても気持ちのいい幸せな1日だった······。
お客さんもそれぞれ帰るのを見て自分達も帰ろうと話していたらパールが、
「コンド花火、先生ト見タイ」
「先生って、どの?」
「ロボット先生デス!」
「そうねっ、良いかもっ!」
この綺麗な花火を一緒に観れたらと秋も賛成した。
「でもよう~、ロボット先生って学校から出られないじゃん」
「あ、う~ん」
高弘の言う通り確かにそうと悩んでいると、
「じゃあ······」
「何? 九美」
「今度の8月5日に花火大会あるから、学校で観るのどうかな?」
「ミエルノ?」
「うん」
「九美ナイスッ、じゃあ今度はそうしよっ」
スマホで調べてくれた九美の助言により皆で8月5日に学校で集まることにして解散した。
――8月5日、幸運なことに今日も快晴だった。なので夕方の6時半ロボット先生はいつも通り掃き掃除や学校の見回りをしていた時に、
「ロボットせ~ん生」
「おやっ、皆さんどうしましたお揃いで」
秋、高弘、パール、そして九美が集まりなぜ来たのか分からないと不思議そうな顔をするロボット先生。
「ロボット先生、あたし達ロボット先生と一緒に花火観に来たんです」
「来マシタ」
「パールさんが言ってさっ」
「そうですか」
「ロボット先生イツモ1人デ寂シイカラ、ダカラ皆デ入レバ、寂シクナイデスッ!」
片言だけれども伝えようとするパールの気持ちを感じて笑顔で先生は、
「皆ありがとうございます。では、一緒に観ましょうか」
箒をかたずけ皆で花火が上がるのを学校の入り口の階段で座りながら待つ。
その間に九美は、
「ロボット先生」
「何ですか? 九美さん」
「いつも、1人で寂しくないんですか?」
その問いかけに3人も気になった。
「私はAiなので全然寂しくないですよ」
「······そうなんですか」
その答えに秋と高弘が少し驚き、九美はなぜかちょっとだけ悲しい気持ちになる。でもパールだけは、
「先生ウソ、ダメ」
そう言うとロボット先生はデジタルな眉を下げ、
「すいません、嘘つきました」
「えっ、嘘?」九美はつい低い声が出てしまう。ちょっとおふざけな先生は夜空を観ながら語った。
「実は半分本当でして、私が学校に来たばかりの時は本当に寂しくはなかったんです。しかし生徒の皆と普通にお喋りしたり、悩みを聞いていたりしていたら、夏休みに1人でお仕事をしていると、寂しいと感じている気がします」
「そうなんだ」
「ロボット先生ニハ、ワタシタチ居ル」
その言葉に三人も照れながら頷き、
「皆ありがとうございます」
四人に感謝しながら笑顔で丁寧に言葉を返した。
皆が話し合っていると他の生徒の姿も、そして待ちに待った夜に花火が上がる。
赤や青の花火が鳴り、
「先生どお? 花火って綺麗でしょ」
秋はロボット先生に聞いてみたかった。
「そうですね~、なぜか神秘的な物を感じる気がします。どうしてですかね、不思議ですね~」
「そんな事考えたこともなかったけど······不思議」
あらためて花火を見上げた九美。
「綺麗だから良いじゃん」
「不思議デ、キレイッ!」
「うん、綺麗ー」
このあとも花火は次々鳴り、他の生徒もロボット先生と話したりなど彼等にとって特別な日となる。
ロボット先生はそっと胸に右手を当てロボットである自身の中に暖かい何かを感じ、それはとても気持ちのいい幸せな1日だった······。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる